世間を賑わせた「ゴーストライター問題」から約1年。
最近では、当のゴーストライターさんが、テレビのバラエティー番組でタレントとして活躍するなど、騒動は収束の一途をたどっている感があります。
ところで、一般に「○○ライター」と呼ばれる職業には、ゴーストライターの他にどんなものがあるかご存知ですか?
また、彼のように恵まれた音楽の才能はなくとも、「文章を書くほうの“ライター”なら自分にもできるかも……」と思われた方は少なくないのでは?
そこで、ここでは「好き!」をヒントに、「○○ライター」と呼ばれる代表的な職業をご紹介します。
目次
広告が好き!
コピーライター
企業に代わって、商品やサービスに関する広告のコピー(言葉の部分)を考え、書く仕事です。
テレビ、ラジオのCMから、新聞・雑誌・ポスターといった紙媒体、パンフレットやチラシといったSPツール類、商品のネーミングまで、広い領域をカバーします。
また仕上げるコピーも、1行のキャッチコピーから、比較的長めのボディーコピーまで実に多種多様です。
コメント
コピーライターというと「1行のキャッチコピーで100万円!」といった一攫千金なイメージがあるかもしれませんが、それはバブル時代のお話。
しかし、一部のフリーランスを除いては正社員として代理店や制作会社に所属している場合が多く、収入は比較的安定しています。
文章能力が高いに越したことはないのですが、それ以上に必要なのが柔軟な「発想力」。
その意味で、少しへそ曲がりな性格の人のほうが向いているかもしれません。
ドラマが好き!
シナリオライター
映画やドラマ、演劇などのストーリー展開を考え、脚本を仕上げるライターです。
シナリオ・脚本には、基本的なストーリーはもちろん、登場人物・舞台設定・セリフなど、作品の制作に必要なあらゆる要素が盛り込まれます。
俳優やスタッフは、それを基盤に作品を仕上げていくため、シナリオ・脚本はそのドラマがヒットするか否かを分ける極めて重要な要素になります。
コメント
そういえば『ゴーストライター』というタイトルのテレビドラマもありましたね。
なお、シナリオライターと脚本家は、ほぼ同一の職業として認識されているようです。
基本的には陰の存在ですが、売れっ子の脚本家の中には一般の知名度が高い方もいらっしゃいます。
また、ゲームのストーリーを考える「ゲームシナリオライター」という職業もあるようです。
ネットが好き!
webライター
ホームページ、ブログ、メルマガなど、web媒体に載せる文章を書くライターです。
ニュースサイトの記事、ネット広告の文章、ECサイトの商品説明文といったコンテンツを作成します。
一般的な文章作成能力に加えて、サイトへのアクセスを高めるためのSEOを考慮した適切なキーワード選びや魅力的な文章作成など、web媒体ならではのセンスとスキルも求められます。
コメント
スマートフォンの普及で、インターネットはますます身近になり、毎日の生活に欠かせない要素となっています。
そのため従来の紙媒体を中心に扱うライターに比べて、webライターは将来的な可能性を秘めた職業ともいえるでしょう。
「億単位のお金を稼いだ」という猛者や、若くして起業に成功したというような景気のいい話もチラホラ。
ニュースが好き!
ルポライター
社会的な問題や事件について現地で取材を行い、記事にまとめるライターです。
新聞社や出版社の依頼を受けて取材・執筆を行う場合もあれば、ルポライター自身の関心あるテーマで作成した記事を出版社などに持ち込むケースもあります。
世の中の事象に対する鋭敏な問題意識、綿密な取材を重ねる粘り強さ、客観的かつ読者の心に伝わる文章を仕上げるスキルが求められます。
コメント
ルポライターのルポは、現地報告・報告文などの意味があるフランス語「ルポルタージュ」が語源。
そのため元来は、“ありのままの事実を記録する”のがルポライターの仕事とされ、その点で、原稿に“ある種の主張や批判”を込めるジャーナリストとは異なる職種とされていたようですが、
現在ではその境界はだいぶ曖昧になっています。
メカが好き!
テクニカルライター
家電製品やパソコン、オーディオ機器などの取扱説明書・仕様書を作成するライターです。
新製品の開発担当者から製品の特徴や機能の説明を受け、マニュアル原稿を作ります。
文章で語るばかりではなく、掲載される説明図との関連も考慮し、ユーザーの視点に立ってマニュアル全体の「分かりやすさ」を追求する仕事です。
製品に関する知識や理解はもちろん、製品を初めて手にするユーザーのため、一読で理解できる内容に仕上げていく細やかな配慮やセンスが求められます。
コメント
機械関係が苦手な方は多いのではないでしょうか? 特に初めて触るメカに対しては、恐怖心さえ抱いてしまいますよね。
そんな時、分かりやすい取扱説明書が同梱されていると、本当に安心できるものです。
初心者がつまづきがちな問題を、まるで先回りしたかのように説明してくれていたりすると、「いい仕事してますねえ~」と感心してしまいます。
マニアックな「○○」が好き!
専門ライター
結局のところ、「この分野だけは誰にも負けない!」というような得意分野があれば、
どんなものでも職業になってしまうというところがあります。
その名称も、「(ジャンル)+ライター」といたってシンプルです。
(例)
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トラベル(旅行)ライター
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フード(グルメ)ライター
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音楽ライター
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芸能ライター
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金融ライター
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医療(メディカル)ライター
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美容ライター
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スポーツライター etc.
コメント
特定の肩書をもたず、様々なジャンルの仕事をこなすライターもいれば、このように究極の「好き!」を看板に掲げて活動するライターもいます。
ただ、オールジャンルで依頼を受けているようなライターにも、実際にはそれぞれ“得意のジャンル”があるはずで、
それが仕事をする上での彼らの「強み」になっていることを考えると、特定のジャンルに関する深い知識があるに越したことはないという気がしますね。
終わりに
ということで、「好き!」を切り口に様々な「○○ライター」を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
“好きこそ物の上手なれ”という言葉があるように、やはり「好き!」は、自分が就く職業を考える上で重要なポイントになるのだと改めて思いました。
ところで、ふと思ったのですが、“ジッポ”のようなライターの分野に詳しい専門ライターがいるとしたら、「ライターライター」という肩書になるんでしょうか?
きっと読者のハートに「火をつける」ような“熱い文章”を書いてくれるのではないかと思いますね。