薬

世の中には珍しいアルバイトがたくさんあります。耳にしたことはあるけれど、実態がよくわからない、でも、すごく興味があるというものはありませんか。

「治験」で報酬を得ると聞いたら、どんなイメージが浮かびますか?体を使うだけに、危険なのでは?といった心配もあるかもしれません。映画やドラマ、漫画に登場してきて目にしたことがあるけれど、実際に経験したという話をあまり聞いたことがないという人も多いかもしれません。

ちょっと謎に包まれた印象の「治験」について、ご紹介していきたいと思います。

治験とは?

図解でわかりやすく「治験」のしくみ、「治験」にまつわる情報が掲載されているサイトをまず最初にご紹介しておきます。最初にさらっと目を通していただくと、内容がわかりやすくなるので、ぜひ、チェックしてみてください。

製薬協

http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/tiken/

こちらで説明していた内容を簡単にまとめると「治験」とは新しい薬をヒトで試験することです。何気なく使用している薬も、長い時間をかけて研究開発をしています。培養栽培、動物などでさまざまなテストを繰り返して、その薬の有効性、そして安全性をチェックしていきます。

そのテストを通過して最終段階でヒトを対象に行う試験を「治験」というわけです。治験のバイトの内容は、一定の期間施設に宿泊し、定期的に新薬を摂取してさまざまな反応をチェックするということです。いわば、体を提供するわけです。

薬の効果をチェックするわけですから、特定の病気にかかっている患者さんを対象としたものももちろんあります。しかし、ここは副業としての治験バイトということなので、健康的な体の人が参加する治験についてご紹介していきたいと思います。

参加するには?

治験の目的がわかったところで、さっそく治験に参加する方法をまとめてみましょう。

  • ネットで会員登録をする(この時点では仮登録のような形)
  • 登録会&説明会に参加する(体を提供するので説明会は重要)
  • 治験の参加に応募する(ネットや電話で申し込む方法がメイン)
  • 健康診断を行う(健康体であればOK)
  • 健康診断の結果、合格であれば治験に参加する

ざっくりとした流れはこのようになっています。登録して、説明を聞き、内容をしっかり理解した上で、参加の意思を伝え、そしてメディカルチェックを受けます。健康である、治験を行うことのできる体であると判断されれば合格!というわけです。

おすすめサイトは?

まず気になるのは、どのサイトに登録するのかというところですよね。なんとなく謎のイメージがある「治験」ですから、安心のサイトに登録したいものです。おすすめはこちらになります。

医学ボランディアの会JCVN

http://www.jcvn.jp/a8/chiken.html

治験サイトの中でも最大手と言えます。“治験ボランティアサイト”という表現もなんだかちょっと安心なイメージがありませんか?ここで“稼げる!”なんて文字を見かけたら、ちょっと怪しいという気持ちになるものです。

大切な体を提供するわけですから、信頼度の高いサイトを選ぶことも大切です。実際に、治験サイトには怪しいサイトがあるのも事実です。

大手サイトで注意を促しているところもあるので、しっかりと見極めましょう。怪しいサイトを見極めるポイントは、入会金、年会費といった費用を請求してくるものです。基本的には、そのようなものはかからないと思っておきましょう。

CVS(クリニカルボランティアサポート)

http://c-vs.jp/interest.php?media=accesstrade

生活向上WEB

http://www.seikatsu-kojo.jp/

他にもいくつかありますが、この3つは大手で安心ですので、最初の登録はこの中から選ぶことをおすすめします。

治験の前の手続きを詳しく解説!

登録すると説明会が待っています。先ほどのサイトで登録をした段階では、「治験に興味がある」という意思表示を示したという感覚でいましょう。

説明会に参加して治験の安全性などを理解し、疑問点があればこの場で解決します。そして、説明を受けて、治験に参加しよう!と意思を固めたら、本登録という形になります。体を提供するわけですから、このくらい慎重になるのが当たり前です。

ここでもチェックされてる!

ここでチェックポイントです。説明会の内容もですが、説明会には“遅刻厳禁”です。当たり前のことのように感じますが、実はかなり重要視されます。

というのも、治験は施設に入って集団生活を送ることになります。時間が守れない人は、集団生活を乱す原因となります。また、治験では、的確なデータを必要とするため、時間やルールを守るということは、基本中の基本になるわけです。説明会の時点で、登録前にNGとチェックされている場合もあるので、気をつけてください。

応募

本登録が完了すると、最初に登録したサイトで会員専用ページなどに入っていけるようになります。ここで自分が参加したい治験に応募します。ちなみに、健康食品モニターなどもあるので、サンプルをいち早く試すことができるのであわせてチェックしてみましょう。

健康診断

さて、応募をするとメールや電話で健康診断についてのお知らせが来ます。ここから治験が始まっていると思っていいでしょう。

無料で健康診断が受けられる!ということで登録する人も意外と多いようですが、目的は、治験に参加することなので、合格するために指示通りの過ごし方をして、健康診断に臨みましょう。通常の健康診断と同様、アルコール、タバコ、カフェイン、食事の時間、運動などについて制限があると考えておけば大丈夫です。

尿検査、心電図、採血、医師による診断など、通常の健康診断と同じような内容で実施されます。所要時間は大体2~3時間といったところです。この時点で健康診断に参加した謝礼と、交通費(多めにもらえるケースがほとんど)がもらえます。至れり尽くせりといった感じです。

そして、健康診断の合否待ちとなります。合格すればさらに「治験」に関する注意点なども含めた説明を受けることになります。ここで、補欠も発生します。合格した人が急に参加できなくなった場合に、代わりに参加するために人材の確保が必要だからです。後日行われる詳しい説明会にも、合格者と一緒に参加することになります。

安全面は?

治験に参加するにあたって気になる点といえば、“危なくないのか”ということではないでしょうか。結論から言うと、特定の病気を持っている人に対して行う治験とは薬の種類も違うので、リスクはほとんどないと思っていいでしょう。

ですが、万が一起こりうる可能性もあるということで、リスクの説明を受けることになります。内容としては、頭痛や吐き気、めまいといったもので、どれも軽度のものです。

健康に悪影響を与えるようなものではないので、安心して大丈夫でしょう。治験の段階に来るまでに、対象となる薬は何度も研究&開発を繰り返しています。実験もたくさん行われているので、ここではリスクよりも、薬の「効能」をメインとしてチェックする段階なので、特に心配はないと言えます。

2度目の健康診断:最終チェック

「治験」に参加するための健康診断をパスし、説明会が完了したら、再度、参加者全員での健康診断があります。最終メディカルチェックです。ここで、合格者の中に健康診断結果に問題あり!と出た場合には、補欠が繰り上がり参加ということになります。

この健康診断は1日入院するというケースが多いようです。そして、ここでも参加報酬、そして、交通費がもらえるシステムです。なんだか収入だけが増えていく印象がありますよね。

もちろん、入院中は、食事も無料で食べられます。そして、やっと「治験」本番に突入していきます。あとは、ルールに従ってひたすら「治験」期間を過ごすということになるわけです。

治験とはどんなことをするのか?

過ごし方

「治験」の内容によって過ごし方は少しずつ違ってきますが、基本的には以下のような過ごし方になります。

  • 新薬の投与
  • 採血(ほぼ毎日)
  • 管理された食事をとる
  • 指示通りに睡眠をとる(当たり前ですが夜更かし厳禁です)
  • 許される範囲で運動をする(激しい運動は基本禁止されます)
期間

とても健康的な時間を過ごすと考えていいでしょう。期間は様々です。1週間というケースもあれば、1ヶ月なんてこともあるようです。その場合は、外出許可が認められることもあるようですが、ハメを外してデータに影響が出ないような過ごし方を指示されることは心に留めておきましょう。

投薬

一番のポイントとなる新薬の投与ですが、医師の見守る中で、決められた水分量で薬を服用します。ここは指示通りが絶対です。薬を飲むのが苦手でたっぷりの水で飲みたい!とか、水以外で飲みたいといったわがままは通用しません。あくまで正しいデータを取得することを目的としているので、責任を持って体を提供していきましょう。

採血

説明会でもお話があるとは思いますが、ほぼ毎日採血があることは覚悟しておきましょう。注射が苦手な人は、ちょっと辛いかもしれません。採血が1回ではないこともあるので、説明会の時点でしっかりと確認をしておきましょう。基本的には、1日2~3回が多いようです。

食事

次に食事です。メニューはもちろんのこと、食べる時間、食べる量も決まっています。小食だから食べきれない、早食い、もっと食べたいなどはNGです。しっかりストップウォッチで時間を計りながら監視される中、食事をすることになるということになります。

少し緊張感のある食事時間となりそうですが、すべてはデータのためです。目的を忘れずに、ルールを守って参加していきましょう。もちろん自由時間はあります。

運動

過度な運動は禁止されている場合が多いですが、適度な運動は必要なので、指示のもと行うこともあります。1ヶ月に渡る治験になる場合には、みんなで外出するなんてこともあるようです。

団体生活をしている人たちとのお出かけ、ちょっと新鮮で楽しそうではないでしょうか。これも、徹底した健康管理のもとで行われることになります。

その他

ゲームや本などを持ち込むことも可能ですし、自由時間を楽しく過ごせるように、DVDやマンガ、ゲーム機なども置いてあり、勉強をしている学生なども多く見かけます。健康的な生活を送っていると、頭も冴えるので、課題をこなすのに向いているかもしれませんね。

いくら稼げる?

売上

ここまででも、何度か参加費などを頂いてきているわけですが、実際の「治験」で得られる報酬についてまとめていきたいと思います。目安としては1日あたり、通院で10,000円、入院で20,000円の報酬があるそうです。通院の場合には、交通費もしっかりともらえる形になります。

健康診断時同様、実際の交通費よりも少し多めにもらえる場合がほとんどです。入院の場合は1日20,000円ですが、徹底した管理のもと、24時間拘束なので、時給換算すると…高くないと判断する人もいるかもしれません。

しかし、いわば3食昼寝付きという状況で、報酬ももらえて、そして、規則正しい生活のおかげで治験終了後は、さらなる健康体もゲット!というメリットもあります。おいしい報酬かどうかというところはみなさんの判断におまかせということになりますね。

報酬は治験最終日に現金支給です。ここでポイントです!治験は報酬を得ることができるおいしいアルバイトというイメージが強いですが、考え方としては、“有料ボランティア”なのです。ボランティアとして扱われるので、税金は対象外になります。

1ヶ月の入院治験の場合、単純計算で「20,000円×30日=600,000円」という高額報酬を受け取ったとしても、税金はかからない、つまり手元に全部残るというわけです。経費ゼロ、報酬のみ手元に残るのです。

ルールは?

こんなおいしい仕事なら頻繁に参加したい!と思う人もいるでしょう。しかし、一度参加すると数ヶ月は参加できないシステムになっています。

参加中の態度などもチェックされるので、治験にふさわしい人と判断されれば次回もお声がかかりますし、イマイチと判断されたときは次回の参加のお知らせなどは来ないと思っていいでしょう。

治験実施中に、途中退場させられるケースも少なくないそうです。基本は、ルールに従っていれば問題はありません。緊張しすぎずに、しかし、最低限の規則は守って参加するという心づもりでいることをおすすめします。

デメリットとは?

ここまで聞くとあまりデメリットはなさそうな印象ですよね。気になるとすれば、長期の治験の場合は1ヶ月、徹底した管理のもと集団生活を送るということです。真面目にコツコツ、そして、ルールもきちんと守れる人にはおすすめです。

治験中は、いつも送っている生活はできません。アルコール、タバコがないとダメ!という人はストレスになるかもしれないので、参加しないほうがいいかもしれません。

入院タイプの治験はそうそうあるものではないようです。当たったらラッキーというくらいの気持ちでいたほうがいいかもしれません。また、女性を対象にした入院系の治験はほとんどないようなので、通院系の治験を中心にチェックしてみることをおすすめします。

まとめ

体を提供するわけですから、テストや管理、そして報酬もしっかりしています。新薬の投与によって副作用はほとんどないのですが、100%ありません!というものではないことは覚悟しておきましょう。

この辺は、丁寧な説明をしてくれるので、あとは自己責任のもと判断するようにしてください。高収入が期待でき、無料で健康にもなれるおトクな副業の一つですが、参加することで、誰かの役に立っている!という満足感も得られます。ボランティアをして、報酬ももらえてしまう「治験」、話のタネに一度チェックしてみてはいかがでしょうか。