講師

この手があったか!と業界をうならせている新業態、大人向けのインストラクター・家庭教師。

子ども向けの家庭教師派遣は数多く存在するものの、成人した大人が何かを学びたいと思ったときはたいていの場合、専門学校や習い事レッスンに通うのが一般的でした。

これに対して、家庭教師派遣は、マンツーマンで教えてもらえる講師を派遣するというビジネスモデルです。

インストラクター・家庭教師として副業をするには、顧客を獲得する必要があります。自分自身で顧客を開拓するか、大人向け講師派遣を行っている企業に登録して派遣されることで収入を得ることができます。

ここでは、インストラクター・家庭教師(大人向け)の副業について、詳しくご説明いたします。

始めるためには

能力・技術とは?

必要な能力は2つあります。1つ目は教える分野に精通していること、2つ目はコミュニケーション能力です。それぞれを詳しく見ていきましょう。

教える分野に精通していること

第一に、人に教えるためには経験・実務・知識・何らかの実績が必要となります。

ただ料理が得意だからという講師よりも、「毎日の料理ブログが書籍化された主婦が講師です」「元○○ホテルで調理経験がある講師」といった講師の方がより説得力があるからです。

教える内容によっては、資格や入賞経験も強みになります。「簿記○級を所持し、税理士事務所で実務経験がある簿記講師」「パティシエとして○○で金賞を取ったお菓子作り講師」などです。

自分が人に教えることができる分野は何か、どのような肩書や冠を付けられるか、その習い事にニーズはあるかといったことがポイントとなります。

コミュニケーション能力

人に物事を教えるためには、知識や経験だけではできません。コミュニケーション能力も前提となります。

子ども向け家庭教師とは異なり、教える相手は人生経験の長い大人です。自分より年上の場合もありますし、社会的地位のある人もいます。

そして、マンツーマンでの指導では、上手に教えることと上手にコミュニケーションを取ることは深く関連しています。

もちろん、大人向けの家庭教師として実務を積んでいく中で、コミュニケーション能力も徐々に高くなっていくはずです。でも、副業として選ぶのであれば、最低限、人と会話をすることが嫌いではないこと、人と接することが不得意ではないことが必須条件となります。

必要なもの、初期投資

初期投資や必要な物品については、何を教えるかによって異なります。

ピアノの家庭教師を行う場合は、当然ピアノが必要となりますが、生徒となる顧客の要望によって必要なピアノは変わってきます。

生徒宅にあるピアノで教えてほしいという場合はピアノを準備する必要はなく、講師の自宅で大きなピアノで学びたい場合はグランドピアノ、忙しいから指定された場所まで来てほしいという場合は持ち運び可能なピアノが必要です。

また、スポーツなどを教える場合は、ある程度のレベルのスポーツウェアや道具を準備することが初期投資となります。

見たこともないメーカーのテニスラケットよりも、有名スポーツ選手と同じメーカーのテニスラケットを愛用している人の方が、テニスが上手に見える、というふうな安心感を演出しましょう。

その他の条件

子ども向け家庭教師では、「テストで80点以上を取る」「志望校に合格する」「学校の勉強でついていけないところを教える」といったお題目があります。大人向けのインストラクターや家庭教師も、生徒によってそれぞれ目標やゴールを設定することが大切です。

そのため、大人向け家庭教師として副業するにあたっては、目標設定能力、目標管理能力が必要です。顧客である生徒が何を望んでいるか、なぜその目標を達成したいのか、達成したらその後はどうしたいかなどを把握することで、生徒の満足度の向上につながります。

どの副業においても同様ですが、顧客のニーズにどれだけ応えられるかが収入を左右します。

仕事内容を徹底解剖!

教える内容をジャンルごとにご紹介

ゴルフ・フットサル

スポーツ系のインストラクターです。特にマスコミなどで紹介され、注目されているのがゴルフとフットサルです。

【ゴルフ】
大人の社交スポーツとして絶大な人気のゴルフ。特に、大手企業では「出世するにはゴルフをしないといけない」「出世したらゴルフの付き合いが増える」といった傾向があります。そのため、ルールやマナーの基礎知識、~までに○○のスコアを取りたい、といった短期集中型のレッスンを希望する顧客もいます。

また、ゴルフの家庭教師が求められる理由は、一般的なスクールで他の人と混じって受講するのは気恥ずかしい、効率良く上手になりたい、といったこともあります。

レッスンの場所は、主に練習場やゴルフ場です。生徒の自宅近くの練習場でゴルフのフォームを徹底的にレクチャーし、休日にコースを回るときは同行しながらレッスンするといった形式です。

【フットサル】
メジャーなスポーツといえば野球やサッカーがありますが、社会人の草フットサルチームが最近増えています。サッカー場と比較して、フットサルは小さなスペースで行うため、身近なスポーツになっています。

ゴルフと比較するとビジネス上のお付き合いは少なく、どちらかというと個人の技術向上のニーズが高いかもしれません。一方で、社会人フットサルチームが大会に出場する前に、戦術や全体のレベルアップを依頼されることもあります。

教える場所は、練習場か河川敷などのフットサルコートです。

水泳・ジョギング

スポーツ系の中でも、技術向上というよりも、健康やボディメイクを目的としたインストラクター依頼が多いジャンルが、水泳・ジョギングです。他にもヨガやダンスなどもあります。健康増進を目的としてスポーツを始める場合、長い間運動していなかったための体力低下、年配者、予備知識がないことで体を痛める、などさまざまな不安があります。

不安を解消するための方法として、大人向け家庭教師のニーズがあります。基礎知識と上手に泳ぐようになるといった技術だけでなく、泳ぐことや走ることが楽しいと思えるような教え方が大切です。

料理

現役の料理人が料理教室を開き、2.30名の生徒を抱えているという話をよく耳にします。料理を習いたいと思っている人は多く、女性に限らず最近では男性も注目している習い事の1つです。

和食・洋食といったジャンルごとや、花嫁修業・ホームパーティ向け・手打ちそば・パン作りなど目的に応じた内容、あるいは「定年退職後の男性向け」「料理ができる男性はモテル!婚活のための料理教室」といったターゲットを絞った教室もおもしろいかもしれません。

料理の家庭教師を行うためには、キッチンが必要です。自宅であれば、生徒から手元が見やすいように対面キッチンで、ある程度広さがあることが条件です。あるいは、キッチンを貸し出しているレンタルスペースを利用するのも手です。

水彩画などの絵画

絵画などの芸術分野もニーズがあります。なかでも、水彩画は手軽に始められることから趣味として長く続けている人が多いジャンルです。手書きでの絵はがき、絵手紙なども水彩画の1つです。

水彩画を習いたいと思っている人の多くは年配者です。余暇を過ごす趣味として、もう少し上達するために習いたい、グループや夫婦で楽しんでいるけどときどき教えてほしい、といった要望が考えられます。

ピアノ・ギター・ボーカル

音楽系のピアノ・ギター・ボーカル(カラオケ)も人気があります。ピアノやギターであれば譜面の読み方などの基礎知識、サプライズで1曲演奏したいからといった短期集中型などさまざまです。また、ボーカルについては、ボイストレーニングなど本格的なものから、カラオケで上手に歌えるようになるためのコツや発声練習などです。

音楽系の習い事は特に人前だと恥ずかしいと思う人が多く、マンツーマンの要望が高いジャンルの1つです。練習は、自宅や生徒宅だけでなく、大きな声を出しやすいカラオケボックスやレンタルスペースなどです。

語学

英会話などの語学は習い事として不動の人気です。海外出張や海外旅行に向けて話せるようになりたい、ドラマを英語で鑑賞したいなどです。特に最近では、ドラマの影響で韓国語、ビジネス面では中国語の人気が高まっています。

語学について、ネイティブは必須条件ではありませんが、検定資格やTOEIC・TOEFLなどがあること、海外生活経験があることなどが大きな条件かもしれません。レッスンの場所としては、自宅や生徒宅以外に近くの喫茶店なども可能です。

大人の家庭教師のこれから~

子ども向け家庭教師の最大手「トライ」が参入したことで、現在注目を集めています。トライが大人向け家庭教師派遣業を開始したのは2013年。テレビ番組や雑誌など数多くのマスコミに取り上げられたことで、知名度が急上昇しています。

トライ以外にも、ジャンルや分野ごとに講師を派遣する企業は多かったものの、多ジャンルを取りまとめて派遣するというタイプが登場したことで、顧客ニーズもさらに高まっています。大人向けのインストラクター・家庭教師の市場はこれからも成長が見込まれます。

いくら稼げる?費用は?

売上

何を教えるか、資格の有無などによって変わりますが、基本的には時給制です。

(例)

  • ピアノ、ギター:1800円~/1時間
  • ゴルフ、水泳、ジョギング:2400円~/1時間
  • 英会話、中国語など:3500円~/1時間

能力の高さだけでなく、教師となる人が市場に多いかどうか、ニーズが高いかどうかなども時給に反映されているようです。

材料費

何を教えるかによって変わりますが、スポーツウェアや道具、楽器などはあらかじめ持っていると想定すると、特に材料費は必要ありません。インストラクター・家庭教師は、スキルや能力を販売することになるので材料費がかからないことがポイントですね。

その他の必要な費用

生徒宅や指定された場所へ行く場合、往復交通費が必要です。

おすすめサイトは?

大人の家庭教師トライ

http://www.otonatry.com/<
主に子どもに対しての学習指導で全国展開しているトライですが、子ども父母やその他成人全般が生涯学ぶためのプラットフォームを提供しています。「趣味から資格まで何でも家庭教師します」と銘打ったサイトには安心感があります。

サイタ

https://cyta.jp/
プライベートコーチ(個人レッスン専門の講師)を派遣しているサイト。2007年に設立され、トライよりも古株です。300種類以上の習い事が掲載され、レッスン受講者数も3万名を突破しています。

似ている副業は?

子供向け家庭教師

いわずと知れた副業の王道、家庭教師です。副業として家庭教師をしている社会人も多いようです。

スクール、教室などの講師

こちらはマンツーマンではなく、複数人数を相手に教えます。教室や習い事を運営しているスクールの講師募集へ応募する必要があります。