サラリーマンが会社に従事しない時間を有効活用し、副業を始めるというのが珍しくない世の中になってきています。その中でも熱い視線を集め始めているのが「週末農業」です。週末農業について詳しく説明します。
畑レンタルはサポート付きがおすすめ
始めてみたい方へ
家庭菜園をしているうちに本格的な農業に興味が出た、将来は田舎暮らしで自給自足の生活をしたいと思っているけれど、それが仕事になるならと始めてみたといういとも多いようです。
しかし、いくら農業が副業に向いているからと言っても、未経験者がすぐに始められるわけではありません。たとえば、お米を作りたい!といっても、田んぼを作るための土地の取得、土作り、苗となる種を手に入れることから、機材の購入、苗を無事に育てるための肥料の購入などという具合に、副業とするからには、家庭菜園とは違い、しっかりと計画を立てる必要があります。
副業でいきなりそんなハードルの高い稲作などを選択する人は少ないとは思いますが、選ぶ作物によって、準備するものなどが大きく変わってくるということを知っておかなければなりません。
オススメの方法は、実際に農業を本業としている方のところで、農業とは何かということを学びながら、実際に自分で栽培できそうな作物を見つけていくことです。副業のポイントは、少しずつから始めること。自分の生活の中に少しずつ農業を取り入れて、馴染ませていき、徐々に拡大していく流れで進めていきましょう。
始めるためには?
では、実際に週末農業を始めるにはどんなものが必要なのでしょうか?副業として選んだからには、利益にならないと意味がありません。農業を楽しむ!というだけの目的であれば、趣味として家庭菜園を行うのがおすすめです。
副業としての週末農業であれば、しっかりと将来的にはこうなりたい!という目標を立てましょう。ここでポイントは、目標は大きくても構いません。
しかし、始める際には、いきなり大きなものから始めるのは避けましょう。むしろNGです。目標は高く持った方が頑張れるという人もいるかもしれませんが、副業で利益を得るには、着実に地盤を固めていくということが大切なのです。
副業は稼ぐために始めるものではありますが、はじめてのビジネスであれば、慎重に進めていくことをおすすめします。
能力・技術
週末農業にはどんな能力や技術が必要なのでしょうか。ビジネスとしての週末農業を始める前に、自分が本当に農業に向いているかどうかを確かめる必要はあります。週末農業を始めるにあたっては、特別な資格や技術は必要ありませんが、向き不向きはきちんとチェックしておいたほうがいいでしょう。
「観葉植物でも枯れさせてしまう」などと言った人は作物を育てることに不安を感じてしまうものですよね。作物を育てることと、植物を育てることとはまったく違う!という人もいるかもしれませんが、ひとつの基準になるということも、頭の片隅に入れておくといいかもしれません。
副業はビジネス、お金が動くことなので、そういった小さなチェック事項も意外なところで役に立つものなのです。
必要なものは?
では実際にどんなものを準備し、どのようにはじめればいいのでしょうか。週末農業では、レンタル農園と契約したり、地主さんから畑を借りるというのが一般的な方法です。レンタルする場所、大きさ、種類(田んぼ、畑、ビニールハウスなど)によっても必要な費用等は違ってきます。最初は、何を始めるかではなく、捻出できる費用で内容を選ぶのもいいかもしれません。
自分で土地を購入し、耕し、田んぼや畑にするということを考えれば、農業に慣れるまでは断然レンタルがおすすめです。レンタルであれば、いきなり、温室栽培の野菜や果物を育てたり、お米を育てたりすることも可能なわけです。ビニールハウスも、田んぼも、畑もあらかじめ準備されているわけですから。レンタル農園のサポート付き!などのプランがあるところも多いので、自分のスケジュールに合わせて、選ぶことができるのです。これは心強いですよね。
家庭菜園の経験がある人は、週末農業だと平日の水やりが心配という人もいるでしょう。しかし、広大な農地は保水力にとても優れているので、週末だけの水やりでもまったく問題ありません。お米を作るにしても、田植えの時期を乗り越えれば、あとは収穫までほんの数回、田んぼの様子を見に行くだけばOKなのです。
その他の条件
何よりも必要な条件は、農業が好きであるということです。基本的なことですが、意外と見落としがちなポイントでもあります。
副業=稼ぐためとなると、興味のないものでも利益重視で選んでしまうことがないとは言えません。むしろ、ビジネスとして考えるならあり!と思ってしまう人のほうが多いかもしれません。
ですが、好きでないと、やはり続けることもできないので、本当に農業が好きなのかどうか、副業として始める前にもう一度考えてみましょう。
仕事内容を徹底解剖!
家庭菜園であれば、食べたいものを作ってみよう!という感覚で、育てる作物を選ぶことができますが、副業ともなれば、利益についてもちらつくところですよね。育てる場所、借りる農園のスタイルなどにもよりますが、作る作物は大きく分けて3種類になってきます。
田んぼでお米を作る
まずはお米。広いスペースをレンタルしないと、販売できるほどの量を収穫するのはとても難しいものですが、1から始めるのが難しい作物だからこそ、レンタル農園のシステムを利用して、お米作りについての勉強と収穫を同時に身につけて行きましょう。
畑で野菜を作る
家庭菜園でも経験済みなので、もっとも手軽に始められるのが畑での野菜作りです。家庭菜園との違いは、水の保水力。広大な土地で作物を作ることで、家庭菜園と農業としての野菜作りの違いが実感できるでしょう。
ビニールハウスで温室栽培向けの野菜や果物を作る
フルーツ狩りなどでビニールハウスを訪れたことがある人なら、その設備のスゴさについては良くご存知のことと思います。ビニールハウスを1から作るには、かなりのコストがかかるのは避けられません。しかし、レンタルであれば、お手軽にスタートすることができます。
週末農業のこれから~ネットショップ販売が増加傾向
さて。作物がきちんと育ったら、次は販売です。販売ルートの確保は必須となります。少し前までは、作った作物を販売するなら、地元の農協などに参加して出荷してという方法がメインでした。しかし、この方法では、利益はほとんどないといってもいいでしょう。
市販されている価格の1/3~1/2くらいで購入してもらえればいい方かもしれません。道の駅などに並べるという方法もありますが、これもサービスのような価格での販売になるので、利益を見込みたい!という人にとっては物足りない方法かもしれません。
当然、利益を出すのであれば、直販がベストです。途中に掛かる手数料などのコストが一切かからないからです。ただし、農業を始めたばかりの人が直販していても、購入者側から見ると、いきなりは手が出しづらいというのも事実です。
最初は農家の方たちに委ねて、委託のような形で直販していく形が多いでしょう。すでに信頼のある農家の方の作物なら、購入者側も安心して、一緒に買ってみようかなという気持ちになるものです。
なんといっても一押しは、インターネットを利用したネットショップでの販売でしょう。ネットショップは簡単に始めることができる上に、自分の作った作物に「○○さんの野菜」などといった名前をつけて有名にすることで、ブランド化も可能になるわけです。
お店を出す場所代も不要なので、作ったものはネットショップで販売、これが基本スタイルです。お世話になっている農家の方の農作物と一緒に販売するという方法もあります。農業を教えてもらう、販売を手伝うということで、信頼関係も一層深まり、何より、ネットショップそのものに信頼感をプラスすることが出来て、売上アップに繋がるというわけです。
こんな人におすすめ
副業としての週末農業
利益を出す方法は直販だけではありません。農業体験などに参加したことはありますか?小学校の授業などにもある“いも掘り体験”などを実際に自分の畑でやってみるというのはいかがでしょうか?じゃがいも、さつまいも、里芋など、芋類は比較的簡単に作ることができます。販売している数も多いので、ちょっと差をつけたビジネスを展開する必要があります。
たとえば、参加費を1人1,000円とします。10人来れば10,000円、20人来れば20,000円。これだけで一ヶ月のレンタル農園費を賄える!という場合も出てくると思います。収穫した作物をそのまま売るのでは、ビジネスとしては物足りません。プラスアルファのお得感を意識した販売方法を見出してみましょう。
販売方法にアイディアをプラスできる柔軟性
ご紹介したような“農業体験”を通して、自分が作った農作物を販売するというようなアイディアに柔軟に対応できる人は、週末農業に向いています。単なる農業ではなく、販売して利益を得ることが前提なので、どんなものにも対応できる柔軟性は強みになります。ネットショップなどの数が増えてきているということは、競争相手が多いということです。個性を出して、差別化をはかる、ここに成功の秘訣があるわけです。
作ることに喜びを感じることができる
何度か触れてきましたが、“農作物を作ることが好き“であることが大前提です。農作物が成長していく過程を見ながら、作る喜びを感じることができる人であれば、人に喜ばれる農作物を作ることもできるというわけです。
丁寧でマメであること
ひとつのものを育てて販売するという過程において、丁寧であること、マメであることは重要な要素になっています。口にして体に取り入れるものだからこそ、購入者側としては、そんなところも気になるところではないでしょうか。体にいいものにこだわりを持つ人が多い世の中だからこそ、そういった点にも目が向けられているということを心がけておきましょう。
おすすめサイトは?
シェア畑
https://www.sharebatake.com/
シェア畑は畑を借りて有機・無農薬の野菜を作ることができるサービスです。関東と関西を中心に約70農園を展開し、これまでに2万人以上の利用者がいるレンタル畑の最大手です。
利用者の年齢も幅広く、30~40歳台の方は夫婦でお子さまと一緒に、上はシニアの方まで利用しています。手ぶらで参加できて食べきれないほどの野菜を収穫できます。副業の農業ではなく本業になってしまうかも・・・!
レンタルファームつくしんぼ
八街ふれあいオーガニックファーム
http://www.fureai-organic.com/
奥多摩・秋川渓谷田舎暮らし
http://5days-estate.main.jp/agriculture.html
TABICA(たびか)
https://tabica.jp/
週末農業というよりは自然体験をするのが目的のサイト。いきなり副業として始める前にまずはここで農業という仕事を体験してみるのも手です。都会から1時間ほどの近場で桃狩りやたけのこ狩りなど旬の農業体験・収穫体験ができます。
収穫した果物でパフェを作ったりBBQをしたりと農業以外の体験メニューも豊富なのがポイント。本物の農家さんから本物の知識を学べるので子どもの教育を兼ねた遊びとしてもおすすめです。週末農業に慣れたら自分がホストになれるかも・・・?
まとめ
“週末農業”を始めてみようと思ったら、まずは体験コースなどからはじめてみましょう。興味を持ったときが『始めどき』です。
週末だけの農業体験コースを数回重ねて、都会での平日の仕事と、週末にちょっと離れたところに通いながらの農業との両立が可能なのかどうかを判断するにはとてもいいシステムです。まずは雰囲気をつかんでみることからはじめてみませんか。