2008年にカリフォルニアでサービスをスタートさせたAirBNB。旅行者が宿泊業者ではなく現地の住人が提供する部屋を宿として借りることができるサービスで、現在190カ国超で利用されています。
実は日本でもかなり普及していて、AirBNBのサイトで日本の宿を探すと全国各地で様々な宿泊先が見つかります。このサービスを利用して年間250万円を稼ぐ人もいるほどです。
ここではこのAirBNBというサービスを副業として利用する場合の必要な初期費用や、具体的な作業内容、儲かるのかどうかについて紹介します。AirBNBの運営をサポートしくれるサービスについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
始めるためには
必要なスキル=なし?
AirBNBの利用者の多くは海外旅行者、つまり外国人です。したがって英語力は高いに越したことはありません。もちろんフランス語や中国語ができればもっと有利でしょう。
ただし英語を含め、どの言語も必須というわけではありません。先方から送られてくる宿泊希望のメールが読めて、それに返信ができればAirBNBを始めることはできます。
とはいえ、予約の際のやりとりから実際に会った時のやりとりまで、できる限りコミュニケーションが取れる方が便利でしょう。
AirBNBのサイトには宿泊客からのレビューを書き込むシステムもあるため、コミュニケーションが取りやすいホスト(部屋のオーナー)だということがアピールできれば、さらなる宿泊客へと繋がっていきます。このように考えると、外国語が得意な人にはもってこいの副業と言えるでしょう。
必要なコスト=0円から20万円程度
AirBNBを始めるうえでのコストは場合によっては0円です。AirBNBに宿として提供する部屋がすでに自分が借りている部屋の1室を使う場合や、自分が所有しているマンションの1室の場合なら、そのまま貸し部屋として利用できるからです。
それ以外の場合、新たにAirBNB向けの物件を借りたり、そこに家具や消耗品(シャンプーや石けんなど)を配置したりする必要もあります。すると場合によっては初期コストが20万円程度になる、というわけです。
「airbnbの教科書」の販売も行い、『週刊SPA!』にも3回掲載されている「Airbnbで250万円稼いだ僕のノウハウまとめ」の管理人さんによれば、AirBNBに適した観光地や空港からアクセスが良く、適度な広さのある物件の家賃相場は12万円から13万円前後(東京の場合)。自分の住んでいる地域や予算、そして物件の収益性のバランスによって初期コストは変動すると考えましょう。
何をするの?将来性は?
ホスト側の仕事の流れ
AirBNBのホスト側の仕事の流れを登録前と登録後に分けて、簡単に見ておきましょう。
AirBNBに登録前
登録前の作業は以下の3つです。
- 1.物件を探す、見つける。
- 2.最寄りの保健所に旅館業法の届け出を出す。
- 3.設備・家具を揃える。
物件探しに関しては先に触れたようなコスト面と収益面を加味して、自分の副業スタイルに合った物件を選びましょう。空港、駅からアクセスが良く、外国人向けに15畳以上の広さのある物件が宿泊予約が多くなる傾向があるのだそうです。
またAirBNBは「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」という旅館業法の定義に該当するので、保健所に旅館業の申請が必要になります。賃貸住宅をAirBNBとして利用する場合は、オーナーや近隣住民への理解も得る必要があるでしょう。
これらはあらかじめ準備しておかなければ、不要なトラブルのタネとなります。また宿泊客が利用できるように設備や家具を揃えるのも開業前の仕事です。
寝具はもちろんのこと、テーブルや椅子、タオルにシャンプーなどの消耗品、場合によっては家電も必要になります。ここまでできればAirBNBへの登録準備完了です。
AirBNB登録後
AirBNBに登録した後は実際に宿としての運営に移ります。作業内容は次の通り。
- 4.宿泊希望の旅行者との連絡
- 5.海外旅行者のための心配り
- 6.宿泊客とのコミュニケーション
- 7.退去後の掃除・消耗品補充
- 8.収益管理
まずはAirBNBを通じて行う宿泊希望者とのやりとりです。前述の通り外国語の場合も多いので、インターネットの辞書などを利用しながらコミュニケーションをとります。日程が決まったらいよいよ宿泊客のお出迎えです。当日になるまでの間に消耗品のチェックや部屋の状態確認などをできる限りしておきましょう。
実際に宿泊客が到着すれば、観光スポットへの行き方や近隣の情報などを聞かれるかもしれません。あらかじめ英語で説明できるようにマニュアル本などを作っておくとスムーズなやりとりができます。無事宿泊客が退去したら、掃除や消耗品の補充などまた次の宿泊客を迎えられるように準備をします。
最後に行うのが消耗品などで使った経費や宿泊代の計算。趣味でやるのであればともかく、副業として収益を上げるのが目的であれば、お金の管理はきっちりするべきです。計算の結果によっては宿泊代や消耗品の見直しが必要かもしれません。ここまでできたらあとは4から8の繰り返しです。
AirBNBの将来性
日本は現在2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて観光立国となるために、観光庁を中心に様々な施策を立てている途中です。2013年には訪日外国人旅行者数1000万人を超え、2020年までにはその倍の2000万人を目指しています。海外旅行者が増えればAirBNBの利用者も増えるのは必然でしょう。
また2015年10月9日にはAirBNBの宿泊形態である「民泊(個人宅を有料で貸し出す旅館業の形態)」を推進するための条例が東京都大田区で制定されることになりました。この動きは他の自治体にも出ているようで、今後AirBNBを含む民泊という副業が大きなうねりになる可能性は十分あります。
AirBNBって儲かるの?
「Airbnbで250万円稼いだ僕のノウハウまとめ」ブログ管理人さんの2013年の売り上げは1月の0ドルから10月の4,662ドルまで非常に大きな幅がありますが、年間で平均すると大体月2,300ドル程度の売り上げがあります。
対して家賃や水道光熱費などの経費は月々大体1,200ドル。つまり月々平均で900ドル程度の利益が出ている計算になります。2015年10月9日現在の円相場に直すと、これは10万8,000円に相当する利益です。
副業支援サイトを運営する株式会社ネットピコの中野貴利人さんによれば副業の平均月収は約4万円。これに比べると平均月収10万8,000円という数字は驚異的です。もちろん「うまくいけば」という条件付きですが、「Airbnbで250万円稼いだ僕のノウハウまとめ」ブログ管理人さんの実績は、これからAirBNBを始めようという人にとっては希望を抱かせてくれます。
サポートサービスはこちら
AirBNBに専念する場合は別として、副業で運営する場合はここで挙げたような作業を完璧こなすのは至難の技です。AirBNBの繁忙期になれば英語でのメールのやりとりや、部屋の掃除・消耗品の補充なども煩雑になってきます。
そこでオススメなのがAirBNB専門の各種代行サービス。ここではメール代行サービスと清掃代行サービスを紹介します。これらを利用すれば自分自身はほとんど何もすることなく運営できます。ただしその分経費は上乗せされるので、収益性とのバランスはきっちり考えて利用しましょう。
メール代行サービス「airm2m」
http://airm2m.xyz/
宿泊前のやりとりから、宿泊時のトラブル対応、宿泊後のレビュー対応までAirBNBを運用する上での英文に関する対応を一手に引き受けてくれるサービス。料金も月15,000円からと業界でもかなりの破格で請け負ってくれます。事前に担当者と電話やメールなどで物件情報や運用ルールをすりあわせた上で対応してくれます。部屋の鍵の受け渡し方法や部屋の利用ルール、道案内などのテンプレート作成も請け負っているので、それだけを利用しても宿泊客とのやりとりがぐっとスムーズになるはず。
清掃代行サービス「HouseCare」
https://housecare.tokyo/ja/airbnb
東京23区と神奈川県の川崎市で展開されている、1時間2,500円から清掃を請け負ってくれるサービス。前日のウェブ予約でも対応してくれるので、「まだ掃除をしていないのに急な予約が決まった」という時にも活用できます。
似ている副業は?
- 不動産投資
- 中古アパート経営
- シェアハウス