本好きなら誰もが一度は夢見る「文章でお金を稼ぐ」こと。紙媒体しかない頃は実現が難しい夢でしたが、インターネット時代の今ではそれほど難しくはありません。
ウェブで文章を書き、その対価としてお金をもらうウェブライターであれば簡単に文章でお金を稼ぐことができます。
ウェブライターには初期投資どころか、「仕入れ」はほとんど必要なく、働く場所も住み慣れた家の中です。ここではそんな最も気軽に始められる副業の1つ、ウェブライターの仕事内容や報酬などについて紹介します。
また実際に専業でウェブライターへのインタビューや、仕事を始めるためのオススメのクラウドソーシングサービスも紹介しているので、文筆業に興味のある人は必見です。
始めるためには
必要なスキル
インターネット時代の文筆業であるウェブライターという職業を副業にするために、特別なスキルは必要ありません。強いて言うのであれば「日本語の文章が書ける」技術は必要です。
後にも触れるように、ウェブライターの仕事にはアフィリエイトブログや個人ブログの執筆代行などもあるため、必ずしも完璧な文法や表記方法が求められるわけではないからです。
もちろん、これらについての知識はあるにこしたことはありません。しかし同時に「必ず必要」というわけでもないのです。
必要な初期投資
ウェブライターを始めるために必要なのは文章を書くためのパソコンとWordやテキストエディットなどの文章作成ソフト、そしてできるだけ快適なインターネット環境です。
一からこれらを揃えるとなれば数万円の費用はかかりますが、すでに全て揃っているという人も少なくないはず。また必須ではありませんが、パソコンのセキュリティソフトもあれば取引先に対して安心感を与えられます。
これもまた、すでにインストールしているという人も多いでしょう。つまり、ウェブライターになるのに初期投資が完全にゼロという場合も少なくないのです。これは気軽に始めたい副業としては最大の魅力と言えます。
ウェブライターってこんな仕事
ウェブライターとして書くことができる文章の内容は、実に多種多様です。前述のようなブログ執筆の代行といった比較的気軽な依頼から、ウェブメディアに掲載される文章や取材記事まであります。
ジャンルも日常生活にまつわることから、商品の紹介、観光スポットやグルメスポットの紹介、芸能ネタの執筆など文字通り「なんでもあり」です。得意なジャンルがある場合はそれを選んで書くこともできますし、手当たり次第に色々なジャンルの文章を書くこともできます。
ウェブライターのこれから
「WIRED」によれば日本の共同通信社にあたる米AP通信社は人工知能を搭載したソフトを使って、学生スポーツに関するニュース記事を自動生成する計画を進めているそうです。人工知能による特定のジャンルの記事作成はいまやアメリカでは一般的になりつつあります。
これだけを聞くとウェブライターは完全に「消えてなくなる仕事」です。しかし安心してください。オックスフォード大で人工知能を研究するマイケル・A・オズボーン准教授が発表した、今後10年から20年でコンピューターにとって代わられる確率の高い仕事。
この中にはウェブライターの名前はないのです。人工知能による文章作成には苦手な分野(インタビュー記事やコラム記事など創造力が必要なもの)があることもわかっています。
インターネット社会は今も発達を続けており、今後ウェブの文章の存在感が増すことはあっても小さくなることは考えにくいでしょう。つまり機械に書けるような文章ではなく人間にしか書けない文章を書いていれば、ウェブライターとしての仕事は続けられるというわけです。
いくら稼げる?元手は?
ウェブライターの報酬はピンからキリまである
仕事内容の多様さから想像できるかもしれませんが、ウェブライターの報酬はピンからキリまで実に幅広くなっています。
報酬の計算は多くの場合「1文字あたり○円」というように決められるのが一般的です。これが低いものなら0.1円や0.25円というものもありますし、高いものなら10円を超える仕事もあります。
1文字あたり2円から10円以上の文章が書けるようになれば、専業で月に15から20万円程度は稼げます。しかしたいていのウェブライターは1文字あたり0.1円から2円以下の報酬で仕事をもらっているのが現実。どこの世界でも同じですが、実力次第で儲かるか否かは決まります。
ウェブライターには「仕入れ」がない
ただしウェブライターの特筆するべき魅力は「仕入れ」がないという点です。取材記事や商品のレビュー記事などの仕事は別ですが、ほとんどの仕事はインターネットでよく調べれば執筆できます。
手に入れた報酬はまるごと自分のお金です。ややこしい利益率やコストの計算は一切不要。これは商品を扱う仕事につきものの「在庫リスク」も皆無だということです。ウェブライターはローリスクローリターンな副業を探している人にはぴったりの選択肢でしょう。
仕事の楽しい時・つらい時
「最大の魅力は文章を書いてお金がもらえること」
2冊の書籍執筆経験を持ち、エンタメ系コラムメディアやキャリア系メディア「キャリアサプリ」などウェブライティングを生業にする鈴木直人さんは、仕事の魅力を「文章でお金がもらえること」と断言します。
「私はSNSの日記で物凄い長文を書いて嫌がられるタイプの人間なんです。でもウェブライターの仕事なら、たくさん書けば嫌がられるどころか収入が増える。こんな幸せなことってないですね」
副業とは言ってもつまらない仕事はしたくないものです。鈴木さんの言葉からも文章を書くことが好きな人には、ウェブライターはベストな選択と言えます。
「つらいのは単価がなかなか上がらない時期」
ただしそんな鈴木さんにも今の仕事で辛い思いをした時期があったのだそうです。それは専業ウェブライターとして活動を始めてすぐのことでした。
「仕事の単価がなかなか上がらないんです。時間ばかりが過ぎて、手元に残るのはわずかな報酬だけ。私は専業だったので貯金を切り崩しながらの生活です。きつかったですね」
時給に換算すると500円以下だった、という仕事も少なくなかったのだそうです。では鈴木さんはどうやってその時期を抜け出したのでしょうか。
「会社員時代と同じ意識で仕事をしたんです。取引先との報告・連絡・相談はできるだけ丁寧にする、締め切りはちゃんと守るといった当たり前のことです。すると少しずつ単価が上がっていきました」
ウェブライターの仕事も、仕事は仕事。副業で始める人も正業と同じ基準で仕事をすれば案外早く高い報酬の仕事がもらえるかもしれません。
おすすめサイトは?
次に副業としてウェブライターを始めるうえで、心強い味方になってくれる「クラウドソーシング」サービスを紹介します。
クラウドワークス
http://crowdworks.jp/
ランサーズと並ぶ日本最大級のクラウドソーシング企業です。もちろん登録は無料。ランサーズでは見つからなかった仕事もクラウドワークスで見つかる可能性があります(逆もしかり)。「こんな仕事がしたい」というイメージが固まっている人はクラウドソーシングの掛け持ちもアリです。
ランサーズ
http://www.lancers.jp/
日本のクラウドソーシングのパイオニア的存在。ウェブライティングの仕事をはじめ、コピーライティングやプログラミング、デザインの仕事など様々な案件のマッチングを行っています。報酬の2割を手数料として差し引かれますが、一からウェブメディアに営業をかけるよりも効率的に仕事が見つかるのが最大の魅力。登録は無料です。
サグーワークス
https://works.sagooo.com/
案件をライティングに特化しているのがこちら。100文字程度の簡単なコラム作成から8000字レベルの高単価記事作成まで幅広いライティング案件を取り扱っています。プラチナライターテストに合格すれば高報酬の案件を受けることも可能。専門知識や特定のスキルを持っていればさらに高い報酬を受け取ることができます。報酬はポイント制で現金やアマゾンギフト券などに交換ができます。会員登録、年会費は無料。
こんな人におすすめ
前述の鈴木さんに「ウェブライターに向いている人はどんな人だと思いますか?」と質問すると、次のような答えが返ってきました。
文章を書かないとストレスがたまる人
「文章を書くのは頭も使いますし、一般的には疲れる作業です。でもそれをしないと調子が出ないくらい文章を書くことが習慣になっている人は、ウェブライターになっても続けられると思いますよ」
確かに学校を出るとまとまった文章を書く機会がほとんどないので、「文章を書く」というだけで身構えてしまいます。しかし日常的に文章を書いている人ならそういった労力もかなり軽減されるでしょう。ブログや日記を普段から書いている人にはぴったりの副業でしょう。
あらゆることに興味を持つことができる人
「ライターとしての業績が少ないほど、幅広いジャンルを書ける方が仕事の絶対量が増えます。でも興味がないジャンルを書くのは誰でも苦痛なので、できるだけ何でも面白がって書ける方がいいですね」
好きなジャンルだけを書くというスタイルも、もちろんアリです。しかし稼ぎたくてもそのジャンルの仕事が見つからないとなると、そのスタイルのままでは無収入のまま。継続的に収入を得たい場合は、興味の範囲を広げてみるのがいいのかもしれません。
「文章でお金を稼ぐ」という夢が叶う副業ウェブライター。興味がわいた人は、試しにクラウドソーシングサービスに登録するところから始めてみてはいかがでしょうか。