写真を販売することで収入を得る、と聞くと「プロ級の一眼レフカメラが必要では?」「撮影テクニックが必要では?」と感じて尻込みしてしまいますが、必ずしもそうではありません。
主婦がちょっとしたお小遣い稼ぎに、あるいはサラリーマンが重要な副収入として写真を販売していることで現在注目を集めています。
写真販売は、スマートフォンでの撮影は画質やサイズなどで少々問題がありますが、デジタルカメラが1台あれば、お出かけついでに撮影すればちょっとした収入につながるかもしれない副業です。
どのような写真が収入につながるのか、どのようにして販売するのかなど、写真販売の副業について詳しくご説明いたします。
始めるためには
世の中に求められている写真を撮影する能力・技術が必要です。写真というと、高機能なカメラで風景を美しく撮影するものというイメージが強いですが、世の中に求められている写真は必ずしもそうではありません。写真がどのように使われているのか、誰がどのような写真を求めているかを考えるマーケティング力がもっとも重要です。
最近では、一眼レフカメラも手軽に購入できる価格となり、あるいは格安な価格のデジタルカメラでもシャッターを押すだけでクオリティの高い写真を撮影できるようになっています。
厳密に言えばプロが撮った写真とは異なりますが、いくら美しくクオリティの高い写真であったとしても、世の中から求められていなければ購入する人はいないわけです。だからこそマーケティング力こそが重要となります。
必要なものは?
初期投資や必要な物品についてはデジタルカメラです。スマートフォンでも写真を撮影することができますが、画質はデジカメよりも落ちてしまいます。
昼間に日の光をいっぱいに浴びている中での撮影はさほど変わらなくても、光が当たっていない箇所、夜間、ズームをした場合、ボケさせたい場合などはどうしても機能が不足してしまうからです。
写真販売用にデジカメを購入しようかなという場合は、まず手始めに手ごろなコンパクトデジカメでも良いでしょう。カメラの勉強もしたいという場合は一眼レフカメラもおすすめです。
また、家族旅行用などに持っているカメラをそのまま使えば初期費用0円で写真販売の副業を始めることももちろん可能です。使い慣れたカメラの方がスムーズに操作できるでしょう。
その他の条件
何を撮影するかによって異なりますが、もし野外で撮影する場合はよりしっかりとした写真を撮影するために三脚があると便利です。また、人物写真を撮影する場合は、モデルが必要です。
その際は、撮影した写真を自由に販売できるように、肖像権(人格権・財産権)などが撮影者にあることなどを明記した契約書を交わしておきましょう。またインターネット上で販売することもモデルの理解を得ておく必要があります。
仕事内容を徹底解剖!
写真販売を始めるために知っておこう!
登録
写真販売サイトとは、自分で撮影した写真を登録することで販売できるサイトです。登録は無料で簡単に行うことができますが、実際に販売する際には各写真販売サイトの規約に沿った写真を撮影し、審査に通ることで初めて写真を販売できるようになります。
まずは利用規約を確認し登録します。写真販売サイトによっては、簡単なテストを受ける必要がある場合もあります。また登録後すぐに写真を用いて審査が行われることもあるため、著作権などに問題がない写真をテスト用に準備しておくとスムーズです。
「撮れたものを売る」VS「売るために撮る」
写真販売サイトへの登録が完了すれば、早速写真を撮影して登録していきます。写真のサイズなど販売サイトの規約を必ず確認の上、規約に沿った写真を撮りましょう。最初のステップとしてどのような写真を撮影し登録するかの方法としては2つあります。
【1.撮っているものを売る】
スマホやデジカメであらかじめ撮影している、赤ちゃんの写真・旅行の写真・風景写真・何気ない生活のシーンなど片っ端から登録していく方法です。
くれぐれも著作権を違反していないか必ず確認しましょう。登録にかかる時間は、わずか数分~数時間で終わるはずですが、この方法のデメリットとしては、1枚も売れない可能性があります。
例えるなら、手持ちの洋服を手当たり次第に質屋に持っていき、高値で売れるものがあったらラッキーといった感じです。もし長い目で副業として本腰を入れる場合は、次にご紹介する2の方法を取る方がおすすめです。
【2.売るために撮る】
販売することを目的に写真を撮影します。旅行へ行ったついでに、散歩へ行ったついでにといった方法で問題ありませんが、単なる生活のワンシーンとは異なり、構図や写真の美しさなどが大きく変わってきます。とはいえ、最初はどんな写真が売れるのかはわからないので、さまざまな写真を撮影し登録していきましょう。
どんな写真を撮るか、カテゴリごとにご紹介
ではどんな写真を撮ればいいのか、写真販売サイトのカテゴリごとに紹介していきます。写真販売はその手軽さからかなり注目されているため、ライバルは無数に存在します。
写真販売サイトの中には、「すでに十分な数のある写真はNG」「ありきたりな写真はNG」といった審査項目を用意しているサイトも多くあるため、自分ならどんなオンリーワンな写真を撮影できるかに着目して見ていきましょう。
【季節素材】
クリスマス、お正月、ハロウィン、お花見といった季節素材は人気ランキングに多数掲載されているため注目されるカテゴリです。季節素材だからこそ写真の美しさが求められます。
【ビジネス素材】
こちらも人気ランキングで上位によく入っているもので、スーツを来た男性が握手をしているシーン、オフィスを思わせるシーン、パソコンや資料のイメージ写真などです。白やブルーなどの色合いで清潔感のあるビジネスらしさを演出します。
【美や美容関連素材】
女性の美容に関するサイトが多いことが影響し、美容をイメージさせる写真も人気です。ネイルやスキンケア、ヘアケア、フィットネスなどで、美しさや美容を強調するためにはより美しい画像が人気です。
上記以外にも、家族、街並み、乗り物、インテリア、食べ物など数多くのカテゴリがあります。いずれも多く販売されている画像を見た上で「こういう写真が求められているんだな」と感じることが大切なのでまずは十分リサーチしてみましょう。
写真販売サイトに登録されている写真は膨大な数に上ります。また、ありきたりな写真はすでに無料で配布されているものが多いものです。
写真販売というマーケットはすでに成熟しているため、お金を払ってもこの写真を使いたいと感じさせるためにはマーケティング力こそが重要です。すでに売れているところに食い込むか、あるいは今はないニッチなカテゴリを狙うかです。
写真販売の将来性は?
すでにマーケットは飽和状態なため、本格的な副業よりはお小遣い稼ぎ程度で
インターネット上で写真販売が盛んになったのはこの数年の間ですが、カメラを本業とする法人や個人、カメラを趣味とする個人が一気に登録したため、マーケットはすでに飽和状態となっています。
写真販売サイト側でも、ありきたりで良い写真とは言えない写真をむやみに増やす必要もないため、審査に長い時間をかけより厳しくなっているのが現状です。
写真販売サイトで高い売上を上げている人の中には月に100万円以上の収入を得ている人もいますが、今からそこへ食い込むのはなかなか難しいと言えます。週末に外出するついでに写真を撮影して、お小遣い程度の副業になればといった場合にはとてもおすすめの副業です。
いくら稼げる?元手は?
売上
写真販売サイトに登録し写真を販売する場合は、手数料が引かれた金額が収入となります。写真の価格や手数料は販売サイトごとに異なります。代表的な写真販売サイトをそれぞれ見ていきましょう。
PIXTA
写真の価格:1枚540円~
報酬率(価格-手数料):22%~58%
写真の価格はサイズごと、報酬率はクリエイターのランク(一般・専属・人物専属)などによって異なります。
fotolia
写真の価格:1枚98円~
報酬率(価格-手数料):20%~63%
写真の価格は購入者の契約プランで異なり、報酬率は販売方法やクリエイターのランクによって異なります。
PIXTAを例に売上を計算してみると、1枚540円の写真を報酬率22%で1枚販売すると約120円の収入、100枚販売して12,000円となります。さらに多くの写真を販売するとさらに高い収入が見込めます。
材料費
デジタルカメラ1台あれば可能です。さらに凝った写真にしたい場合は、用途に合ったレンズやカメラ機材が必要です。
その他の必要な費用
目的の写真を撮影するために交通費が必要になることもあります。
おすすめサイトは?(写真販売)
PIXTA
fotolia
Photolibrary
iStockphoto
http://nihongo.istockphoto.com/
似ている副業は?
出張撮影
写真販売よりも本格的な撮影の副業をしてみたい方におすすめなのが出張撮影です。被写体(利用者)との打合せからの撮影、納品まで、やるべきことは本業のフォトグラファーと同じです。写真販売と比較するとやることは多く難しそうですが、マッチングサービスを使えば副業でもこなすことができるでしょう。※利用するサービスにより条件があります。
カメラ転売
カメラが好きであれば、中古カメラを仕入れて転売するカメラ転売の副業も注目されています。新商品発売と同時に値崩れするコンパクトデジタルカメラではなく、デジタル一眼レフカメラなど愛好者やマニアが好むカメラを転売することで利益を得ます。
画像加工作業
画像を明るくする、サイズ変更、トリミングなどの画像加工作業が得意であれば、クラウドソーシングサイトに掲載されている仕事に応募し収入を得ることができます。主にネットショップに掲載する画像加工などがメインです。