LINEスタンプ

LINEは今やコミュニケーションツールとして不可欠となりつつあり、日本国内のユーザー数は2015年9月時点で5,800万人です。これは日本全人口の約40%をカバーするほどの数で、インフラとも言えるほど普及していると言えます。

今回ご紹介するのは、LINEで使われる「スタンプ」と呼ばれるイラストを作成し販売する副業です。

スタンプとは、テキストメッセージでコミュニケーションを取る中で、喜怒哀楽を表現する手段として使われるイラストで、LINEが他のSNSやメッセージツールと比較してこれほどまでの人気を得た1つの理由とも言える機能です。

2014年4月からクリエイターズマーケットが開始し、一般ユーザーでもオリジナルイラストを登録し販売できるようになったことで、気軽にできる副業として大きな話題となっています。

ここでは、LINEスタンプ作成・販売の副業について、詳しくご説明いたします。

始めるためには

能力・技術とは?

イラストを描ければいいのでは?と思いがちですが、必要な能力は決してそれだけではありません。まずLINEスタンプを作成・販売するには2つの条件があります。

  1. クリエイターズマーケットに登録
  2. イラストの審査を通過

クリエイターズマーケットへの登録は誰でも無料で簡単に行うことができます。登録の際に必要な情報は、アカウント情報に加えて振込先のみです。登録後、作成したイラストであるスタンプ画像を登録します。

イラストの作成にあたっては注意点やマニュアルがありそれをよく読んでから作成します。スタンプ画像登録後は審査があり、承認されると無事販売を開始できますが、審査に通らないと販売できません。

そこで1つ目の条件として、マニュアルに沿ってLINEの審査に通る必要があります。著作権を侵害していないか、規定のサイズになっているかなど細かな点まで審査されるため、審査完了までに1.2か月かかると言われています。

最低振込額をクリアする

無事審査を通過すると晴れて販売開始されますが、2つ目の条件として“最低支払金額1,000円”を超える必要が出てきます。(2015年2月以前までは1万円だったため、かなり緩和されています)

1,000円に達するためには、1個100円のスタンプ画像を10個販売することですが、手数料が差し引かれ、受け取ることができるのは販売額の35%となっているため、約30個販売する必要が出てきます。

いくら100円で30個と言った簡単そうに見えるハードルでも、ライバルが無数に存在する中ではそう簡単ではありません。そのため、イラストを描く能力に加えて、最低金額1,000円に達するために、有用なスタンプ画像や付加価値を高めること、幅広く認知させる必要があると言えます。

必要なもの、初期投資

初期投資や必要な物品については、どのようなイラストをどんな手段で描くかによって異なります。

紙にペンなどで手書きしたものをイラストにする場合は、手書きの紙を読み込むスキャナー、読み込んだ画像をイラスト化するための画像編集ソフトウウェアなどが必要です。

また、パソコンのソフトウェアを使って直接イラストを描く場合は、マウスよりもよりイラストを描くのに適しているペンタブレット(ペンタブ)なども必要となります。

その他の条件

どんなスタンプ画像が求められているか、アイデアが必要です。例えば「笑顔」「怒り顔」などは数多くのスタンプ画像が公開されていますが、他のものと同じような画像では、わざわざ100円出して購入しようとはならないものです。

LINEユーザーがどんな時にどのようなスタンプを利用しているか、自分の経験を含めて調査した上で、「こんなスタンプがあったらいいな」といった付加価値や具体的な利用シーンを考えて作成することが重要です。

仕事内容を徹底解剖!

「どんなLINEスタンプを作るか」なのですが…まずは、基本を確認しましょう。

制作ガイドライン

スタンプ画像を1つ作っただけでは販売できません。制作ガイドラインをいくつか抜粋してご紹介します。

用意する画像

メイン画像とスタンプ画像40個、トークルームタブ画像です。メイン画像はスタンプ画像の紹介ページでメインとなる画像、トークルームタブ画像とは、LINEのスタンプ一覧ページでタブの画像となるものです。スタンプ画像は40個でワンセットとなるため、ストーリー性を持たせた画像を40種類準備できるかがポイントとなります。

スタンプ画像のサイズはあらかじめ最大サイズが設定されています。ただし、スマートフォンなどで自動的に縮小されて表示されることが多いため、偶数のサイズで作成すると縮小された際に画質が損なわれずに済むようです。

また、もう1つの注意点として余白もあります。余白は10ピクセル程度必要であることが明記されているため、忘れず余白を入れた画像を作成しましょう。

その他に、クリエイター名・スタンプタイトル・スタンプ説明文なども必要です。最初は諸々の登録に時間がかかるかもしれませんが、最初に設定しておけばあとはスタンプ画像を作って登録していくという繰り返しとなります。

審査ガイドライン

LINEでは、クリエイターズスタンプ画像をすべて審査して販売開始しています。規定のフォーマットに沿って作成しているかどうかなどに加え、かなり細かい部分までガイドラインで記載されているため、いくつか抜粋してご紹介します。

会話、コミュニケーションに適していないものはNG

ただかわいいだけのイラストというものでは登録できず、コミュニケーションに使えるかどうかというのがポイントです。

  1. イラストでないものはNG
  2. 単純なテキストのみの画像もNG

写真や顔写真などはスタンプ画像としての登録は認められておらず、逆にテキストのみも認められていません。

スタンプ全体のバランスを著しく欠いているものはNG

1色だけのモノトーンマークや、単に数字を羅列しているイラストなども認められていません。

肌の露出が多いものはNG

LINEは若年層の利用も多いコミュニケーションツールなので公序良俗に違反していないかなども厳しくチェックされます。

売れているスタンプから分かる傾向

LINEスタンプ画像はランキングで順位表示され、よく売れているものから順番に表示されています。つまり人気の高いものがより多くの注目を集めるといった形です。それらのものに共通する項目をまとめてみます。

ターゲットを絞るか幅広くするか

例えば、上位にあるものには「主婦がよく使う言葉」といったターゲットを絞ったスタンプがあります。響くターゲットにはよりマッチする良い例です。

その一方でそれ以外のランキング上位は、うさぎ、ねこといったシンプルで老若男女問わないデザインのものが表示されています。LINEスタンプ画像を利用するのは若者だけとは限らないため、年代や属性を問わず利用できるような幅広いターゲットにするか、ニッチなターゲットを想定するかを決めましょう。

イラストの質

ランキング上位を見てみると、さほどイラストが上手でなくとも問題なく、鉛筆でさらっと書いたようなイラストが多々あります。個性的すぎず、丁寧でわかりやすいものが求められているようです。動物系、ゆるキャラ、シュールなイラストなどが多いです。

テキスト

スタンプ画像の人気を左右するものとしてイラストと同様に重要なものがテキストです。喜怒哀楽だけでなく、お礼・お詫び・応援・挨拶・質問・拒否といった言葉を工夫して作成しましょう。関西弁を使ったユーモアのある言葉なども良いですね。

LINEスタンプの将来性

【市場は飽和状態:食い込めれば巨額収入に!?】
LINEのクリエイターズマーケットは、リリースして1年以上経過し、手軽にスタンプ画像を公開できることから続々と登録数が増えています。おそらく10数万個以上は登録されているでしょう。なかには1点も購入されていないスタンプもかなりあるはずです。

そういった点で、まったく売れなければ0円、良いアイデアの元多数販売できれば1000万円単位といったかなり開きのある副業です。

マーケットオープン当初は登録数は少なかったものの、現在はかなりの数が登録されているため、今からスタンプ画像を作成し副業として収入を得るためにはかなり狭き門と言えます。

ただし、LINEのユーザー数やスタンプ画像の必要性だけを見た場合には、市場の成長性は高いと言えます。

おすすめサイトは?

LINE クリエイターズマーケット

【販売中のスタンプ画像】
https://store.line.me/stickershop/showcase/top_creators/ja

【制作ガイドライン】
https://creator.line.me/ja/guideline/

【審査ガイドライン】
https://creator.line.me/ja/review_guideline/

Stampers(スタンパーズ)

http://www.stampers.me/
LINEスタンプに関する情報を見ることができるサイトで、クリエイター向けコンテンツとして、「スタンプシミュレーター」「ランキングチェックツール」を利用できます。

ミナクル

http://minakul.jp/make-line-stamp-35
LINEスタンプで月に5万円を得ている人のサイトです。

似ている副業は?

在宅イラストレーター

イラストや絵を描くのが好きという方は、在宅イラストレーターがあります。

クラウドソーシングサイトで募集されている仕事に応募することで仕事を得ることができますが、イラストの必要性が高いことから、イラスト専用のクラウドソーシングも登場しています。

主にアプリゲームのキャラクター作成やWebサイト用のイラストなどです。