昆虫採集

男の子が虫取り網とかごを持って夢中になる遊びといえば、昆虫採集。

ペットショップを覗けば、森の木々の中に当たり前のようにいるカブトムシやクワガタが良い値段で売られていたり、図鑑で見かけるような珍しい品種が驚きの価格で売られていたりというのを目にしたことはあるかもしれません。

昆虫採集は、有名芸能人がカブトムシ1匹○○万円で販売!?といったことがニュースになる中で、副業として密かなブームを集めています。

どんな昆虫を採集すればいくらぐらい儲かるのか、そしてその相場はどのぐらいかなど、昆虫採集の副業について、詳しくご説明いたします。

始めるためには

能力・技術とは?

昆虫に関する基本的な知識が必要です。昆虫採集は、山や森へ出かけ昆虫を捕まえ、それを販売することで収益を得る副業ですが、クワガタかカブトムシかバッタか、といった基本的な見分けができる必要があります。また、そもそも虫が苦手、虫を触れないといった人もおすすめできない仕事です。

昆虫を販売すると聞くと、自宅で幼虫から養殖して大きく美しく育て上げてから高値で販売するのでは?といったイメージがありますが、昆虫の養殖は管理がとても大変です。

ケースや餌も大量に必要で、温度管理などを行っていく中で死んでしまうことも多々あります。そもそも家にそんなスペースがない、家族が嫌がるなどもあって難しい仕事だからこそ今注目されているのが、休みの日にアウトドアついでに山へ行き、昆虫を採集して販売する副業です。

必要なもの、初期投資

初期投資や必要な物品については、虫取りに必要なカゴや網です。お子様がいらっしゃる場合は、お子様が使っているものを拝借しても良いですが、ある程度たくさんの昆虫を採集してお金にしたいという場合は、大きめのカゴを準備する方が良いでしょう。

その他の条件

念のため法律について知っておきましょう。動物を守る法律として「動物愛護法」があり、哺乳類・鳥類・両生類・爬虫類などを捕獲し販売するには動物取扱業の資格が必要とされています。

基本的に、魚類と昆虫についてはその資格は不要のため、副業として昆虫採集をすることに問題はありませんが、昆虫の種類は数多く、天然記念物に指定されている昆虫もいます。

蝶はだいたい全部アゲハチョウかモンシロチョウだよね?と思っていても、採集が禁止されているチョウの数はかなり多く、なおかつ地域限定で採集が禁止されているチョウもいるのです。

そのため、昆虫を採集して販売することは法律に触れることはありませんが、天然記念物かそうでないかは確認するために、あらかじめ図鑑で調べてから採集するか、見たこともないものであれば採集を控えるといった見極めが必要です。

仕事内容を徹底解剖!

【人気は2つ!カブトムシVSクワガタ】

カブトムシ

昆虫と一言で言ってもかなり種類がありますが、副業として販売することを考えると「カブトムシ」「クワガタ」の2つが有力候補です。ヤフオクを見てもこの2種類に出品や入札が集中しています。

カブトムシの代表的な種類は以下の通りです。とはいえ、なかでもヘラクレスは別格でかなり人気があります。

  • ヘラクレスオオカブトムシ
  • グラントシロカブトムシ
  • ゾウカブト
  • コーカサスオオカブト
  • アトラスオオカブト
  • サビイロカブトムシ

カブトムシを採集する時期は、6月から8月ごろに限定されており、なかでも7月中旬~8月上旬あたりがベストな時期でしょう。時期外れに採集できたとしても、販売しようとしたらもう弱り始めていたということにもなりかねません。

カブトムシの生態としては夜遅い時間に活動をするので、採集する時間帯も21時ごろから明け方にかけてです。昼間でも採集することは可能ですが、隠れているのを探すので効率は悪くなります。しかも、カブトムシは雨が嫌いなので、雨降りの日は採集が難航します。

種類なども重要ですが、成虫として販売する場合はやはり大きさも重要です。最低でも6.7cm以上ある方が良く、8cm以上の大型のものは希少価値が高くなります。

クワガタ

人気を二分するもう1つがクワガタです。バブルの時期には「オオクワガタ」がもてはやされ、○十万円、○百万円といった噂を耳にしたこともありますが、時代とブームは穏やかに過ぎたため、現在はそこまでの一攫千金価値はありません。それでもクワガタ愛好者は多いため、クワガタの採集を副業とすることは可能です。

クワガタの代表的な種類は以下の通りです。

  • オオクワガタ
  • コクワガタ
  • オウゴンオニクワガタ
  • ツヤクワガタ
  • シカクワガタ
  • ミヤマクワガタ
  • パプアキンイロクワガタ
  • スジブトヒラタクワガタ

クワガタを採集する時期はカブトムシと同じく6月~8月、ベストな時期も7月中旬~8月上旬です。そして時間帯についても同様に夜間です。

この時期にカブトムシとクワガタを同時に狙うというのが現実的かもしれません。ただしクワガタは種類によっては9月か10月まで採集できるものもあります。

クワガタの大きさについてもカブトムシと同様で6.7cmあるのが理想です。また、クワガタもカブトムシもオス・メスのセットだとニーズも高くなります。

チョウは標本で

昆虫採集の副業は、カブトムシかクワガタかの二択になりますが、他の種類を強いて挙げるとするとチョウです。チョウの場合は、標本として販売されインテリアなどに活用されるため、美しい種類のものを複数採集し標本として販売する副業となります。

チョウを標本にするには、採集前後にハネなどが崩れないように注意し、チョウ専用の展翅板(てんしばん)を入手し作成します。とりわけ難解なものではありませんが、テクニックは必要です。

チョウの場合も種類や大きさが重要ですが、インテリアとして鑑賞する人が多いので、色鮮やかな色合いが重視されます。

チョウの採集は春~秋にかけて日中に行うことができるので、家族サービスのかたわら副業で昆虫採集をしたいという場合は、カブトムシやクワガタよりもチョウの方が手軽かもしれません。

採集した昆虫をどうお金に変えるか

昆虫をどうお金に変えるかが一番重要なポイントです。代表的な方法は、昆虫専門店へ持ち込んで売るか、オークションなどで自分で販売するかのどちらかになります。

知らないうちにとても珍しい種類を採集している場合は意外な値段がつくかもしれませんが、どこにでもいる種類と判断された場合は、値段がつかず売れないことも多々あるようです。

オークションで自分で販売する場合は、詳しい種類や大きさ、メスかオスか、どこで採集したかなどを細かく説明の上出品しましょう。

その他注意点

昆虫は採集するのは、大型公園や森の中などになりますが、どの場所についてもその土地の持ち主が存在する場合が多数です。

市や村などが持ち主の場合は良いかもしれませんが、個人が持っている土地などに侵入することは違法となりますので、必ず注意しましょう。

また、子どもと一緒に遊びながら昆虫採集を副業にしようと思っている場合は、夜間の虫取り作業は想像以上に過酷です。

見知らぬ虫が顔面やライトに群がったり、万が一子どもとはぐれてしまった場合は大変なことになります。もしお子様と一緒に出掛ける場合は、効率は悪くとも昼間の時間帯か早朝4時5時といった時間帯をおすすめします。

副業:昆虫採集の将来性

昆虫採集の副業については、過去と比べると今はずいぶんと落ち着きを見せました。昆虫ブームとしては、1980年代のオオクワガタブームは「黒いダイヤ」という別名もつけられ、そして2003年ごろのブームは小学生に絶大な人気を集めたカードゲーム「ムシキング」が影響しています。

これらのブームが去った現在は下火になったと言われるかもしれませんが、別の味方をすればまたいつブームが来るかわからないジャンルです。そして、子どもの頃から大人になっても、男の子・男性にとっての昆虫は憧れで懐かしい存在です。一時期のブームはありませんが、根強い人気がある市場と言えます。

いくら稼げる?費用は?

売上

  • オオクワガタ オス 大型(6.5cm以上):1匹あたり5000円~
  • オオクワガタ 小ぶりなもの:1匹あたり2000円~
  • チョウの標本 :2匹で500円~

1匹捕まえて一攫千金といったイメージではなく、あくまでアウトドアやバーベキューのついでに副業といった考え方の方が良いかもしれません。

費用

クワガタやカブトムシの採集の場合は夜間作業となるため、ヘッドライトや長袖長ズボンなど安全装備を行いましょう。夜の木々の中は想像以上に漆黒の闇で、ライトがないと危険です。万が一の電気切れも危険なので、ヘッドライトの予備電池も必ず携帯しましょう。

  • 虫取り網
  • 虫かご
  • パーツボックス(採集した虫を個体ごとに分けて傷つくのを防ぐ)
  • 虫除けスプレー
  • タオル(蒸し暑い時期のため)

上記はいずれもホームセンターなどでまとめて購入でき、合計で1000円~2000円程度です。最初に準備をすれば何度も使えます。

その他の必要な費用

カブトムシやクワガタを採集できるのは木々の多い森の中です。森へ行く往復の交通費やガソリン代などが必要になります。夜間の方が効率良く採集できるため、自動車があった方が良いでしょう。

おすすめサイトは?

ヤフオク

https://auctions.yahoo.co.jp/
※昆虫で検索

むしオークション

昆虫や虫専門のオークションサイト。
http://64online.jp/auction/

似ている副業は?

コレクター向け昆虫飼育

オオクワガタムシなどのコレクターに注目される昆虫を幼虫や成虫から飼育し、付加価値を高めて販売する仕事です。豊富な飼育知識が必要です。