便利屋

副業として便利屋を行う方が増えています。便利屋としての仕事はハードそうなど不安もあると思います。まずは便利屋のメリットや仕事内容を紹介してから、副業として行っていくためのノウハウをご紹介します。

ノーリスクでリターンの大きい便利屋の仕事のメリット

資金なしでもできる

何か事業を起こそうと思ったら、資金が云百万円かかるのは当然で、 とても副業で始められるものではありません。

何をするにも資本はかかります。多くの副業が叫ばれ、Amazon輸入、せどり、アフィリエイト、アドセンス、FX,株式投資など、比較的資本のかからないとされているそれらの副業においても、多少なりとも資金を必要とします。

Amazon輸入やせどりは、リスクは少ないと言っても、たとえ少額であっても資金は必要になります。

アフィリエイトの場合にも、サーバー代やドメイン代は必要になります。

株式投資やFXは、儲かる時は大きく儲かりますが、資金が必要になり、リスクもまた伴うことは、みなさんも想像に難くないことと思っています。

便利屋の独立開業には、これといった設備投資は要りません。副業としての便利屋のメリットは、何といっても、資本がかからないことにあります。

とりっばぐれのない仕事

それだけではなく、取っぱぐれもほとんど皆無だそうです。少なくとも何人かの業者さんにお聞きしましたが、みな取りっぱぐれたことはないそうです。

これは実際にやってみれば分かることですが、最初に電話をいただいたときに、金額とできることを言って、現金をご用意いただけるように言っておけばいいだけのことです。(その日に用意できない場合は「翌日取りに来てもらうことはできますか?」と、相手の方から言ってきます。)

依頼があるときは、みな何がしかのことに困っていて、早く何とかしてもらいたいと思っている人ばかりです。ですので、解決してあげれば、みんな「助かった!」ということで、喜んでお金は出してくれます。

どんな仕事でも金銭的なリスクの付きまとうのが一般ですが、便利屋に限り、まず経済的なリスクは皆無と言っていい仕事なのです。

確実で大きなリターン!

株やFxは儲かるときは大きく儲かりますが、資本は要りますし、大体リスクが付きまといます。
アフィリエイトなどにはさほどリスクを伴いませんし、パソコンだけで行えるので楽な副業です。しかし月5,000円以上稼いでいるアフィエイエイターは実際には氷山の一角しかいないとさえ言われています。

せどりやAmazon輸入なども、1つ1つの商品のもたらす利益はさほど大きくありませんし、大きく儲けるためには商品を選びのために、やはり研究が必要になります。

それに引き換え、便利屋は1件出掛けていくだけでも、5,000円なんて超えてしまいます。
資本なしで、なおかつリスクなしに始める副業として考えれば、何より確実に大きく儲けられるのが便利屋の仕事なのです。

小遣い稼ぎから本格的に会社組織にして行うこともできる

便利屋はあくまで副業として小遣い稼ぎから始めることができます。それだけではなく、起動に乗ったら本格的に人を雇い、会社組織にして行うことも可能です。

アフィリエイトのようにあくまで個人で来る日も来る日もこちょこちょと稼ぎ続ける副業もありますが、便利屋の場合は、独立開業できる可能性もあるのです。

リストラの考えられる職場で働いている人の場合、これは大きなメリットになります。

しかも事務所を持つことなく、自宅で行うことから始めることができるのです。会社らしい体裁を持たせようと思った場合事務所が必要になるのが普通です。

最近は事務所を必要とするSOHOのために、貸し事務所ならず、月極めの貸しデスクすら登場しています。月5,000~10,000円くらいの金額で、住所としての利用はもちろん、郵便物や宅配便の受け取りも可能で、オフィス全体に受付のスタッフを常住させている所もあります。

接客室やセミナールームも用意されていて、来客があれば、デスク料とは別に時間料金でそこで打ち合わせたり、プレゼンテーションができるようになっていたりします。

しかしいくら安いと言っても、お金がかかることは確かです。その点、便利屋は自宅で始められる事業なのです。仕事が多くなり、本格的に事務所を置いてやりたくなったら、それはそのときに考えればいいだけです。自宅から始めて会社組織にまで発展させることのできる夢のある副業が便利屋の仕事なのです。

便利屋開業の際には、基本的に事務所は不要です。

実際にわたしが過去に2度便利屋を頼んだ場合がありましたが、来てもらった便利屋さんは、あきらかに自宅から来た様子で、名刺すら持って来ませんでした。

専門知識や技術的ノウハウは必要がない

楽に稼げるとされているアフィリエイトですが、 ‘カンタン!’‘誰にでもできる’なんて言われても、ブログを作成したり、テンプレートを探したり、そこそこ必要とされる能力はけっこうあります。

もっとも筆マメで、インターネットを使った作業が好きな人なら、アフィリエイトは向きかもしれません。せどりやAmazon輸入なども、売れる商品を見極めるために、ある程度は、勉強が必要になります。

しかし、便利屋の仕事は、ある意味依頼者から言って来ることに応じればいいだけのことです。積極的に何かを勉強していくというものではありません。要は「できるかできないか」で、引き受ける場合にも「どこまでできるか」は明確にしておけばOKです。

たとえばネズミを全部取ってくれというのは不可能です。ネズミがすぐ側にいる場合は、ガサガサと音を立てて誘き出すことはできますが、「ワナを仕掛けておびき出して取れるところまでは取りますけど、あとは出そうな所にワナだけしかけて帰ることになります。」と、ことわってから引き受けるようにするのです。

出没する原因となっている穴などの箇所を塞いで帰ることもしますが、場所によりけりで、古い建物などはどこから出現するか分からず、結局ワナを仕掛けて帰るようになります。

家具の移動や雑草抜き、ネズミ取り用の粘着テープの着いたワナを買って仕掛けること・・など、便利屋に依頼のある仕事は、基本はあえてやろうとすれば誰でも行える仕事がほとんどなのです。

それを面倒だから、疲れるからイヤなので便利屋に頼んくるのです。誰でもやろうとすればできることを、誰でもやる方法でやって帰ればいいのです。ですので、特に専門的・技術的なノウハウは必要がありません。

中には技術的なノウハウを必要とする依頼もありますが、自分自身がそれぞれの技術的ノウハウを身に着けることをしないでも行うことはできるのです。これについては後述します。

どれくらい儲かるのか?

開業にあたり考えること

月50万円にはなる!?

便利屋として成功して、現在もなお便利屋を行っているという人に聞くと、始めて3カ月ぐらいで、月50万円になったという人がほとんどでした。

ごく普通に業務をこなしていたら、月に100万円くらいの売り上げで、手取りで70万円くらいは簡単に利益が出るそうです。便利屋の数もすっかり増え、競争が激化したとは言え、少ない人でも、月60万円年間720万円になるそうです。

多いときは月150万円の売り上げがあるそうです。専業として専念しきっている人の中には月300万円年間3,600万円稼ぐ人もいるそうです。

お客さんに反感をもられないように、レクサスかクラウンを乗り回したいと思っても、わざわざ1300ccの小型自動車で商売を行っているなんて業者さんの話もネットには出ていたりします。

ちなみに営業エリアを広げたいとのことで、一緒に便利屋を手伝ってくれないかと友人から声をかけられたのがきっかけで、便利屋の世界に入ったという人がいました。

専念し出した時には、1人で月に150万円の収入が得られたことに、自分でも心の底からビックリしたとのことでした。専念し出した1年8カ月の間に依頼件数は1,200にも及んだとのことでした。

別にフランチャイズ開業の支援を中心に、経営コンサルティングを行っていた人もいましたが、その人の場合にも、そこそこはあった経営コンサルティングとしての収入をはるかに超える、便利屋としての仕事の依頼の勢いに、現在ではどっぷりと便利屋の仕事につかって生きているそうです。

まして専念しないまでも副業として行いたいあなたなら、十分過ぎるほどの稼ぎになるのが便利屋の仕事です。

フランチャイズで始めるのはナンセンス

便利屋を始めるには、フランチャイズチェーン(FC)に加盟して起業する方法と、既存の便利屋に一定期間勤めてから起業する方法との2通りがあります。

FCに加盟して始める方法はここではオススメしません。

どこに加盟して行うかで加盟料などの初期の費用は異なりますが、約280万円~450万円以上もかかます。ロイヤルティーも課せられることから、フランチャイズで行うくらいなら、他の経営や他の副業に手を染めた方がマシです。フランチャイズで始めた人はいずれも苦しい経営に悩まされています。

依頼がありそうなことすべてに、自分1人で対応しようとすればフランチャイズ加盟が必要になってしまうのです。これからお話するように、すべての依頼に応えられるように準備してかかる必要はないのです。

用意するもののは要らない

家に引いてある固定電話と携帯だけで仕事はできる

事務所は不要で、普通に家に引いてある固定電話を使って、自宅を連絡先にして十分できます。車も持ってなくても全然使わずに出来ます。もし車を持っていたらそれを使えばいいだけです。
どうしても使う必要がでてきたらレンタカーでも構いません。

どうしても必要な物と言えば電話です。

固定電話がなくても携帯電話があればできますが、お客さんの信頼度は、家の固定電話の方はるかに高いので、まずは固定電話を使うようにします。

家を留守にする場合は、家の電話を携帯に転送して、受けるようにしていくといいでしょう。もし名刺を作って配るような場合には、携帯の番号も入れるようにしましょう。

名刺は今パソコンで自分でも作ることもできますし、100枚で1,000円~2,000円、安いのは今600円で印刷してくれるところもあります。
なお、わたし自身が過去3度頼んだ便利屋さんは、3件とも別のところで、電話帳で探して依頼しましたが、どの業者さんからも名刺すら渡されませんでした。

必要なことはメモをすることを習慣づけましょう!

メモ帳とボールペンだけは常に用意して、電話をもらった段階で、どんな些細なことでもメモを取ることを習慣づけましょう。

件数が嵩んだり、あるいは似たような依頼があると、どちらがどうかわからなくなったり、ついうっかり忘れたりすることがなくなります。必要なものが浮かんだら、すぐにメモを取るようにしましょう。

逆に言うと、便利屋は、紙とペンさえあれば、現金を手に入れることができる職業なのです。まったくの「無」から「有(現金)」を生み出す仕事なのです。

連絡先を知らせるための手段

便利屋としてのタウンペーシへの掲載

便利屋を開業するなら、便利屋としてのあなたを知らせるために、その連絡先をどこかに表示させる必要があります。

少なくとも、職業別電話帳であるタウンページには掲載するようにしましょう。
タウンページへの掲載は、タウンページセンターに「職業名・サービス名」を指定して申し込めば無料でできます。最低限これだけは行っておく必要があります。

iタウンページへの掲載はナンセンス

タウンページに記載したことで、iタウンページを使う人もいますが、iタウンページはまず効果がないと思ったほうがいいでしょう。

なぜならiタウンページは、ネット検索に引っかかるような作りになっていないのです。検索画面に自分の会社のページのURLが表示されるようにする施策をSEO(検索エンジン最適化)と言いますが、iタウンページにはそうした施策が一切なされていないのです。

検索しても、iタウンページに登録している企業のページは検索結果にまず出来て来ません。

iタウンページに登録している企業にたどり着くには、顧客はまずiタウンページを検索し、iタウンページのページからあなたの会社を見付けてくれるしかないのです。

Googleから即検索結果を得られるのに、わざわざiタウンページまで行って、探そうとする人がどれだけいるか考えてみてください。

今まで数多くのネット検索をしてきたものの、iタウンページの掲載の企業のホームページを目にした記憶はありません。iタウンページに載せている企業は、まずiタウンページを検索して開いてみて、初めて知りました。

だからせっかくお金を出して申し込み、自分の会社のHPを作ってもらっても、まさに探しているお客さんにヒットしないのです。

ホームページ制作にはお金をかける必要はない

最近は電話帳を家に置かない人も多く、ネットの影響もあって、嵩張るタウンページは「要りません」と断る人も増えています。

「タウンページ」も使ったことがない人も多くいて、そこで販売促進のためにホームページの制作を考える業者も多くいます。

しかしその際も、月1万円以上かけてiタウンページを立ち上げるよりは個人でHPを立ち上げた方がはるかに効果は大きいと言えます。

ホームページを立ち上げる際にも、ホームページ作成にはお金をかける必要はありません。洗練された綺麗なホームページにする必要はないのです。洗練されたきれいなホームページにしたところで訪れる人が増えるとは限らないのです。

お金をかけて綺麗なホームページにすることと、バリバリ客が来ることとは別のことなのです。ホームページビルダーなどのソフトを使って、自分で制作した手作りの、ダサさのあるものでも十分です。

とりあえず店の存在をアピールし、あとは「何でもやります」ということで、ズラリと依頼のありそうなことを並べておくくらいでいいのではないかと思っています。一応の名刺代わりになり、電話で問い合わせできるようにしておけばいいのです。

また、リスティング広告を利用する手もあります。リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードによって表示される広告(「検索連動型広告」)です。

初めからニーズのあるユーザーがあなたのホームページを見るようになるので、水道工事業者と並んで便利屋などでもこれを活用する人も多くいます。広告料は広告をクリックした人が現れたときに発生し、キーワードによって決められたクリック単価×クリック数で決まります。クリックに成功しなければ広告料は発生しないことから「成功報酬型広告」とも言われています。

リスティング広告を考える場合に、そのデメリットとして競合他社との比較が言われていますが、便利屋を検索する人は、一般的には早くどうにかしてもらいたいという人が多いことから、他社との比較はあまり考えられません。要は支払える金額か・支払えない金額かどうかで、支払えると思えば依頼してきます。

この辺、どういう方法を用いて宣伝するかは、どれだけ本格的に行うつもりかによることになるかと思っています。

地味だが広告費用がペイできやすいタウンページ広告

電話での問い合わせという意味では、昔ながらの黄色の紙媒体のタウンページは、はるかに効果があります。派手さがない分、自然な安心感を顧客に伝えているようなところはあります。

手軽に掲げられているネット広告や、派手な電車の中吊り広告に嫌悪感を抱いている人もいて、ネットで調べるよりは、堅実さを感じるタウンページで選ぶという人も一定数いるのです。

たとえ依頼に対し交通費やカゾリン代を出かけて行っても、便利屋の場合すぐに支払われることが多いので、すぐに取り戻せてしまいます。行きに殺虫剤や掃除器具などを購入して行ったとしても、すぐにその分は取り戻せますし、残ったものは顧客に渡す必要はないので、今後のときに使うことができます。

こう考えると、便利屋は経費ゼロと言ってもいいような気がしています。ですので、ホームページや広告掲載は、便利屋開業のための唯一の経費ということになるのではないかと思っています。

タウンページの広告料金はタウンページセンターへの問い合わせるものとして公開していないので定かにはわかりません。

ただ掲載した人から聞くところによると、小さな四角の枠組みの広告は年契約で、1年掲載するのに年6万円くらいで、これを月に分けて毎月5,000円くらい支払うことになるそうです。店名をやや太字にして載せただけで月々2,400円くらいかかるそうです。

しかし、司法書士や弁護士、税理士といった士業に関しては紙のタウンページで集客でき、実際に広告費用はちゃんとペイできているそうです。副業として小さなところから始めることを考えるなら、最初はこんなかたちでもいいのではないかと思っています。わたし自身も、過去3度とも、便利屋はタウンページで探しました。

難しくない運営法

~依頼内容には共通点がある!~

小規模・「早く」というのがほとんど

皆さんが知りたいのは、依頼される仕事に、まずどのようなものがあるか?ということではないかと思っています。

1番多いのは、家財・家具の移動だそうです。

わたし自身も過去に便利屋に依頼したものは、家具の2メートルほどの移動と、塀と家の壁の隙間、家の四面のうち一面に生えている雑草取りだったりしました。
家具は200キロもある家具だったので、誰かに依頼するしかないと思い、便利屋に依頼しました。

また、塀と家の壁の間はわずか42センチしかなく、しかもジメジメしていてネズミが這うようで、自分でやるのがどうしてもイヤだったのです。

家具の移動は15分、雑草取りも1時間弱といったところでした。いずれも本当に助かったと感謝しています。

抜いてもらった雑草は一カ所にまとめて積み上げておいてもらい、後でわたしが山積みにされたそれを袋に詰めて資源ゴミとして出しました。

知人で便利屋に依頼したことのある人もやはり家具の移動と分解でした。兄弟が結婚した時にプレゼントしてくれた高級家具だったので、捨てるに捨てられずにいたのだそうですが、使い途に困っていたのと、特に震災以来その重量が気になるようになり、プレゼントしてくれた兄弟にことわって捨てることを決意したそうです。ところが分解できないことから二階から下に下ろすことすらできず、困っていたのそうです。

そこで、家具を外に出し、なおかつ分解するところまでを依頼したのだそうです。分解後の家具は、木材の資源ゴミとして、依頼者本人の方で片づけたそうです。

ここからもわかるように、便利屋へ依頼のあるものは、規模としては小規模、そして「早く何とかしてもらいたい」というように、緊急性のある仕事が多いのです。

本格的な引っ越しなら、引っ越し業者に頼みます。雑草抜きにしても本格的な庭作りだったら、造園業者に頼みます。しかし、本格的な引っ越し業者に頼むまでもないこと、造園業者には頼みづらい仕事が、便利屋に依頼として来ることになります。

また、「早く片付けてほしい」という気持ちが強いので、業者を比較することもあまりありません。先ほどもリスティング広告のところでも書きました通り、依頼者にとっては「払える金額かどうか」だけで、他社と比較してどうのこうの、ということはまずないと言っていいようです。

専門家と技術を争う必要はない

フランチャイズに加盟した場合、きちんとした掃除のノウハウを教えられることが多いかと思いますが、掃除にしても、ある部分に限ったものが多かったりします。少なくとも副業で始める限り、専門的な技術を準備する必要はありません。掃除の専門会社と争う必要はないのです。

引っ越しにしても、雑草抜きにしても、掃除にしても、本格的なものなら、きちんと見積もりを立て、ある程度日程に幅をもたせ、引っ越し業者に、あるいは造園業者に、あるいは掃除会社に依頼するはずです。計画性を持つために、当然金額も他者と比較されます。

しかし便利屋に依頼の来る内容の仕事は、専門的・本格的なものに依頼するまでもない小規模なゆえに、早く処理してほしい内容のものがほとんどなのです。
ですので、専門的なノウハウはほとんど無用なのです。

仮に専門的な技術が必要なものであっても、次に述べて行く方法により、自分自身は個々の仕事について技術的なノウハウを持たなくとも、引き受けていくことは可能なのです。

依頼者の割合は女性が多い

依頼してくる人の年齢はまちまちだそうです。

唯一顧客に共通する点は女性が多いということだそうです。実際にざっと依頼名簿を数えてもらったところ、6~7割が女性だそうです。地域によって差はあるかもしれませんが、都内近郊では、仕事に忙しい若い女性から、家庭の主婦も多いそうです。

深夜に「会社から帰ってゴキブリを見ました。奥の部屋にいます」なんて依頼もあるそうです。大体依頼があるのは、人に頼めない11時過ぎだったりするので、完全深夜料金で2万円は取るそうです。

ゴキブリが逃げ込んだという部屋が分かる場合には、その部屋の押し入れや部屋の四隅にゴキブリジェットを噴射すると、ゴキブリが出て来ます。出てきたゴキブリを引っぱたいて、死体を片づけて帰り、それで2万円だそうです。

ほとんどと言っていいほど依頼者は女性で、便利屋の背中に隠れていた女性は、それでも本当に感謝してくれるそうです。中には退治する間、玄関の外に出ている女性もいるそうです。それくらいゴキブリが怖い女性も世の中にはいるのです。

この場合、ゴキブリが出て来なくとも、料金はもらうことにしているのだそうです。その場合には、ワナを仕掛けて帰るそうです。

ワナは家庭用の粘着テープの着いたものもありますが、食べ物を置かないようにしてゴキブリだんごを仕掛けておけば、ゴキブリはたいていそれを食べて、気が付いたときには死んでいます。ゴキブリが見つからない場合には、その旨伝えて、安心してもらって帰ってくるそうです。

依頼の数だけ仕事内容がある!

考えられる依頼は多種多様で、実際にやっている人に依頼のあった仕事を聞くと、200ぐらいあるそうです。おそらくすべての仕事が便利屋の仕事と言っても過言ではない気がしています。具体的な依頼内容について、全部は掲げられないので、主な例だけを掲げてみます。

「散らかっている部屋を片付けてほしい」

片づけられないヒトが増えている関係で、依頼は結構あります。行ってみると、コンビニで買った総菜は、食べかけのまま、衣類は下着も含めて脱ぎ散らかしっぱなし・・・といった具合にひどい惨状ですが、ただ整理して片付ければいいだけのことで、別にたいした仕事ではありません。
本やCdは本棚に、洋服はハンガーにかけるか、たたんで部屋の隅にまとめる・・・といった感じだそうです。床や家具がホコリだらけだったら掃いたり、拭いてあげたりすることもあるそうですが、「片づけられないから片づけてくれ」といった依頼の場合は、基本は整理になるのだそうです。

片付けていて出たゴミは、地域によって出し方が異なりますので、カン・びん・新聞や雑誌・燃えるゴミ・燃えないゴミに分けて、玄関にまとめて帰ります。ゴミ袋は、到着してから近くのコンビニで買えるそうです。

宝くじ購入代行やチケット購入代行
限定品発売に合わせた買い物代行

販売場所が遠い場合の、買い物代行です。

オークション代行

家族にバレないように落札したい物、通販で見付けたい物がある人が依頼して来るのだそうです。

試験の申し込み代行

宅地建物取引主任の受験申込の代行や子どもの学校の願書の届け出代行などがあったそうです。

クーリングオフ代行

クーリングオフ(買った商品の解約業務)の代行は、クーリングオフ期間内に、ハガキや電話で断りを入れる仕事です。開封や使用があるとできない場合もありますが、クーリングオフに成功しなくても、料金をもらえるように、先に振り込んでもらってから取り掛かるようにするのだそうです。

網戸の張り換え

DIYショップ(ホームセンター)に行けば、張り換え用のものが売っています。網だけのものも枠付きのものも売っています。

網は枠の溝にはめ込まれているゴムビートで押さえられているだけなので、古い網はゴムビートの端をドライバーでこじ上げれば、あとは難なく全部ベロっと?がれるように引っ張り出せます。
あとは新しい網を張って、新しいゴムビートで留めるだけです。

実際に便利屋をやっている人に聞いてみたら、1度自分でやってみてから臨んだそうですが、1度やってみるだけで十分対応できるとのことでした。

ペットシッター

「○時間だけただ見ていてくれればいい」というような依頼があるそうです。「吠えても無視していい。エサだけ与えてほしい。」というような内容で、留守番感覚でできるそうです。

話し相手

「話し相手になってくれないか」とか「こういう悩みがあるのだけれども、ちょっと話に来て、相談に乗ってくれないか」などと言ったものもあるそうです。
男女・年齢問わず、けっこう依頼があるのは時世を象徴しているのかもしれません。

一緒に食事をする

1人暮らしの高齢者などから「お寿司をとったから」「ウナギを注文したから」・・ということで、「(独りで食事をするのがさびいしいので、)一緒に食事をしてほしい」というような依頼もあるそうです。

墓参り

「墓参りに行けないので代わりにお線香をあげて来てくれ」と依頼で、ほとんど場合墓掃除と対で依頼されるそうです。買った線香や花代は領収証をもらって別途請求することによって、きちんと供えてきたことを依頼者に知らせることになるそうです。

行事の代理出席

「そうしても出られないので、代わりに行ってもらえないか」という依頼で、依頼者から名刺をらって、持って行って参加し、「代理で出席しました」と、渡してから帰るそうです。

エアコンクリーニング

エアコンクリーニング専用のスプレーで、スプレー缶に書いてある手順に副って行うだけだそうです。あとはカバーや外したネットを洗って、それで終わりだそうです。

・・・と掲げればキリがない感じですが、これらはすべて1人ででき、特に専門的な技術は不要でできるものばかりです。2年間便利屋で頑張っている人に聞いたところ、依頼内容は200弱。このうち半数以上は、こうして1人でこなせるものだったということでした。

自分でできないことは他人に依頼

専門業者を利用して、外注する

ここからが肝心です。自分でできない仕事はどうするか? みなさんはこのことが1番不安に思っていらっしゃることではないかと思っています。そんな心もとなさが、チェーン店加盟へと駆り立ててしまうのかもしれません。しかし心配する必要はありません。

要するに人に頼めばいいのです。

専門的な技術が必要な仕事は専門家に頼めばいいのです。自分が専門家になる必要はないのです。
逆に言えば、できないことはやらないほうがいいのです。

たとえば、クロス貼り替え(部屋の壁紙を貼り替え)は、簡単に見えたりしますが、実際はシワを作らずに貼ったり、四隅を整えて貼ったりするのは素人には非常に難しいので、引き受けておいて内装業者に外注に出すようにすればいいのです。

絨毯や布団のクリーニングも、受け取って帰ってからクリーニング屋を呼べばいいのです。依頼内容を聴いてから行くので、予めクリーニング代やかかる日にちは調べることはできますが、大体7,000~8,000円、日数は2~3週間はかかるのが普通です。料金はクリーニング屋に支払う金額に8,000~10,000円プラスするようなかたちでもらうようにします。

依頼者の自宅からクリーニング屋を呼んで、直にクリーニング屋に持って行ってもらう方法もありますが、その場合、依頼者とのやり取りはクリーニング屋を挟まずに行い、先にお金を受け取ってから、クリーニング屋には後ですぐにお金は持って行くからということで、洗濯する物だけを持って帰ってもらうようにします。寝具類のクリーニングの依頼は、夜遅くまで仕事している女性からの依頼で結構あるそうです。

同様に「カギを失くした」というような依頼も、鍵前業者を呼ぶようにして行うことができます。
中に入る方法があれば、中に入って中から開けてあげることも可能ですが、多くの場合、カギを壊したりする必要が出て来ますし、そうすると新しいカギを取り付ける作業も入ってきます。
依頼する人は「一刻も早く家に入りたい」ので、少々料金が嵩んでも依頼してきます。

ハウスクリーニングなども、便利屋に依頼として来るのは、換気扇だけ、風呂場だけというように、徹底的にある部分だけ行うようなものが多いそうです。ハウスクリーニングについては、器具や薬品が必要な関係で、引き受けておいて、ハウスクリーニング専門店に外注に出すようにしているそうです。ハウスクリーニング業者はたくさんいますので、検索すれば見つかります。

他に産業廃棄物の処理などは、産業廃棄物処理業者としての許可を持っていないとできません。ですので、産業廃棄物処理業者さんを見付けて、処理してもらうようにしなければなりません。
エアコン、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、洗濯乾燥機なども産業廃棄物になります。これらは家電リサイクル法により、買った所に連絡すれば引き取らなければならないことになっているのですが、依頼する人はそんなことをするよりも「早く片付けてほしい」人ばかりだったりします。

「産業廃棄物の処理になり、うちは産業廃棄物処理業者としての許可を持っていないので、できません。」と、断ってもおかしくはありませんが、普段から産業廃棄物処理業者を見付けておいて、「やります」と言って、廃棄する家電を引き取って来た方が得策です。

レンタカーを借りてまで引き取りに行くのが面倒ならば、直に産業廃棄物処理業者に直に依頼者のところに取りに行ってもらうようにしてもいいと思います。その方法で産業廃棄物処理業者から20%くらいの紹介料をもらうようにしている便利屋もいます。

行く以上は、出張費はもらうことを了承してもらう

もらった家具や冷蔵庫が「家に入らない」という依頼も結構あります。買った場合なら、買ったところの業者が運んでくれますが、人からもらった場合には玄関まで運んでも、玄関や階段に運び入れることができないという場合があります。また、リサイル流行りで、リサイクル家具を非常に安く購入できたけど、運ぶのに苦労しているといった人も多くいます。

その場合、「入り口の扉よりも大きかったり、階段が狭かったりしたら行っても入らない場合もありますよ。その場合も出張料だけは5,000円だけいただきますが、それでもよろしいでしょうか?」と、きちんと断り、「それもいい。」ということだったら行くようにします。

取り分がなくなるような仕事は初めから引き受けない

階段や入り口から入らない入らない家具の場合、引っ越し業者ならば、家具が傷つかないように毛布などに包んで、ベランダから吊るして入れたりします。

ですので、すぐに応じてもらえるようなら、個人でやっている引っ越し業者などに頼んで、入れてもらう方法もあります。その場合も依頼者には上乗せした金額を請求することになりますが、請求額は結構嵩むようになります。

依頼者がそれでもいいということだったら構わない訳ですが、あまりに嵩めば金額に譲歩せざるを得なくなり、そうすると自分の取り分が少なくなってしまいます。ですので、専門業者に依頼する場合は、自分の取り分を上乗せした場合の金額を考えて、嵩むようだったら、引き受けないようにしたほうがいいでしょう。

便利屋で何が必要になるかというと、個々の仕事によって異なります。家具の移動では「力」が必要になりますし、また、塀と家の壁の間に入って雑草を抜くのは太っている人では難しいかもしれません。

堀と家の間の狭い場所も造園業者に頼めばやってくれるところもあります。ただしこの場合も金額は嵩みますので、自分の取り分を上乗せした場合の金額を考えてから引き受けるようにしましょう。

予め手伝ってもらえる人を用意しておければベスト

「家具の移動」などの場合、200キロくらいする大型冷蔵庫や家具はそれを2階から1階に1人で移動させたり、逆にそれを1階から2階まで、1人で持って運んだりするのは無理です。やはり男2人は必要です。そこで手伝ってもらえる人を見付けておくと便利です。

もし見付けられない場合には、「みんな出払ってしまっていて、現在1人でできる仕事でないと引き受けることはできません。」とでも言って、断るようにしましょう。

ちなみにわたしが家具の移動を頼んだ際の便利屋は、親子で来ました。

「ラーメンを作って、一緒に食べてほしい」などという依頼もあるそうです。インスタントラーメンくらいなら、自分1人でも作れますが、少し凝った料理になると、料理が苦手な人だと無理になります。そういう場合にも、料理が得意な人がいれば助かることになります。家で便利屋を営んでいる人は、料理関係だけは奥さんに頼んでいるそうです。

副業として考える便利屋の結論

便利屋を本業として行うなら、朝から晩まで働けばいいので、問題はありません。しかしサラリーマンが副業として行うには、どうしたらいいのでしょうか?

土日祭日は、仕事があって手が空いている限りは24時間行うとしても、平日はどうすればいいのかという問題が出て来ます。その場合には、平日は夜6-深夜2時まで、とか時間を決めて行えばいいのではないかと思っています。少なくとも10過ぎは夜間料金ということで、昼間開業している便利屋よりも、料金も高く設定してにおかしくはありません。

初めから広告に「平日は夜6-深夜2時まで、土日祭日は24時間」と広告に打っておくこともできますが、広告に時間を入れなくとも、顧客は昼間電話が通じなければ他の便利屋を当ることになるかもしれませんが、それもしかたないと割り切って行うしかないと言えます。

実際にゴキブリが出た、ネズミが出た、カギが空かない・・・などというような緊急性のあるものほど、夜間の仕事が多くなります。庭の掃除など、緊急性のないものはできるだけ土曜などに回してもらい、どうしても「(平日の)明日昼に」といった仕事は、専門業者やあるいは信頼できる人に代わりに行ってもらうのもいいですが、もしそれができない場合には、「スケジュールがいっぱいで、人手が足りないので」ということで、丁寧にお断りするようにします。

仕事である以上、いったん引き受けた以上はキッカリと行う必要があります。

本業を持っていて副業として行うもので限り、できない時は「できない」と割り切ってやっていくしかありません。逆に自分のやりたい仕事だけを選んで行うこともできるのです。たとえ1日1件だけでも1万5千~2万円くらいは取れるのが普通ですので、副業の収入としては決して悪くない収入になります。

ですので最初に「どこまでやるか・やらないか」「できるか・できないか」を明確にしてから引き受ける必要があります。その上で料金を告げ、それでもOKならば、出掛けて行くようにします。

ちなみにわたしが便利屋に家具の移動を依頼したのは夜でした。塀と壁の間の雑草抜きは、平日の金曜日指定で依頼したのですが、金曜日は「スケジュールが一杯」と言われたことにより、土曜にやってもらうことになりました。

どんな仕事でもする気があればできる!

便利屋で成功した人に言わせれば、便利屋には特に必要とされる能力はありませんし、どんな仕事でもする気があればできる仕事です!

「まったくの素人が、ハウスクリーニング、エアコン修理、病人の付き添いから、最近はパソコン使用の支援までこなすには、ノウハウがないと無理」と言うのは、フランチャイズ店の言い分で、実際はノウハウなんて持たなくても十分可能です。

ハウスクリーングと聞くと当然ノウハウが必要なように聞こえますが、これまでお話してきたように、便利屋に来るのは必ずしも本格的なハウスクリーニングではなく、多くはその一部や、依頼者が行った後の後片付けだったりすることがほとんどです。

実際の依頼内容も、たとえば、猫の死体を処分してほしい、たとえば電球を替えてほしい、幼稚園の願書を届けてほしい、場所取りや順番取りをしてほしい、(老人の)話し相手になってほしい・・・など、ノウハウなんて呼ぶまでのないことの方が多かったりするのです。

例えば、猫の死体を処分してほしいって依頼に対し、「2万円になりますが、それでもいいですか?」と言って相手が同意すればそれだけで2万円になります。依頼が遠い場所からの場合には、「場所が遠いので2万5千円になりますが・・・」と言って、相手がそれでいいと言えば、それでいいのです。

便利屋は学歴も経験も不要なら資格も特技もなくできます。届け出も不要なら、向き・不向きもありません。元手の資金がまったくなくてもできる仕事です。要はヤル気さえあれば誰でもでき、確実な現金収入を得られる仕事なのです。

最大のメリット~人に感謝され、喜ばれる

‘困った’を解決してあげるのが便利屋の仕事です。

困ったを解決してあげたことによって、大変人に喜ばれる職業なのです。

「今ゴキブリが出ました。台所で見たんです。」と電話があった場合にも、「ゴキブリは、基本的には人がいる時には出て来ません。ですのでゴキブリがいる場所が確実に分かるものでない限り、誘い出してまで取ることはできませんよ。」という了解を得てから、ゴキブリジェットだけ持って行ったのだそうです。会社から帰った女性は、台所にいたゴキブリを見付けて怖くて、玄関に近い部屋から携帯を掛けてきたそうです。台所に四隅に噴射すると、ゴキブリがすごい速さで出てきたので、叩いて殺したのだそうですが、ゴキブリが死んだと分かった瞬間に、その女性が本当にホッとした表情で、「助かりました!ありがとうございました!」と、手放しで感謝してくれるそうです。

同じように喜ばれることは日常茶飯事で、どの人も、困ったことを解決してあげたことで、本当にホッとした表情をするそうです。恐らく病気や事故などに纏わる特殊な仕事を除いて、こんなに人に喜ばれる仕事も少ないのではないかということでした。

「助かりました!ありがとう!」と感謝の言葉をもらえることはまさに便利屋冥利、1番のメリットと言えるものではないかと思っています。

多くのお客様にお会いするなかで、あらためて便利屋を開業してよかったと実感されているそうです。