パーソナルスタイリスト(個人スタイリスト)とは、依頼者の要望に応じてファッション提案を行う仕事です。
洋服を買いに行った際、店員さんに「お似合いですよ」と言われるアドバイスとは異なり、顔や体型、似合う色やなりたい願望などを解析し、理想的なファッションスタイルを目指すためのお手伝いを行います。
メールだけのやりとりの場合や、実際に買い物に同行するサービス、パーソナルカラー診断やコーディネートブックの作成など、仕事内容やその範疇はさまざまです。
パーソナルスタイリストの仕事は、富裕層や芸能人向けといったイメージがありますが、最近では一般ユーザーにも幅広く知られ利用されるようになっています。
その背景には、物が豊富に揃う時代だからこそ自分のニーズをどうすれば叶えられるか迷っている人が多いことを表しています。
ここでは、パーソナルスタイリストの副業について、詳しくご説明いたします。
始めるためには
必要な能力・技術とは?
ファッションコーディネートができる能力や技術が必要です。そのためには、依頼者の悩みは何か、ニーズはどこにあるのかを引き出すためのカウンセリング能力も必要です。
また、その悩みを解決するためにどのようなファッションテイストを提案すれば良いか、引き出しとなるファッション全般の知識を多く持っている必要もあります。
パーソナルスタイリストには、法的な資格は特にありません。ただし、一人のお客様へ「あなたにはこのスタイリングが似合います」と提案する上で説得力を持たせる材料として、何らかの経験や資格があると有利です。
有名アパレルショップの店員経験、アパレルブランドのデザイナー経験、服飾系の専門学校卒業、カラーコーディネーターや色彩検定などの資格です。
また、ファッションは趣味嗜好がとても表れやすい分野です。自分自身が好きだと思っているアパレルブランドが、依頼者は嫌いに思う場合も多々あります。
そのため、自分の好きなテイストの知識だけに偏らず、幅広いファッション知識が必要とされます。そして、メールでも直接会う場合でも、コミュニケーション能力が求められます。
必要なもの、初期投資
初期投資や必要な物品は、採寸のためのメジャー、カラーチャートなどです。パーソナルスタイリストとして活躍する方法として、個人で顧客を獲得する方法を選んだ場合は、その窓口となるWebページの開設が必須です。
また、パーソナルカラー診断を行う場合は、色布(ドレープ)を準備しておきます。
その他の条件
プロ意識が必要です。
パーソナルスタイリストは資格も経験も問われない世界なので、「私はパーソナルスタイリストです」と名乗れば、副業としてすぐ開始できます。
ただし、ファッションが好きという気持ちだけであれば決してうまく進むことはありません。また、相手は一般人だから、と軽く考えていると苦労することもあるかもしれません。
どのような副業でも費用が発生する以上、プロとして顧客の満足度を獲得しましょう。お友達の買い物に付き合うのではなく、ビジネスとしてコーディネートアドバイスを制作物として提出するプロ意識が大切です。
また、全身をコーディネートするという意味で、ヘアやメイクアップの知識もあるとトータルコーディネート提案ができるため強みになります。
仕事内容を徹底解剖!
活動方法によって異なる副業内容
スタイリスト事務所に登録して仕事を行う
パーソナルスタイリストになるためにスタイリスト事務所に登録し、仕事をあっせんしてもらうことが1つ目の活動方法です。
パーソナルスタイリスト専門の事務所の他にも、芸能人向けスタイリスト事務所と兼ねている事務所、フードコーディネーターやインテリアコーディネーターなど複数のコーディネート業務をトータルで担っている大規模な事務所などがあります。
スタイリスト事務所に登録して仕事を行うメリットは、自身で顧客を開拓する必要がないということです。ただし、事務所の細やかな規定を守る必要や各種報告義務が発生することがあります。また、顧客に対しては、あっせんであっても個人で直接請け負ったとしても責任は同じです。
完全に独立して自らの力のみで行う
スタイリスト事務所へ登録すると、当然ながら顧客が支払う代金すべてをもらうことはできません。事務所に一部か大半が渡るためです。その点で言えば、完全に自分の力のみで行うパーソナルスタイリストの方が、副業としての旨味があります。
完全に個人のみでパーソナルスタイリストを行う場合は、まず集客から開始します。パーソナルスタイリストのWebページが多く開設されているので参考にしても良いでしょう。
集客の際には、どのようなスタイリングサービスを行うことができるのか、自分の強み、それぞれのサービス代金などを記載します。現代人はみな毎日忙しくしているので、スタイリングにかかる時間も明記しておくこともおすすめします。
Webページを開いてすぐに顧客から問い合わせが来るのはまれです。やはりサービス開始当初は地道な集客活動が大切です。
そして、一度スタイリングアドバイスをもらい、安心感と満足度を得た顧客がリピートする確率の高いサービス内容です。いかにリピートしてもらえるかが、収入を大きく左右するでしょう。
ターゲットを絞る
個人向けスタイリストは大半が「日常の洋服選びに困っている」「パーティーやビジネスの場にふさわしいスタイリングを教えてほしい」といった内容です。
オールマイティに仕事を請け負うことはメリットですが、あえてニッチで専門性の高さを表現することで活躍の場が広がる可能性もあります。
ターゲットを絞ったパーソナルスタイリストは例えば、ウエディングドレススタイリスト、パーティードレススタイリスト、子育て中のママ向けスタイリスト、婚活男女向けスタイリストなどです。
あえてターゲットを絞るにあたっては、その根拠となる「ウエディングプランナーとして長年の実績がある」「パーティードレスデザイナー経験あり」「自身も子育てで洋服選びに悩んだ経験がある」など、顧客の気持ちにマッチするようなキャッチコピーは必要です。
また、ターゲットを絞ったパーソナルスタイリストの活躍の場は、自分で開拓する必要があります。Webページで顧客を開拓する一方で、結婚式場やウエディングプランナーなどへの働きかけ、子育てママネットワークに入り込むなど人脈作りも大切となります。
パーソナルスタイリストの将来性
スタイリストというと、芸能人や富裕層向けに感じているかもしれませんが、パーソナルスタイリストの利用者は大半が一般消費者です。一般消費者が利用するサービスとして、今はまだ高い認知度とは言えないた
- 毎日忙しく、選ぶのに時間をかけられない人が増えている
- 欧米と同様、太っている人は管理能力がない、など外見の重要性が高まってきている
パーソナルスタイリストやパーソナルスタイリストの活躍の場は、今後ますます広がっていくでしょう。
いくら稼げる?費用は?
売上
パーソナルスタイリストの売上は、どのようなアドバイスを行うのかとその所要時間によって異なります。一例をご紹介します。
- メールのやりとりのみでのコーディネートアドバイス:5000円~※コーディネート数3~5程度を提案
- パーソナルカラー診断、買い物同行を含めたコーディネート提案:30,000円~※顔や体型など各種詳細な分析も含む
なお、買い物同行の場合は、指定のショッピング施設へ向かう移動時間も費用に加算することが一般的です。
費用
特に費用は必要としません。パーソナルスタイリストは、コーディネートを提案する能力を販売することになるためです。
ただし、カラー診断を行う場合や、コーディネートブックを作成する場合は、診断表やブックの印刷や紙などの材料費がかかります。
おすすめサイトは?
フロントパージュ
http://www.frontpage7.com/stylist/#personal
スタイリスト事務所です。他にもカメラマンやヘアメイクなど総合的な派遣業務を行っています。登録すればパーソナルスタイリストとして活躍できるチャンスがあります。
ハナワークス
http://www.ahanaworks-style.com/wanted.html
スタイリスト事務所です。他にもヘアメイクやモデル、エキストラなど総合的な派遣業務を行っています。登録すればパーソナルスタイリストとして活躍できるチャンスがあります。
ライフブランディング
http://ones-style.jp/
メンズに特化したパーソナルスタイリストによるファッションコーディネートを専業で行っているサイト。登録すればパーソナルスタイリストとして活躍できるチャンスがあります。
スタイリストBBS
http://www4.rocketbbs.com/141/bb408.html
スタイリストやヘアメイク専門の掲示板サイトです。個人で活動する場合にぜひ告知場所として活用したいサイトです。
mixi「パーソナルスタイリスト」コミュニティ
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2919090
ご存知mixiにあるコミュニティです。こちらも個人で活動する場合に告知場所として活用したい場所です。
似ている副業は?
カラーコーディネーター
主にパーソナルカラー診断などを行う仕事です。比較的短時間で行うことができることで、副業に向いています。ただし、カラー診断だけの需要はあるとは言えず、メイクアップ提案、ファッション提案など何らかのアドバイスをセットで行うのが一般的かもしれません。
インテリアコーディネーター
ファッションではなくインテリアをコーディネートするお仕事です。インテリアコーディネーターになるには、資格試験がありますが、必ずしも資格がないと活動できないというわけではありません。