日本の文学賞、文芸賞といえば、何を思い浮かべますか?

まず出てくるのは、ニュース等でも話題になる「芥川賞」「直木賞」あたりではないでしょうか?

しかし、実はこれらの賞は、既に作家・小説家としてデビューし、プロとして活動している人の作品が選考対象となるクローズドなコンテストなのです。

では、まずその一歩手前、「デビュー」をするためにはどうすればいいのでしょうか?

答えのひとつに、「公募の新人賞やコンテストに応募する」という方法があります。

そうした公募賞には様々なものがありますが、ここは景気よく、一発で年収ウン年分の賞金を手にすることができる「高額賞金」の賞をチェックしてみましょう。

satsutaba

日本語の読み書きさえできれば、誰にでもチャンスがあります!

さあ、夢は大きく、はりきって参りましょう!!

 


破格の高額賞金がズラリ!!

高額賞金トップ3グループ

 

賞金額もすごい!なんと1200万円!
「このミステリーがすごい!」大賞

賞金 大賞:1200万円 優秀賞:200万円
ジャンル:広義のミステリー小説

「面白い作品や新人を発掘・育成する“新しいシステム”を構築する」をコンセプトに創設された公募の文学賞。

インターネットの特性を活かし、元来ブラックボックスだった文学賞の選考過程を、極力オープンにしようという試みが新しい。

1次選考に残った場合、書評家の推薦コメントとともに作品の冒頭部分がネット上にアップされ、プロの意見を知ることができる。

またそのコンセプト通り、1次選考に進んだ作品や、最終選考に残りながら受賞を逃した作品にも、出版や映像化など日の目を見るチャンスが与えられているのが特長。

過去の受賞者に、浅倉卓弥、東山彰良、海堂尊らがいる。

枚数 400~650枚(400字詰原稿用紙換算)
応募資格 特になし
締切 5月31日
発表 10月にホームページ上にて発表
選考委員 大森望、香山二三郎、茶木則雄、吉野仁
主催 宝島社
URL http://konomys.jp/

※要項は、第14回(2015年実施)のものを元にまとめました。

 

推理小説界の名門!賞金は1000万円!
江戸川乱歩賞

賞金 受賞:1000万円
ジャンル:広い意味の推理小説

小説家・江戸川乱歩の寄付を基金として1954年に創設された、推理小説界の老舗にして、未来の人気作家の登竜門ともなっている公募の文学賞。

これまで、陳瞬臣、西村京太郎、森村誠一、和久峻三、栗本薫、東野圭吾、桐野夏生、池井戸潤など、各世代のスター作家を多数輩出している。

賞金額の首位こそ「このミス!」大賞に譲った形だが、乱歩賞は、第二作の発表の機会を含めた受賞者への育成サポートが充実していると言われている。

実際、後に活躍していく者の率が高いという顕著な特長があるため、未だそのブランド力は抜群

受賞作は講談社から単行本として刊行され、フジテレビによって映像化される。

枚数 350~550枚(400字詰原稿用紙換算)
応募資格 特になし
締切 1月31日
発表 「小説現代」7月号誌上にて発表
選考委員 有栖川有栖、池井戸潤、石田衣良、今野敏、辻村深月
主催 日本推理作家協会
URL http://shousetsu-gendai.kodansha.co.jp/special/edogawa.html

※要項は、第61回(2015年実施)のものを元にまとめました。

 

賞金800万円!ビッグなシナリオ賞!
テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞

賞金 大賞:800万円 優秀賞:100万円
ジャンル:シナリオ

テレビ朝日が、主に自社のテレビドラマで活躍するシナリオ作家・脚本家を発掘・育成する目的で設けている公募の新人賞。

審査は、テレビ朝日のプロデューサー、ディレクター、プロ脚本家らの選考を経て、業界の第一線で活躍中の井上由美子、岡田惠和、両沢和幸の3氏によって最終ジャッジされる。

その名の通り、今世紀に入ってから創設された比較的歴史の浅いコンテストだが、古沢良太(代表作『ALWAYS 三丁目の夕日』『探偵はBARにいる』『リーガル・ハイ』)ほか、才能豊かな若手脚本家・シナリオライターを数多く輩出している。

原則、大賞受賞作品は番組化し放送される。

枚数 50~60枚(400字詰原稿用紙換算)
応募資格 不問、フレッシュな感性と創作意欲をお持ちの方
締切 11月下旬
発表 翌年6月ホームページ上または「月刊ドラマ」誌上にて発表
選考委員 井上由美子、岡田惠和、両沢和幸
主催 テレビ朝日
URL http://www.tv-asahi.co.jp/21shinjin/next.html

※要項は、第15回(2014~2015年実施)のものを元にまとめました。

 


得意ジャンルを活かして狙いたい!!

多彩なジャンルの賞金500万円グループ

 

「怖い話」が好きなら!!
日本ホラー小説大賞

賞金 大賞:500万円
ジャンル:広義のホラー小説

「同時代を生きるすべての読者のために」「恐怖を通して人間の光と闇を描こうとする才能あふれる書き手のために」をコンセプトに創設された公募の文学賞。

エンターテインメント性にあふれた新しいホラー小説を幅広く募集している。

過去の受賞者には、坂東眞砂子、瀬名秀明、貴志祐介、岩井志麻子らがいる。

大賞受賞作は角川書店より単行本として刊行される。

枚数 150~650枚(400字詰原稿用紙換算)
応募資格 特になし
締切 11月30日
発表 翌年5月
選考委員 綾辻行人、貴志祐介、宮部みゆき
主催 KADOKAWA
URL http://www.kadokawa.co.jp/contest/horror/

※要項は、第23回(2015~2016年実施)のものを元にまとめました。

 

ジャーナリスティックに書くなら!!
小学館ノンフィクション大賞

賞金 大賞:500万円 優秀賞:100万円
ジャンル:ノンフィクション

現代社会に問題を提起しつつ、読む人の感動を喚起し、癒しをもたらすノンフィクション作品を公募しているコンテスト。

具体的には、政治・経済・社会・スポーツ・エンタテイメントなどの世界を描いたドキュメント、事件・事故の当事者に迫る物語、人物評伝、個人・企業・団体の取り組みに取材したルポルタージュなどが求められる。

過去の受賞者に一志治夫、最相葉月、河合香織らがいる。

枚数 200~300枚(400字詰原稿用紙換算)
応募資格 特になし
締切 4月30日
発表 8月頃「週刊ポスト」「女性セブン」「SAPIO」誌上にて発表
選考委員 椎名誠、関川夏央、高山文彦、二宮清純、平松洋子
主催 小学館
URL http://www.shogakukan.co.jp/news/prize/

※要項は、第22回(2015年実施)のものを元にまとめました。

 

実力派の作家が次々に誕生!!
松本清張賞

賞金 受賞:500万円
ジャンル:ジャンルを問わない長篇エンターテインメント小説

小説家・松本清張の業績を記念して、各年の良質な長篇エンターテインメント小説を表彰する目的で創設された公募の文学賞。

当初は「推理小説、歴史時代小説」を対象としていたが、現在ではジャンル不問の募集となっている。

受賞作は文藝春秋社から単行本として刊行される。

過去の受賞者に、横山秀夫、明野照葉、岩井三四二、山本兼一、葉室麟らがいる。

枚数 300~600枚(400字詰原稿用紙換算)
応募資格 特になし
締切 11月30日
発表 「オール讀物」6月号誌上にて発表
選考委員 石田衣良、角田光代、北村薫、桜庭一樹、葉室麟
主催 日本文学振興会
URL https://www.bunshun.co.jp/award/matsumoto/info.htm

※要項は、第22回(2014~2015年実施)のものを元にまとめました。

 

ミステリー界の新星を発掘!!
日本ミステリー文学大賞新人賞

賞金 受賞:500万円
ジャンル:広義のミステリー小説

広義のミステリー小説を対象とし、「新しい魅力と野心にあふれた才能を求める」との目的で創設された公募の新人賞。

受賞作は光文社より単行本として刊行される。

なお、この新人賞の母体である「日本ミステリー文学大賞」は、推理小説の発展に貢献のあった作家・評論家を選考対象としており、公募のコンテストではない。

枚数 350~600枚(400字詰原稿用紙換算)
応募資格 特になし
締切 5月10日
発表 10月下旬ホームページ上にて発表、「小説宝石」12月号誌上に選評掲載
選考委員 あさのあつこ、綾辻行人、笠井潔、朱川湊人
主催 光文文化財団
URL http://www.kobunsha.com/company/scheherazade/mistery_new_entry.html

※要項は、第19回(2015年実施)のものを元にまとめました。

 

人気脚本家の登竜門!!
フジテレビヤングシナリオ大賞

賞金 大賞:500万円 佳作:100万円
ジャンル:シナリオ

応募資格に「プロ志望の方」と謳っているように、作品を選んで終わりではなく、将来的にプロのシナリオライターとして一人立ちできるような才能を発掘し、育成する目的で設けられた公募のシナリオ賞。

実際、過去の大賞・佳作受賞者、最終審査進出者の中から、野島伸司、坂本裕二をはじめ、業界の第一線で活躍する売れっ子脚本家を多数輩出している。

原則として大賞・佳作受賞作のうち1編が映像化の上、放送される。

枚数 50~65枚(400字詰原稿用紙換算)※応募はネットのみ
応募資格 自称35歳以下、プロの脚本家を目指す方
締切 2月28日
発表 秋頃
選考委員 フジテレビのドラマ関係者
主催 フジテレビ
URL http://www.fujitv.co.jp/young/

※要項は、第27回(2015年実施)のものを元にまとめました。

 


おわりに

賞金500万円以上「高額賞金」公募コンテストの数々、いかがでしたでしょうか?

文芸・ライター系の公募コンテストというのは、日本語や言葉を駆使して戦う「コトバのバトル」でもあるため、宝くじやギャンブル、懸賞などでの当選を狙うのと比べて、人間の「努力」の余地が大きいことが魅力のひとつかもしれません。

今回紹介したもの以外にも、様々な文芸・ライター系のコンテストがあります。

景気も回復傾向にあることから、さらに魅力的な賞金のコンテストが登場する可能性もあります。

興味が湧いてきたという方は、ぜひチャレンジしてみてください。

 

今回掲載した内容は、2015年4月時点で確認できた情報を元にしています。実際の応募にあたっては、必ず主催者のホームページ等で詳細な応募規定をご確認ください。