インナードライ肌の改善は化粧水よりクレンジングから!原因と正しい対策を解説
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「最近、肌がベタつくようになった」「ファンデーションが崩れやすくなった気がする・・・」10代の頃のベタつく肌とは違うのに、なんだか肌が脂っぽい。
そんな風に感じたことはありませんか?それはもしかしたら、肌質が「インナードライ肌(隠れ乾燥肌)」に傾いているのかもしれません。
現在の日本人の肌質では「インナードライ肌」が年々増えており、10人のうち6~7人は隠れ乾燥肌とも言われています。
今まで「肌に良い」と思って続けていたクレンジングやスキンケアが、インナードライを悪化させていることもあるんです。
ここではインナードライ肌の簡単チェックや原因について、またインナードライ肌さんの肌に合うクレンジング剤選び等をわかりやすく解説していきます。
インナードライ肌とは?簡単チェックリスト
「インナードライ肌(脂性乾燥肌」とは、角質層内部の水分量が減っているのに、表面の皮脂分泌が過剰になっている肌質のことを指します。
過剰な皮脂でテカる部分が多いため、一見すると「オイリー肌」に間違われがち。しかし内部は水分が足りず乾燥しているので、「隠れ乾燥肌」とも呼ばれています。
インナードライ肌(隠れ乾燥肌)は、見た目や手触りだけでは判別が付きにくいのが難しいところ。でも以下のようなチェックリストに思い当たる部分が多いと、インナードライ肌である可能性が高くなります。
インナードライ肌の特徴や詳しい原因については、下記のページで解説しています。こちらも参考にしてみて下さい。
インナードライ肌になりやすい6つの原因と対策~改善は洗顔や食べ物で
インナードライ肌の簡単チェックリスト
- 洗顔後、何も付けずに10分以上置くと顔全体に突っ張りを感じる
- 洗顔後、何も付けずに10分~15分以上置くと肌から油が浮き出る(ベタベタする)
- 鼻やTゾーンだけでなく頬も化粧崩れをしやすい
- ファンデーションを塗るとカサつきを感じる
- 表情を動かした時の小じわ(乾燥小じわ)が気になる
脂性肌(オイリー肌)やノーマル肌の場合、洗顔後に30分程度スキンケアを行わなくても「突っ張り」を感じることはほとんどありません。
しかし内部乾燥が進んでいるインナードライ肌の場合、洗顔後5分~10分で肌がピシッと突っ張るような乾燥を感じることも。
更にそのまま放置していると皮脂が浮き出し、顔全体がベトッとした手触りになります。
夕方にはいつもメイクが崩れるのはインナードライ肌が原因かもしれません。インナードライが改善するまで、下記の対策をやってみるのはいかがでしょうか。
今日からできる化粧崩れ防止テク!ヨレない・テカらないためのコツを徹底解説
インナードライ肌の原因
インナードライ肌となる原因には様々なものがあります。
スキンケアによる原因
- あぶらとり紙の使用・ティッシュの過剰使用
- 保湿スキンケア(水分の補給)の不足
- 熱いお湯による洗顔習慣
- 脱脂力の強いクレンジング剤
- 洗浄力の強い洗顔料による洗顔、ダブル洗顔
- 洗顔、クレンジングによる摩擦
- ピーリング、ゴマージュ
ピーリングはこちらのページで詳しく解説しています。是非参考にしてみて下さい。
ピーリングとは?おすすめピーリング石鹸や使い方・向いている肌質を解説
生活や環境・加齢などの原因
- あぶらとり紙の使用・ティッシュの過剰使用
- 乾燥した環境に居る時間が長い(エアコン等)
- 食生活の乱れによる栄養不足
- 睡眠不足・ストレスでの自律神経の乱れ
- 体質もしくは生活習慣による体の冷え
- 加齢によるセラミド(細胞間脂質)の減少 等
中でも注目されており、多くの人に当てはまると言われているのが、クレンジング・洗顔による皮脂の取りすぎです。
インナードライ肌の最大の原因「皮脂のとりすぎ」
ゴマージュ、角質ケア、AHA、フルーツ酸....世に出回るスキンケア製品には皮脂や角質をごっそり取ると謳う商品が溢れていて「皮脂=悪」というイメージが根付いています。
しかし、この皮脂って本当に「悪」なのでしょうか。
皮脂は肌内部の水分を守っている
皮脂とは肌のバリア機能の1つです。肌内部から水分が逃げるのを防ぐために、肌は皮脂を出して自らを乾燥から守ります。
皮脂が出る、というのは身体の正常な機能なのです。
その皮脂を強力な洗浄力の洗顔やあぶらとり紙でその都度取っていれば、肌を守るものがなくなり、水分は気づかないうちにどんどん逃げていきます。
水分量の低下した肌はどうなる?
人間の肌はセラミド(細胞間脂質)の減少等によって水分量が低下すると、水分ではなく「皮脂(あぶら)」を分泌することで乾燥を防ごうことします。
水を増やすことができない分、油でラップのように肌をフタをして水分の蒸発を防ごうとするわけですね。
しかし「皮脂が出たから」「ベタつくから」と、この脂をさらに洗顔・クレンジング等で取りすぎてしまうと、肌は「もっと肌を保護しなくては」と、どんどん皮脂を作り出すようになります。
「皮脂取り」洗顔やクレンジングでインナードライが悪化
中でも界面活性剤が多量に含まれるクレンジングや角質除去の洗顔料による誤った洗顔方法は、肌が本来必要とする潤いまでも取り去る最も大きな要因です。
クレンジング剤によって潤いを取られた肌がベタつく→更に皮脂を取る、という悪循環によって肌表面の皮脂は加速的に増加し、更に肌内部の水分量のケアが行われなければ乾燥も酷くなっていきます。
良かれと思って続けてきたスキンケアが、「外はベタベタ・中はカサカサ」というインナードライ肌を作ってしまっていることも多いのです。
インナードライ肌でかゆみや刺激感が出たら要注意です。下記のページでは乾燥肌の6タイプの原因や特徴を解説しています。
是非こちらもチェックすることをおすすめします。
乾燥肌6タイプの特徴を解説!かゆみや赤みの原因とおすすめのスキンケア
インナードライ肌に合うクレンジング剤
インナードライ肌にいくら高保湿の化粧水や乳液をつけても、それを守る皮脂を取り去ってしまったら意味がありません。
インナードライ肌改善には、まずクレンジングを見直すことが重要なんです。
では、どのようなメイク落としを使えば、肌に必要な皮脂を守れるのでしょうか?
現在主流となっている「クレンジングシート」「クレンジングオイル」「クレンジングリキッド」「クレンジングミルク」「クレンジングクリーム」それぞれの特性を見ながら比較していきましょう。
シートクレンジング
出先や帰宅直後にもササッとメイク落としができる手軽さが魅力のシートクレンジング。でもシートクレンジングは以下のような特徴を持っているため、あまりインナードライ肌には向いていません。
クレンジングシートの特徴
- 摩擦による肌への負担が大きい
- アルコール類の配合率が高い
- 防腐剤の配合率が高い
- 脱脂力が強い
「手軽さ」は強力な脱脂力によるもの
特に近年のシート製品では、ポイントメイクが短時間で一気に落とせるように強力な界面活性剤が配合される傾向です。
更に使用後に洗顔をしなくてもサッパリとした爽快感を得られるよう、刺激の強いアルコール由来成分も多い傾向があります。
つまり配合成分そのものが肌の潤いを奪いやすく、更に肌に対する刺激も強いというわけです。
その強い成分に加え、シートクレンジングは「シートで肌をこする」という摩擦負担を避けられません。インナードライ肌の原因となる乾燥+皮脂の過剰分泌を招きやすい製品と言えます。
オイルクレンジング
ポイントメイクまで一気に落とせるのが魅力のオイルクレンジングには、大きく分けて3つの特徴があります。
オイルクレンジングの特徴
- 洗浄力・脱脂力が非常に強い
- オイル成分が肌に残りやすい
- オイル成分がニキビを増やすことがある
オイルと界面活性剤どちらも脱脂力が高い
基材(ベース)自体が「油脂(油)」であるクレンジングオイルは、油性であるメイクを溶かす力が高いです。つまり脱脂力が強いということ。
そしてオイル成分が肌に残りやすいとされています。落ちにくいオイルを乳化させて落とすための油溶性界面活性剤の配合量も多めです。
しかしそれでもオイル成分が残りやすいため、ダブル洗顔を必要とする製品も多いのです。
ダブル洗顔で更に皮脂取り
ダブル洗顔無しの場合だと、オイルが残って被膜となり、その後の化粧水等による肌への水分補給ケアがうまくいかないことも。
またダブル洗顔有りタイプの場合、強いクレンジングの後に更に洗顔料を使用するため、脱脂が過剰に行われてしまうのです。
そのためインナードライ肌の方がクレンジングオイルを常用するのはあまりおすすめできません。
オイルクレンジングの詳しい特徴については、下記のページを参考にしてみて下さい。
肌質で選ぶクレンジングオイルのおすすめ15選!自分にピッタリのオイル探し
リキッドクレンジング
まつげエクステ(マツエク)をしている人から選ばれることの多い「リキッドクレンジング」。実は「シートクレンジング」に近い特性を持っています。
リキッドクレンジングの特徴
- メイク落ちはオイルよりはやや弱い
- 界面活性剤の配合量は比較的多いので脱脂力は高い
- アルコール系基材の配合量が比較的多い
オイルと界面活性剤どちらも脱脂力が高い
ファンデーションや口紅等のメーキャップの汚れは「油性(油溶性)」なので、本来は油(オイル系)が無ければ溶かし出すことができません。
リキッドクレンジングのベースは「水」なので、基材そのものには油性成分を落とす力がありませんね。
そのため「メイクを落とせる水」にするためには、強い界面活性剤を多めに入れる必要が出てきます。
基剤がアルコール成分
また各種成分を水に溶かし安定させる(分離せずに混ぜる)ためには、アルコール系の基材(PG、DPG等)の配合量も上げなくてはなりません。
そのためメイク落ちの力はオイルほどではないものの、脱脂力・刺激は比較的強いという成分配合になりがちです。
こちらもインナードライ肌に常用するにはあまり向いている配合とは言えません。
さっぱりした仕上がりを好む人にリキッドクレンジング。使い方や肌タイプ別のおすすめ製品が知りたい方はこちらのページをぜひご覧下さい。
クレンジングリキッドの徹底比較!使い方・特徴・オイルと違う?~おすすめ12選で検証
ジェルクレンジング
固形と液体のちょうど中間にある「ジェル」が基材のクレンジングジェルには、以下のような特徴があります。
ジェルクレンジングの特徴
- 水性タイプと油性タイプがある
- メイク落ちの力が水性・油性によって異なる
- テクスチャーの弾力で肌摩擦を抑えられる
オイルインタイプはオイルと同等
オイルを多く含んだ油性タイプ・オイルインタイプの場合、クレンジングオイルの同程度近いメイク落ちの力を持っているものもあります。
こちらの場合は肌への刺激等はオイルを使うのと同じくらいあるので、インナードライ肌にはあまり向いていません。
オイルフリータイプがおすすめ
オイルフリータイプ(水性タイプ、ウォータージェルタイプ)はマツエクにも使用ができ、摩擦が少ないことから肌への刺激も比較的抑えられます。
インナードライ肌の方がメイク落としに使うなら、水性タイプの方が良いでしょう。
しかしその反面、洗浄力はやや弱くなり、成分配合によってはクレンジングクリーム等よりもメイク落ちが悪いことも。ポイントメイク等には別途リムーバーを使用します。
ミルククレンジング
クレンジングミルクとは、水・グリセリン等に油を混ぜて作った乳剤(乳液)をベースにしたメイク落としのこと。以下のような特性を持っています。
ミルククレンジングの特徴
- 拭き取りタイプ/洗い流しタイプがある
- 保湿成分の配合量が比較的多く、保湿力がある
- 洗浄力はかなり弱い
- 肌への刺激は比較的抑えられる
洗い流しを選ぶ
クレンジングミルクは脱脂力や刺激が穏やかな傾向があるため、肌乾燥を抑えたいインナードライ肌には比較的向いています。
ただし界面活性剤の配合量等がオイルに比べると少ない分、メイクとしっかりと混ぜあわせて乳化をさせることが大切です。
またそれでも洗浄力は弱めなので、濃いメイクやポイントメイクを落とすのには平均的に向いていません。
拭き取りタイプだと肌の摩擦による負担が蓄積してしまうため、インナードライ肌の方が使う場合には「洗い流しタイプ」がおすすめです。
クリームクレンジング
クレンジングクリームは、水・油を混ぜて作ったクリームをベースに界面活性剤や保湿剤を加えたメイク落としです。特徴には以下のようなものがあります。
クリームクレンジングの特徴
- 拭き取りタイプ/洗い流しタイプがある
- 保湿成分の配合量が比較的多く、保湿力がある
- 洗浄力はかなり弱い
- 肌への刺激は比較的抑えられる
摩擦による肌負担が少ない
クレンジングクリームはオイル配合量・合成界面活性剤の配合量が抑えられているため、オイル・リキッド等に比べると肌への刺激が平均的に少なめです。
またクリームテクスチャーの弾力によって摩擦抵抗を抑えられるので、肌負担を減らせるのもメリットとなっています。
保湿力もあり、インナードライ肌のクレンジングには比較的向いた製品です。
ただ「拭き取りタイプ」は肌の摩擦を増やすためNG。洗い流し専用タイプか両用タイプを選びましょう。
オイリー肌だけどクレンジングクリームを使いたい!そんな方はこちらのページがおすすめ。クレンジングクリームのメリットやデメリット、肌タイプにあわせておすすめ製品を紹介しています。
徹底比較!クレンジングクリーム人気おすすめ11選~成分や特徴で賢く使い分け
インナードライ肌に向いているクレンジングは?
上記のような特性から、インナードライ肌のクレンジングには以下の3つのいずれかが向いていると言えます。
- クレンジングミルク
- クレンジングクリーム
- クレンジングジェル(水性タイプ)
「自分は普通肌、オイリー肌」という方は、クレンジング剤の代表的な6種を比較した下記のページがおすすめです。それぞれのクレンジングの特徴を知ることで賢い使い方ができます。
クレンジング剤の特性を徹底比較!6種類のテクスチャーの選び方と使い分け&おすすめクレンジング
インナードライ肌のクレンジング剤選び方
一口に「クレンジングクリーム」「クレンジングミルク」と言っても、製品によって成分配合は様々です。
肌をしっかりと守ってくれるクレンジング剤、またライフスタイルに合ったクレンジング剤を選ぶポイントをチェックしていきましょう。
オイル類の種類と配合量
クレンジングクリームやミルクには、基材にオイル類(油剤)が含まれています。
オイルの配合量/オイルの種類によっても洗浄力や脱脂力が変わってくるので、使用されているオイル類や配合量をチェックしておきたいところです。
ミネラルオイル
ミネラルオイルとは、石油から作られた鉱物油(炭化水素油)のこと。
成分が比較的安価で洗浄力が強いため、プチプラ系のクレンジングクリーム等の多くのクレンジング剤に使われているオイルです。
しかしオイルの吸着力・脱脂力が強い上に肌に残りやすいため、肌への刺激は強め。
更にミネラルオイル配合率が高い製品は乳化剤等に強力な界面活性剤が使われたり、界面活性剤配合量が増やされる傾向があります。
インナードライ肌さんのクレンジング剤には、できればミネラルオイルが使用されていない、もしくは配合量が低い製品の方がおすすめ。
成分表示の順番ででオイル類の1位にミネラルオイルが来るような製品は避けた方が無難です。
天然油脂
天然油脂とは、植物や動物等から抽出された天然自然のオイル成分のこと。原料によって、以下のような様々な種類があります。
【天然油脂の例】
- オリーブオイル
- ホホバオイル
- ローズヒップオイル
- アルガンオイル
- 米ぬか油
- マカダミアナッツオイル
天然油脂の洗浄力・脱脂力は、他のオイル類に比較すると穏やか。肌への刺激を避けたいインナードライ肌さんのクレンジング剤としては比較的向いているオイル基材です。
また天然素材が持つミネラル・ビタミン等の美容成分が含まれているのも魅力と言えます。
ただ精製度が低いオイルは不純物が多く、それらが肌刺激の原因となることもあります。また洗浄力を高めるためにオイル配合率をやたらに上げている製品には要注意。
ダブル洗顔でもオイル成分が肌に残り、洗顔後の化粧水等の浸透を妨げてしまう恐れがあります。
合成エステル/エステル油
合成エステル(エステル系オイル)とは、高級脂肪酸に高級アルコールを結合させて作った合成の油のことを指します。使用される脂肪酸/アルコールによって、様々な種類・名称があります。
【合成エステルの例】
- パルミチン酸エチルヘキシル
- エチルヘキシル酸セチル
- パルミチン酸イソプロピル
- パルミチン酸ステアリル
- ミリスチン酸イソプロピル
- イソノナン酸イソトリデシル 等
合成エステルの洗浄力/脱脂力は、ミネラルオイルと天然油脂成分のちょうど中間程度にあたります。
エステル油はテクスチャーの硬さや粘りを調節する働きも持つため、肌摩擦を抑えたり、すすぎをラクにする設計とするためにエステル油を使っている製品も多いです。
界面活性剤の種類
クレンジング剤では、洗浄力を高めること、乳化をさせること等を目的に界面活性剤が配合されています。
しかし種類によっては脱脂力が強かったり、肌への刺激が残るものもあるため注意が必要です。
イオン界面活性剤(カオチン界面活性剤・アニオン界面活性剤)
水に解けた時に陽イオンもしくは陰イオンに電離する界面活性剤です。
洗浄力が強いのがメリットですが、脱脂力が強い上に静電気を発生させ肌に残ったり浸透する力があるため、刺激を抑えたいインナードライ肌のクレンジングでは向かない界面活性剤と言えます。
【イオン界面活性剤の例】
- ラウレス硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸ナトリウム
- セトロモニウムブロミド 等
非イオン系界面活性剤(ノニオン系界面活性剤)
非イオン界面活性剤は、水に溶けても肌の上でイオン化せず、イオン系よりは肌への刺激が抑えられるのがメリットです。洗浄力はイオン系よりは弱くなります。
【非イオン界面活性剤の例】
- ラウリン酸PEG-××
- オレイン酸PEG-××
- ステアリン酸PEG-××
- トリイソステアリン酸PEG-××
- パーム脂肪酸グルタミン酸Na
- ステアリン酸グリセリル 等
アミノ酸系界面活性剤
アミノ酸系界面活性剤はアニオン系界面活性剤の一種ですが、肌の元となる「アミノ酸」を挟み込んでいる作りとなっているために肌への刺激が少なく、弱酸性で刺激が穏やかなのが特徴です。
ただし洗浄力がものによっては非イオン系よりも弱い、触り心地がペタッとする(粘度が気になる)といったデメリットもあります。
とは言え脱脂力を弱めたいインナードライ肌には最も向いていると言える界面活性剤です。
【アミノ酸系界面活性剤の例】
- ココイルグルタミン酸Na
- ラウロイルグルタミン酸TEA
- ミリストイルグルタミン酸Na
- ココイルグルタミン酸TEA
- ステアロイルグルタミン酸Na 等
保湿成分
インナードライ肌は肌の細胞間脂質(セラミド)の量が減り、水分保持量が減っている状態。
肌の水分量アップを促す保湿成分が配合されている製品を選べば、クレンジングによる乾燥をできるだけ防ぐことに繋がります。
【保湿成分の例】
- セラミド
- 天然保湿因子(NMF)
- ヒアルロン酸Na
- コラーゲン
- トコフェロール
- グリセリン
- コラーゲン
- 植物エキス(アロエベラ葉エキス、カミツレエキス、オウレンエキス等)
これらの保湿成分が入った、インナードライ肌におすすめの化粧水を下記のページで紹介しています。あわせてチェックしてみて下さい。
インナードライ肌を化粧水で改善!厳選おすすめ11選~原因と保湿成分を解説
防腐剤(パラベン等)
クレンジング剤の多くには、品質の劣化を防ぐために防腐剤が配合されています。
【防腐剤の例】
- プロピルパラベン
- メチルパラベン
- エチルパラベン
- ブチルパラベン
- フェノキシエタノール 等
避けたいのは「ブチルパラベン」「プロピルパラベン」
防腐剤は種類や配合量によっては刺激となりうるため、できれば防腐剤フリー、パラベンフリーの製品を選びたいところ。
しかし特に手指と製品が直接接触するクリームタイプ等の場合、防腐剤の使用をゼロにすることができません。触った部分から雑菌が繁殖してしまう恐れがあるためです。
比較的抗菌力と刺激が強いと言われるのが「ブチルパラベン」「プロピルパラベン」ですので、この2つを避けるように気をつけてみましょう。
開けたら早めに使い切る
またパラベン・フェノキシエタノールの表示順位が低いものを選ぶことも大切です。
一般的に、大容量タイプになるほど開封期間から使い切りまでの時間が長くなるため、防腐剤の配合量は多くなると予想されます。
適度な大きさで使い切れるボトルを選んだ方が良いでしょう。また防腐剤フリーの製品は開封したらいつまでも置かずに早めに使い切ること等も注意しましょう。
アルコール(エタノール)
防腐剤目的や、成分混合の安定剤として使用されることがあるエタノール(エチルアルコール)。
医療行為の消毒・除菌等にも用いられる成分で、成分自体に毒性はありません。
そのためノーマル肌~オイリー肌の場合には、希釈されたエタノールが刺激となる心配はほぼ無いと言ってよいでしょう。
しかし細胞間脂質が減少し、肌バリアが弱まっているインナードライ肌(+乾燥肌、敏感肌)の場合、アルコールの刺激によって以下のような炎症が起こることがあります。
アルコールによる炎症例
- 肌がピリピリする
- 肌が赤くなる
- カサつき・乾燥が悪化する
- 痒みが出る 等
違和感があるのに無理をして使い続けることで、肌ダメージが蓄積してしまい炎症が悪化することも。
アルコールフリー(エタノールフリー)と明記されている製品を選んだ方が安心です。
敏感肌でも使える保湿クリームを、下記のページで解説しています。是非参考にしてみて下さい。
顔も身体もOKで敏感肌におすすめ!市販保湿クリームの選び方~必須の保湿成分と人気アイテム比較
マツエク使用の可・不可
マツエクのグルー(接着剤)は、クレンジング剤に含まれる界面活性剤(主に油溶性界面活性剤)や一部の油剤等によって緩んでしまうことがあります。
そのためまつげエクステを使っている方の場合には、「マツエク使用OK」と明記されている製品を選ぶことが大切です。
水性ジェル |
オイルフリー製品ならマツエクOKが多い |
クレンジングミルク |
数は少ないがマツエクOKもある |
クレンジングクリーム |
マツエクOKの製品は非常に少ない |
全てのマツエクがOKではない
なお「マツエクOK」としている製品でも、使用想定を「一般的なグルー(シアノアクリレート系のグルー)のみ」としているクレンジング剤が多いです。
その他の成分を使用したグルーの場合、界面活性剤の溶解作用等によってグルーがゆるみ、マツエクが外れてしまうこともあります。
ご不安な場合には、利用中のマツエクサロンで使用しているグルーを確認した方が良いでしょう。
インナードライ肌におすすめのクレンジング4選
市販・通販で買える製品の中から、クレンジングジェル・クレンジングミルク・クレンジングクリームのおすすめ製品をピックアップしてみました。
インナードライ肌におすすめのクレンジングジェル:その1
マナラ ホットクレンジングゲル マッサージプラス
潤う秘密は 美容成分 91.3%配合
メイク落としと一緒にフェイスマッサージもできるオレンジ色のジェルが特徴的なクレンジグジェルです。マッサージすることでカプセルが割れて汚れを絡め取るものと肌に残り潤いを与えるものにわかれるので、洗い落とした後もしっとりとした肌へ。
セラミド・ヒアルロン酸を始め加水分解コラーゲン、大豆種子エキスなど美容成分を91.3%も含んでいるので、使う度に潤いある肌へ導いてくれます。ダブル洗顔不要なので時短にも繋がります。
あったかくて汚れも老廃物もサヨナラ
植物由来の保湿成分「グリセリン」を配合しているので空気中の湿度に反応しして暖かくなります。温感処方で固くなった肌もふわっと柔らかく、汚れをおとしやすい状態へ。マッサージすることで血流もよくなりますし、生姜根エキスやミカン皮エキスなど、めぐりケア成分も入っているのでぐんぐん巡ってくれます。
- 通常価格:4,180円税込
- 内容量:200g
- メーカー:manara(マナラ)
- 初回限定 特別価格:3,344円税込
インナードライ肌におすすめのクレンジングジェル:その2
エンビロン インタラクティブシリーズクレンジングジェル
ドクターズコスメのエンビロン
美容皮膚科等の美容クリニック、フェイスケア専門のエステサロン等でも取り扱われている「ENVIRON」のクレンジングジェル。
「メイクも落とせる洗顔料」という扱いなので、夜のクレンジングだけでなく朝の洗顔にも使用できます。
洗顔料のように泡立てたジェルをメイクに馴染ませる、もしくはジェルを直接メイクに馴染ませてすすぐ「洗い流しタイプ」です。ダブル洗顔の必要も無く、肌への摩擦刺激を抑えられます。
界面活性剤はアミノ酸系
界面活性剤にアミノ酸系のラウラミドプロピルベタイン、コカミドDEA(ヤシ油脂肪酸自エタノールアミド)等を使用しており、弱酸性で肌刺激を抑えているのが大きなポイント。
保湿成分はグリセリン等に留まるシンプルな設計ですが、その分だけ肌に余計なものが留まらず、後の化粧水等のスキンケアの妨げにならないように作られています。
軽いメイク用に
メチルパラベン・フェノキシエタノールの使用はあるものの、使用期限を12週間以内と区切ることを推奨しており、防腐剤の配合率は低いと思われます。
洗浄力がかなり穏やかなので薄めのメイクにおすすめです。
インナードライ肌におすすめのクレンジングミルク:その1
カバーマーク トリートメントクレンジングミルク
高めのメイク落ちでマツエクもOK
「カウブランドだとファンデが落ちきらない」という時におすすめなのが、カバーマークのクレンジングミルクです。
オイル成分として肌なじみの良いエチルヘキサン酸セチル、揮発性オイルのシクロペンタシロキサン等の合成エステルにPEG-7グリセリルココエート(ヤシ脂肪酸グリセリル)等の界面活性剤を加えて洗浄力を高めています。
濡れた手で使ってもOK、更にまつげエクステにも使えるという利便性の高さが大きなポイント。「マツエクしたいけど、ジェルの使い勝手が合わない」という時にもかなり便利な一本です。
濃いメイク用として
ただし付着しやすいミネラルオイルの配合が多少あること、また精油の使用種類が比較的多いことから、「敏感肌より」に傾いている肌の場合には刺激となりうる可能性はあります。
特に肌荒れが気になっている方の場合は、使用開始前に入念にパッチテストを行った方が良いでしょう。
またオイルに比べれば穏やかですが脱脂力がそれなりにあること、使用後にダブル洗顔が必須であることから、「1週間毎日のように使う」という使い方は避けた方が無難。
「重めのメイクをした日のため」の一本といった使い方がおすすめです。
- 価格:3,300円税込
- 内容量:200g
- メーカー:COVERMARK(カバーマーク)
インナードライ肌におすすめのクレンジングミルク:その2
カウブランド 無添加メイク落としミルク
超シンプル配合のクレンジングミルク
「無添加」という名前のとおり、パラベン等の防腐剤、ミネラルオイル、アルコール、着色料香料といった刺激になりうる成分を省いた超シンプルなクレンジングミルク。
水とBGに油剤として植物性のトリエチルヘキサノインとスクワランを入れており、界面活性剤にも低刺激のノニオン系が使われています。
保湿剤としてセラミド(セラミドNG)を入れているのもポイント。1,000円以内というプチプラ系のクレンジングミルクの中では、かなり処方に気を遣っているソフトな製品です。
乾いた手で使うのがおすすめ
ただ製品仕様説明では「濡れた手・顔にも使える」という説明ですが、乳化剤等の配合が少ないため、もともとかなり穏やかな洗浄力が濡れると更に落ちることも予測されます。
できれば乾いた手・顔に使用し、その後に少量のぬるま湯等でしっかり乳化をさせた方が良いでしょう。ポイントメイク等を落とす洗浄力は期待できません。
また防腐剤が完全カットされているので、開封したらできるだけ早く使い切ることが大切です。
- 150mL 968円税込
- 詰替130mL 700円税込
- メーカー:牛乳石鹸共進社
※商品情報は公式サイト等で最新をご確認ください。
インナードライ肌のクレンジングではここにも注意!
ポイントメイクは専用リムーバーで落とす
ウォータープルーフマスカラやカップに残らない口紅等は油性原料・合成ポリマー等の配合量が多く、洗浄力の穏やかなミルクやクリーム等では落とし切ることができません。
肌に残った化粧品成分がくすみ・肌荒れの原因ともなるため、ポイントメイクには専用のリムーバーを使うようにしましょう。
また普段のメイクではお湯でも落とせるマスカラ・アイライナー等を使い、ポイントメイクアップリムーバーの使用回数を減らすのも手です。
すすぎで熱いお湯を使わない
実はこれ、非常に大事なポイントです。
37℃~38℃以上のお湯を顔にあてると、角質のタンパク質が流れ出して肌内部の乾燥が促進されてしまいます。
すすぎや洗顔ではお湯の温度は35℃程度のぬるま湯を使うようにしましょう。
温かいと感じる温度ではまだ高く、ぬるすぎるくらいがちょうどいいです。
ダメな洗顔法と正しい洗顔法を下記のページで詳しく解説しています。あわせて参考にしてみて下さい。
13のNG洗顔とおすすめの正しい洗顔方法 ~ 80%が間違ってる?
乳化をしっかりと行う
クレンジングクリーム・クレンジングミルクとメーキャップを馴染ませて、すぐにすすいでしまうのはNG。
成分が乳化しきっておらず、すすぎの際に肌に残りやすくなります。肌に馴染ませた後には少量のぬるま湯を加え、ミルクやクリームをしっかり乳化させましょう。
肌の上で手触りが軽くなったら乳化した合図。その後に丁寧にすすぎを行います。
すぐに化粧水→美容液の保湿ケアを行う
肌の水分量が落ちているインナードライ肌の場合、保湿は洗顔後できるだけ早く(できれば1分以内に)行うことが大切です。
「つっぱらないからOK」と考えていると肌の乾燥が進み、皮脂の分泌を促してしまいます。
速やかに保湿性の高い化粧水で水分補給を行い、その後に美容液・クリームでの保湿ケアを行いましょう。
インナードライ肌におすすめの化粧水は、下記のページで詳しく解説しています。是非参考にしてみて下さい。
インナードライ肌を化粧水で改善!厳選おすすめ11選~原因と保湿成分を解説
おわりに~まずはクレンジングと洗顔の見直しを
今までのスキンケアが原因で「インナードライ」が加速していたという人の場合、クレンジング・洗顔を見直すことで、今まで肌から逃げていた水分が戻り、肌質が大きく改善するケースも多々あります。
「メイク落としなんて、どれでも同じ」と思わず、自分の肌にきちんと合ったクレンジング剤を選ぶことが、1ヶ月後・2ヶ月後の肌だけでなく、10年後・20年後の肌をキレイに保つことに繋がりますよ。