紫外線から肌を守る!正しい日焼け止めの選び方徹底講座
当サイトで紹介する商品・サービスの一部は、当サイトと提携のある企業のPRが含まれます。PRの有無に関わらず、利用者に役立つコンテンツとなるよう当サイトの責任で記事を作成しています。
UV対策として欠かせない存在である日焼け止め。でも「なんとなく選んでいる」「とにかくSPFの数値が大きくて、強ければいいと思う」という人も多いのでは?
肌をきちんと紫外線から守るには、ただ強い日焼け止めを塗るだけではNGなんです。
ここでは正しく日焼け止めを選ぶために知っておきたい「紫外線の種類」「SPF・PA表記」「日焼け止めの成分」そして「日焼け止めのタイプや使い分け方」等の情報をご紹介していきます。
まずは紫外線の種類を覚えよう!
「紫外線」はその波長の強さによって、A波・B波・C波の3種類に分類されます。この3種類の違いを知っておくことは、日焼け止め選び等の正しいUV対策ではとても大切。基礎的な情報を抑えておきましょう。
紫外線B波とは?
紫外線B波(UVB:Ultraviolet-B)は、280~320mmと波長の短い不可視光線。そのため刺激は主に「皮膚表面(上皮組織)」に留まります。
紫外線B波による肌へのダメージ
- 赤くなる、ヒリヒリする、火ぶくれする(肌のヤケド)
- 肌が黒くなる(肌全体へのメラニン色素の発生)
- シミ/ソバカスが増える(特定箇所へのメラニン色素の発生)
- 肌の乾燥
「日焼け」のイメージは紫外線B波
「肌が焼ける」「シミ・ソバカスができる」...従来の日焼けのイメージのほとんどは、紫外線B波によるダメージを指しています。紫外線B波による肌ダメージは即時に表れるために昔から認識されており、かつては「UV対策=紫外線B波対策」という考え方がありました。
季節・時間による増減が激しい
紫外線B波は4月頃から急激に増え始め、ピークは7~8月頃となります。反対に10月~3月はかなり少なめで、冬場にはピーク時の20%程度にまで落ち込みます。1日の中での増減量も同様で、10時頃に増え始めピークは11時~午後2時頃となっています。
「日が高く上がる(日差しが強い)=紫外線B波の量が増える」と捉えておいても間違いは無いでしょう。
紫外線B波は比較的物を通り抜けにくい
紫外線B波は波長が短い分、雲やガラスといった物質をあまり通り抜けることができません。そのため例えば雨の日には、紫外線B波の量は晴れの日の1/10以下にまで下がります。
紫外線A波とは?
紫外線A波(UVA:Ultraviolet-A)は320~400nmと波長が長い不可視光線。紫外線全体の95%以上を占めています。波長が長い分「肌の奥の真皮層」にまでダメージが届くのが特徴です。
エイジングの原因となる紫外線A波
紫外線は、波長の短いものの方がより強い刺激を肌にもたらします。そのためかつては波長の長いA波について、あまり「日焼けダメージを与えるもの」という認識がありませんでした。
しかし近年「A波による刺激が長期間真皮層に届くことでシワやたるみといった肌老化をもたらす」ことがわかってきたのです。
ゆっくりだけど油断できない
A波によるダメージはB波のような即時性はなく「エイジングを促進させる」といったゆっくりしたものですが、その促進のさせ方は非常に強いものなのです。肌老化促進の原因の70%~80%以上が紫外線A波によるものであるとする研究者も居ます。
季節・時間による増減があまり無い
紫外線A波が増え始めるのは4月です。この時点でピークの7月とほぼ同量という多さになっています。紫外線A波が多い季節は、B波同様4月~9月。ただしB波と異なり、冬場になっても紫外線量が落ちません。例えば1月の段階でも、7月の紫外線量の80%程度の量が肌に降り注いでいます。
紫外線A波は物を通り抜けやすい
波長の長い紫外線A波は、物を軽々と通り抜けて降り注ぎます。雲・雨雲でも抑えられませんから、曇りの日の紫外線A波の量は、晴れの日の約80~90%。雨降りの日でも30%程度の量があるのです。
ガラス越しでも
またガラスといった遮蔽物があっても、A波による日焼けはします。室内や自動車の中に居る人の場合、A波をよく受ける側の顔の皮膚だけがたるみやすくなるといった現象も起きています。
紫外線C波(UVB:Ultraviolet-C)とは?
280nm以下という非常に短い波長の紫外線です。皮膚組織への作用は最も強いと考えられますが、地球を取り巻くオゾン層によって吸収されるため、地上に届くことはありません。
しかし、現在はフロンガスの影響によってオゾン層が薄くなり、オゾンホール(オゾン層の穴)が生まれるという現象が起きており、UVCが将来的には地上に届く可能性があると心配されています。
日焼け止めの表記を正しく知ろう!
「SPF50」「PA++」…これらの表記の意味を知らず「とりあえず数値が多い方が良い」と思っていませんか?
「SPF」「PA」そして「UPA」の3つの日焼け止めの指数の意味を知れば、適切な日焼け止めの選び方ができます。
日焼け止めのSPFとは
SPF(Sun Protection Factor)とは、カンタンに訳せば「紫外線から保護するパワーを表す数字」です。原則的には紫外線B波(UVB)に対する保護力を示しています。
「SPF35」「SPF50」の意味とは?SPF表記の見方
「SPF50」を「50時間近く紫外線をカット」であると勘違いする人は多いです。しかし残念ながら、これは間違い。SPFが表すのは「皮膚が炎症を起こすまでを、どれだけ長引かせられるか」という倍数なんです。
人間の皮膚は紫外線B波(UVB)によって赤くなったり紅斑ができたりします。何も付けない状態で炎症が起こるのは、紫外線照射直後から15分~25分経過した頃から。この時間が「1単位」とされます。SPFはこの「炎症が起こるまでの単位を『何倍』にできるか」を示したものです。
【SPFの防御例】
- SPF2:15分~25分×2=炎症開始までには30分~50分かかる
- SPF50:15分~25分×50=炎症開始までには750分(約11時間)~1,250分(約20時間)かかる
「SPF50+」って何?
最近販売されるようになった「SPF50+(エスピーエフ・ごじゅうプラス)」という表記の日焼け止め。これは日本における日焼け止め表記のルールで、「SPFの指数は50以上を示してはならない」というものがあるために生まれた表記。つまり「SPF50以上のものは、60でも70でも、全部まとめて50+」というわけですね。ちなみに海外では「SPF80」までは表記が許可されています。
SPFは「目安」でしかない!
注意すべき点は、SPFが伸ばしている時間が「炎症が起きるまで」の時間であるという点です。赤くひりひりするレベルの日焼けといったら相当なもの。つまり「炎症発生時間」までにでも、意外と多くの紫外線は浴びているのです。
注意したい個人差
また炎症が起きるまでの時間に倍近い個人差がある点にも注目しておきましょう。元々肌が強く日焼けまで25分かかる人なら、SPF50を塗った場合の炎症スタートまでの時間は20時間近く。
ところが15分で日焼けする人の場合、炎症スタートは10時間から始まります。SPF50を朝5時に塗っても、午後3時頃には炎症が起きる可能性が高くなります。
SPFの下記のポイントはしっかりと認識しておきましょう。
- SPFが高い数値の日焼け止めでも、100%の紫外線カットはできない
- SPFは目安であり、効果維持時間には個人差がある
実際の紫外線防御率はどれくらい?
いくら「SPFは目安」と言われても「では、どれくらい紫外線をカットしてくれているんだろう」と気になりますよね。SPFによる紫外線カット率は、おおよそ以下の程度であるとされています。
【SPFによる紫外線カット率の上昇】
SPF表示 |
紫外線防御率 |
SPF2 |
約50% |
SPF4 |
約75% |
SPF10 |
約90% |
SPF20 |
約92~95% |
SPF30 |
約97% |
SPF40~50 |
約97% |
SPF60 |
約98%※ |
SPF80 |
約99% |
カンタンに言うと下記2点にまとめることができます。
- SPF20までは指数によって防御率が大きく上がっていく
- SPF30以上~50以上にはほとんど推移が無い
日焼け止めの「PA」とは何?
「PA」とは、「Protection Grade of UVA」の略称。その英語名のとおり、UVA(紫外線A波から肌を保護するレベルを指します。
「PA++」とは何?PA表記の見方
PAの強さグレード(レベル)は現在4段階あります。2012年までは「PA+++」まででしたが、2013年からはより強いレベルである「PA++++」が登場しています。
PA+(ピーエー・プラス) |
PA値2~4未満 |
紫外線A波に対する効果があります。 |
PA++(ピーエー・ツープラス) |
PA値4以上8未満 |
紫外線A波に対するかなりの効果があります。 |
PA+++(ピーエー・スリープラス) |
PA8以上10未満 |
紫外線A波に対する十分な効果があります。 |
PA++++(ピーエー・フォープラス) |
PA値10以上 |
紫外線A波に対する極めて高い効果があります。 |
日焼け止め指数の「UPF」とは何?
紫外線防止対策に敏感な人は、最近「UPF」((Ultraviolet Protection Factor)という言葉も目にしていることでしょう。こちらは肌に付ける日焼け止めの指数ではなく、衣類の紫外線防御力(UVカットの強さ)を示す指数です。
紫外線先進国では既に表記が徹底
オーストラリア等の紫外線に対する考え方の先進国では、衣類による日焼け止めに対する考え方も厳密であり、衣類UVカット指数をUPFで示すことが義務付けられています。近々日本でも表記義務付けが入るという予測もされており、早々にUPF表記を取り入れているメーカーもあります。
指数の考え方は「SPF」と同様
指数表記や段階の概念はSPFと同じです。最大値はUPF50で、それ以上のパワーを持つものは「UPF50+」と表記されます。
日焼け止めの成分を知ろう!
日焼け止めのUV効果成分は、大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線拡散剤」に分類できます。それぞれのメリット・デメリットを知って、シーンによって使い分けることが大切です。
紫外線吸収剤とは?
その名のとおり、紫外線吸収剤は肌の表面で紫外線を吸い取り、赤外線や熱量(エネルギー)などの別の形に変化させて外部放出させるための成分です。成分の種類によってUVA(紫外線A波)・UVB(紫外線B波)への対応度が異なります。
【代表的な紫外線吸収剤】
- t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
UVAを吸収できる成分です。PA表記がされる製品の多くに配合されています。
- メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
主にUVBを吸収する成分です。UVB吸収率(カット率)を手軽に上げられるため、吸収剤配合日焼け止めの85%~90%近くにはこの成分が配合されています。
- オキシベンゾン-3
UVA・UVB両波を吸収できる成分です。SPF50、SPF50+等の高価格帯日焼け止めに多く配合される傾向があります。
紫外線吸収剤のメリット
- 紫外線カット率が高い
UVA・UVB両者をカットできる成分が配合されていれば、効率的に肌への紫外線吸収を抑えることができます。強い紫外線を浴びる時には必要となる成分と言えるでしょう。
- サラッとした伸びの良さがある
多くの紫外線吸収剤は粘度がある液状成分で、ジェルやウォータータイプのようなサラリとした使い心地になっています。無理をせずにサッと伸ばせる手軽さが魅力です。
- 白浮きしない・洋服付着が目立たない
ほとんどの紫外線吸収剤が無色透明であるため、日焼け止めの透明感が高くなります。粉っぽさや白浮きがなく、ナチュラルな仕上がりになるのが特徴です。また洋服に付着をした際にも白さは目立ちません。
紫外線吸収剤のデメリット
- 肌への負担が大きい
吸収剤の原料はその多くが有機化合物です。吸収剤配合の日焼け止めは、いわゆるケミカルコスメの一種というわけですね。そのため長時間かつ成分配合量が多いほど、肌へのダメージは重くなります。また吸収した紫外線を赤外線・熱量等に変質させる際の作用で、敏感肌の人等では強い刺激を受けることがあります。
- 耐久時間が短い
吸収剤が紫外線を吸いこんで変質するほどに、日焼け止めの紫外線吸収力は弱まっていきます。一度付ければOKではなく、定期的な塗り直しが必要です。
紫外線吸収剤使用の日焼け止め・選び方のコツ
紫外線吸収剤によるダメージを軽減するために、最近では吸収剤を無害なシリコンでコーティングする技術も生まれ
例えばドクター・シーラボから販売されている敏感肌用の日焼け止め『マイルドUV』では、シリコンレンジ化したシルクで吸収剤を包み込んだ「シラソーマ」を使用。肌に直接的に吸収剤や化学変化した物質が付着しないように設計されているため、肌刺激が抑えられています。
紫外線拡散剤とは?
紫外線拡散剤は、肌表面で紫外線を反射させるようにして跳ね返す力を持つ成分です。UVA・UVB両方に対する紫外線抑止効果を持っています。
【代表的な紫外線拡散剤】
- 二酸化チタン
金属酸化物の一種で、原料自体はダイヤモンドに近いような硬度を持っています。パウダー状となった二酸化チタンは、チョコレートやマヨネーズといった食品にも使用される成分です。
- 酸化亜鉛
パウダー状粒子となった亜鉛です。最近ではナノレベル(10億分の1サイズ)にまで細かくなった酸化亜鉛を使用する製品も出ています。
紫外線拡散剤のメリット
- 肌負担が比較的少ない
紫外線拡散剤のみで作られた日焼け止めやUV対策コスメには有機化合物が配合されないため、肌への負担は比較的軽めです。日焼け止めによる肌刺激が気になる人にも向いています。
- UV効果が長く維持できる
吸収剤のように紫外線を受けて変質するわけではないため、一度付けるとUVカット効果が長持ちします。頻繁な付け直しができない時にも助かりますね。
紫外線拡散剤のデメリット
- 白浮きしやすい
紫外線拡散剤は固形物原料をパウダーとしているという特性上、吸収剤のような無色透明にはならないのが難点。いわゆる白残り・白浮きがしやすく、洋服等に付着すると白い粉が付くこともあります。
- 肌に伸ばしにくい
ベタつきのある粘度であったり、パウダーと液体がなかなか混ざらなかったりと、使用感にやや問題がある製品が多いです。
紫外線拡散剤使用の日焼け止め・選び方のコツ
吸収剤を使わず拡散剤のみが使用された製品を選ぶのであれば、「有機化合物フリー」「ケミカルフリー」「吸収剤不使用」といった表記のあるものを選ぶようにしましょう。またナノテクノロジーの発達によりナノレベルにまで細かくした酸化亜鉛であれば、拡散剤特有のザラザラ感・ベタベタ感がありません。
例えばORBISから発売されている『サンスクリーン(R)オンフェイス ビューティ』では、吸収剤フリーでありながらサラリとした使い心地を実現しています。
日焼け止めを使い分けよう!
紫外線の特徴や日焼け止めの指数の表記、成分内容がわかったら、今度はライフスタイルに合わせた使い分け、日焼け止めの選び方を考えていきましょう。
シーンや季節で日焼け止めを変える
「毎日SPF50+、PA++++の日焼け止めを使えば、紫外線は抑えられるのでは?」と思う人も多いでしょう。
しかし、それだけ強い日焼け止めということになると、紫外線吸収剤・紫外線拡散剤の使用量が格段に上がります。つまり、毎日肌に強い負担をかけてしまうことになります。
いくら紫外線を防げても、日焼け止めで肌を疲れさせては意味がありませんよ。前述のとおり、SPF・PAによる紫外線カット率はSPF30以降、数%の差しか生みません。そのため日常生活用とレジャー使用、季節によって、SPFやPAの強さを適度に使い分けることが必要になります。
シーンによる日焼け止めの使い分け例
- 屋内作業・短い外出(買い物等)のみの日
⇒ SPF10~20、PA+
- 屋外でのデート等のレジャー、スポーツをする日
⇒SPF20~30、PA++
- アウトドアでのスポーツ、海・山等のレジャー
⇒SPF40、PA+++
- 海外の海リゾート、高山の山頂といった紫外線が特別に強い場所
⇒SPF50、PA++++
原則として、日本での日常生活において「SPF50」や「PA++++」までが必要となるシーンは滅多にありません。SPFが30あれば紫外線を97%カットできますから、オフィスで働く人なら夏でもこれで十分です。また屋外活動をする人でも、SPF50を一度塗るよりSPF40程度をこまめに塗るようにした方が良いでしょう。
季節による日焼け止めの使い分け例
- 3月~4月、10月頃:SPF20(PA+~PA++)
- 5月~9月:日中のお出かけ用にSPF30(PA++)
- 11月~翌2月頃:SPF10以下(PA+)
- 冬季に雪が降った場合:SPF20~30(PA++)
5月から増えるUVBの対策として、5月頃から長い外出用にSPFを少し上げるのも手です。また冬季でもUVBは夏季の25%ありますし、UVAに至っては70%以上あります。そのため冬季にはUVB対策としてのSPFは軽めにして、UVA対策はしっかり行っておきましょう。
雪は要注意
雪が降ってつもった場合、紫外線の反射率が90%近くになるため、
紫外線量は通常の約2倍...つまり「夏レベル」になることがあります。積雪した際にはしっかりと紫外線対策を行うようにしてください。
ライフスタイル・肌質にあわせて日焼け止めタイプを選ぶ
日焼け止めには現在、以下の7つのタイプがあります。肌質やライフスタイルにあわせて、自分に合った日焼け止めタイプを選びましょう。
日焼け止めのタイプ
- クリームタイプ
- ミルクタイプ(乳液タイプ)
- ローションタイプ(液状・リキッドタイプ)
- ジェルタイプ
- パウダリータイプ(粉状タイプ)
- スプレータイプ
- シートタイプ
クリームタイプ
UVカット効果が長持ち
クリームタイプは汗・皮脂に強いものが多く、UVカット効果が長持ちするのが魅力。ウォータープルーフタイプであれば、海やプール等のレジャーにも使用できます。しっかりUV対策したい時におすすめです。
落ちにくいものが多い
クリームタイプは専用剤によるクレンジングが原則必須となっています。クレンジング剤による肌負担も増えるため、特にウォータープルーフタイプ等は日常生活向きではありません。敏感肌・乾燥肌等で強いクレンジングを行いたくない人にもあまり向いていないと言えるでしょう。
ミルクタイプ(乳液タイプ)
保湿効果が高い
グリセリン・ヒアルロン酸等の保水性の高い成分を配合した製品が多いため乾燥肌に向いています。また伸びが比較的良いので使用に手軽さもあります。
UVカット効果はやや弱め
しっかりと肌に付くクリームタイプに比較すると、UVカット率の維持力は少し劣ります。
ローションタイプ(液状・リキッドタイプ)
肌への負担が少ない
ごく軽い使用感で、日焼け止めを使っているような感覚が無い上に、肌ダメージが少ないのが魅力です。敏感肌等で肌負担を軽減したい人にも向いています。
UVカット効果が弱い
SPF・PAともに弱いものが多い傾向です。またリキッドという特質上、汗や皮脂による崩れも激しいため、UVカット効果があまり長く維持できません。原則として「日常生活用」と言えます。
ジェルタイプ
サラッとした使用感
日焼け止め独特のベタベタ感が少ないのが特徴。オイリー肌・ニキビ肌等で肌の油っぽさが気になる人にも向いています。
乾燥しやすく刺激は強い
ジェルには油分配合量が少ないので、付けた部分が乾燥しやすいです。また最近ではSPF50等のUVカット効果が高いものが多く登場した分、肌への刺激・負担がやや高くなっています。
パウダリータイプ
メイク上から気軽に塗り直しOK
プレストパウダー・ルースパウダーのような製品が多いため、メイク直し時に気軽に日焼け止めをつけ直すことができます。ケミカルフリー・吸収剤フリーの製品も多く、肌への負担も比較的軽めです。
短時間で崩れやすい
パウダーという特性上、モチが悪いのが難点。頻繁な付け直しが必要ですし、パウダー1点のみで効果的なUV対策を行うのはやや難しいと言えるでしょう。「顔の塗り直し用」という補助アイテムとして使うのがおすすめです。
スプレータイプ
外出先でも手軽に塗れる
メイクの上からでもスプレーOKといった製品も多く、髪や体など広範囲に使用できます。レジャー先でサッと塗り直しをしたい時には便利です。
均一な塗布が難しい
スプレータイプは屋外での噴霧だと空気中に飛散してしまう上、液体スプレーという特質上、均一に塗るには大量の噴射が必要になってしまいます。
シュッっと一吹きしただけでは、スプレーした部分周辺にしか日焼け止めが付いていない...ということも多いようです。こちらもパウダー同様、お出かけ時の補助アイテムとして使った方が良いでしょう。
メイクの仕上げにシュッと吹きかけるミストやスプレーは、化粧崩れを防ぎながら紫外線カットができるアイテムがあります。
詳しくは下記のページをチェックしてみて下さい。
化粧崩れを防ぐ化粧下地とスプレー&ミストを徹底比較!優秀おすすめ14選
シートタイプ
携帯性に優れる
軽くもち運びがしやすい上に、スプレーのような飛び散りが無いのでトイレ等の室内での塗り直しもしやすいのがメリット。うなじや背中といった場所でも比較的塗りやすく、男性やお子さんといった普段コスメを使わない人でも使いやすい製品です。
UV効果は弱め
SPF度・PA度が強い製品が少なく、また薄く塗り広げるためUV効果はやや弱めとなっています。
意外と知らない!日焼け止めの正しい使い方
どんなにSPF・PAが高い日焼け止めを使っても、正しい塗り方をしていなければ意味がありません。「日焼け止めは、ただ塗るだけでOK」と思っていませんか?多くの人が勘違いしている点をピックアップしてみました。
80%以上が「使用量が少なすぎ」!?
日焼け止めのSPFやPA指数は、適正量が使われてはじめて効果を発揮するものです。SPF・PA指数テスト等での適正使用量は、1平方センチメートルあたり約2mg。顔全体に塗布する場合で計算すると、500円玉大(直径2.8センチ以上の円形)を絞り出して使う必要があります。
ところが化粧品メーカーによるユーザーテストによれば、80%以上の使用者が「適正使用量の半分程度」しか塗っていなかったのだとか。特にSPFが高い製品の場合、「強い日焼け止めだから少しでいい」と考えてしまう人が多いようです。
思っているよりも、適正使用量は多め。全体にしっかりと塗ることを意識してください。一度薄く全体を塗ってから二度塗りをすると、塗りムラや使用量の不足を防ぐことができます。
外出直前に塗るのでは「遅すぎ」!?
出勤直前や買い物に行く直前に「あ、日焼け止め...」と顔や腕に日焼け止めを塗るという人も多いはず。ところがコレでは、UV対策としてはあまり意味がありません。
日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤は、肌の角質層にしっかりと染み渡ってから初めて紫外線を吸収する働きを持ちます。このUVカット効果がスタートするまでには、塗ってから30分程度も時間がかかるのです。
例えば10分間の徒歩通勤や外出のために直前に日焼け止めを塗っていては、その10分間にはほぼ日焼け止め効果が発揮されていないことになります。日焼け止めを塗るのは「お出かけの30分以上前」が理想的です。
塗り直しは「2~3時間に一度」
どんなにSPFが強い日焼け止めでも、付けてからの時間が経過すれば紫外線カット率はどんどん下がっていきます。これは成分である紫外線吸収剤が、時間が経つごとに化学変化を起こすため。また皮脂や汗での崩れもあり、4時間が経過した頃にはUVカット率が70%~50%以下にまで落ちていることも多くあります。
日焼け止めの塗り直しは、2~3時間に一度は行うことが大切。日常生活の場合には、朝・昼前・午後の3回程度が目安です。夏場の外出時やレジャー時には「2時間起き」を徹底しましょう。
ウォータープルーフタイプでも
防水性に優れたウォータープルーフタイプでも、「まったく水に落ちない」というわけではありません。特に水に浸かった場合には80分~90分でUVカット効果が薄れるとされています。海水浴・プールの時には、よりこまめに日焼け止めを塗るようにしましょう。
まとめ
自分の肌に合った適度な強さ・タイプの日焼け止めでキチンと肌を守れば、肌ダメージを蓄積せずに、シミやソバカス、しわ・たるみを予防していけます。日焼け止め選びを正しく行うことが、現在の肌だけでなく10年後・20年後の肌の状態を若々しく保つことにも繋がります。