株式市場は発行市場と流通市場の2つがある
株式市場と言えば、何を思い浮かべますか?東京株式市場、ニューヨーク株式市場などといった言葉を聞いたことがあるのではないかと思います。
株式市場とは、株式の取引を行う場のことをいいます。株式市場という概念だと思って下さい。
株式市場は、発行市場と流通市場の2つに分けられます。
まずは発行市場ですが、発行市場には物理的な場所はありません。あくまでも発行から取得に至るまでのプロセス指すものになります。
会社が新たに株式を発行する際に出資者を募集します。その募集する場を発行市場と言うのです。
出資者の募集方法には、有償増資と無償増資の2つがあります。
では次に、流通市場について見てみましょう。
流通市場とは、東京証券取引所に代表されるような証券取引所や、証券会社の店頭で行われる店頭取引において、投資家の間で発行済の株式を売買する市場のことを言います。
なお、株式の流通の中心は取引所取引にあります。
取引所取引とは
取引所取引は、証券取引所で行う取引のことです。
日本には、東京証券取引所をはじめ、名古屋、福岡、札幌の4か所に証券取引所があります。証券取引所は、会員である証券会社で構成する法人組織で、証券取引法によって設立されています。
証券取引所は、投資家や証券会社の株式などの売買注文を、自ら開設する市場に集中させています。それにより、大量の需給を統合させ、株式等の市場流通性を高め、公正な価格形成を図る役割があります。
なお、証券取引所での株式の売買には、証券会社のみが参加できます。そのため、株式の売買は、すべて証券会社を通じて行われます。
このように、取引所取引は、一定の場所に参加者が集合して取引を行のが特徴です。取引所取引で取引される株式は、上場株といい、一定の基準を満たしています。上場株の売買取引は市場集中制度により注文が市場に集中され、競争売買の原則のもとに取引が行われます。
なお、競争売買の原則とは、価格優先の原則と時間優先の原則のことをいいます。
価格優先の原則は、「売り」の場合、一番安く売りたいという注文が優先し、「買い」の場合、一番高く買いたいという注文が優先することを言います。また、時間優先の原則は、同一値段の売買について、早く出した人の注文を優先することを言います。
店頭取引とは
次に店頭取引ですが、これは、証券会社の店頭で行う取引のことを言います。OTC(オーバー・ザ・カウンター)とも呼ばれます。
証券取引所を通さず、証券会社と投資家が1対1の売買を行うこの取引は、相対取引と言われます。この取引は、個別に取引条件が決められるところに特徴があります。原則として非上場株券を取引対象にしており、その他に債権もこの方法で行われています。
なお、店頭取引は全ての銘柄が証券会社で売買できるわけではありません。そのため、売買できる銘柄かどうかは、各証券会社に確認する必要があります。