ローソク足とは

株に限らず、FX、商品先物等の金融商品の価格変動は、様々な方法でチャート表示されていて、日本ではローソク足が主流です。

このローソク足ですが、実は日本で発明されたものです。日本国内で幅広く浸透しているだけでなく、欧米でも広まりを見せています。

もともと、欧米ではバーチャートと呼ばれるチャートが主流でしたが、ローソク足のチャートを紹介した本がアメリカで出版されたことがきっかけで、現在では認知度も高まりCandlestickと呼ばれています。

このローソク足の発祥ですが、日本生まれであることは違いないのですが、誰が作ったかということには諸説あります。

様々な説の中の一つに、、江戸時代徳川八代将軍吉宗の時代に生まれた天才相場師の、本間宗久が作ったというものがあります。

本間宗久は出羽の酒田(現在の山形県酒田市)出身で、大阪堂島や江戸蔵前の米市場で名相場師として知れ渡りました。その活躍ぶりに「出羽の天狗」と呼ばれ、「酒田照る照る、堂島くもる、江戸の蔵前雨が降る」という俗謡が流行するほどだったそうです。

本間宗久は、ローソク足の並びを重視して分析し、体系的な相場予測法を作ったと言われています。その教えは現在、「酒田罫線」「酒田五法」などという名で今でも知られています。

酒田罫線で使われている「はらみ」「たすき」等の言葉は海外でも「Harami」「Tasuki」として使われており、「たたき込み」は「Hammer」、「明の明星」は「Morning Star」、「宵の明星」は「Evning Star」等、英訳されて使われているのです。

ローソク足ですが、4本値(始値・高値・安値・終値)を使用しローソクのような形で表示します。

始値よりも終値の方が高いものは陽線といい、白抜きで表します。反対に、始値よりも終値の方が安いものは陰線といい、黒塗りで表します。

また安値と高値は上下に突き出したヒゲと呼ばれる線で表します。また、ローソク足には日足、週足、月足、年足など、測定期間による種類があります。

移動平均線とは

移動平均線は、一定期間の株価の終値平均値を、毎日、毎週、毎月といった一定期間で割ってグラフ化したものです。

例えば、25日移動平均線の場合、直近の25日間の終値を合計し、25で割ったものが第1日目の移動平均値となり、その後は順次前日までの合計値に新しい終値を加算、かつ、25日前の終値を除いたものを25で割って算出します。

このようにして毎日平均値を出し、その平均値を線で結んでグラフ化したものが25日移動平均線なのです。

移動平均線
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移動平均線には、相場の流れや傾向を見ることができるという特徴があります。

株価は日々変動しますが、移動平均線はそのようなブレに惑わされないメリットがあります。移動平均線の期間の取り方は、25日以外にも日足ベースで5-10日の短期線、200日の長期線といったものがあります。

移動平均線は、ローソク足や他のテクニカル指標と組み合わせて使うことが多い指標です。他の指標と組み合わせることでトレンドが分析しやすくなり、相場の転換点を見つけるのに役立つのです。

移動平均線を見るポイントとして重要なものは、

  1. 移動平均線の傾きから、株価のトレンドを判断する。
  2. 移動平均線と現在の株価の位置関係から、株価の勢いを見る。
  3. 複数の期間の移動平均線を描画することで、株価のトレンドを精査する。

の3つです。特に重要なのは②の位置関係です。

移動平均線は株価の平均値ですので、株価と移動平均線はつかずはなれずの位置関係を保ちます。

値動きが少ない凪相場の場合、株価と移動平均線は重なります。反対に、相場の動きが激しくなると、株価が移動平均線からかい離します。しかし、その変動も含めて計算し、移動平均線を算出していくため、そのうち移動平均線は株価に追い付きます。

なお、この値動きが一時的なものの場合、この変動も平均化されて、株価が移動平均線の方に近づいていくのです。

そのため、

  • 株価が移動平均線より上にあると相場は強く、下にあると弱い。
  • 株価が移動平均線から離れ過ぎた場合、株価は移動平均線の近くへ戻ろうする動きを示しやすい。
  • 移動平均線を上から下、下から上に抜けた時、相場のトレンド転換となる可能性が高い。

ということが分かります。

移動平均線について、短期と長期どちらが良いかはそれぞれ一長一短ですので一概には言えません。

期間が短いと、短期的なトレンドが分かりやすいのですが、ダマシが多くなってしまいますし、期間を長く取ると、長期的なトレンドが抽出でき、ダマシも少なくなりますが、動きがゆるやかな分、反応が遅くなってしまいます。

なお、日足チャートの場合、5日や20日という期間設定が一般的ですが、これは取引所で株や為替、商品等が動くのが月~金の5日間、1ヶ月に換算すると約20日になることに由来します。

中長期のトレンドを見る場合は、年間の市場の営業日が約200日であることから、200日という期間設定をすることもあります。

移動平均線のベストな期間設定については、7の倍数が良い、フィボナッチ数列が良い等、様々な意見があります。何が良いかは最終的に投資家自身との相性ですので、自分に合っている期間を見つけるのが良いでしょう。

代表的なトレンド系指標

トレンド系の指標とは、トレンドの方向や強さを判断するための指標のことで、トレンド追従型とも呼ばれています。

数あるトレンド系指標の中から、代表的なものを紹介します。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、単純移動平均線を中心にし、1標準偏差(1σ)、2標準偏差(2σ)、3標準偏差(3σ)のバンド(線)を上下に表示したものです。

レートが3σと-3σのバンドがそれぞれ相場の上限と下限になります。株価が-3σのバンドに近づくと買いサイン、株価が3σのバンドにレートが近づくと売りサインになります。

ボリンジャーバンド
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エンベロープ

移動平均線から一定値の乖離線を引き、レートのトレンドを判断するのがエンベローブです。

株価が移動平均線からある程度離れると、移動平均線方向へ戻る傾向があるのですが、エンベローブの上限・下限のバンドを利用して分析を行います。

エンベローブの下限のバンドに株価が近づいた場合は買いサイン、エンベローブの上限のバンドに株価が近づいた場合は売りサインです。

エンベロープ
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一目均衡表

一目均衡表は、基準線、転換線と、3種類のスパン(先行スパン1、先行スパン2、遅行線)の5つの指標を使用し、これらを組み合わせることで相場のトレンドや上値や底値を予測します。一目均衡表は日本生まれのトレンド系指標です。

先行スパン1と先行スパン2の間を雲(帯)と呼びます。

株価が雲の下にある時は、雲が株価上昇のレジスタンスラインとなり、株価が雲の上にある時は、雲はレートのサポートラインとなります。

なお、一目均衡表の雲の幅が広い場合は株価が反転しづらく、狭い場合は相場が反転しやすいという特徴があります。

また雲を作る先行スパン1と先行スパン2がクロスすると、トレンドが反転し、株価は急上昇・急落することが多いようです。

一目均衡表では、一般的に、転換線が基準線を下から上に抜けたときを買いと判断し、転換線が基準線を上から下に抜けたときを売りと判断します。

一目均衡表
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代表的なオシレーター系指標

オシレーターは振り子の意味で、振り子のようにある一定の範囲を推移することから、このように呼ばれています。

RSI

RSIとは、終値ベースで、上昇と下落のどちらが強いかを示すオシレーター系指標です。直近の一定期間内の終値ベースで変動幅を合計し、上昇幅の合計が全体の何%を占めるのかを示す指標です。

この指標は0%~100%の間で推移し、相場の上昇局面では50%を越え、下落局面では50%を下回ります。なお、70~80%以上の場合は買われすぎ、20~30%以下の場合は売られすぎ、という判断になります。

RSI
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MACD

MACDとは、移動平均線を応用したテクニカルチャートとして開発されました。ちなみに、「Moving Average Convergence Divergence」を略してMACDと言います。

MACDは、MACDラインとシグナルラインの2本のラインを用います。MACDラインは、長短2つの移動平均の差を1本のラインで表したものです。シグナルラインは、MACDラインの値をさらにある期間で平均したものです。これら2つのラインを組み合わせ、売買のタイミングを計ります。

MACDチャートは、2本の線で表され、表示もシンプルで見やすいのが特徴です。

MACDは、MACDラインがシグナルラインを下から上に突き抜けると買い、シグナルラインを上から下に突き抜けると売りというサインになります。移動平均線をベースに作られていますが、移動平均線よりもMACDの方が誤差が少ないとされています。

MACD
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ストキャスティクス

ストキャスティクスは、現在の価格が一定期間の株価レンジの中でどの位置にいるのかを見るための指標で、%K、%D、Slow%Dという3つの数値を利用します。

%Dのラインは相場転換のシグナルを示すため、最も重要であると考えられています。ストキャスティクスには、動きの早いファースト(%Kと%D)と動きが緩やかなSLOW%Dがあります。

%Kは、一定期間における高値と安値の範囲における直近株価の位置を示しています。%Dは、%Kを移動平均化したもので動きは%Kよりなめらかなのが特徴です。SLOW%Dは、%Dを3日間平均化したものです。

上記の条件からもわかるとおり、株価の値動きに対する反応は%Kが最も高いために、動きが一番早くなります。SLOW%Dが値動きに対する反応が最も低く、動きがゆっくりしています。

買いサインは%K、%Dが20~30%以下、%Kが%Dを上抜ける時などが挙げられます。

ストキャスティクスは現在のレートを過去の一定期間の値動きと比較し、100%に近ければ近いほど、現在のレートが買われすぎであるということになります。一方、0%に近ければ近いほど、レートの売られすぎということになります。

ストキャスティクス
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