本とお金

日経平均が上昇し、22,000円代に回復するなど、日本株が再度注目されています。

加えて、ヨーロッパやアメリカの株式市場も好調で、世界同時株高と呼ばれるなど、投資の世界は好調に推移しています。

このうような投資情報に触れる中で投資に興味を持っていても、なかなか投資を始める勇気が出ない方も多くいます。

今回は、そういった方達のために、投資をはじめようと思う際に読んだ方がいい本について、紹介していきます。

投資に関する考え方の本から投資手法に関する本まで、様々な角度から紹介したいと思います。

 

投資全般編

投資の重要性や心構えを知りたい方へ

 

「金持ち父さん貧乏父さん」ロバート・キヨサキ著 1,676円

「金持ち父さん貧乏父さん」は、お金持ちと貧乏家庭のお金に対する考え方を比較しながら、お金持ちになるには経済的に自由になるには投資が重要、ということを解説しています。

著者のロバート・キヨサキの父親は、高学歴でありながら常にお金の心配をする必要があった自身の父親と、学校を中退していながら億万長者になった友人の父親を比較し、金持ちになるための重要な考え方を紹介しています。

お金を収入、支出に分け、支出を投資と浪費に分けることで「富を生むための投資が重要」であることや、「富を生む資産を保有することが、金持ちへの近道だ」ということを解説しています。

また、教育への投資も重要視しています。

「柔軟性を持って新しいものを喜んで受け入れ学び続けるならば、人は変化を乗り越えるたびにどんどん裕福になっていき、お金があればすべての問題が解決する、と思っている人は、これから先苦労するだろう。問題を解決し、金を生むのは頭脳だ」と本書でも語っています。

具体的な投資法については言及されていませんが、投資がなぜ重要か投資と浪費はどう違うのかなど、心構えを知りたい方におすすめの1冊です。

 

どの投資にするか迷ったら?

お金持ち入門
出典:Amazon
お金持ち入門

 

「お金持ち入門 資産1億円を築く教科書」土井 英司著 1,620円

「お金持ち入門 資産1億円を築く教科書」は、「資産1億円なら誰にもできる!」をテーマに、11人のプロフェッショナルが投資に関する持論を展開しています。

11人のプロフェッショナルは、それぞれが貯蓄・保険・株式投資・投資信託・不動産投資・税金・海外投資など、様々な分野のプロフェッショナルであり、一冊で投資に関する幅広い知識を得ることができます。一つの分野に集中しがちな投資関連書籍が多い中、こういったアプローチは珍しいものと言えるでしょう。

流れとしては、お金に対する考え方から始まり、家計の見直し、貯金する方法、そして貯金を投資に回してお金を増やそう、という形で、スムーズに読み進めることができます。

  1. 「年収」よりも「資産」が大事
  2. 貯めたら一定の範囲内で大胆に勝負をかける
  3. サラリーマンでも節税できる仕組みを持つ
  4. リスクのない借金をする

 
お金持ちになる4つのルールとして上記のポイントが書かれており、このルールに従い資産形成をすることを進められています。

1つ1つの内容についてわかりやすく解説されているため、どの投資に取り組んでいいかわからない、と感じている人におすすめと言えるでしょう。

 

長期的な投資の成功への心構え、全ての投資家向け

 

「投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識」ハワード・マークス著 2,160円

「投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識」の作者であるハワード・マークスは、米国のブティック系運用会社オークツリー・キャピタルの創業者であり、高利回り(ハイイールド)債券や不良債権など、いわゆるクレジット戦略のスペシャリストと言われています。

ウォーレン・バフェットもハワード・マークスのことを絶賛し、「君が本を書くなら、必ず推薦文を寄せる」と日頃から本の執筆を促していたそうです。

出来上がった本書をバフェットは大変に気に入り、バークシャー・ハザウェイの株主総会で配布したほどです。

また、バフェット以外にもボーポスト・グループの社長であるセス・A・クラーマンや、バンガード・グループ創業者のジョン・C・ボーグルが絶賛するなど、プロからの評価も高くなっています。

本書は、ハワード・マークスの投資哲学について書かれています。しかし、単なる成功した投資家が教える投資のノウハウ本ではありません。

著者は、投資の難しさを強調しており、その難しい投資市場の中で成功するために、どうしたら投資リスクを限定できるのかや、市場環境が芳しくないときに損失を最小限に抑えるための方法、絶好の投資機会を見つける逆張りの考え方など、普遍的なテーマを20の章にして解説しています。

投資手段を問わず長期的に成功するための心構えについて書かれており、すべての投資家に向けた1冊と言ってよいでしょう。

 

投資のプロも高評価本!初心者にも投資の知識を広げたい人にも

 

「バフェットとソロス 勝利の投資学」マーク・ティアー著 1,944円

本書は、ウォーレン・バフェットとジョージ・ソロスと言う歴史的に偉大な投資家を題材に、二人の「投資哲学」「信念」「相場の考え方」などを、さまざまな視点から共通点を抽出。

23の習慣にまとめて、両者が成功するためになにを重視しているか丁寧に解説されています。

各章ごとに「達人」、「負け犬」に分けて、投資の考え方を語っています。

特に、成功するために達人は「最重要事項は元本を確保することである」と確信しているのに対し、負け犬は「儲ける」ことだけが目的になっており、「結果としてよく元本を失ってしまう」と書かれている点は、投資を始めようという方には参考になるのではないでしょうか。

投資のプロの間でも評判が高い本であり、これから投資を始める人、既に投資をしており知識を広げたい人等、様々な人におすすめしたい1冊です。

 

投資成功者の投資哲学が学べる

 

「日本の億万投資家名鑑」日経マネー編

本書は2017年に発刊された本で、比較的新しい本になります。日本人の投資家63人を紹介しており、それぞれの投資ノウハウについて書かれています。

中には保有資産10億円超の人もいるなど、日本にも投資で成功した人がいる、という事実は、刺激になる部分も多いのではないでしょうか。

本書では、億万投資家を、グロース株投資家・バリュー株投資家・逆張り投資家・イベント投資家・デイトレーダー・海外株投資家の6つに分けて紹介しています。

それぞれの投資家の、保有している銘柄、勝負株の発掘法、売り時の見極め方、投資を行う際の情報源について、わかりやすく解説しています。

「個人投資家交流図」などの面白いトピックもあり、読み応えのある1冊になっています。

投資で成功している人が、どのような投資哲学を持っておりどのような投資方法を行っているかをしれる、興味深い1冊と言えるでしょう。

なお、10個の投資のメリットデメリットについては下記リンクのページで紹介しているので参考にしてみてください。

お金を増やす!【初心者向け】初めて投資する前に知っておきたい投資10選。メリット、デメリットで比較

 

株式投資編

株式投資に興味があるが、どうすればわからない人にはコレ!

 

「敗者のゲーム〈原著第6版〉」チャールズ・エリス著 1,836円

敗者のゲームは、アメリカで100万部以上販売された、投資に関する名作を日本語に翻訳した本になります。

プロ・アマ問わず幅広い投資家に向けたメッセージとして、時代を超えて読み継がれる運用哲学のバイブルと言われています。

資産運用をするのに必要なことは、専門的な知識や難しいテクニックではなく、規律を守り自己資金の範囲で、ルールに沿って投資をすることである、ということを具体的な事例を用いて解説しています。

株を始めた時に陥る罠として、勝手に未来を想像し特定株の上昇に賭ける、といったギャンブルのような投資をすることが挙げられています。

本書では、こういった投資ではなく市場平均と連動するようなインデックスファンドを活用することを勧めています。

株式投資を始めたいけれど、「どの企業に投資すればいいかわからない。どうやって市場を見ればいいかわからない」という方におすすめといえるでしょう。

 

投資理論についてもっと理解したい方向け

 

「ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉―株式投資の不滅の真理」バートン・マルキール著 2,700円

本書も、敗者のゲーム同様インデックスファンドの投資効率性について説明した本になります。

あらゆる指標を検証し、かなり詳細なデータを挙げて解説しているので、「投資理論について学びたい」という人にもぴったりの本かもしれません。

様々なテクニカル分析手法がなぜ生まれていくのか、そしてその分析に意味が本当にあるのか、ということを理論的に説明しています。

17世紀にオランダで起こったチューリップバブルや、現代のITバブルに至るまでのバブルの歴史についての記述など、随所に散りばめられたエピソードも面白く読むことができます。

アメリカの株式市場が主な舞台であり、少し難解な部分もありますが、投資理論についてもっと理解したいという方にとっておすすめな1冊と言えるでしょう。

 

株式投資の戦略を考える参考書

株式投資の未来
出典:Amazon
株式投資の未来

 

「株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす」ジェレミー・シーゲル著 2,376円

本書の著者であるジェレミー・シーゲルは、比較的配当利回りが高い成熟優良銘柄を長期で保有して、配当再投資を繰り返すというシーゲル流投資方法を開発した人物であり、10億円もの資産を築いた投資家です。

日本でも、シーゲル流投資法を実践している投資家は多くいるようです。

本書では、「成長の罠」をテーマに、過去のリターンがはるかに高いことを過去のデータを分析することで実証しています。

今後成長が期待され将来が明るい業界の人気銘柄よりも、古い業界で今後の成長性があまり見込めないが、ビジネスモデルがしっかりとしており、配当をしっかり出し続ける不人気銘柄に投資するという方法もその1つです。

高成長業界の人気銘柄は、注目度が高いがために株価が恒常的に割高になってしまう一方、低成長業界の不人気企業は注目度が低いために恒常的に割安に放置されるため、割安価格で再投資が可能であり、資産を効率的に増やすことができます。

そのため、不人気業界の高配当、連続配当銘柄へ長期的に配当再投資を行うことが、最も効率よい投資法だと説明されています。

こちらも、題材がアメリカ株式市場のため、多少複雑な部分もありますが、株式投資の戦略を考えるうえで、参考にしたい1冊。

株式投資初心者の方には当サイトの「【株主優待10選】割引券だけじゃない!配当+株主優待で実質高利回りも」ページの株主優待についても合わせてお読みください。

 

不動産投資編

不動産投資を検討中の方、リスクをとって収益を伸ばしたい方向け

 

「低金利時代の不動産投資で成功する人、失敗する人」重吉 勉著 1,620円

本書は、不動産投資の解説、特に借り入れに関する解説が詳しい1冊になります。

不動産投資を成功させるには、ローンをうまく利用することがとても重要になります。一方で、低金利だからといって安易に借金を行うことは、リスクばかり高まってしまいます。

本書では、安全かつ加速度をつけて資産を増やす方法である「レバレッジの黄金率」をテーマに、不動産投資がレバレッジをかけて行うものであり、レバレッジは投資において非常に効率的な手段であること、借り入れに適した割合とその理由、家賃収入月40万円を定年までに作る具体的な方法、入居者のつく物件選びのポイントに分けて、具体的に解説しています。

低金利時代だからこそ押さえたいローンの活用法や、資産をより早く安全に増やすためのノウハウなど、初心者の方にも読みやすい内容となっています。

不動産投資を検討している人や、リスクをとって投資による収益を伸ばしたい、と思っている人におすすめの1冊になります。

 

ガチで不動産投資で収入を得たい方へ

 

「はじめての不動産投資」長谷川 高著 1,404円

本書は不動産をはじめる方に向けて、基本知識とプロの手法を、わかりやすく易しく解説してくれる1冊です。

優良物件の選び方や税金・利回り計算・リスク・買い方と契約時の細かい手順のほか、具体的なやり方をすべて網羅しています。

はじめに不動産投資を行う際に注意すべきポイントについて解説されており、不動産投資は決して楽をして儲けるものではなく、安易に物件を買うべきではなく、しっかりとタイミングを見て買うべきだ、という購買のタイミングを解説してくれています。

また、優良物件を探すために最低でも10物件以上、実際に足を運んで見てみるべきなど、堅実な不動産投資方法についても学ぶことができます。

物件が居住者のためになっているかや、管理会社を選ぶ時のポイント等、細かい点まで具体的に書かれているのが特徴です。

不動産投資をマジメに勉強し、しっかり家賃収入を得たい方には、ぴったりの1冊と言えるでしょう。

なお、中古マンション投資については当サイトの下記リンクのページで詳しく説明してます。

はじめての中古マンション投資 ~注意点と手続きの流れ~

 

まとめ

投資に対する関心も高まっており、多くの人が投資をしてみたい、と思っていると思います。

しかし、実際に一歩を踏み出すことは難しく、何から手をつけていいかわからない、という人も多いでしょう。

勉強したいと思っても、投資に関する書籍は多数あり何から読めばいいかわからない、という人も多いかもしれません。

今回は、投資に関する考え方から、具体的な投資の始め方まで、幅広い視点で10冊の本を選びました。

中には少し難解な部分もあるかもしれませんが、投資を検討している方にはぴったりの10冊です。

もしあなたが投資に興味を持ったのであれば、まずは気になったものを1冊読んでみてはいかがでしょうか。