
スーパーでもお手頃価格で入手できるようになったワイン、実は投資対象にもなることをご存知でしょうか?
ワイン投資とはそもそも何か?もしワイン投資を始めるなら、どのようにすればいいのか?
やり方まで詳しく解説していきます。
目次
聞いて驚く高額ワインの取引事情

ワインといっても、価格の幅は非常に広くなっています。安いものであれば、ボトル1本1数百円で買うことができますが、高いものだと1,000万円以上のものもあるのが、ワインのおもしろいところでしょう。
ワイン価格の種類
- オークション価格
- 店頭価格
ワインの価格は、オークションに出される「オークション価格」と店頭で買う「店頭価格」とに分けられます。
オークション価格はオークションで出される価格で、それぞれのヴィンテージによって値段が変わってきます。
店頭価格はその名の通り、店頭で販売されている価格であり、ニュージーランドのWine-searcherというサイトが発表しているものがよく知られています。
このサイトでは、900万種類以上のワイン、そして世界8万5000店舗以上のワインの価格のデータが登録されているため、店頭価格の1つの基準になっています。
店頭価格が最も高いワインは?その値段は?
店頭価格が最も高いワイン、みなさまも気になりますよね。
世界一高いワインは?
2017年6月時点のデータによると、世界一店頭価格が高いワインは、ドメーヌ・ラ・ロマネ・コンティ社の「ロマネ・コンティ」になります。
価格は、なんと平均約165万円と驚くべきほど高価なワインになります。
ロマネ・コンティはドメーヌ・ラ・ロマネ・コンティ社が単独所有する特級畑で、総面積はたったの1.81haしかなく、そこから生産されるワインはたったの約6,000本のみになります。
世界中の大富豪や王族などが欲するワインで、「ロマネ・コンティであること」に価値がある、唯一無二のワインと言ってよいでしょう。
2位のワインは?
2位はエゴンミュラーのシャルツホーフベルガー・リースリング・トロッケンベーレンアウスレーゼという貴腐ワインになります。
こちらも価格は約94万円であり、世界一高い白ワインになります。
3位のワインは?
3位以降はル・ロワのミュジニー、ドメーヌ・ロフレーヴのモンラッシェと、ブルゴーニュのワインが続きます。
今、世界の高額ワインは、主にブルゴーニュとドイツが占めている状態で、7位までが1本50万円以上の高級ワインになります。
もっと高額?オークション取引価格が高いワインは?
一方、オークション価格が高いワインは、いったいどのようなワインなのでしょうか?
一般的に、オークション価格は店頭価格より高い値段になることが多いです。なぜなら、店頭価格が各ヴィンテージの平均値であるのに対しオークション価格は、各年のヴィンテージによって値段が変わってくるからです。
当然、グレート・ヴィンテージと呼ばれるワインは人気があり、また、希少価値が高いヴィンテージも値段が高騰する傾向にあります。
また、そもそも店頭には並ばないワインが出てくるのも、オークション価格が高騰する要因になります。
オークションで高くなるワイン
オークション取引価格が最も高いワインは、カリフォルニアのカルトワインである「スクリーミング・イーグル」のマグナムボトルです。
スクリーミング・イーグルはメーリングリストの顧客にしか販売しない、希少なワインになります。
2000年のオークションでは、このマグナムボトルがなんと50万ドルという価格で取引されたのです。
日本円で約5,500万円になります。家が買えるくらいの値段が、ワイン1本の値段として取引されたのです。
店頭価格が高いワイン
他にも、店頭価格が最も高い、ドメーヌ・ラ・ロマネ・コンティ社の「ロマネ・コンティ」は、2011年に、その1945年のヴィンテージがスイスのオークションで約1,300万円で取引されました。
これは、750mlのブルゴーニュの赤ワインではいまだに世界最高額です。
ブルゴーニュのワインは、オークションの世界でも高値で取引される傾向にあります。
ギネスに載った高いワイン
白ワインでは、貴腐ワインの王様である、ボルドーのシャトー・ディケムが最高額になります。
こちらのワインは、2011年にロンドンで開催されたオークションで、1811年のヴィンテージが約1000万円で落札されました。
この取引は、世界で最も高価な白ワインとしてギネスブックに登録されています。
ワインでお金儲け?ワイン投資とは何か?

では、ワイン投資とは、いったいどのような仕組みなのでしょうか。解説していきます。
ワインの特徴と価格上昇
ワインの特徴として、適切な管理下で保存すると味が熟成して美味しくなるということ、そして、同じ作り手・同じ畑・同じブドウ品種であっても、ヴィンテージによって味わいが全くことなることがあります。
通常、ヴィンテージは古ければ古い方が価値があるといわれています。なぜなら、ワインは嗜好品を兼ねた飲料であり、その年のヴィンテージは二度と作られることがないため、古いヴィンテージは、飲まれていくとその年のヴィンテージの本数は少なくなっていきます。
そのため、古いヴィンテージは価値を生み、ワインの価格を上昇させる要因になるのです。
ここに着目したのが、ワイン投資です。比較的若いワインを投資用として購入し、熟成させて価値を高めてから売却することで、利益を得るという投資方法になります。
ワイン投資の歴史
とはいっても、ワイン投資は最近はじまった話ではありません。その歴史は古く、貴族や裕福層などの人々の間では、古くから投資として知られている方法でした。
ワイン投資に関する老舗の会社の中には、300年以上前から存在する所もあります。
イギリスでは英国王室にワインを届けたり、裕福層のワインの測定を行っていたりと、1700年代からワインの運用が行われていたそうです。
ワイン投資が広まったワケ
また、年金の運用手段としてワインが使われたり、フランスでは銀行の融資や担保にも関わるなど、国や政府がワインの投資対象としての価値を認めており、その影響もあって一般の人々の間でもワイン投資が行われるようになりました。
ワインブームを受け、1990年代には、多くの一般人にもその存在が知られるところとなったのです。
知られざるワイン投資のメリット

では、ワイン投資のメリットについて紹介していきましょう。投資対象としてのワインは、意外なほど多くのメリットがあります。
希少価値が高まる一方
上でも述べたように、ヴィンテージワインはその年にしか生産できません。一方、ワインは飲まれてしまうとなくなってしまうので、毎年その在庫量は減少します。
このためどんどん希少価値があがり、持っているだけで値段があがる、ということもあるのです。
データによると、高級ワインの価値は過去25年で年平均15%アップしており、資産としても非常に注目されています。
ワイン投資は価値が下がるリスクが低く、長期的な価値の上昇の見込みが高いといっていいでしょう。
「実物資産」であり、モノの価値がなくなることはない
ワインは、そのもの自体に価値がある「実物資産」です。株式投資のように、会社が倒産したら株券の価値がゼロになってしまうということがありません。
これは金や絵画も同様の性格ですが、ワインはなじみが深い分実物資産と言われて、みなさんが想像しやすいのではないでしょうか。
インフレに強い
これは実物資産全般に言えることですが、インフレに強いのが実物資産の特徴になります。
インフレとは、モノの価値があがりお金の価値が下がることを指します。ワインは、「モノ」ですので、お金の価値が下がればワインの価値はあがります。
日本はデフレのイメージが強いですが、世界的に見ればインフレの傾向が続いています。
特に新興国ではインフレの率が高いため、現金で持っておくよりワインなどの実物資産を持ちたい、という考えもあり、新興国ではワイン投資の人気があがっている状況もあります。
経済の影響を受けづらい
資産形成の観点から見ると、リスクを減らすために分散投資を行うことが重要だと言われています。
その観点から言っても、経済の影響を受けづらいワインは、分散投資の対象先として適しているといえるでしょう。
実際、経済が悪化すると株価は世界中で下落する傾向がありますが、ワインは直接的にはその影響を受けないため、リスクヘッジとして適しているといえます。
金融の知識等を必要としない
ワイン投資は、現物を購入して保管場所を確保できれば、あとは価値が上がったタイミングで売るだけです。
金融商品の場合は、多くの機関投資家たちが日々金融工学を駆使してトレードをしているため、素人がそこに入っていって勝つのは運次第といっていいでしょう。
それに比べて、ワイン投資は非常にシンプルであるのも魅力の1つでしょう。
ワイン投資で気をつけたい、4つのリスクは?

これだけ見るとワイン投資は魅力的な投資対象のように思えますが、もちろんリスクも存在します。
きちんとリスクを理解し、管理することが投資では非常に重要です。ここでは代表的なリスクを紹介します。
価格変動リスク
高級ワインは、長期的には上昇する傾向が高いことが過去のデータから見ても言えます。しかし、短期的には経済の影響を受け下落することもあります。
たとえば、アジア通貨危機の際には、一部のワインの価格が下落したことがありました。また、ワインがヴィンテージとしての価値を持つまでは価格の上昇は見込めないケースもあります。
短期投資で儲けるものとしては、不適当であることを理解しておいた方がよいでしょう。
為替リスク
ワインの取引は、その主な場所はアメリカ、またはヨーロッパです。ゆえに、お金のやりとりは、主にドル建て、またはユーロ建てで行われます。
日本人からすると、円をドル、ユーロに変えるのに、その時の為替によって大きく左右されます。
ドルベースでは高く売れたのに円ベースでは損をした、というケースがないようにしっかりと為替のタイミングも注視した方がよいでしょう。
偽物リスク、商品リスク
ワインといってもすべてのワインの値段が上がるわけではありません。超熟に耐えられないワインは、その価値を失ってしまうこともあります。
どのワインがどれくらい上がるかは、誰にもわかりません。ワインは非常に多くの種類があるため、自分で投資対象を選ぼうとしてもなかなかうまく行かないことが多いでしょう。
また、希少価値の高いワインは、その分「中身を入れ替えた」「ボトルを偽造したなど」偽物ワインも多く出回っています。
これらは信頼できる取引会社と取引をやることである程度リスクヘッジされますが、電子化されている世界ではないので、念のため注意が必要と言えるでしょう。
保管リスク
最後のリスクは、保管リスクです。ワインは保管状態が非常に重要です。いくらいいワインでも保管状態がよくなければ、味の劣化は早くなってしまいます。
特に、高級ワインの場合、どこで保管されていたかが非常に重要になります。個人宅等で保管されていた場合は、よっぽどのケースをのぞいて価値がなくなってしまうと考えた方がよいでしょう。
評価の高い倉庫に預けるには保管料がかかります。その他にも紛失・盗難リスクや、破損リスクがあることは理解しなければいけません。
ワインの値段はどうやって決まる?

では、そんな投資対象としてのワインの価格は何によって決まるのでしょうか。ワインの価格を決定する三要素は、以下の3つと言われています。
ワインの価格を決める三要素
- ブランド・生産者
- ヴィンテージ
- 保存状態
ブランド・生産者
最も価格に影響を与えるのは、やはりブランド・生産者になります。
ワインオークションでは、ブルゴーニュのワインやボルドーのグランシャトーに高価格がつきやすい傾向にあります。
これは、フランスの生産者が品質の高いワインを作り続けてきた実績に他なりません。
ワインは生産者によって、味わいが大きく変わりますのでオークションの世界でも、生産者は価格に大きな影響を与えます。
ヴィンテージ
ヴィンテージも、価格に大きな影響を与えます。ワインのブドウは1年に1度しかとれず、生産量や味はその年の天候などによって大きく変わります。
いわゆる「グレート・ヴィンテージ」と呼ばれるヴィンテージのワインは、長期熟成しても味が落ちず逆に深みが出てくるものです。
当たり年は地域によっても異なり、今は全世界の情報がまとめられているサイトもあります。
保存状態
保存状態も重要な要素の1つです。ワインは非常にデリケートであり、振動や光でもその品質は変わってしまいます。
ワインの保管には、振動と光が遮断でき、適切な温度と湿度で管理することが求められます。
もし保管で失敗すると、ワインの価値は大幅に下がってしまうため、細心の注意を払わなければなりません。
このため、投資用ワインは自宅のワインセラーでなく業者による専用の倉庫や地下セラーなどを使用し、きちんと保管されていることを証明する必要があります。
ワイン投資、どうやって始めればいい?
では、実際にどのようにワイン投資を始めればいいのかを解説します。ワイン投資は、買い付け・保管・売却の3つのステップで行われます。
買い付けのポイントは?
投資用ワインを買い付けるには、海外のワイナリーからの直接買い付け、ワインのインポーターからの購入、ワインオークションでの購入などがあります。
買い付け方法
- 海外のワイナリーからの直接買い付け
- ワインのインポーターからの購入
- ワインオークションでの購入
しかし、実際に海外のワイナリーからの直接買い付けは、関税の問題や語学の問題など、様々な問題があります。
また、輸送についても細心の注意を払う必要があるため、個人が始めるにはなかなかハードルが高いと言えるでしょう。
また、ワインオークションは素人はそもそも参加することが難しいうえ、偽物等が出品されていることも少なからずあります。こちらも最初に始めるのにはおすすめできません。
となると、もっとも始めやすいのが、ワインのインポーターから買うということになります。
大抵の場合6本や12本という単位で買い付けを始めることが出来ます。
保管におけるポイントは?
先ほども言ったように、保管状態は非常に価格決定において重要です。ワインは非常にデリケートであり、振動・光・適切でない温度・湿度、それに輸送時の振動でさえダメージとなります。
買い付けをした場所に保管用倉庫があるというのがベストであり、投資用ワインの売買を行っているインポーターであれば、基本的には保管用の倉庫を兼ね備えていますので、そこに預けるのがおすすめでしょう。
保管料も1ケース年間2,000~3,000円程度と、そこまで高くはありません。
これはNG
間違えても、自宅のセラーなどで保管することがないようにしましょう。保管状態こそ信頼の最も重要な要素になります。
売却におけるポイントは?
購入したワインは値上がりを待って、インポーターに売却することができます。また、インポーターの中には個人間の売買を可能にしているインポーターもいます。
売った金額から、買った金額・保管量・税金等を差し引いて、最後に残ったものが自分の利益になります。
とはいえ、売却してしまうと、損が出てしまうケースもあります。そういう場合には自分で飲んでしまう、という方法もあります。
もし、価値がなくなっても楽しむことができるのは、現物資産であるワイン投資の魅力の1つかもしれません。
ワイン投資の老舗「ベリー・ブラザーズ・ドット社」とは?
もし、日本ではじめてワイン投資を始めるなら老舗の「ベリー・ブラザーズ・ドット社」をおすすめします。
ベリー・ブラザーズ・ドットは、300年以上の歴史を誇るイギリスの企業で、過去には英国王室から特別に指定されているワインのインポーターになります。ワイン投資の専門業者としてはかなり信頼性・格式もあり、安心できるでしょう。
ベリー・ブラザーズ・ドットでは、ワインの購入や売却・保管までを一貫して行えるうえ、万が一ワインが破損した時の保険や、会員同士のワインの売買のサポートなど、手厚い保護が受けられることが特徴です。
安いものであれば10万円くらいからスタートすることもできるので、初心者が始めるのにぴったりと言ってよいでしょう。
まとめ
ワインは、1本1,000円以下で買えるワインもあれば、最も高いものは5,000万円以上で取引されるなど、価格の振れ幅が非常に大きい商品です。
また、ヴィンテージワインはその年にしか生産されず、希少価値はどんどん上がっていくため、徐々に値段が上がっていく傾向にあります。
こういったことから、ワイン投資は古くから貴族の間では行われており、現代は多くの人がその投資を利用できるようになりました。
ワイン投資は値上がりが期待できたり金融商品ほど複雑ではない、また、分散投資向きである、など様々なメリットがあります。
しかし、偽物リスクや保管リスクなど、他の投資には見られないリスクがあることに注意したほうがよいでしょう。
ワイン投資を始めて行う場合、買い付けから保管・売却までを一括で行ってくれるインポーターと付き合うのが一番よいでしょう。
日本の場合であれば、イギリスで300年以上の歴史を誇る「ベリー・ブラザーズ・ドット社」なら一貫したサービスを受けることができるので、はじめやすいのではないでしょうか。
ワイン投資は決して誰にでもできるような投資ではありません。しかし、ワイン好きなら自分の買ったワインの値段があがるのを待つのも、1つの楽しみといえるでしょう。