病気・けがで入院・手術をしたり、高額な先進医療を受けたりするための医療費の自己負担に備える医療保険です。
いろいろな会社が販売していて、保障内容や保険料が微妙に違っています。数ある医療保険の中からどう選び、比較すればいいのか考えてみました。
医療保険選びの7つのポイント
医療保険はいろいろな会社から発売されています。数ある医療保険の中から、自分に合ったものを選ぶにはどうすればいいのでしょうか。ポイントとして挙げられるのは表の7点です。
表:医療保険選びのポイント
①保障期間のタイプは、終身?定期? ②保険料払込期間のタイプは終身?有期? ③保障内容は、シンプル?しっかり? ④入院日額はいくら? ⑤1入院の限度日数のタイプは? ⑥手術の保障内容は? ⑦保険料は払い続けられる? |
それぞれのポイントを細かく見ていきましょう。
保障期間のタイプ
医療保険の保障期間には、一生涯にわたる医療保障が得られる終身タイプと、10年などの一定期間の保障が得られる定期タイプがあります。
定期タイプは一定期間ごとに80歳や90歳まで保障を更新していくもので、更新のたびに保険料が上がっていきます。医療保障は高齢になるほど必要性が高くなるものなので、保障のベースをつくるなら終身タイプが向いています。
定期タイプは、現役時代や住宅ローンを払っている間など、一定期間の医療保障を厚くしたい場合に向いています。
保険料払込期間のタイプ
終身タイプの保険料払込期間には、一生涯にわたって払い続ける終身払いと、60歳や65歳などで払い終わって保障は継続する有期払いがあります。
収入が公的年金だけになる高齢期に保険料の払い込みが続かないよう有期払いを選ぶのが賢明ですが、保険料が高くなってしまう場合は終身払いでもいいでしょう。なお、終身払いしかない商品は選択に余地はありません。
保障内容
医療保障に最低限必要な保障は入院と手術、先進医療でしょう。シンプルに最低の保障でいいか、通院や3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)、7大疾病にもしっかり備えられた方がいいかを選びます。しっかりの方が保険料は高くなります。
入院日額
入院日額は5,000円程度がベース。会社員のような福利厚生(傷病手当金など)がない自営・自由業の人は1万円程度あると安心です。
1入院の保障限度日数
30日・60日・120日タイプなどがありますが、主流は60日タイプです。入院日数は徐々に短くなっており、60日タイプでカバーできる傷病が多いです。
120日は長くて安心ですが、その分保険料は高くなります。なお、最近の医療保険は、日帰り入院から保障するタイプがほとんどです。
手術の保障内容
最近の医療保険は、公的医療保険が適用される手術であれば、日帰りでも給付されるタイプがほとんどです(一部の手術は除く)。
ただ、手術の種類や、入院か外来かで給付額が異なる商品があります。
保険料は払い続けられるか
これまでのポイントで選んだ医療保険の保険料が払い続けられるかどうかよく検討します。医療保障は高齢期ほど必要になるもの。そのときに、保険料が払えなくて解約してしまっては意味がありません。
もし、払い続けられそうもなかったら、保険料の払い方を終身払いにする(一生涯にわたって払い続けられれば)、保障内容をシンプルに変える、入院日額を下げるなどで調整します。
条件はできるだけ揃えて比較する
医療保険は、上記の7ポイントで選びますが、加入する医療保険は最初から1つの商品に絞り込まない方がいいでしょう。同じような保障内容で、もっと保険料が安い商品があるかもしれないからです。やはり、複数の商品を比較して選ぶことが大切です。
では、医療保険の比較はどうすればいいでしょうか。これは、生命保険商品全体にいえることですが、条件を揃えて比較することです。とはいえ、医療保険の保障内容は微妙に違います。そのため、全く同じ条件にすることは難しいので、できる限り揃えます。
揃える条件は、①保障期間、②保険料払込期間、③入院日額、④1入院の保障限度日数、⑤保障内容、の5つです。
医療保険の保障期間のタイプは、定期タイプと終身タイプがありますが、終身タイプを比較するなら保険料払込期間を揃えます。終身払いのみの商品が1つでも比較対象商品に入っていたら、終身払いで比較します。
入院日額は5000円でも1万円でもかまいませんが、自分が加入しようと考えている日額を用いるといいでしょう。1入院の保障限度日数は主流の60日で揃えると比較しやすいでしょう。保障内容は、入院・手術・先進医療の最低限必要な保障で比較してみましょう。
このようにして条件を揃え、年齢・性別の保険料を調べます。保険料と医療保険についている付帯サービス、会社の知名度などを総合的に考慮して選ぶといいでしょう。