医療保険の中心的な保障である入院保障。最近は、入院の短期化に合わせて、日帰り入院や1泊2日から入院給付金が支払われるタイプが主流です。

また、入院給付金の給付日数には、1入院あたりの限度と、保険期間を通じた通算での支払限度があります。

病気やけがの治療のための入院に給付金が支払われる

入院保障は、入院給付日額○円(5,000円、10,000円など)という形で契約し、病気やけがで入院した場合、入院日数に応じて給付金が支払われます。

入院給付金には、病気の治療を対象とした「疾病入院給付金」と不慮の事故によるけがの治療を対象とした「災害入院給付金」があります。

入院であればどんな場合でも入院給付金が支払われるわけではなく、約款で定められた条件を満たした「入院」であることが必要です。

条件には、原則として責任開始期※以降に発生した病気やけがであることがあります(責任開始期前に発生していた病気やけがでも、一定の条件を満たした場合には、責任開始期以後の原因であるとみなされて、給付金が支給される場合もあります)。

災害入院給付金の支払事由には、「不慮の事故を原因とする入院」であって「事故の日も含めて180日以内に開始したものであること」という条件もあります。

また、「医師による治療が必要」な病気やけがが対象となるため、検査入院や美容整形、正常分娩、介護目的の入院などは基本的に対象外となります。

なお、災害入院給付金と疾病入院給付金が重複して給付されることはありません。

たとえば、けがの治療のために入院している期間中に病気の治療を開始し、けがの治療が終わったあとも病気治療のために入院を継続した場合は、災害入院給付金が支払われる期間が終了した翌日から、疾病入院給付金が支払われることになります。

※責任開始期:保険会社が保険契約上の責任を開始し、保障が開始する時期。保険会社の承諾を前提に、「申込み」「告知または診査」「第1回の保険料の払い込み」が完了すると責任開始となる。

入院給付金はいつから受け取れる?

入院給付金は、最近は1日目からや1泊2日型など、短期間の入院にも支給されるものが主流になっています。しかし、以前の契約では、「5日間以上の継続入院で5日目から(4日目までは支給されない)」といったタイプもあります。

ただし、「5日目から」というタイプでも、短期入院特約の付加で、1日目から4日目までも給付金が支給されるように設計されている商品もあります。

図表1 給付金の支給開始日のタイプ
1日目から保障
(日帰り入院から保障)
入院1日目から給付。
1泊2日型 継続して2日以上入院したときに1日目から給付
5日型 5日以上継続して入院したときに5日目から給付
8日型 災害入院給付金は通算で5日以上、疾病入院給付金は継続して8日以上入院したとき1日目から受け取れる

入院給付金の2つの限度日数

医療保険の入院給付金には、給付日数に「1入院あたりの支払限度日数」と、「通算支払限度日数」の2つの限度があります。

「1入院あたりの支払限度日数」は60日、120日、360日、730日などがあり、支払限度日数が長いほど保険料は高くなります。

「1入院」とは、「一続きの入院期間」だけではなく、いったん退院したあと、同じ病気やその病気に医学上重要な関係のある病気(例:高血圧症とそれに起因する心臓疾患、脳血管疾患など)で再度入院した場合には併せて「1入院」と数えます。

ただし、同じ病気などの再入院の場合でも、前の入院の退院日翌日から次の入院までの期間が180日を超えていれば、新たな入院とみなされます。

たとえば、図表2のように、保険期間中に同じ病気で3回入院した場合、①②の入院は40日しか空いていないので「1入院」として数えます。

しかし、②の退院から③の入院までは200日間空いているため、③の入院は新たな「1入院」として数えるわけです。

「通算支払限度日数」は、保険期間中に受け取ることのできる入院給付金の限度日数で、700日、730日、1,000日、1,095日などがあります。保険期間中の入院期間の合計日数が通算限度日数を超えると、入院給付金は受け取れません。図表2の場合は、①②③の入院日数の合計である40日が通算日数ということになります。

図表2 給付対象となる入院日数の数え方

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