05選考での注意事項

転職サイトや転職エージェントを通じて、見事書類選考を通過しました。これで内定が出るところはほとんどなく(むしろそういう企業はヤバいと注意しましょう)、数回の面接が行われます。

これが一番大切で、いくら職務経歴書を完璧に仕上げていたとしても、ご自身の人となりや受け答えが良くなければ「この人とは一緒に働けない」と判断されてしまいます。当たり前のことですが、面接は転職活動の最重要事項と意識していただき、本番に臨んでいただければと思います。

以下では面接の際の注意点について解説していきます。既に企業で働いている皆さまにとっては釈迦に説法かもしれませんが、改めて注意してください。

面接に呼ばれた時にはこれを意識すべきこと

面接時の注意点についてまず考えていきます。基本的なことは新卒(あるいは以前の転職)の際と大きく変わってはいません。応募方法は転職サイトによって大きく変わりましたが、人と人とが面接するということについては以前と同じで、その人と会って対人能力を確認する必要性は変わらないのですから。

基本的な注意事項

事前の企業研究については、上で挙げたように積極的に行うようにしてください。新卒の学生ではないのですから、これまでのご自身の業務と絡めて「あなたに何ができますか?」と聞かれる可能性も十分にあります。皆さんも実際に働いて学生時代には気づかなかったことも分かるようになりました。それを活用して、しっかりと面接で対応できる理論武装をしておきましょう。

面接場所の確認も重要です。当たり前ですが、会場にたどりつけなければ意味がありません。特に転職エージェント経由での活動の場合、どの企業がいつ面接するのか自分で把握できていない可能性もあります。改めて自分が次に行く企業の面接場所を確認してください。

本社なのか支社なのか、あるいはホテルなどの別会場かもしれません。地図と面接場所が合わないということも往々にしてあるようです。事前の確認を怠らないようにしてください。面接場所の近くにいるのに入り口が分からないなどのケースもあります。面接場所の住所は控えておき、最悪の場合スマホのナビ機能を活用して確実に会場にたどり着けるように準備をお願いします。

遅刻しそうな場合は連絡をしてください。急病になってしまったときも同様です。診断書などを医師から発行してもらい、画像をメールに添付して人事に送るなどすれば事情を分かってくれると思います。病気なのに無理を押していくことは社会人として必ずしも正解ではない場合もあります(インフルエンザなどだと特にそうですよね)。ともかく何かあればまず人事に連絡して判断を仰ぎましょう。勝手な自己判断は禁物です。

服装ですが学生が着るような「リクルートスーツ」でなくても普段のスーツでも構いません。女性の場合はビジネススーツで行った方が賢明です。学生のように「黒か紺のスーツでワイシャツは白」といったような教科書的な格好をすると、却って目立つかもしれません。社会人として経験があるのですから、商談先と会う時の格好は分かりますよね。そのような感じでよろしいと思います。

企業によってはカジュアル勤務のところもあります(ラフな服装で勤務OK)。そうしたところも面接の際はフォーマルな格好のほうが良いと思われます。その会社の人が商談する際はおそらくスーツを着ますよね。ただし、先方が「カジュアルな格好=私服」で来てくださいというケースもあるようです。その場合はスーツを着ていかない事。私服のセンスがないと悩む場合は1つ良いお手本を紹介します。「ゴルフをする格好」で行ってください。

Tシャツやジーンズでゴルフをする人はいませんよね(あれは「紳士淑女のスポーツ」ですから)。少なくともこうすることで服装でのマイナスポイントはなくすことができます。センスに自信がない人はそれがお勧めです。

「転職」だからこそ意識したいこと

面接の基本的な注意事項は以上になりますが、転職だからこそ意識したいことがあります。学生ならば大目に見てもらえても、経験者採用の場合は採用側のチェックが厳しくなる、そのようなケースもあるからです。

例えば面接時に遅刻をしないことは当たり前ですが、早く行き過ぎるのも問題です。皆さま働いていてよくわかっていると思いますが、取引先が約束時間の15分前に来られても困りますよね。こちらは仕事をしている。相手が来てしまった以上対応しなければならない、自分の仕事のペースが乱れる、仕事が遅れる・・・、経験としてお分かりいただけると思います。

したがってよく言われるように現地には5分前に到着して、受付に2分前に行くというのを目安にすると良いでしょう。経験豊富な皆さまならばあえて言うこともありませんが、意外と企業のほうがチェックしている可能性があります。

働きながら転職活動している場合、面接の予定があったのに急に仕事が入ってしまい行けなくなってしまうというケースも考えられます。100%転職が確定していない中で、無理やり仕事を投げ出して面接に行くというのはリスクが高すぎます。

採用側もその点は分かっていて、1次面接などでは夜や土日に面接を設定し、選べるにようにしています。残業が入りそうなら土日に、不意の休日出勤があるならば夜間に面接を希望すると良いでしょう。

ただし、最終面接などでは先方の社長以下役員のスケジュール優先です。1人だけのために時間を変えるということはあり得ないので、事前に有休を申請するなどして必ず出られるようにしておきましょう。

どうしても仕事で無理!という場合は、ダメもとで人事に掛け合ってみるのも1つの方法です。熱意が伝わればそれだけ志望度が高いのかな、と判断されるかもしれません。それでも無理な場合は・・・、ご縁がなかったことと割り切るしかないですね。

いずれにせよご自身が仕事をしていて、無理やり作った取引先との打ち合わせが、当日一方的にキャンセルされれば・・・、良い感じはしないのは確かです。よほどの事情(先方の社長が亡くなる、事件が起きる・・・)がない限り、こうしたことはマイナス評価になってしまうことは意識してください。

アピールすべきポイント~経験者編

まず、これまで行っていた業務と同じことを行う企業に転職する場合のポインチについて考えていきます。例えば「営業→営業」「SE→SE」などの場合です。同職種であれば比較的転職もしやすく、また転職エージェントも紹介しやすい形になります。

即戦力をアピール

まず大切なのは何よりも自分が転職先で戦力にある、お金を払う価値がある人間だと、客観的・合理的に納得させることです。

「がんばります!」「やる気はあります!」「努力します!」などでは到底採用側を納得させることはできないでしょう(もちろんそうした熱意も必要です)。経験者採用なのですから、具体的な数字や実績を示して、転職先でも問題なく活躍できるということを説明していきます。

SEであれば自身のプログラミング能力(●●言語を書けますな)や、過去に担当した案件の概要(詳細は秘密保持の関係上言わなくても良いのですが、どんな分野のどんな案件を担当したかなど)を説明できると説得力が増します。

営業であれば、どのような営業を何年やってきたのか、飛び込み営業なのかルート営業なのか、社内で営業成績はどのくらいにいたのか、営業成績を上げるために具体的にどのような努力をしたのか、など説明できると良いでしょう。また、語学力があることを示せば(TOEIC○○○点など)外国への営業や、国外とのやり取りを行う部署に配属される可能性もあります。

大変そうだからやりたくない場合もありますので、全てのケースで自分の資格をアピールすることは必要ありませんが、もしそれを生かせる部署に行きたいのであれば積極的にアピールしてみましょう。

なぜ前社ではできない、転職する必要があるのか説明する

同業種での転職の場合「今(前)の職場で同じことができるのではないですか?」と思われてしまうのも仕方がないことです。現状の収入や待遇、労働環境に不満があるから転職するということは採用担当者も分かっていますが、それを率直に話しても転職活動では評価されません。

「本年と建前」という言葉は好きではありませんが、マナーとしてなぜ今の職場ではだめなのか分かりやすくPRしましょう。採用面接担当は人事畑の人が行うことも多く、必ずしもご自身の業種に詳しくない可能性もあります。そうした人に納得してもらうためには、合理的で前向きな理由を説明することが大切です。

面接担当者が素人でなくても、「この会社だからできること」をアピールすることで総合的な熱意が伝わります。他の応募者との差を見せるためには「自分だから」「御社で」「できる」ことを明確にすることが大切です。

上で挙げたような具体的な数字や実績を示すことも大切ですし、企業研究を行い今の職場よりも転職先のほうがより自分の能力を発揮でき、「世のため人のため御社のため」になるということを積極的にアピールしていきましょう。

前向きなキャリアプランを示す

ひょっとすると転職先に骨をうずめるつもりがなく、ご自身のキャリア形成の1ステップに過ぎない転職かもしれません。しかし、そうしたことを面接でいうことは、ごく一部の企業(転職者が多く企業も割り切っている、外資系など)以外では当然NG事項です。

例え本心ではなくても転職後、その会社でどのようなキャリアを積んでいきたいのか概要を説明できるようにしておきましょう。例えば

・営業の道を極めて、その会社でトップになり販路も開拓する
・営業から総務や人事などを経験しながら、ゼネラリストになる

いずれも問題ありません。企業が欲しがっているのがスペシャリストなのか、ゼネラリストなのか募集要項ではわからないかもしれませんが、自分はどの道で行きたいのか明確にしておくと、分かりやすく論理展開が可能になります。

自分で「転職理由テンプレート」的なものを作っておくことで、応募企業の求人内容に合わせたアレンジが可能になります。このことは、キャリアアップではなく、ずっと勤めたい会社を探している場合にも役に立ちます。

ひょっとするとキャリアプランを整理していく中で、本当に自分がやりたいことや自分にできることを再発見できるかもしれません。

そうすることで、実際にはキャリアアップへのステップと考えている場合であっても、違ったキャリア設計の選択肢(ここでずっと勤める)が出て来るかもしれません。転職すると決めたのですから、転職後については今から固定せずに、色々な選択肢を持っておくことは悪いことではないと考えます。

現職の会社へのネガティブは避けポジティブをアピールする

前向きなキャリアアップのための転職ばかりではないことは何度も述べました。今の勤務先が最悪で何とかして脱出したい、とんでもない人間が多いなどのケースも確かにあるでしょう。しかし、面接の場でそのようなことを言ってしまうのは避けてください。

「自分を評価してくれないから転職します」ということを話してしまうと、「この人は自分の主観的な評価で辞める、辞めないを、判断してしまう人だ。ひょっとするとどこでも(自社でも)同じことをしてしまうのではないか?」と疑念を抱かせてしまうことにもつながってしまいます。

どの部署に行っても「自分はここには合わない。上が評価しない。最悪だ」と不満だけを述べる人がいることは皆さまの経験上よくわかっていると思います(そういう人に限って仕事ができない)。その人たちと同じ土俵に自分から上がることはありません。

あくまで前向きに「これをしたいから!」という理由を(嘘でも)見つけてアピールしていきましょう。誰もネガティブな話を聞きたくはないのです。愚痴ではなく将来を見据えたプランこそが転職の面接という場では必要になります。

もう1点。同業種で転職を考えている場合、面接を受けた企業と今のご自身の企業が関係している可能性は否定できません。採用に関する情報を外部に漏らすということは法的にもやってはいけないことですが、人事同士が交流の機会があるケースは意外と存在していて、お酒が入ったときに「そういえばあなたの企業の○○さんがうちに面接に来て、すごく文句言っていたよ」などと話すリスクは0ではありません。

無事転職できればまだ良いのですが、不採用で今の職場をしぶしぶ勤め続けることになった場合、その話が経営側に伝われば・・・、怖いですよね。文句や悪口があってもそれは実際に転職してから、転職先の飲み会などの席で「実はね・・・」とアンオフィシャルに言う程度にした方が良いです。

つまらないことでリスクを負うのは馬鹿らしいですね。これも経験者だからこそ考えておきたい注意点になります。

経験者、経験業種への応募の際の注意点は以上になります。ご自身の能力をいかに分かりやすく数値化してアピールできるのか腕の見せ所です!

アピールすべきポイント~未経験者編

続いて未経験の業種、職種へ転職する場合のアピールポイントについて解説します。これは直接的にはこれまでのスキルを訴えることができないのですが、どのようにすれば良いのでしょうか?

志望動機を明確に分かりやすくする

総務しかやったことがない人が営業職を希望する、あるいは技術職だった人が事務職を希望するなどのケースが今回の未経験者の転職に当てはまります。同じ業種の他社に転職するのであれば、これまで行ってきたことから比較的容易に転職動機を導くことが可能ですが、今回のケースは直接結びつかないため慎重に志望動機を考える必要はあります。

例えこれまでの仕事がきつい、自分には向いていないということでの転職、つまり自分を守るための転職であってもそれは応募先の企業には関係ないことです。何からのポジティブな志望動機を話してくれないと企業も採用できないわけです。

そこでどのように志望動機を組み立てていくのか考えてきましょう。

「○○がしたいから」「以前から興味があったから」などという漠然としたものでは到底理解されません。誰でもできるアルバイトなどではそれでもいいかもしれませんが、このサイトを見ている人はそうした転職をしたいわけではないと思いますので注意してください。

ではどうすれば良いのか。これまでの仕事を俯瞰して、転職を希望する職種へつなげられる要素がないかどうか慎重に探ってみましょう。例えば、営業職の人が事務職へ転職を希望する場合はこうです。

・営業職時代には自分は外回りをしているだけだったが、実際の営業伝票の処理や各種経費の精算などは事務職が行っていた。

・非常に細かい作業であり、こうした事務職の心配り、下支えがあってこそ会社が回り、利益を上げていくことができるのだと理解できた。

・営業だけやっていればよいものと違い、会社全体のことを把握する必要があるため総合的に経営というものを考え関与できるのが事務職である。

・ただし事務職には営業現場の知識や経験がないため、機微のある対応ができない可能性もあり、現場を知っている人が1人いるだけでも変わってくると思う。

・だから営業としての経験を還元したいが、現職では人事制度上それが不可能であるため、新天地の御社で活躍したいと考えている。

などという論理展開をして、志望動機を作りましょう。例え実際の転職希望先の事務職は単に伝票を処理したり、書類を作成したりするだけの仕事かもしれません。ただ、単にこれをやってみたいでは説得力がないためそれなりの理由を見つけることが必要なのです。

採用側も分かっています。しかし、それなりに理由を見つけて説明できる人材を採用したいと思っているのは確かです。転職活動はある意味「化かし合い」ですがそれを上手に演じられた人が成功します。

意欲、やる気を伝える

これだけでは困りますが、当然ながら意欲・熱意・やる気などは十分にアピールすることが必要です。これまでやってきた仕事で頑張ったエピソードなども織り交ぜると良いでしょう。

「是非ともやらせてください」「色々な資格取得に取り組みます」など元気な応答をしていくことが大切です。ただし、注意していただきたいのは「何でもやります!」と言って自分を安売りしないことです。

「他の人よりも給料は安くても構いません!」
「残業も何時間でもします。もちろん残業代は要りません」
「休日出勤も厭わない覚悟でいます」

ブラック企業ならば受けがよさそうですが、これは面接時に自分から労基法を破ります宣言をしているようなものです。進んで違法行為をしますよと言っている人を採用することは企業にとって大きなリスクです。逆にそれが評価されるような企業は、その企業もこうした違法行為が常習化しているところですから、やはりブラック企業なのでしょう。

そうしたご自身のダンピングではなく、正当な能力を評価して採用されるかどうかが転職の重要なポイントです。未経験者であっても志望動機の組み立て方などで評価ポイントを上げることが可能です。加えて熱意を添える感じですね。

あと加点要素としては転職職種に関連する資格を取得することです。TOEICなどの語学検定もそうですし、経理希望ならば簿記、法務や人事ならば法律関係の資格や検定を取得していると説得力が増します。

意欲が高いことを証明できるともに、現にその能力があるわけですから経験者と同じように扱ってくれることもあります。勉強に時間がかかりますが、長期的に他業種への転職を考えている場合は、これも選択肢に入れると良いと思います。

企業研究を念入りに行う

未経験であることから、その業種、職種への理解が不足している可能性があります。本当に自分のところを第一に考えているのか怪しい。どこでもいいんじゃないの?、今の職場から逃げたいだけ?などとただでさえマイナスイメージを与えかねない状況ですので、しっかりとその企業について研究しておきましょう。

経験者の誰よりもその企業に詳しいということが伝われば、おのずと評価も高くなってくるはずです。是非とも時間をかけて企業研究に取り組んでみてください。

スキルが必要な業種については難しい現実を受け入れる

とはいえ未経験職種の場合はやはり限界も意識しないといけません。営業をやってきた人がいきなり企業法務やシステム開発を希望しても、それに応えられる能力を証明し、相手に訴えることは非常に難しいからです。

「ビジネス実務法務検定試験」1級や、各種システム言語の資格を持っていれば印象は異なりますが、「実務」経験というものが欠けていると、単に知識だけでは解決できない場面もあり、それへの対応力を証明することはなかなか容易ではありません。

したがって資格や検定だけでは転職できないケースもあるということはご理解ください。どんな仕事にでも100%転職できるわけではないことは残念ながら事実として受け入れていただき、できる範囲で最高のパフォーマンスを見せてご自身の希望をかなえていくことが転職の肝になります。

面接での態度、受け答え方

面接ではその人の志望動機ややる気などともに基本的なマナーについても確認される重要な場になります。せっかくしっかりとした志望動機や今後のキャリアプランが明確になっているのに、上手に伝わらない、相手に態度が悪いと思われてしまうと、大きなマイナス点になってしまいます。ここで細かいことはお話ししませんが、基本的な面接時のマナーについて押さえておきましょう。

基本的なマナー

遠足ではありませんが、会社に入ってからが全て採用選考だと思ってください。受付の人が「この人ちょっと・・・」と報告することはまず考えられませんが、ひょっとすると2次選考以降で担当となる部長級の人が偶然皆さまを見ているという可能性もあります。ひとたび会社の建物に入ったら、どこにそのような目があるのか分かりません」。受付に入る前に髪型やネクタイが曲がっていないかなど、しっかりと確認しておきましょう。

日本人は人の目が気になる人たちですので、なるべく目立たないことが、この時はベターかもしれません。控室に入れば素直に入り口近くの席に座っておきましょう。灰皿がある場合もありますが吸わないほうがいいと思います(もっとも、JTのように面接時でさえタバコOKのところもあります。これはまぁ例外ということで・・・)。この時に携帯・スマホの電源も切っておきましょう。音が鳴るとやはり印象は悪くなります。

部屋に入ってからの流れは新卒の時と同じです。

  • 入室時には軽くノックする(強すぎない)
  • 椅子に座るのはすすめられてから
  • 面接中の姿勢は背筋を伸ばして前を向く
  • 面接中の目線は試験官の目をよく見る
  • 語尾まではっきりした声で、しりすぼみにならずハキハキと答える
  • 退出時まで気をゆるめずに、例をして出ていく


というのは当たり前ですので(少なくとも社会人として経験があるわけですから)加点項目というよりも、できなかった場合の減点項目になってしまうので注意してください。

ポイントが高い質問

よく面接時に「最後にわが社に質問がありますか?」ということがあると思います。学生であればマニュアルがあり、例えば「もう1度PRさせください」とか「ますます御社に入社したくなりました!」と熱意を伝えればよいと言われていますが、社会人の転職の場合はどうでしょうか。

これにも具体的なベストアンサーはないのですが、こういう準備をしておきましょう。

  • 質問例を10個くらい用意しておき面接の展開によって変える
  • 面接時の内容をさらに深く聞く(例。営業先の業種や担当者のキャリアはどうなんですか?)
  • 初歩的な質問はしない(HPにあるようなことを質問すると、この人は企業研究してないと思われてしまいます)
  • IR情報について聞く(経験者ならではの視点になります)
  • 中途採用で活躍している人の状況を聞く(熱意があると思われます)
  • 自分の面接がどうだったのか聞く(客観的に自分を把握したいという意思を伝えることが出ています)

このような質問を準備してきて、面接の内容や反応によって適宜変えていきましょう。ポイントにも減点にもなる重要なところです。これまでの経験を活用し、相手に好印象を与えられるようにしたいものですね。

給与、待遇について聞いても良いか

新卒の場合はあらかじめ給料や待遇は決まっていますが、中途採用の場合はそうではありません。どうしてもお金の問題は重要な要素になりますが、面接の段階で聞いても良いのでしょうか?日本的な価値観からすると「お金より働くことだと」と思われがちですが・・・。

①未経験職種への転職の場合

これはしないほうが良いと思います。よほど大きな資格を勉強して取得した、などの場合は別ですが、その人が転職先でどのような能力があるのか、それともないのかこの時点では判断する材料がありません。

したがって、面接の時点ではまず熱意を示して採用してもらうことに全力を注いだ方が良いでしょう、未経験者が経験者と争って採用されるわけですから、ネガティブな印象を与えることは、やはり得策ではありません。

②経験職種への転職の場合

これは交渉する余地があります。その際に重要なことは以下の2点。

・現在の年収をしっかりと伝える
・そのうえで希望年収を伝える

交渉は常にこちらが弱気で進めたほうが良い場合だけではありません。本当に自分に能力があり多くの収入を得ることが正しいと考えるのであれば、証拠や実績を添えて強気に出てみるのも1つの方法です。

能力のある人を企業は求めて中途採用するのですから、その価値があると判断すれば正しく評価し、正当な(高額の)報酬を支払うことについては厭いません。ただし、社内の給与規定や就業規則もありますから、プロパーの同い年の社員よりも多くもらえることができない企業もあります。外資系などはそれにはこだわりませんが、企業次第の面もあります。自分のキャリアに自信があるならば聞いてみることは悪くはないです。

③転職エージェントを活用する場合

転職エージェントを介して転職活動を行う場合は、転職先との給与交渉もコンサルタントが代行して行います、向こうはプロですので交渉術にも長けています。事前のコンサルタントとの面接の際に、希望額を伝えておきましょう、コンサルタントがご自身にそれだけの価値があるのか判断できれば、希望額で転職できるように最大限の努力をしてくれるはずです。

ただし。契約が成立して相手の企業にご自身の転職が決まらないとコンサルタントの収入に貼りませんから、相手側企業とは妥協できる点を探します。ひょっとすると希望額よりも低い金額でしか採用できないという結論になるかもしれません。納得できない場合は他の企業を探してもらうか、自分で転職サイトなどで探すことになります。

転職できて、収入が増える「最大公約数」を探すのが転職エージェントの役目だとも言えます。

④賃金交渉の時期

できれば最終面接前までに話すのであればしていきましょう。役員の並ぶ前で給与のことを話すのはやはり得策ではなさそうです。人事面接のときにそれとなく探りを入れているのが効果的です。

また、適正価格を把握する身でも、実際に利用しなくても転職エージェントに登録して「市場価値」を算定してもらうのも1つの手です。これならばおおよその額が分かりますので、面接時に突飛な金額を希望することも無くなります。色々な見地からリスクヘッジをしていきましょう。