一番手軽でメジャーなムダ毛対策であるカミソリ・シェーバーは、そのメジャーさに比較すると、正しい使用方法や肌へのダメージといった問題点はあまり知られていません。ここではカミソリ・T字バーの正しい使い方や選び方、メリット・デメリットについて解説していきます。

カミソリ・シェーバーとは?
シェービング(剃毛)とは、カミソリ等の刃で肌表面に生えている毛を剃る処理を指します。カミソリ・T字シェーバーを使用したムダ毛処理対策を経験したことがある人は全体の70%以上です。
一番手軽でメジャーなムダ毛対策であるカミソリ・シェーバーは、そのメジャーさに比較すると、正しい使用方法や肌へのダメージといった問題点はあまり知られていません。ここではカミソリ・T字バーの正しい使い方や選び方、メリット・デメリットについて解説していきます。
カミソリ・シェーバーとは?
シェービング(剃毛)とは、カミソリ等の刃で肌表面に生えている毛を剃る処理を指します。カミソリ・T字シェーバーを使用したムダ毛処理対策を経験したことがある人は全体の70%以上です。
シャワーした後にササッとカミソリで毛を剃るだけ…これが実はダメって知ってましたか?まずは正しいシェービングの方法をチェックしましょう。
カミソリ・シェーバーの使用手順
石鹸やボディーソープ等を使用し、ムダ毛を剃る部分をよく洗います。
皮膚上に汚れが残っていると、シェービングによる微小な傷から雑菌や汚れが皮膚に入り込み、毛嚢炎等の肌トラブルの原因となりますので、丁寧に洗っておきましょう。
洗浄後に付いた水分は一度タオルで拭き取ります。
熱いお湯に浸して絞った蒸しタオルか電子レンジで1分程度温めたタオルを剃る部位にあて、ムダ毛に適度な水分を与えます。
蒸された体毛は水分を含んで40%近く膨らみ、柔らかく剃りやすくなります。仕上がりがキレイになるだけでなく、刃の引っ掛かりを防ぐため余分な肌ダメージの軽減にも繋がる大切なポイントです。
シェービングフォーム(ミルク/ジェル)・プレシェーブローション等のカミソリ用専用フォームを適量塗ります。適切な使用量については製品の説明書で確認しましょう。
フォームの成分が体毛と肌に馴染むまで1分程度放置しておきます。
毛の流れに沿って刃を動かす「順剃り」で剃っていきます。小さく刃を動かして何度も同じ部分を剃るのはNGです。なるべく刃を大きく動かし、一度に多くの面積を剃るようにした方が肌と刃が当たる回数を減らせ、肌負担を軽減できます。
ただし、ワキ部分については毛の流れが一定ではないため、一度に全部を剃り上げず、流れにあわせて少しずつ分けながら剃っていきましょう。いずれの場合でも力を入れすぎず、優しくカミソリを持つことが大切です。
剃るポイント
順反りではどうしても剃り切れない部分のみ、毛の流れに逆らった「逆剃り」を行います。逆剃りでは刃が斜め45度になるように意識しつつ、順反りの時よりも更に優しく刃を当てます。何度も逆ソリを行わず、軽く一度で済ませましょう。
冷水を使って肌に残ったフォームや毛を洗い落とします。カミソリ刃が直接当たった肌は軽く熱を持ったデリケートな状態となっているため、冷たい水で肌を冷ましましょう。
冷水によるクーリングは毛穴を引き締める効果も持ち、ムダ毛処理後の毛穴に雑菌が入ることも防いでくれます。
ローション・化粧水等を塗り、肌を沈静化させます。穏やかな殺菌効果・炎症鎮静効果をもたせたものでも良いでしょう。メントール・エタノール等の刺激の強い成分が入ったものは避けた方が無難です。
シェービングで上皮角質層が剥がされた状態の皮膚は、潤いを失いカサつきやすくなっています。最後に乳液や保湿クリーム等、油分の多いケアアイテムを塗って皮膚を保護しましょう。
石鹸・ボディーシャンプーの泡で剃るのは絶対NG!
「滑りが良くなればいいのでは?」ということで、シェービングフォーム代わりに石鹸やボディーシャンプーの泡を肌に付けてムダ毛を剃る人は少なくありません。しかしこれは肌トラブルを増やす大きな原因のひとつです。
石鹸等の洗浄成分である界面活性剤は、肌の皮脂を落とす作用を持つものです。これをカミソリという硬い物質で擦りこめば肌の角質が必要以上に削がれてしまうことになります。痛みが無いので自覚しにくいですが、軽石や硬いスポンジで肌を強く洗うのと同じようなダメージを肌に与えているのです。
シェービングフォームやミルクには刃の滑りを良くするだけでなく、肌を保護する成分が含まれています。処理前には必ず専用のフォームやミルクを塗布しましょう。
逆剃りはできるだけ避ける
「深く剃れるから」という理由で毛流れに逆らった剃り方(逆剃り)をする人がいますが、これも肌を傷めます。逆剃りをするとカミソリの刃に体毛が引っかかりやすく、「体毛を強く引っ張って剃る」という状態になります。これが毛穴に強い負担をかけ、毛穴の開きや色素沈着といった肌トラブルの原因となるのです。
可能な限り毛の流れに沿った「順剃り」を行い、逆剃りについてはどうしても剃り残った部分だけ軽く一回行う程度に留めましょう。
バスルームの使用も避ける
頻繁に温度・湿度が高まる浴室は、家屋の中で雑菌繁殖の激しい場(カビ等が生えやすい場所)となっています。シェービング中・シェービング後の肌は小さな傷が沢山付いている状態なので、雑菌の入り込みによる炎症の発生を防ぐためにも、浴室での使用は避けた方が無難です。
カミソリ刃を清潔に保つ
カミソリの刃は皮脂が残りやすく、雑菌が非常に繁殖しやすい部分です。雑菌が繁殖した刃を使用すれば、切った部分から菌が入り込み、毛嚢炎等の肌トラブルを起こしやすくなります。
カミソリ使用後は丁寧に水洗いし、エタノール・消毒用アルコール等をスプレーもしくは塗布して殺菌しておきましょう。また浴室等の湿度が高い場所にカミソリ・女性用シェーバーを置いておくのもNG。乾燥しやすい場所に置き、清潔な状態を保つことが大切です。
カミソリ刃は定期的に替える
切れ味が悪いカミソリ刃を使用すると、剃る時に刃が体毛に食い込んでからすぐに切れず、皮膚(毛穴)を強く引っ張ることになります。また切れ味が悪いので剃り残しが増え、肌の同じ部分に刃を当てる回数が増えるのも問題です。これらのダメージが蓄積することで、色素沈着・肌のザラつきといったトラブルが増えていきます。
生理中・妊娠中は使用を避ける
生理前後・生理中及び妊娠中の人は肌の状態が不安定になっており、通常であればOKの肌ダメージが甚大な肌トラブルを引き起こす恐れがあります。カミソリやT字シェーバーによるムダ毛処理は行わないようにしましょう。
刃と持ち手が「T」の形にクロスしているT字型カミソリ(Tバー・T字シェーバー・女性用シェーバー)は、刃が大きめでグリップが持ちやすいのが特徴です。脚・腕といった広い範囲を剃毛するのに向いています。また家庭用のメンズ用髭剃り(顔剃り)の場合にはT字型が一般的です。
刃と持ち手が直線的なストレートタイプである「I字」と、折りたたみができる「L字」タイプは、カミソリの刃サイズが豊富です。小さなI字・L字カミソリは眉周り等の狭い部分を剃毛するのに適しています。
またストレートグリップの方が刃を皮膚に押し付ける力が弱くなるため、女性の顔のウブ毛剃り等の場合にもI字・L字を使用した方が良いでしょう。
刃とグリップが一体型となった使い捨てタイプは、最安値100円以下と安価な製品も多く、気軽に取り換えができるのがメリットです。皮膚科医師の中には、使い捨てカミソリを使用し一回ごとに取り替えるのが理想的であると提唱する人もいます。
T型シェーバーで替刃式のものは、刃をバネで支えたりヘッド部分が動かせる等の機能を持たせたものが多いのが特徴です。ヘッド部分の機能の高さが、肌への刃の押し付けによる負担を減らしてくれます。
特にワキ部分等のカーブがきつい場所を剃るには、ヘッドが細かく動き皮膚に優しくフィットしてくれる替刃式がおすすめです。使い捨てタイプに比較すると本体・替刃の価格はやや高めになりますが、特に初心者やカミソリに慣れない人は替刃式の方が安心と言えます。
手入れしやすさ | 肌への優しさ | 処理時間 | |
---|---|---|---|
単刃タイプ | ○ | × | × |
複数刃タイプ | × | ○ | ○ |
カミソリの刃が一枚付いているT字型カミソリ(T字シェーバー)です。水洗い・アルコール消毒等の手入れがしやすく、清潔に刃を保てるのがメリットとなります。ただし一度で剃りきれずに何度も刃をあてる等、肌に負担がややかかる点が難点です。
カミソリ刃が2枚~5枚付いているタイプです。刃の枚数が多い分、一回剃りでの剃り残しを減らせるため処理時間を短縮できます。また刃の枚数が多いほどシェービング時の肌への圧力が分散されるため、複数枚タイプの方が肌ダメージは軽めです。
ただ刃と刃の間に皮脂や体毛・シェービングフォーム等が詰まりやすいので、シェービング後には丁寧な後片付けを行うようにしましょう。
ヘッド部分(スムーザー)にシェービングジェルが含まれたタイプであれば、使用前のシェービングフォームやジェルの塗布作業を省略できます。ムダ毛のお手入れ時間を短くしたい人におすすめです。
ただし、フォームやジェルを塗って肌や体毛に成分・水分をゆっくり浸透させるのに比較すると、剃毛時の負担はやや高くなりますので注意しましょう。
ジェル付タイプのポイント
T字型カミソリ(女性用T型シェーバー)は安いものであれば100円から、高性能な複数刃タイプでも本体を1000円~1500円前後で購入できます。シェービングフォーム(ジェル・ミルク)も400円~500円程度が平均価格となっており、初期投資だけを見ればコストは安めです。
脱毛クリーム(除毛クリーム)や脱色クリームのように一定時間の放置をしたり、換気をしたりといった手間がかかりません。前準備やアフターケアの必要はありますが、他の自宅でのムダ毛対策と比較すれば処理にかかる時間は短めで手軽と言えるでしょう
剃った直後にツルツル感のある状態にできるため、翌日のお出かけといった急場のムダ毛対策に向いています。
体毛の毛幹部(毛の根元)への働きかけは行わず肌表面の毛をカットするため、脱毛ワックスや毛抜き・家庭用脱毛器のような処理中の痛みはありません。
カミソリ・女性用シェーバーは薬局やドラッグストア、また最近ではコンビニエンスストア等でも市販されるようになっています。多数の種類が市販されているため選択肢も広めです。
「カミソリ負け」とは皮膚組織を削りすぎたために起こる赤みやかゆみ、出血等を指します。事前準備(蒸らし等)の不足、毛に逆らった逆剃り、カミソリ刃の古さ等、カミソリ負けを起こす原因には様々なものがあるため、シェービングでは徹底した準備とアフターケアが必要になってしまうのです。
特に敏感肌の人、ムダ毛の量が多い人、毛が太い人、色白の人等はカミソリ負けを起こしやすいので注意が必要です。
皮膚の表面を覆う角質層は、肌表面の水分を保持し肌を守るバリアの役割を果たしています。カミソリによるシェービングではこの角質層の一部を削り取ることが避けられません。
頻繁にシェービングを行うと肌のターンオーバーが追いつかず、バリア機能が弱まった乾燥肌・敏感肌へと肌が傾いてしまいます。
カミソリやシェーバーによる摩擦は、目に見えないような微細な傷を肌細胞に残していきます。このような皮膚ダメージを治そうとする時、肌に増えるのが肌を黒くさせる「メラニン色素」です。
メラニンは紫外線等の肌ダメージから肌を守る役割を持つため、傷ついた肌ではその放出度がより高くなります。これが黒ずみや色素沈着の原因となってしまうのです。
カミソリやシェーバーはムダ毛をカットする前に毛を引っ張ってしまうため、肌の毛穴が伸びた状態になります。
引っ張られて飛び出た毛穴部分を更にカミソリで削いでしまい、毛穴部分だけ色素沈着等が起こることも多いです。この繰り返しがポツポツとした毛穴開きの原因となります。
また、開いた毛穴から雑菌が入り毛嚢炎(赤いニキビのような炎症)を起こすケースも少なくありません。
カミソリやシェーバーによる剃毛では肌表面にある毛しかカットできないため、毛穴の奥にある毛幹部(根本部分)がすぐに伸びてきてしまいます。
体毛の伸びる速度には個人差もありますが、ワキや脚の毛の場合には一日で0.3ミリ程度伸びるのが平均的です。剃った翌日、早い人だと剃った当日中にポツポツとしたムダ毛が目立つことになります。
カミソリの刃は体毛が肌と触れる部分を直線的にカットします。そのため毛が伸びてくると先端部が太く角ばった状態になり、チクチク・ザラザラとした手触りになってしまうのです。
特にVライン・Iライン等のデリケートゾーン(ハイジニーナ処理)の場合には、このチクチクとした感触に不快さを覚える人が多いようです。
背中やおしりといった体の背面部は手が届きにくく、刃が滑って出血やケガをする危険があります。カミソリでの自己処理を安全に行うのはかなり難しいと言えるでしょう。
コスト | 仕上がり | 肌への優しさ | 脱毛頻度 | |
---|---|---|---|---|
カミソリ | × | ○ | × | △ |
電気シェーバー | ○ | × | ○ | △ |
電気シェーバー | カミソリ | |
---|---|---|
価格(年間) | 2,000円~3,000円 | 年間5,000円~9,000円 |
替刃交換 | 1年に1回 | 定期的な買い替え |
その他必要物 | 不要 | シェービングフォーム |
女性用電気シェーバー(レディースシェーバー)は年々値下がりを見せる傾向にあり、メーカー品でも2,000円~3,000円程度で購入できます。また品質の良いメーカー品であれば替刃交換は1年に一度でもOKです。
対してカミソリ・Tシェーバーの場合、複数刃タイプの替刃は3個で1,000円程度することも。定期的な刃の交換を行えば、刃だけで年間5,000円~9,000円近いコストがかかる計算になります。更にシェービングフォーム等の補助製品の補充も必要です。
長期的に見た場合、コスト面では電気シェーバーの方が安上がりになる人が多いのではないでしょうか。
カミソリ・T型シェーバーは刃を直接肌に付けて深剃りを行うため、剃った直後にはムダ毛がまったく無いようなツルツルとした仕上がりにすることができます。
対して電気シェーバーの場合には刃が直接肌に触れない安全設計になっているため、深剃り感ではやや劣ります。
一時的でもエステサロンでの脱毛後のようなツルツル感が欲しいという場合には、カミソリで処理をした方が良いかもしれません。
カミソリ・T字シェーバーではどれだけ配慮をしても刃を直接的に当てることは避けられず、かなりの肌ダメージが生まれてしまいます。
その点、女性用電気シェーバーはヘッド部分にアタッチメントが付いており、肌と刃が直接的に触れないような仕組みが取られています。角質層の削り取りが無い分、炎症や黒ずみに直結するような肌ダメージの心配は軽減されていると言えるでしょう。
エステサロンで光脱毛やフラッシュ脱毛を行う場合、施術の2日前程度に体毛を短くカットしておくことが推奨されています。ただし肌がダメージを受けていない状態であることが大切であるため、カミソリでの剃毛を禁止し、電気シェーバーの使用をお願いしているサロンが殆どです。
カミソリ(Tバー)も電気シェーバーも「剃毛(シェービング)」を行うという点では同じです。肌表面に見える毛のカットのみを行うものであり、その効果は非常に短いものとなります。
医療行為としての永久脱毛やエステサロンでの脱毛効果と比較にならないのは当然です。更に脱毛ワックスでの一時的な脱毛や、脱毛クリーム(除毛クリーム)による除毛と比較しても、最も効果維持期間が短く処理頻度の多さが必要となるのがカミソリということなります。
カミソリ・シェーバー処理の継続によって体毛が薄くなるということはなく、将来的も頻繁なムダ毛のお手入れが必要となるのです。一見して手軽に見える「2~3日に一度の10分の処理」は1年にすれば20時間あまり。この先20年と考えれば400時間、実に丸16日分以上をムダ毛の手入れに費やすことになってしまいます。「時間コスト」という意味では、いずれもコストが悪いムダ毛対策と言えるのではないでしょうか。
カミソリ・T字バーによる剃毛は「ムダ毛処理の初めの一歩」という感覚で、多くの人がチャレンジするムダ毛対策です。
しかし、その手軽さに比較すると肌に蓄積されるダメージは大きく、肌年齢が上がる連れてシミやシワといった肌トラブルを引き起こす原因もなっていきます。
カミソリはこんな人におすすめ♪
上記のような「緊急・応急対策」といったムダ毛対策では、カミソリ処理は手軽に効力を発揮してくれる便利なアイテムと言えます。
しかし、継続的な処理を行うのであれば、他の対策も視野に入れた方が良いでしょう。
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