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「肌がカサカサで化粧ノリも悪い」「粉がふいて痒みが出る・・・」このような乾燥肌(ドライスキン)に悩む人の率は、男女・年齢を問わず、年々高まっていると言われています。
乾燥肌対策用の保湿化粧水やクリームといった美容アイテムが増えているのも、乾燥肌で悩む人が増えた証拠と言えるでしょう。
でも「乾燥肌」と一口に言っても、色々な種類があるって知っていましたか?
乾燥肌となる原因や理由も様々で、自分の肌にあったドライスキン対策を取ることが重要なのです。
今回は乾燥肌についての基礎知識や、乾燥肌のタイプ別スキンケア対策について詳しくご紹介していきます。
乾燥肌とはそもそも何?ドライスキンの基礎知識
まずは「乾燥肌」の定義について知っておきましょう。
乾燥肌(ドライスキン)は脂性肌(オイリースキン)と比較されやすいため、「脂が少ない肌」と思われがちですが、実際には、皮脂が多くても乾燥肌の人はたくさんいます。
乾燥肌とは「油分ではなく水分が少ない肌」のことを指すのです。
もう少し詳しく言うと、「肌の水分量が低下して、皮膚の柔軟性が落ち、角質層が硬くなったり、壊れやすくなっている状態」が乾燥肌ということになります。
後に詳しく説明しますが、皮脂が多いのに乾燥肌という状態のことを「インナードライ肌」と呼びます。
インナードライ肌の詳しい状態や改善策は、下記のページでも解説していますので参考にしてみて下さい。
インナードライ肌になりやすい6つの原因と対策~改善は洗顔や食べ物で
「皮膚の水分量が20%」は乾燥肌の危険信号?
では皮膚の水分量とは、どの程度あるものなのでしょうか?下記の表を見てみましょう。
肌タイプ |
水分量 |
赤ちゃんの頃の水分量 |
80%近く |
理想的な肌の水分量 |
40%前後 |
健康的な大人の肌 |
30%~35%前後 |
皮膚トラブルが起きやすい肌(乾燥肌) |
20%~30% |
大事なのは水分と油分のバランス
生まれたばかりの肌はたっぷりと水分を含んでいますが、加齢等によって肌が保持できる水の量は徐々に落ちていきます。
ただしとにかく水が多ければ良いというわけではありません。水・油の比率も重要になるため、理想的な肌環境は水分量40%前後と考えられています。
これだけの水分を保持できれば、外部刺激も受けにくく、シミやシワもできにくい肌をキープできるのです。
大人の肌は水分が少なくなっている
しかし実際のところの大人の肌の水分量は、30%前後が平均値とされています。
また乾燥肌の人の場合、水分量はさらに低くなり、計測箇所によっては30%に届かないこともあります。
水分量が20%台、目尻等の水分の多い箇所なのに30%ギリギリ・・・といった場合には、乾燥肌の危険信号と言えるでしょう。
皮膚水分量は計測箇所によっても変わります。目尻等の皮膚の薄い箇所は一般的に水分量が高くなり、腕・脚などでの測定は計測値が低くなります。
そのため正確な肌の水分量を計測するには、顔・腕等から4箇所程度の計測し、平均値を取る必要があります。
肌が乾燥する原因とは?
乾燥肌の人の水分率がなぜ低くなるのか?なぜ乾燥してしまうのか?その根本的な原因を知るために、肌が水分を守る仕組みを知っておきましょう。
人間の肌の仕組み
人間の肌は内側から順に「皮下細胞→真皮→表皮」という3層に別れ、更に表皮は「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(かりゅうそう)」「角層(かくそう)」という4つの層で構成されています。
つまり表皮の「角層」が最も外側にあって、この部分が皮膚バリア機能を保つ重要な箇所なのです。
表皮を拡大するの下のような図になります。
角層の仕組み
肌自身が持つバリア機能のしくみ
出典:持田製薬
https://www.collage-shop.jp/SearchCategoryTop?CID=350
角層は主に「角質細胞」という細胞の連なりで構成されています。細胞の中に水分を溜め込む役割を果たすのが、「天然保湿因子(アミノ酸や尿素等)」です。
また角質細胞同士の隙間は「細胞間脂質(セラミドや脂肪酸等)」が埋めて、細胞同士の密着度を高めながら、水分を挟み込んで逃さない役割を果たしています。
その上から今度は、分泌された「皮脂(皮脂膜)」が角質細胞同士の連なりをラップのように覆い、水分の蒸散(蒸発)を防いでいます。
- 細胞自体のうるおいを保つ=天然保湿因子
- 肌細胞をつなぎ、肌内部の水分蒸発を防ぐ=細胞間脂質
- 肌表面で水分蒸発を防ぐ=皮脂膜
ところがこのシステムのバランスが崩れると、肌を水分を保持できなくなってしまうのです。
つまり乾燥肌には、以下のような原因が考えられることになります。
乾燥肌となる原因
- 天然保湿因子(MNF)の生産量の低下
- 細胞間脂質(セラミド等)の少なさ
- 皮脂分泌量の低下・皮脂分泌バランスの乱調
- 角質細胞のターンオーバーの低下・乱調 等
とてもカンタンに言えば、何らかのきっかけで肌の水分保持機能が順調に働かなくなっているのですね。
水分保持機能が働かなくなる理由には、「体質」や「加齢」「生活習慣」「ストレス」といった様々なものがあります。
確認しよう!乾燥肌セルフチェックリスト
肌乾燥を感じている人は年々増加していると言われています。また最近では、本当は乾燥肌なのに自分では気づかない「隠れ乾燥肌」も増えているのだとか。
乾燥肌の危険性があるか、まずはチェックリストで確認してみましょう。
- 化粧のノリが悪い
- 化粧崩れが早い
- 肌の色がくすみやすい
- 肌表面がカサつく
- 肌が白っぽく粉をふく
- 小じわ・ちりめんじわが気になる
- 肌にかゆみがある(顔以外、全身でも)
- 大人ニキビ(吹き出物)ができやすい
- 唇の色が悪い
- 唇が切れたり剥けたりしやすい
- 擦り傷、掻き傷、ニキビ跡等がなかなか消えない
- 洗顔直後・お風呂の直後から肌がつっぱりやすい
- 紙幣や紙の本のページ、ビニール袋等をめくりにくい
上記のチェックリストで2~3個思い当たる点があれば乾燥肌の注意信号です。
今まで肌乾燥を感じていなくても、少しずつ水分量が低下しているおそれがあります。
また半数以上が「YES」という場合、乾燥肌である可能性大と言えます。本格的な乾燥肌対策を早めに行った方が良いでしょう。
正確な肌質診断は肌水分チェッカーで
画像出典:美ルル スキンチェッカー
上記のセルフチェックはあくまでも「目安」であり、乾燥肌は前述のとおり「肌の水分量」で決まるものです。
そのため肌質チェックを正確に行うには、肌水分チェッカー(スキンチェック・モイスチャーチェッカー・肌質測定器等)が必要となります。
業務用水分量チェッカーはコスメブランドのカウンターやエステサロン等にもありますので、店舗や施設等で測定を行ってもらうのも良いでしょう。
ただ本格的な肌質確認には定期的な水分量チェックが必要となります。
「自分の肌質や肌の状態をしっかり把握したい」という場合、家庭用の水分量チェッカーを用意するのも手です。
乾燥肌の6つの種類と特徴
乾燥肌の一般的な症状は「カサつく」「肌が突っ張る」といったものですが、タイプによっては症状が多少異なることもあります。
また乾燥肌となる要因も、タイプによって違いがあるのです。自分や家族の乾燥肌タイプはどれにあたるのか、探してみましょう。
1.乾燥性敏感肌
乾燥性敏感肌とは、乾燥によるバリア機能の低下によって、外部刺激に対する抵抗力が著しく落ちた肌を指します。
前述した「肌が乾燥する原因(角質の仕組み)」で、「MNF」「細胞間脂質」「皮脂膜」という3つの要素が肌の水分をキープしているとご紹介しましたね。
この3つの要素は水分を守るだけでなく、「外側からの刺激」を肌に入れないセーフティガードの役割も果たすものです。
例えるなら、「角質細胞」というレンガがいくつもズラリと並べられて、大きな壁のようになっている状態と言えます。
ところが乾燥状態が長引くと角質細胞(レンガ)は水分を失って萎み、更にレンガを繋ぐ「細胞間脂質」も減ってレンガ同士の連なりが弱くなります。
角質細胞が剥がれ落ちて細胞の隙間から外部刺激が入り込み、様々な炎症を起こしやすくなるのです。
炎症を起こす外部刺激
- ダニ
- ハウスダスト
- 花粉
- アルコール
- 雑菌
- 作用の強い成分(薬品、人工香料、石油系界面活性剤等)
- 温度上昇 等
乾燥性敏感肌の主な特徴・原因
- 季節の変わり目に肌トラブルが出やすい
- 肌がヒリつくほど突っ張っる、赤みを持つ
- 化粧品・薬品などで肌荒れ(ピリピリ感・赤み・痒み等)を起こしやすい
- 花粉症・食品アレルギー等、なんらかのアレルギー体質であることが多い
- 長期的に乾燥肌に悩んでいる(季節を問わず乾燥しやすい)
乾燥性敏感肌の原因は様々ですが、元々が「アルコール不耐性」「花粉アレルギー」等の刺激を受けやすい体質で、それがバリア機能の低下によって顕著になるケースも多く見られます。
また肌の乾燥状態を長引かせたこと(適切なケアの不足)でバリア機能が低下し、ちょっとした刺激でも荒れやすい敏感肌となることもあります。
肌に膜を作り、外部刺激から肌を守るのに有効なのが保湿クリームです。下記のページで敏感肌や乾燥肌におすすめの保湿クリームを紹介していますので、是非こちらも参考にしてみて下さい。
顔も身体もOKで敏感肌におすすめ!市販保湿クリームの選び方~必須の保湿成分と人気アイテム比較
2.脂性乾燥肌(隠れ乾燥肌・インナードライ肌)
脂性乾燥肌(しせいかんそうはだ)は、皮脂の分泌量が多いという特徴を持つ乾燥肌の一種です。
一般的な乾燥肌が皮脂分泌量も低く外側がカサつきやすいのに対し、脂性乾燥肌は表面は皮脂によってベタつく傾向を持っています。
そのため「乾燥肌」と気づかれにくく、「隠れ乾燥肌」と呼ばれることも。また肌の内側が乾いていることから「インナードライ肌」とも呼ばれます。
脂性乾燥肌の主な特徴・原因
- 洗顔直後はつっぱるが、しばらくするとベタつく
- 皮脂による化粧崩れが激しい
- オイルクレンジング・シートクレンジング等、強い化粧落としを使用していることが多い
- 洗顔回数が多い、強い洗顔剤を使用することが多い
- 保湿スキンケアが不足していることが多い
- 油ものを食べることが多い、外食が多い傾向が見られる
- 偏食が多い、極端なダイエット傾向が見られる
他の乾燥肌が原因に「年齢」「体質」といった先天的要因を多く持つのに対し、インナードライ肌は「生活習慣」といった後天的要因によって生まれやすいのが大きな特徴です。
特にクレンジング等の誤ったスキンケアや、ダイエットによる皮脂分泌機能の乱調(ビタミンA・B等の不足)は要因となりやすいと言われています。
若い女性にも多く見られる乾燥肌のタイプです。
3.老人性乾燥肌・乾皮症(乾燥性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹等)
老人性乾燥肌とは、年齢(加齢)を原因とした乾燥肌のことを指します。
「老人」という名称のため「後期高齢者だけに起こるもの」と思われがちなのですが、実はそうとも言い切れません。
肌の水分量は40歳を過ぎるとガクンと低下し、50歳・60歳になると更に乾きやすくなります。この年代でも「肌の乾き」に悩む人はグッと増えるのです。
後期高齢者になると更に乾燥肌に悩む人は増え、2人に1人が老人性乾燥肌とも言われています。
なお、老人性乾燥肌は女性の方が男性よりもやや早い年代から起こる傾向が見られます。
老人性乾燥肌の主な特徴・原因
- 天然保湿因子(MNF)の低下、皮脂分泌量の低下などによって起こる
- 元々はオイリー肌・ノーマル肌の人でもなる
- 冬等の乾燥する季節、エアコンによる空気乾燥で悪化しやすい
- 白い粉吹きができやすい
- 腰回り・太もも・スネ等、顔だけでなく全身・広範囲に症状が出やすい
- ムズムズとしたかゆみを伴う
- 乾燥性皮膚炎・皮脂欠乏症湿疹・貨幣状湿疹などに悪化しやすい
肌を作る機能の低下
老人性乾燥肌は、角質細胞のターンオーバーの低下・保湿因子(MNF)やコラーゲン等の生産量低下・皮脂分泌量の低下・汗をかきにくくなったこと等で起こります。
カンタンに言えば「肌作りの機能が衰えた状態」となっていることが原因なのです。
そのため根本的な改善をするのは難しく、日々の適切なスキンケアで保湿・保護をしていく必要があります。
乾燥肌の自覚をしにくい
ただ元々オイリー肌・ノーマル肌だった人も老人性乾燥肌にはなるため、当人や家族が「乾燥肌対策」を自覚しにくいのも特徴です。
若い頃のスキンケアや生活習慣を続けたり保湿を怠った結果、角質肥厚からのヒビ割れ・皮剥け等といった「乾皮症(かんぴしょう)」へと進行することも少なくありません。
また「痒い→肌を掻く→バリアが壊れる→更に炎症が起きる」という悪循環に陥りやすいのも特徴です。
ぶつぶつとした湿疹が出る「乾燥性湿疹(皮脂欠乏性湿疹)」やジュクジュクとした浸出液が出る「貨幣状湿疹」へと悪化することもあります。
手の乾燥が治まらないときは乾燥の始まり
老人性乾燥肌の症状が真っ先に出るのが「手」で、まず指先から乾燥が始まります。
手の甲まで乾燥してきた頃にはかなり乾燥が進んでいることになるため、小さな乾燥でも丁寧な保湿ケアをおすすめします。
下記のページで、乾燥の程度別におすすめのハンドクリームを紹介していますので、あわせてチェックしてみて下さい。
かゆみや乾燥の手荒れはひどくなる前にケア!原因と症状別のおすすめハンドクリーム
4.小児性乾皮症・小児乾燥性湿疹
小児性乾皮症・小児乾燥性湿疹は、その名のとおり子どもに起こる乾燥を原因とした肌トラブルです。
小児性乾皮症・小児乾燥性湿疹の主な特徴・原因
- 赤ちゃん~学童期(12歳頃)までの子どもに起こる
- 顔だけでなく全身に症状が出やすい
- ポツポツとした湿疹、赤み・強い痒み等が起こる
- 広範囲が赤くなることもある
- 冬季等の湿度低下によって悪化しやすい
水分ではなく油分が足りない子どもの肌
前述したとおり、赤ちゃんや子どもは肌の「水分量」は非常に高い状態にあります。
そのため「赤ちゃん肌=すべすべ肌」と思われがちなのですが、実は子どもの肌は「皮脂分泌」が足らないことが多々あるのです。
生まれた直後の赤ちゃんは母親のホルモンの影響で皮脂分泌が盛んですが、この影響が衰えると皮脂分泌量が急激に低下し、肌のカサつき・乾燥が進みます。
バリア機能の低下し、ほんの少しの摩擦や刺激でも「乾燥性湿疹」等の症状が生まれてしまうのです。
5.アトピー性皮膚炎(アトピックドライスキン)
アトピー性皮膚炎とは体質的(内因的)なバリア機能の弱さ、もしくは外部要因によって起こる様々な皮膚の炎症を伴った病気の一種です。幼児から大人まで幅広い世代で起こります。
アトピー性皮膚炎の主な特徴・要因
- 喘息・花粉症・食品アレルギー等のアレルギー体質の人には起こりやすい
- バリア機能の異常と免疫機能の過剰反応によって起こると考えられる
- 乾燥の他、湿疹とかゆみが主な症状となる
- かゆみが非常に強い
- 口元・耳周辺・額・目の周辺・首・脇・肘や膝の裏側などに症状が起こりやすい
- 症状が左右対称に出ることが多い
- 再発しやすく慢性化しやすい(大人の場合には6ヶ月以上・幼児は2ヶ月以上で慢性と考えられる)
アトピー性皮膚炎の湿疹は赤みをもち、非常に強い痒みを伴います。
ジュクジュクとした浸出液が出たり、皮が剥けるといった症状に悪化しやすく、またそのような症状を繰り返すことで患部の皮膚が硬くなる・盛り上がるといった傾向も見られます。
元々がアレルギー体質の人に起こる傾向が見られる他、家族がアレルギー体質の場合にもその性質(アトピー素因)を受け継ぐことがあります。
その原因等の詳細はいまだ特定できていないのが現状です。
6.一般的な乾燥肌(ドライスキン)
乾燥肌は必ずしも強い炎症を伴うものばかりではありません。
この記事では、上記でご紹介したような著しい炎症・痒み等はないものの、乾燥による不調を感じる肌を「一般的な乾燥肌」として扱います。
一般的な乾燥肌の主な特徴・原因
- 肌がつっぱりやすい
- 粉がふきやすい
- シミができやすい
- シワ(小じわ)やたるみができやすい
- 症状が顔だけでなく手や体にも出る
- 秋・冬になると肌の調子が悪い 等
季節による乾燥が多い
秋・冬で外気の湿度が低くなったり、エアコン等の影響で肌の水分が奪われた状態が続くと、肌が乾燥状態に傾く人が増えます。
特に気温が急に下がった頃には汗腺の機能が低下するため皮脂膜の形成が正常に行われなくなり、一時的に強い乾燥状態となる人が多いです。
その他、ダイエット等の食生活の乱れ、ストレス・運動不足・冷え等による血行不良、寝不足等による自律神経失調が乾燥肌の原因となっていることもあります。
重症になる前に対策を
「赤み・かゆみ」といった症状が起こっていなくても、乾燥性敏感肌等の「予備軍」となる可能性があるため、早い段階で保湿等のスキンケア対策や、生活習慣の改善を行うことが大切です。
なお乾燥によってバリア機能の低下が起こると、肌は「紫外線(UVA・UVB)」による刺激にも弱くなります。
紫外線B波の刺激によって肌のメラニン色素が増えると、肌の「シミ・ソバカス」の発生にも繋がります。
また紫外線A波の影響は真皮にまで届き、肌のシワやたるみを悪化させる要因ともなります。肌乾燥を放置することは、「老け顔」を促進させる原因ともなるのです。
紫外線の種類や、紫外線が肌に与える影響については下記のページで詳しく解説しています。是非参考にしてみて下さい。
紫外線から肌を守る!正しい日焼け止めの選び方徹底講座
乾燥肌のタイプ別!乾燥肌を緩和するおすすめスキンケア
では乾燥肌を改善するには、どのようなスキンケアや改善策に取り組めば良いのでしょうか。
ここでは乾燥肌タイプ毎の改善策をご紹介していきます。
また最後にご紹介する「一般的な乾燥肌」の対策はほとんどの乾燥肌の人に共通した対策となるので、あわせて参考にしてみてくださいね。
乾燥性敏感肌の改善策・スキンケア対策
刺激物を避けよう
乾燥性敏感肌の人は、特に薬物や化粧品・洗剤・洗浄料等に含まれる成分に対し強い反応を起こす傾向が見られます。
一度反応が起こった成分の使用を避けるだけでなく、刺激の強いと考えられる成分の使用や接触は事前に避けるクセをつけましょう。
無添加の基礎化粧品・メーキャップ用品を選ぶ
乾燥性敏感肌の人は、特に以下のような成分が刺激となったり、肌負担となりがちです。
- アルコール(エタノール)
- 紫外線吸収剤
- 防腐剤(メチルパラベン等)
- 香料(人工香料の他、種類によっては精油)
- 合成着色料 等
基礎化粧品はアルコールフリー・香料フリーといった無添加のものを選ぶようにしましょう。
また日焼け止め・ファンデーション等のUVカット効果では「紫外線吸収剤」ではなく「紫外線散乱剤」の方が肌負担が少ないと言われています。
その他、着色料や香料等が強いものも避けた方が無難です。
紫外線吸収剤不使用のおすすめ日焼け止め
ポーラ ホワイティシモ UVブロック ミルキーフルイド
2歳以上の子どもにも使えるマイルドな日焼け止めです。
十分な紫外線カット効果
紫外線吸収剤フリーでも、SPF30・PA+++という日常生活では十分な紫外線カット数値があります。
紫外線散乱剤特有の白っぽさ・きしみがなく、
みずみずしくスルリと伸びていく使い心地はさすがのポーラ製品です。
専用クレンジングが不要な点も含め、敏感肌や乾燥肌におすすめの日焼け止めです。
- 価格:3,850円税込
- 内容量:50g
- メーカー:POLA(ポーラ)
家事中には手袋をする
食器用洗剤・風呂用洗剤等に含まれる「石油系界面活性剤」が持つ洗浄力は、シャンプーや石けん等よりも遥かに強力です。
これらの洗剤に直接触れれば肌の皮脂膜を奪われ、バリア機能は著しく低下します。
また洗剤類が少し手に残った状態で顔の肌に触れたことが、炎症の原因となるケースも見られます。
家事中ではゴム手袋などをはめて、洗剤類との接触を避けましょう。
スキンケアにはセラミドをプラス
乾燥性敏感肌の人には、角質細胞を繋ぐ「細胞間脂質」が少ない傾向が見られます。
バリア機能を改善するために、外側から細胞間脂質を補うスキンケアを心がけましょう。
セラミドは「ヒト型セラミド」を選ぶ
セラミドには大きく分けて「動物性セラミド(天然セラミド)」「植物性セラミド」「ヒト型セラミド(合成セラミド)」の3種類があります。
このうち豚や馬から抽出した「天然セラミド」は角質細胞を埋める力が強いのですが、敏感肌にはアレルギー反応などを起こしやすいので不向きと言われています。
乾燥性敏感肌の場合には、親和性・浸透性が高い「ヒト型セラミド」の方が良いでしょう。
ヒト型セラミドの主な種類・成分名称
- セラミドI、セラミドEOP(旧名称セラミド1)
- セラミドNS、セラミドNG(旧名称セラミド2)
- セラミドNP(旧名称セラミド3)
- セラミドAP(旧名称セラミド6II)等
セラミドアイテムはクリーム系が理想的
セラミドは「細胞間脂質(スフィンゴ脂質)」の一種であることはすでに述べました。
「脂質」という名前のとおり、その主な正体は脂(あぶら)で、脂溶性(脂に溶ける、水には溶けにくい)とい特性を持っています。
つまり、セラミドは化粧水等の「水ベースの化粧品」にはあまり溶かせない成分なのです。
反対に美容クリーム等は基材に油が多く使われていますから、セラミドを配合しやすくなります。
乾燥性敏感肌を改善するスキンケアでは、まずは「セラミド配合の美容クリーム」等を加えてみるのが良いでしょう。
おすすめのセラミドクリーム
エトヴォス モイスチャライジングクリーム
5種のヒト型セラミドを惜しみなく配合したツヤ感たっぷりのクリームです。
セラミド1、2、3、5、6Ⅱの5種を高濃度で配合している上に、加齢で減少する油分を補うマカデミアナッツオイルも配合しています。
マカデミアナッツオイルには、肌にもともと存在するパルミトレイン酸を多く含むため、肌へのなじみが良く、ベッタリとしないのが特徴です。
他にもシアバターや4種のビタミンも配合しています。
乾燥肌のために、こっくりとしたクリームに仕上げていますが、しつこくなく軽いつけ心地で、
肌の水分蒸発を長時間防いでくれます。
- 内容量:30g(1.5ヶ月から2.5ヶ月分)
- メーカー:ETVOS(エトヴォス)
おすすめのセラミドクリーム
ヒフミド エッセンスクリーム
基本スキンケアの全てにヒト型セラミドをたっぷりと配合した化粧品です。
軽い感触なのにもっちり
セラミド入りとうたっているクリームでも疑似セラミドや植物性を使っているものもあるなか、ヒフミドは
3種類のセラミド(ヒト型セラミドⅠ・Ⅱ・Ⅲ)をしっかり配合したクリームです。
さらにヒアルロン酸の2倍の保湿力があるといわれるリピジュアも使い、保湿重視の乾燥性敏感肌におすすめです。
実際の使用感は?
さらりとしているのに肌の内部は保湿されているという声が多く、リピーターの多い商品でもあります。
価格はやや高めですが、少量でもよく伸び2ヶ月弱持つという方もいます。最初は化粧水などとセットになったスターターキットがおすすめです。
- 価格:単品購入6,600円税込
- 内容量:40g
- メーカー:小林製薬
脂性乾燥肌(インナードライ肌)の改善策・スキンケア対策
脂性乾燥肌(インナードライ肌)の改善策では、以下の3つが大きな柱となります。
- クレンジング剤の見直し
- 洗顔料と洗顔方法の見直し
- 体の内部の栄養状態の見直し(特にビタミンB群の欠乏対策)
カンタンに言うと「肌の脂の取りすぎ」を抑えながら、体の中から脂の分泌量を調整していくケアが必要になるのです。
詳しくはインナードライ肌特集ページでご紹介していますので、こちらを参考にしてみてくださいね。
老人性乾燥肌・乾皮症の改善策・スキンケア対策
長風呂・熱いお風呂はNG
老人性乾燥肌の改善でまず最初に取り組むべきは「お風呂」の見直しです。
老人性乾燥肌に悩む人のうち、男性の多くは「シャワーや風呂の温度が熱すぎる」、女性の多くは「浴槽に浸かる時間が長過ぎる」という傾向が見られています。
角質細胞を繋ぎ止める細胞間脂質(スフィンゴ脂質・セラミド等)は、42℃~43℃程度のお湯で外部へと流れ出してしまうものです。
つまり熱いお湯を使うと毎日細胞間脂質が流れ出して、それだけで痒みがおきやすい肌を作っていることになります。
また角質層は水分を含みすぎるとゆるんで剥がれ落ちてしまうため、20分~30分といった長風呂も推奨できません。
- お風呂の温度は38℃~39℃程度(ややぬるいと感じる程度)
- 浸かる時間は10分程度まで
- 洗顔は最後に行う(濡らした顔を長時間放置しない)
お風呂に入る際には、上記の3点に注意してみましょう。「温まり方が足りない」と感じる場合には、体調にあわせて半身浴ではなく全身浴に切り替えたり、「足湯」のみを加えるのも手です。
また冷水シャワーを併用した「温冷浴(温冷交代浴)」を行えば、短時間でも血行を改善しやすくなります。
洗浄料は弱酸性のものを選ぶ
老人性乾燥肌の人は皮脂膜生成力が低下しているため、現在ある肌の皮脂膜(潤い)を洗い流しすぎないことが大切です。
洗顔の他、全身の洗浄剤(ボディーシャンプー等)では洗浄力が穏やかな「アミノ酸系洗浄成分」を使った製品を選ぶようにしましょう。
また人間の肌と同じ「弱酸性」の製品を選ぶことでも、肌への刺激を抑えられます。
ナイロンタオル・洗顔ブラシ・あかすり使用はNG
ナイロンタオルや洗顔ブラシ、アカスリ等、肌の摩擦を強める作用を持つ製品の使用は一切NGです。
顔はよく泡立てた洗浄料を使って、手指で柔らかくこすらず洗います。
体は木綿の柔らかなタオルなどで洗うか、症状によってはこちらも手を使って構いません。
洗顔・入浴直後に保湿を
濡れた肌は放置せず、タオルで水を拭いたらすぐに保湿剤でのスキンケアを行います。
保湿成分はグリセリン・アミノ酸・尿素等が一般的です。かゆみが辛い場合には、クロタミトン・リドカイン等のかゆみ止め成分を配合した薬用クリームを使用してみましょう。
ただし現在何らかの疾患で医師の診療・処方を受けている場合、必ず事前に薬用クリームの使用を医師・薬剤師に相談してください。
症状が重い場合には診療を
症状が悪化し、浸出液が出ていたり、かさぶたができては更に掻くといった状態が見られる場合は、ステロイド剤等を使用した本格的な治療が必要です。
また老人性掻痒症の原因の多くは上記のような乾燥肌(ドライスキン)ですが、糖尿病や慢性腎不全・甲状腺系の疾患や薬剤の副作用として乾燥・痒みが現れることもあります。
症状が長期化・慢性化している場合や、少しでも悪化が見られる場合には、すみやかに医師の診療を受けましょう。
小児性乾皮症の改善策・スキンケア対策
軽度や予防には「白色ワセリン」を
健栄製薬 日本薬局方 白色ワセリン 50g
子どものスキンケアで強い成分を使うことに抵抗を覚える人も多いのではないでしょうか?
「肌がカサついているように見えるけど、あまり強い保湿剤を使うのは不安」という時や、「乾皮症の予防をしたい」という場合には、皮膚刺激の弱い「ワセリン」を使ってみましょう。
ワセリンは医療にも使われる皮膚の保護剤です。
成分自体には「肌を潤す(細胞に水分を与える)」という働きはありませんが、「肌表面をコートし、水分の蒸発を防ぐ」という働きに優れています。
「水分は多いけど皮脂膜が足りない」という小児性乾燥にはおすすめというわけです。
代表的なワセリンの種類
白色ワセリン
日本薬局方の第三類医薬品で、医療にも用いられます。価格も安くドラッグストアでも手軽に購入可能です。
プロペト
白色ワセリンを更に精製し、不純物を取り除いたワセリンです。
サンホワイト
画像出典
日興リカ サンホワイトP-1チューブ
「赤ちゃんから使用可能」を明記する高品質白色ワセリンです。
乾きやすい肌には「ヘパリン類似物質」を
「ワセリンでは乾燥・痒みがおさまらない」といった場合、より本格的な保湿ケアが必要となります。
ただ小さなお子さんの場合、何種類もの保湿アイテムを重ねるようなスキンケアは行いにくいものです。
「保湿効果の強いクリーム」で、ササッとこまめにケアを行う習慣づけをした方が良いでしょう。
市販でも手に入るヘパリン類似物質入り保湿剤
手軽に水分を補給しつつ、かゆみを抑える働きも持つ成分としては「ヘパリン類似物質」が挙げられます。
元々は皮膚科の処方薬・処方用クリームにのみ配合される成分でしたが、近年では市販製品にもヘパリン類似物質が配合されるようになりました。
薬局・ドラッグストア等でも購入できるようになり、手軽な対策として認知されるようになっています。
ヘパリン類似物質使用の注意
ただしヘパリン類似物質は、皮膚の傷ができている状態や、浸出液が出てジュクジュクとしているような箇所には使用できません。
また血液の凝固力を下げる働きを持つので、疾患治療中の場合には要注意です。その他、他の外用薬や内服薬との併用が思わぬ副作用を起こすことがあります。
すでに医療機関にかかっている場合には、ヘパリン類似物質配合製品の使用の可否を専門家に確認しましょう。
小児科・皮膚科への診療・相談は早めに
小児性乾皮症・小児乾燥性湿疹が何度も起こる、年齢が上がっても症状がおさまらない・・・と行った場合、アトピー性皮膚炎等の他の皮膚症状や疾患が起きている可能性も考えられます。
ご自宅でのセルフケアを無理に続けず、早めに小児科・皮膚科への相談を行いましょう。
アトピー性皮膚炎の改善策・スキンケア対策
専門医の元での長期治療が必要
アトピー性皮膚炎は、残念ながらセルフケアのみでの根治治療が難しい疾患です。
ステロイド外薬や抗ヒスタミン薬(外用薬・内用薬)等を用いながら痒み・乾燥を抑える対症療法を行いつつ、皮膚のバリア機能の低下を防ぐ対策を医師の指導の元で行っていくことになります。
またアトピー性皮膚炎は再発を繰り返しやすいため「症状が治まったから」と自己判断で通院を中断するのは厳禁です。
普段のスキンケアは「乾燥性敏感肌」とほぼ同じ
アトピー性皮膚炎の肌は外部要因による刺激を受けやすく、またMNF(保湿因子)や細胞間脂質の量が少ない傾向を見せています。
炎症の強さをのぞいた部分では、乾燥性敏感肌と似通っているところが多いのです。
普段の生活の注意点や基本的なスキンケアは、乾燥性敏感肌のケア対策を参考にしてみると良いでしょう。
ただしアトピー性皮膚炎の症状が非常に重い場合、一般的な保湿剤を用いたスキンケアやメークアップ等が一切行えない場合もあります。
日々のケアも自己判断に頼らず、医師にこまめに相談をすることをおすすめします。
一般的な乾燥肌/ドライスキン全般のスキンケア対策
化粧水だけ・乳液だけの保湿ケアはNG
乾燥肌(ドライスキン)は水分を保持する機能のバランスが乱れている状態です。特に顔の皮膚は角質層が薄く、水分が奪われやすい状態にあります。
「化粧水だけ」「乳液だけ」といった軽い保湿ケアでは水分の蒸散を防ぎきれず、肌の乾燥を悪化させることも多いのです。
また顔の皮膚の場合、油剤であるクリームを多用すると水分・油分のバランスを乱してしまうことも。肌のバランスを整えるために、きちんとしたステップを守ることが大切です。
顔のスキンケアのステップ
- 化粧水で十分に水分補給を行う:化粧水はたっぷりと使っても問題ありません。
- 乳液で油分を少し加える:化粧水が十分に肌に馴染んでから乳液を使用します。
- クリーム(もしくはオイル)で蓋をする:クリームは使用説明書をよく読み、適量を守るようにします。
基礎化粧品選びでは「保湿成分」をチェック
化粧水・乳液・クリーム等の基礎化粧品選びでは、保湿力(保湿成分の配合や配合率)をしっかりチェックしましょう。
なお油性成分(オリーブオイル等)は、原則として肌の水分の蒸散を防ぐ「フタ」としての役割であり、肌の水分を増やす働きは持っていません。
化粧水や乳液等では親水性で更に肌の潤いを増やす保湿成分を与え、最後のクリーム・オイルでフタをするという順番を守るようにしましょう。
親水性保湿成分
- ヒアルロン酸/スーパーヒアルロン酸
- アミノ酸(トレオニン・セリン・プロリン・アスパラギン等)
- リピジュア(R)
- コラーゲン 等
美白化粧品はおすすめしない
また「美白用」の基礎化粧品は、原則的に乾燥肌対策にはあまり向いていません。
メラニン色素の生成を抑える「ビタミンC誘導体」に皮脂分泌を抑制する働きがあり、肌が却ってきしんでしまうことがあるためです。
水分量の低下が気になる肌の場合には、「保湿力」をまず重視することをおすすめします。
暖房器具の使い方に注意
乾燥気味の肌は、急激な温度変化・高温にさらされること等を苦手とします。
エアコン・ストーブ等の暖房器具類の使用は最低限に留め、ストーブの近く・エアコンの吹出口のそばには寄らないように気をつけましょう。
また電気毛布・ホットカーペット等、直接接触で温める暖房器具の使用は控えた方が無難です。
秋・冬にこそ「汗」を意識する
秋~冬は汗をかく機会が減り、皮脂分泌のサイクルや肌のターンオーバーが乱れがちです。以下のような習慣で体を温め、秋・冬にも定期的に汗をかくように努めましょう。
- シャワーだけでなく浴槽に浸かる
- 20分~30分の全身運動を週2回以上のペースで行う
- 水分をきちんと摂取する
また汗をかいたら放置せず、すぐに拭いて清潔な状態を保つことも大切。汗が蒸発するのを待っていると、肌の水分も一緒に蒸発して、肌の乾燥が進んでしまいます。
暖房器具の影響で起こるいわゆる「暖房汗」の場合でも、放っておかずにこまめに拭く→必要に応じて保湿をする習慣をつけましょう。