白髪染めは自宅で?ヘアサロンに行く?セルフカラーと美容院のメリット・デメリット比較
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白髪を染める方法には、大きく分けて「自分で染める方法」「美容院にお願いする方法」の2つがあります。
現在では市販の白髪染め・ヘアカラーもスーパーやドラッグストア等で手軽に購入できるようになったため、自宅で白髪染め(セルフカラー)をされるという方も多いですね。
でも「自宅染め(セルフカラー)」と「美容院での白髪染め(グレイカラー)」って、何か違う点はあるんでしょうか?今回は自分で染める場合と美容院で白髪を染める場合のそれぞれのメリット・デメリット、セルフカラーとヘアサロンのどちらを選ぶかのポイント等について解説していきます。
セルフカラーとヘアサロン、あなたに向いているのはどっち?
セルフカラーに向いている人
- 白髪の量が少ない
- 白髪は生え際・分け目に集中している(後頭部には殆ど無い)
- 髪は短い方である
- 手先は器用な方だと思う
- 茶髪にする等、ファッションカラー(おしゃれ染め)を自宅でした経験が何度もある
- 敏感肌ではない
- 髪に目立った傷み(枝毛、切れ毛、パサつき等)は無い
- 地髪(白髪以外の部分)は黒もしくは濃い焦茶である
- 白髪部分を暗い色(黒もしくは濃い焦茶)等のベーシックな色に染めたい
- 美容院に行く時間がなかなか取れない
後頭部に白髪がほとんど無く、髪色を黒・ダークブラウン等のごくベーシックな色味にする場合であれば、「部分染め用」の市販ヘアカラー、ヘアカラートリートメント等で白髪を目立たせないようにカバーすることは比較的カンタンです。
またベリーショート等の髪が非常に短い方の場合、白髪が伸びてくると目立ちやすいため、こまめに染められる自宅染めの方が白髪カバーがしやすいこともあります。
ヘアサロンが向いている人
- 白髪の量が多い
- 白髪が側頭部・後頭部(つむじ、襟足等)にも見られる
- 髪がセミロングよりも長い
- アップスタイル・まとめ髪等にすることが多い
- あまり器用ではないと思う
- ファッションカラー(おしゃれ染め)等を自分で行った経験が無い、もしくは少ない
- 髪の傷み・パサつき等が少し気になる
- 髪のボリュームダウン・薄毛等が気になる
- 地髪(白髪以外の部分)も明るく染めたい
- 髪の色味にこだわりたい
白髪の全体量が少なくても、つむじ・襟足等の後頭部に目立ち始めたらセルフカラーでは対応が難しいことがあります。またアップスタイルにすることが多い方の場合、セルフカラーでの色味のムラ・褪色等は特に目立ちやすいです。
白髪は一本でも目立つと年齢が5才くらい上に見えてしまうので、きちんとカバーをしてくれるヘアサロンに依頼をされることをおすすめします。
では、次のセクションより両方のメリットとデメリットを含めて詳しく見ていきましょう。
白髪染めをセルフカラー(自宅染め)するメリット・デメリット
白髪対策を自分で行うメリットは?
セルフカラー(自宅染め)のメリット
- 白髪対策コストが安い!
- 好きな時間に白髪のお手入れができる
- 短時間で白髪が染められる製品も
- ヘアダメージが少ない製品も登場
白髪対策コストが安い!
白髪染めをセルフで行う最大のメリットが、費用が安い点と言えるでしょう。市販の白髪染め(ヘアカラー)の平均価格は800円~1,000円程度です。またヘアカラートリートメント、ヘナ等も1,500円~2,000円程度で購入することができます。
白髪染め・ヘナ等で髪を染める場合には最初の準備に以下のようなグッズを買っておく必要がありますが、白髪染め製品にアイテムが付属していることも多いです。また最近では、イヤーカバー等のグッズも100円均一ショップで購入できるようになっています。
【自宅染め(セルフカラー)に必要なアイテム】
- ケープ:白髪染めに付属することもあります。
- ビニール手袋:市販白髪染めではほとんどの場合付属しています。
- ハケ・ブラシ:白髪染めに付属することもあります。
- クシ:目が粗目のものがおすすめです。
- コールドクリーム:油分が多くテクスチャーが固めのもの。ハンドクリーム等でも代用できます。
- イヤーカバー(耳カバー):ラップ等でも代用可能です。
2ヶ月に1回程度のペースでヘアカラー(白髪染め)をしたとしても、年間コストは5,000円~7,000円程度で抑えられる計算です。
好きな時間に白髪のお手入れができる
自宅で髪を染めるのであれば、ヘアカラーをする時間に制限はありません。市販の白髪染めやセルフカラー用のアイテムをあらかじめ買っておけば、思い立った時に白髪染めを行うことができます。
「会社から帰ってきてから」「寝る前にゆっくりやる」「休日の手が空いた時に」と、自分のペースで白髪対策ができるのが嬉しいポイントです。
短時間で白髪が染められる製品も
最近の市販白髪染め(ヘアカラー)では、放置時間を短めにし、15分程度で染められる製品も登場するようになりました。またヘアカラートリートメント等では、放置時間5分で毎日少しずつ白髪を染められる製品も開発されています。
市販の白髪染め(ヘアカラー)の使い方に慣れてしまえば、「塗布→放置→洗い流し」という工程を30分~40分程度で終わらせられるという人も多いです。ヘアカラートリートメントであれば、シャンプー後にトリートメントを塗って5分~10分程度放置するだけなので、毎日のお風呂の時間に「プラス10分」するだけで白髪対策ができることになります。
ヘアダメージが少ない製品も登場
ヘアカラートリートメント(白髪染めトリートメント)やヘナカラー(ヘンナ)は髪を脱色せずに外側に色素を付ける方式であるため、髪へのダメージは少なめです。
カラートリートメントには髪が必要とするケラチン・ヒアルロン酸・海藻成分といった栄養成分も配合されているため、白髪染めをしながらヘアケアを行うこともできます。
白髪染めを自分でするデメリットは?
セルフカラー(自宅染め)のデメリット
- 髪を痛めやすい
- 色が見本と異なる結果になりやすい
- 「染めムラ」ができやすい
- 地髪を明るい色には染めにくい
- 白髪染め・ファッションカラーは混ぜて使えない
- 色落ちしやすい?
- リタッチで失敗しやすい
- 美容院での髪染めやパーマができなくなることも
市販のヘアカラー(白髪染め)は髪を痛めやすい
いわゆる一般的な「白髪染め(ヘアカラー)」は、アルカリ成分で髪の細胞同士の繋がりを破壊し、過酸化水素等で髪の元の色素(メラニン色素)を脱色しながら化学染料を入れる方式を取っています。意外と知られていないのですが、白髪染めでも「ブリーチ(脱色)」と「カラー」を同時に行っているわけです。
スーパー・ドラッグストア等で売られている市販の白髪染め(ヘアカラー)の場合、この脱色作用の成分がかなり強い配合となっています。ブリーチをする成分が強いわけですから、当然のことながら髪・地肌へのダメージも強いです。
白髪染めでは酸化剤等によって髪のキューティクルを再度繋げ直してはいますが、キューティクルが完全に再生するわけではありません。髪が必要とする水分・栄養分等が奪われてしまうため、以下のような現象が起きやすくなります。
【白髪染めによる髪ダメージ例】
- 髪が乾燥しやすくなる(パサつく)
- 髪がきしむ・絡まりやすくなる
- 切れ毛・枝毛が増える
- 髪のツヤ感がなくなる
「市販品の方がブリーチ力が強い」と言うと、意外に思われる方も多いかもしれません。なんとなく「業務用の方が刺激が強い」という印象がありませんか?
なぜ市販品の方がブリーチ力が強いの?
なぜ市販品の方がブリーチ力が強いかというと、これは「素人が染めても染まり具合が良く出るように」という配合であるから。現在の髪色・髪質等に関わらず自毛の色をできるだけ明るく脱色し、そこに染料(色素)をたくさん含ませて、発色が感じられるようにしてあるのです。
結果として、染めた直後には「うまく染められた!」と感じやすいわけですね。しかし何度も白髪染め(ヘアカラー)を繰り返すうちに髪にダメージが蓄積し、髪が傷んだ状態になりやすい傾向を持っています。
白髪の色・地髪の色が見本と異なる結果になりやすい
白髪染め(ヘアカラー)の見本色は、一般的な髪質(太さ・固さ)の場合を元に作られています。また市販製品では、白髪50%・黒髪50%程度の髪に色を入れた場合の見本色を提示することが多いです。しかし実際の染め上がりは、髪質の固さ、太さ、そして白髪の量によっても大きく変わってきます。
一般的には髪質が太く硬い方が染まりにくいですし、細い髪・傷んだ髪には髪色が入りやすい傾向にあります。また白髪の量が多い方が明るく見えやすく、黒髪の量が多いと沈んだ色味に見えやすいです。
とは言え、自分の現在の髪が「一般平均」と比べてどの程度なのかを把握できているという人はあまり居ませんよね。トーンの明るさ・暗さ、色選び等を失敗してしまい、思いもよらない結果になってしまった...というケースが多いのです。
白髪染めの「染めムラ」ができやすい
美容院で白髪染めをする場合、美容師さんがクシを使って髪を細かく取り分けてから、両面にハケでカラー液剤を塗っていきます。ヘアサロンでのカラーを体験したことがある人なら、何度も何度も細かくクシで分けていく作業を見たことがあるでしょう。
コーム(クシ)で髪を細かく取り分けることを「スライス」と言いますが、美容院では大体側頭部で60回~70回、後頭部では100回以上も行っています。クリーム状の薬液を均一に伸ばすためには、本来これくらい細かく髪を取り分けながら塗っていかないとムラができてしまうのです。
しかし自分で髪を染める場合、ここまで細かく髪を分けながら薬剤を塗れる人は居ないでしょう。市販の白髪染めではできるだけ色ムラができないように配合に工夫はしていますが、「髪の片側だけに液剤が多く付く」「根元部分・中間部分ばかりが強く染まる」といった結果になりやすいです。特に以下の部分で染めムラ・色ムラが出やすい傾向にあります。
染めムラ・色ムラが出やすい箇所と色ムラの状況
後頭部 |
頭の後ろは最もキレイに染めにくい箇所。仕上がりの差がハッキリと出ます。 |
側頭部裏面 |
アップにした時・髪をかきあげた時等に染まり具合の違いが目立ちます。 |
前髪部分 |
黒髪部分が染まりすぎる・生え際が染まっていないといったムラが出ることがあります。 |
地髪を明るい色には染めにくい
髪を茶髪等にするためのヘアカラー(ファッションカラー)と白髪染め(グレイカラー)は、基本的な構造は同じです。しかし白髪染め(グレイカラー)の方が、ブラウン・ブラックといった「濃い色・暗い色」が強く出る染料の配合になっています。
現在ではやや明るめの色合いに染められる白髪染めも登場してはいますが、非常に明るい色味をグレイカラーでキレイに出すのは構造的にかなり難しいのです。「白髪を目立たなくさせつつ、黒髪部分を明るい色に染めたい」と思っても、市販製品ではなかなか思い通りの色合いにならない可能性が高くなります。
脱色作用が無いもの
またヘアカラートリートメント(白髪トリートメント)・ヘナカラーには脱色作用が無いので、黒髪部分を明るい色に染めることはできません。
市販の白髪染め・ファッションカラーは混ぜて使えない
「白髪の部分は白髪染めで染めて、明るくする部分は一般的なヘアカラー(ファッションカラー)を使えばうまく染まる?」髪を明るくしたい人の中には、こんな声も聞かれます。でも残念ながら、これはNG!市販の白髪染めと茶髪等にするためのヘアカラー(ファッションカラー)は、絶対に混ぜて使ってはいけません。
市販の白髪染め製品は、同梱された1剤・2剤を全量混ぜ、単体で使用することを想定して緻密な計算が行われています。素人が扱っても皮膚トラブル等が起こらないように、できるだけ安全な設計がされているわけです。でも別の製品と混ぜて使ったら、このような計算は完全に狂ってしまいます。思いもよらないような皮膚の炎症・アレルギーの発症といった甚大なトラブルが起こる可能性もあるのです。
また市販の白髪染め製品同士を混ぜて、好みの色合いを作ることもNG。使用説明書に従わない勝手な判断でトラブルが起こっても、メーカー側はなんの保障もしてくれません。
自宅染め用ヘアカラー(白髪染め)は色落ちしやすい?
自宅で白髪染めをするための市販白髪染めは、比較的色落ち・褪色をしやすい傾向にあります。これには2つの理由が挙げられます。
業務用製品とは成分内容が異なる
同じ「髪染め」と言っても、美容師が扱うサロン専売品と市販品では成分の内容に大きな違いがあります。カンタンに言うと、一般向け製品の方が成分の制限が多いのです。
専門知識の無い人(美容師免許が無い人)が扱っても良い成分しか、市販製品では使えません。「サロン仕上がり」と同レベルのクオリティは望めない構造になっているのですね。
例えば業務用成分であれば揮発(きはつ)作用のある成分を加えて髪にダメージが残らないように設計されていますが、市販製品ではこの成分が使用できないため、髪にダメージが残留してしまうことになります。
髪の痛みによる褪色の速さ
市販の白髪染めは、前述の通り強いアルカリ剤が入る傾向にあります。無理やりキューティクルを開いて色素を入れ、どんな人でも一定の染まり具合になるようにしているのです。
また安価に作るために、「ダメージ軽減」よりも「安く大量生産できる原料」が優先されます。キューティクルが強く開いてしまった髪は、色素を内側にとどめておくことができません。結果として色素が外に流れ出しやすく、髪色がすぐに落ちてしまうのです。
褪色までの期間には髪質・髪の状態等による個人差もありますが、早い人だと1ヶ月程度で色味が抜けてしまうこともあります。
髪が伸びた時のリタッチで失敗しやすい
髪が伸びてきた部分だけを染めることを「部分染め(リタッチ/リタッチカラー)」と言います。全体を染める「フルカラー」を何度も行うよりも、髪のダメージを減らせるのがリタッチの利点となっています。でもこの「リタッチ」を自分でキレイに行うのは、かなり難しいものです。
ヘアカラー(白髪染め)は温度が高い場所ほど反応しやすいため、根元1センチの部分が最も染まりやすくなっています。そのためフルカラーのつもりでリタッチを行うと根元の部分だけ色が明るくなりすぎたり、暗く染まりすぎてしまうこともあります。
またリタッチは液剤を塗る部分/塗らない部分の「境目」の仕上げが難しく、失敗すると「段」のように色合いの違いが生まれてしまうこともあります。
美容院での髪染めやパーマができなくなることも
髪を傷めにくいのが利点の「ヘアカラートリートメント」ですが、これにもデメリットはあります。トリートメントに含まれる染料が髪をコーティングしてしまうため、後からヘアカラーやヘアマニキュア等を入れようとすると色が入りにくくなったり、パーマがかかりにくくなってしまうのです。
変色
最も問題となるのが、ヘアカラートリートメントに含まれる成分によっては「変色」が起こるという点です。例えば硫酸銀・硝酸銀が配合されたヘアカラートリートメントを使用した後にアルカリ性のヘアカラー・パーマ等を行うと、髪の色が「緑色」に変色します。
またアントシアニン等の天然成分が反応して、青く変色してしまうこともあるようです。これらの化学反応による変色は、後から直すことが非常に難しいです。よほど強いブリーチで脱色をしない限り、緑・青といった色味が残ってしまいます。
お断りされることも...
ヘアカラートリートメントの販売展開が拡がるにつれ、様々な成分を配合した製品が登場するようになりました。「どの製品(成分)で変色が起きるか」というのが完全には特定されていないというのが現状です。そのためヘアサロンによっては、1~2ヶ月以内にヘアカラートリートメントを使用している場合の髪染め・パーマをお断りしている店舗もあります。
白髪染めを美容院でするメリット・デメリット
白髪をヘアサロンで染めるメリットは?
ヘアサロンで染めるメリット
- 髪のダメージを抑えられる
- 白髪・地髪の色を微妙な色合いに調整できる
- 白髪があっても明るい色に対応可能
- リタッチでも自然な仕上がり
- リタッチでも自然な仕上がり
- 美容院の白髪染めは色落ちしにくい?
髪のダメージを抑えられる
髪に合わせた調整
美容院で使われるヘアカラー(白髪染め)も、基本的な仕組みは市販品と同じで、脱色をしながら色を入れます。しかし美容院の場合、ブリーチ成分である過酸化水素水(オキシ)の濃度を髪の状態にあわせて「3%、5%、6%」の中から選ぶことができます。
例えば暗めの色にする場合等であれば刺激の弱い「3%の過酸化水素水」を使うといった具合です。ブリーチ作用を減らすことでダメージを軽減し、髪の痛みを抑えることができるのですね。
専門家のワザ
美容院で使用する業務用ヘアカラーでは揮発性成分(髪にダメージを残さず、空気中に逃がす成分)等も配合されています。更に近年では髪に色を入れながら、同時に髪を修復するトリートメント作用のある業務用ヘアカラーも多数登場するようになりました。また美容院の場合の薬剤塗布はスピーディーであり、髪の専門家である美容師が染まり具合を的確にチェックしながら放置時間を調整していきます。
上記のような理由から、美容院・ヘアサロンではできるだけ髪を痛めずに白髪染め(グレイカラー・ヘアカラー)を行うことができるのです。
白髪・地髪の色を微妙な色合いに調整できる
髪の専門家である美容師さん達であれば、個人で異なる髪質・髪の太さ等をチェックしながら「顧客の希望する色合い」に仕上がりを近づけることができます。美容師免許を有している人であれば、業務用のヘアカラーを数色混ぜる方法を取ることも可能です。
例えば同じ「ブラウン系」に染める場合でも、肌の色・瞳の色にあった色味を提案したり、今まで行ってきたヘアカラーの色味とぶつからないように色合いを調整することもできます。
白髪があっても明るい色に対応可能
美容院ではファッションカラー(おしゃれ染め用)とグレイカラー(白髪染め用)の2種のヘアカラーを混ぜて使ったり、白髪の多い部位に異なる液剤を使って白髪部分・黒髪部分の調整をするといったテクニックも使えます。「全体を明るく染めながら、白髪もできるだけ目立たなくしたい」といった難度の高い技をクリアできる店舗も多いです。
リタッチでも自然な仕上がり
髪を染めるプロである美容師さんにおまかせすれば、髪の伸びてきた部分だけを染める「リタッチ」もキレイに仕上がります。前回のフルカラーの褪色具合等を見ながら、リタッチする際の色味を調整してくれる店舗も多いです。
美容院の白髪染めは色落ちしにくい?
美容院で使う業務用の白髪染め(グレイカラー)には、前述のとおり「できるだけ髪にダメージを残さない」という点を重視した揮発成分・染料成分等が配合されています。
また髪の内側から補修をするカラー剤を使えば、髪に色を入れながらキューティクルをできるだけ元の状態に近づけることも可能です。そのため美容院での白髪染め後には髪のキューティクルが開きにくく、色素を中に長くとどめておくことができます。
褪色(色あせ)・色落ちが市販製品よりもしにくいというわけです。髪の褪色までの期間には個人差がありますが、平均して2ヶ月~3ヶ月は色合いをある程度キープできるという人が多いです。
白髪をヘアサロンで染めるデメリットは?
ヘアサロンで染めるデメリット
- 白髪対策のコストがかかる
- 白髪染めをする日・時間が限定される
- 白髪染めをするための時間がかかる
- 店舗によって白髪染めの技術力に差がある
- 白髪染めをするための時間がかかる
- ヘアダメージはゼロではない
- 店舗を頻繁に変えるのはNG
白髪対策のコストがかかる
美容院で白髪を染める最大の難点とも言われているのが、費用の高さです。美容院のヘアカラー・グレイカラーの料金は平均5,000円~6,000円前後。シャンプー、カット代等が付くと10,000円~12,000円くらいかかってしまいます。
美容院で染めた髪色は2~3ヶ月程度はもたせることができますが、その間にも新たに白髪が伸びてきてしまうため、一般的には2ヶ月に1回程度はカラーリングを行った方が良いとされています。特に男性や、ベリーショート~ショートカットの方の場合には伸びてきた部分が目立ちやすいので、こまめに美容院に行く必要が出てきてしまうのです。
リタッチ料金設定もアリ
なお、伸びてきた部分のみを染める「リタッチ」の料金設定をしているヘアサロンであれば、2回目・3回目の白髪染め料金を抑えることはできます。3,000円~4,000円程度でリタッチOKとしている店舗も多いです。フルカラー(全体染)とリタッチ(部分染め)をうまく使い分けることで、白髪染めコストを多少抑えることはできるでしょう。
とは言え費用は自宅染め(セルフカラー)に比べればかなり嵩みます。ヘアカラー代だけでも年間30,000円~40,000円、シャンプー・カット込の場合だと年間60,000円~70,000円以上の支出が必要となるというケースが多いです。
白髪染めをする日・時間が限定される
現在ではほとんどの美容院が予約制(完全予約制もしくは予約優先制)を取っています。特に週末・祝日等には予約が集中しやすく、人気のある美容院ですと予約を取るのに何週間も待たされてしまうということもあるようです。
また施術をする担当美容師を決めている場合、その美容師の予約状況によっても美容院に行ける時間が限られてしまいます。
自宅染め(セルフカラー)のように「思い立ったらすぐに染める」ということはほとんどできません。スケジュールが詰まっている方、週末を明けにくい・平日夜の帰宅が遅いという方の場合、なかなか白髪染めに行く時間が取れないという可能性も考えられます。
火曜定休/月曜定休の店舗が多い
「全日本美容業生活衛生同業組合連合会」等の何らかの美容院組合に加盟しているお店の場合、関西地方では毎週月曜日、関東地方では毎週火曜日が定休と設定されていることが多いです。
仕事の都合等でお休みが月曜・もしくは火曜しか取れないという方の場合、組合に加盟せず独自の定休日を設けている店舗・年中無休の店舗等を探す必要が出てきます。サロン探しにやや制限が生まれるかもしれません。
生理期間・生理前後は避ける必要がある
女性の場合、生理期間・生理前後には女性ホルモンの分泌バランスが崩れ、肌の状態が非常に不安定となります。通常であれば問題の無い白髪染め(ヘアカラー)の刺激で肌荒れ・肌の炎症といったトラブルが起こる可能性が高くなることから、生理中・生理前後に白髪染めを行うことはおすすめできません。
生理周期等を考えながら美容院の予約を取る必要があるため、特にスケジュールの組みにくい方だと「なかなか美容院に行けない」という問題が起こる可能性も出てきます。
白髪染めをするための時間がかかる
ヘアカラー(グレイカラー)にかかる時間については美容院店舗によっても異なりますが、カット・ヘアカラー・シャンプーという工程で平均2時間~3時間程度かかります。この他に美容院に行くための往復時間等も必要ですから、午前・午後の半日程度が潰れてしまうという方が多いですね。
またヘアカラー(グレイカラー)では上記のようにある程度時間がかかるため、閉店が夜9時というお店でも予約できるのは午後6時・もしくは7時までとしている店舗が少なくありません。
店舗によって白髪染めの技術力に差がある
髪のプロである美容師さんによる白髪染めの塗布技術等は、セルフカラー(自分染め)に比較すると平均して遥かに高いものです。とは言え、店舗によっては「白髪染め(グレイカラー)」に慣れていない・症例数が少ないというケースもあります。
実際の薬剤の染まり具合・使い心地といった実経験が少ない店舗・美容師さんですと、顧客の希望する色味に近づけるための色調整がうまくできない・ファッションカラーとグレイカラーの使い分けに慣れていないといったケースも見られます。
ヘアダメージはゼロではない
セルフカラー(自宅染め)に比べるとヘアダメージを軽減しやすいヘアサロンでの白髪染め。とは言え、アルカリ性の成分でキューティクルを広げ、過酸化水素水等で脱色をするという基本の仕組みは同じであり、ヘアダメージがゼロというわけではありません。
白髪染め(グレイカラー)を行った後にはヘアトリートメント等で丁寧に傷みを補修する、白髪染めの期間を適切に空けるといった対応も必要になってきます。
店舗を頻繁に変えるのはNG
美容院・ヘアサロンでは、各顧客に使用した薬剤・カラー剤、染まり具合等のデータをカルテできちんと保管しています。次回のリタッチやその次のフルカラー(全体染め)の際にはそれらのデータを参照しながら、より髪に合ったカラー剤の配合・染まり具合の調整等を行っていのです。
しかしサロンを変えた場合、新しいサロンではこのようなデータが無い状態で手探りのままグレイカラーを行うことになります。前回のカラー剤・染まり具合等の前回データが無いため、初回のヘアカラーではなかなか顧客の希望する仕上がりにならない...というケースも見られるようです。他店で行ったフルカラー(全体染め)については、リタッチ(部分染め)の対応は行わないとする美容院店舗も少なくありません。
「初回利用だとクーポンが使えるから、安上がり」といった理由で毎回のように美容院店舗を変える人も居ますが、これはおすすめできない方法です。満足行く仕上がりにならない可能性が高いばかりか、頻繁にフルカラー(全体染め)を行うことで髪が傷みきってしまう可能性があります。もちろん「どうしても納得いかない」というヘアサロンならば店舗を変更するのはOKです。ただ店舗選びはなるべく慎重に行い、できるだけ長いお付き合いをされた方が、髪の傷みも防げる良い結果に繋がるでしょう。
おわりに
セルフカラー・美容院での白髪染めにはそれぞれ利点・欠点があり、必ずしも「こちらが絶対に良い」と言い切れるものではありません。ライフスタイルや現在の髪の状態等を考えながら、自分にとってベストな方法を選んでいきましょう。
また、自宅でのセルフカラー用の製品の選び方や上手な染め方について詳しくは下記のページにて解説しています。参考にしてみてください。
失敗しない白髪染め!白髪染めのおすすめの選び方や正しい使い方を解説