入試

推薦入試やAO入試、一般入試と、大学受験は試験の内容も時期も多様化しています。AO入試では、9月には合格が決まり入学金を納めなくてはならない学校もあります。

準備していたはずの学資保険や奨学金が間に合わないことも! そんなときいつでも申込み可能な銀行の教育ローンは頼りになります。

WEB申込みで即日審査結果が出る銀行もある

以前は、合格発表後、「納付書がないと申込みができない」「審査に時間がかかり入学時の振込の期限に間に合わない」など、銀行の教育ローンは使い勝手が悪いイメージがありました。

しかし今では、募集要項と必要金額が記載されたパンフレットさえあればWEBでも申込み可能な銀行が多くなり、銀行の教育ローンはずいぶん使い勝手がよくなりました。申込みから契約、学費の振込まですべて来店不要の銀行も増えています。

また、金利についても、保証料込で2%前半からの銀行もあり、国の教育ローンなどと比べてもそん色がない水準となっています。

入試制度が多様化しているいま、1年中いつでも申込み可能であることも、銀行の教育ローンの大きな強みです。

AO入試は関係ない?

文部科学省の調査によると、平成26年度のAO入試による入学者は全入学者の14.9%、推薦入試による入学者は34.4%に達するそうです。両者を合わせると、なんと受験生の2人に1人はAOか推薦で入学していることになります。

AO入試や推薦入試では、入学金や学費の納入期限が早いところでは9月、10月という学校もあります。大学の費用に備えて学資保険に加入していても、祝い金や満期金の受取時期が入学金の納入期限に間に合わないことも増えています。

銀行の教育ローンで対応可能

銀行の教育ローンは、こうした緊急時に、学資保険や奨学金が下りるまでのつなぎ資金として活用することも可能です。

さらに、一度学費を納めてしまった後でも、1ヵ月ないし2ヵ月以内なら借入れ可能な銀行もあり、「何とか納入は間に合ったけれど、今後のゆとりのために借りておきたい」という人にも便利です。

幼稚園から大学院までの授業料、塾代にも対応

教育ローンの使いみちというと大学の学費だけ、と思われがちですが、実は使いみちの範囲は広くなっています。

銀行によって範囲が異なりますので確認が必要ですが、幼稚園から大学院までの授業料のほか、塾や専門学校への授業料、留学費用に対応している銀行もあります。アパートの敷金、自己啓発資金など学生生活にかかる諸費用まで対応している銀行もあります。

奨学金やローンによる資金使途の違い
奨学金・ローンの種類 資金使途
日本学生支援機構の奨学金 経済的理由で就学困難な優秀な学生を支援する目的から、家計基準・学力基準のみで、特に資金使途の制限はない
国の教育ローン 学校納付金・受験にかかった費用・自宅外通学に必要な住居費用(敷金・家賃など)・教科書代・パソコン購入費・通学費用・学生の国民年金保険料など
銀行の教育ローン 銀行によって様々(各銀行に要確認)。幼稚園から大学院までの学納金・塾代・専門学校の学費・資格取得費・アパート等の敷金・受験費用・留学費用など
学校指定(提携)教育ローン 学納金のみ
※各ホームページに基づき作成。

無担保・有担保・カードローンとタイプはさまざま

教育費は一度だけではなく、学費の納入の度に必要になるお金です。銀行の教育ローンは、一般的には不動産などの担保を提供することなく無担保でその年1年以内に納入が必要な額を上限に借入れできます。学年ごとに借入れが必要なときはその都度申し込みます。

借入れの上限は銀行により異なりますが、300万円、500万円から中には1,000万円まで借入れ可能な銀行もあります。

また、500万円など極度額を設定すると、その範囲内でいつでもカードを使って借入れできるカードローンタイプの教育ローンもあります。一度審査が通れば期間内はいつでも審査不要で借入れができるので便利ですが、借りすぎには注意が必要でしょう。

借入額の目安

借入額としては、一般の大学や学部であれば4年間の納入金の合計が500万円程度で足りることが多いのですが、医歯薬学部や海外留学となると、学費が高額になり500万円では事足りません。

銀行によっては医歯薬学等ならば無担保でも借入額の上限を1,000万円に引き上げてくれるところもあるので相談してみましょう。

高額の場合は?

高額の借入れの場合は不動産を担保とした教育ローンもあります。借入額3,000万円まで、返済期間も30年までなど高額で長期の返済となります。

ここまで高額になると住宅ローン並みの返済額になりますが、文部科学省の調査によれば私立医学部の6年間の納付金の平均額は約2,280万円です。入学するまでの塾代なども考えると、3,000万円の借入れもあり得ない金額ではありません。

親子リレー返済も可能という銀行もありますが、金利は住宅ローンよりは高めに設定されています。どこまで教育費をローンでまかなうのか、親子で返済計画を十分話し合って適正な額を借入れたいものです。

銀行の教育ローンのネックは金利の高さです。そのデメリットを緩和するために奨学金と組み合わせる方法もあります。奨学金との違いや組み合わせるメリットについては下記のページで詳しく解説しています。

銀行教育ローン、国の教育ローン、奨学金…3つの違い