ペットが亡くなった時にやるべき全リスト
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大切にしていたペットを亡くすのは、辛く悲しいことです。しかし愛してきたペットだからこそ、死亡した時に飼い主がやってあげるべきことはたくさんあります。
ここではペットが亡くなった時にやるべきことを、できるだけ詳細にリスト化しました。「ペットが亡くなったけれど何をしたらわからない」とお困りの時の参考になるよう、可能な限り実際の順番に沿って解説しています。
大型犬・中型犬・小型犬や猫などの代表的ペットはもちろん、ウサギやフェレット、ハムスターなど、小型動物のペットが亡くなった時にも対応できる情報をまとめました。
この記事の対象の動物
- 犬
- 猫
- ウサギ、フェレット、ハムスターなどの小型動物
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ご遺体の体勢を整える
ペットが亡くなった時にまず何よりも最初に行うのは、ご遺体の体勢を優しく整えてあげることです。
ご遺体は死亡後1~22時間程度(ペットの体の大きさによっては10分程度)で「死後硬直」が始まってしまいます。その前に体勢を自然に整えてあげることで、ご遺体の保管・移動が行いやすくなるほか、ご遺体をご覧になる時のお気持ちを和らげることにも繋がります。
ペットの死後硬直は早く始まる
死後硬直(しご・こうちょく)とは、亡くなった後のご遺体の筋肉が固まっていき、体勢(生前の場合で言うと姿勢)が変えられなくなる現象のことです。
人間だと死後硬直は死亡後数時間(大体4~5時間程度)で始まるのですが、ペットの場合は体が小さいため、もっと早くに死後硬直が始まります。
死後硬直の開始時間目安
- 大型犬 死亡後2時間程度
- 中型犬 死亡後90分程度
- 小型犬 死亡後1時間程度
- 猫 死亡後 1時間程度
- フェレット・うさぎ 死亡後30分程度
- ハムスター 死亡直後~10分程度
※
気候条件や個体によっての変動があります
※
その他動物については、上記の動物個体の大きさを参考にしてみてください
死後硬直は数十時間ほど続き、カチカチになるほどに筋肉が固まってから、その後少しずつ緩んでいきます。
ペットご遺体の体勢を整える手順
- 目を開いて亡くなったご遺体は、優しく瞼(まぶた)を閉じてあげます。
- 伸びている前脚・後脚を、胸のほうに向かって優しく折りたたみます。
- 尻尾を眠っている時のように丸めてあげます。
硬直が始まっている時は?
死後硬直が既に始まっており、体勢を変えるのが難しい場合、その場では無理に体勢を変えなくて大丈夫です。硬直は数十時間程度で解けてくるので(小さい個体だと20時間程度のこともあります)、その間はご遺体を大きめの箱に安置して、硬直が緩んでから体勢を整えましょう。
死後硬直の最中に体勢を無理に変えるのは避けましょう。脚を折ってしまう等、ご遺体の損傷を招く可能性が高くなります。
ペットのご遺体を浄める
ペットのご遺体は、体液などで汚れてしまっていることもあります。体勢を整えるのと並行しつつ、ご遺体をキレイにしてあげましょう。
ご遺体の清浄のために準備するもの
- タオルまたはガーゼ
- ブラシ・クシ(生前使っていたものでOK)
- 脱脂綿(化粧用コットンでも代用OK)
- ペット用シーツ・新聞紙など
ご遺体がケガをしている場合は以下のものもあると良いでしょう。
ペットのご遺体を浄める手順
体液が出てきた時のために、作業中には体の下にペットシーツなどを常に敷いておいてあげます。
1. 体を拭いてあげる
お湯で濡らして絞ったタオル(またはガーゼ)で、ご遺体を全体的に拭いて清めていきます。
2. 脱脂綿を詰める
お口やお尻の穴から体液が出てきてしまうことがあります。脱脂綿やコットンを詰めてあげると、ご遺体の安置中に清潔を保ちやすいです。安置時間が長くなる場合には、適宜、脱脂綿を交換してあげてください。
3. 毛流れを整える
クシやブラシで毛流れを優しく整えてあげましょう。
ご遺体がケガをしている場合
ご遺体に怪我があると、その部分から腐敗が始まりやすいです。飼い主さんには辛い作業となりますが、できるだけ消毒をこまめに行い、生前と同様に包帯・ガーゼ交換などをして、腐敗の進行を少しでも軽減することをおすすめします。
※
ご遺体がケガをされている場合、腐敗が非常に早いため、できれば死亡当日中の火葬業者の選定と依頼を行うか、冷凍安置ができるペット霊園等の選定をおすすめします。
ご遺体の安置と保冷
埋葬が行われるまでは、ペットのご遺体は原則として飼い主のご自宅での安置となります。ペットのご遺体をできるだけキレイに保つために、ていねいに安置をし、保冷対策をこまめに行ってあげましょう。
ご遺体の安置のために準備するもの
- 箱(段ボール箱など)
- タオル、マット(愛用していたものでも)
- ペットシーツ、新聞紙
- ドライアイス、保冷剤、氷
ペットご遺体の安置・保冷の手順
1. 室内気温を下げる
ご遺体の腐敗を進ませないために、室内の気温をできるだけ下げる必要があります。冬場の場合、ご遺体を安置する部屋の暖房は切ります。夏場の場合はエアコンを最強レベルでかけて、できるだけ冷やします。ご遺体の近くで扇風機を回して気温を下げるのも手です。
2. 箱にシーツとタオルを敷く
ご遺体の大きさにあった箱に、まず新聞紙やペットシーツなどを敷き詰めます。体液などが出てきてしまいやすいので、多めにしっかり敷いてあげましょう。それから愛用のタオル、マットなどを上に敷きます。
3. ご遺体を寝かせる
ご遺体を箱の中に優しく寝そべらせてあげます。
4. 箱の安置
ペットのご遺体は、直射日光の当たらない場所に安置します。光が差し込む場所はどうしても気温が高くなりやすいのでNGです。またできるだけ風通しの良い場所を選んであげましょう。
5. 換気
安置中には時々窓を開けたり換気扇を回し、こまめに換気を行います。
ペットの埋葬方法を決める
ペットが亡くなった場合、昭和の時代には自宅の庭に埋葬(土葬)といった方法が一般的でした。
しかし一戸建てや私有地の減少、腐敗臭等によるトラブル等の問題もあり、近年ではペットの埋葬は原則「火葬」が主流となっています。
ペットの土葬
上でも解説しましたが、現在ではペットの土葬は減少傾向です。業者によるペット土葬は行えません。ペット土葬を行いたい場合、埋葬作業はすべて飼い主達が自分で行うだけでなく、以下の条件をクリアする必要があります。
ペット土葬可能な条件
- 埋葬先が私有地であること(飼い主の有する庭、山など)
- 1メートル50~2メートル近くを掘り下げられること(腐敗臭対策のため)
- 一定以上の広さを有していること(近隣に人家や農地がある場合等には腐敗臭・菌の繁殖による衛生面の問題がおきる)
- 川、湖、沼、用水路等、水道に近い地域ではないこと(水道汚染のリスクがあるため)
- 将来的に土地を手放す予定が無いこと(土地譲渡や売買の際にトラブルの元となりやすい)
なお、許可を得ずに自分の私有地以外にペットの遺体を土葬すると「不法投棄」となり、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」 や同法25条に抵触するとして、有罪の場合には「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金」という重い刑罰が定められています。
また自分の私有地であっても水域に近い場所にペットの遺体を土葬した場合、刑法第143条第1項の「水道汚染」に抵触し、こちらも大きな問題となります。「私有地として大きな山をひとつ持っている」といった特例を除けば、ペット土葬は避けた方が賢明と言わざるを得ません。
ペットの火葬
ペットが亡くなった場合の最も主流である対応が火葬です。ただし一口に「火葬」といっても、その内容には様々なものがあります。
自治体での死体処理
遺体を「廃棄物」として処理する方法です。お骨は返却されません。焼却後の供養や埋葬などは行われません。
自治体での合葬
自治体によっては遺体を合同で焼却後、動物供養墓等に合葬する場合もあります。この場合もお骨の返却はされません。また埋葬連絡・埋葬地の指定等も不可です。
ペットの火葬・葬儀会社での合同火葬
複数頭のご遺体を合同で火葬する方式です。原則としてお骨の返却はありません。埋葬方法は業者・プラン等により異なります。
ペットの火葬・葬儀会社での個別火葬
一頭ずつを個別で火葬する方式です。お骨の返却、埋葬方法等を細かく希望に沿って行うことができます。
詳しくは後述する「自治体によるペットの遺体処理 」や「火葬業者の種類 」にて解説します。
ペットの自然葬
樹木葬や海への散布等、特別な方法でのペットの埋葬を行うペット火葬業者もあります。この場合は業者がかなり限定されるため、
「ご遺体預かり→火葬(ご遺体の焼却)→自然葬による埋葬」
までをすべて特定業者にお任せするケースがほとんどです。
※
どの自然葬についても、すべて一度、ご遺体を焼却(火葬)してからのお骨の埋葬となります。
ペット火葬は自治体?専門の火葬業者?
ペットのご遺体を火葬する場合、お住まいの市区町村、またはペット専門の火葬業者(葬儀業者)に依頼をすることになります。なおペットの火葬を行う民営企業と自治体の対応には大きな違いがあります。それぞれのメリット・デメリットを比較してみます。
自治体(市区町村)のペット遺体処理
市区町村の生活課、廃棄物課等が対応します。他の動物とまとめての焼却処理となります。対応サイズや手数料、埋葬方法等が市区町村で大きく異なるため、お住まいの自治体の「ペットの死体処理」についてホームページで確認してみましょう。
メリット
費用が安い
自治体での死体処理の場合、かかる手数料は1個体あたり2,000円~3,000円前後が相場となっています。
港区:犬や猫などのペットが亡くなったとき
デメリット
遺体は持込のみ
清掃事務所等へ飼主が直接遺体を持込む必要があります。引取対応可能な自治体もありますが、この場合にはさらに手数料が2,000円~3,000円程度発生することが多いです。
埋葬されない自治体も
自治体によっては埋葬ではなく、火葬後のお骨は廃棄物として処理されます。また合同埋葬の場合も、埋葬場所等は開示されない自治体がほとんどです。
手紙や愛用品はNG
首輪や手紙、愛用品等を一緒に焼却してもらうことはできません。
大型サイズは対応不可
体重・体長等、引取可能なサイズに規定があります。大型犬等だと対応不可となる場合が多いです。
この他の大きなデメリットとして、自治体処理だと大切なご遺体が「廃棄物(ゴミ)扱い」になってしまうという点が挙げられます。飼主様やご家族の皆様の心理的な負担となることも多いため、費用面以外ではあまりおすすめができません。
ペット葬儀社による火葬
私営の企業による火葬です。個別火葬・合同火葬や、埋葬方法等も企業・プランによって様々なものがあります。
メリット
引取や訪問火葬も可能
ご自宅まで担当者がご遺体を引取りに伺ったり、ご自宅そばで訪問火葬を行える業者もあります。
お骨上げやお骨の返却が選べる
個別火葬の場合、立会火葬をしたり、お骨を返してもらったり、人間のお葬式のようにお骨上げができる業者もあります。
埋葬プランが豊富
ペット霊園型の火葬の場合、様々な埋葬プランや個別のお墓等も選べます。
通夜葬儀できる業者も
人間と同じような通夜葬儀に対応できる業者も多いです。
デメリット
費用が高い
ハムスター等の小動物でも最安10,000円程度、中型犬で20,000円~等、火葬や供養のための一定の費用がかかります。
ペット火葬業者・葬儀会社の場合、人間の葬儀と同じようにご遺体をていねいに取り扱い、スタッフがお悔やみの姿勢を持って真摯に対応をしてくれる点も大きな魅力と言えます。
民間の企業であるため自治体に比べれば費用はかかりますが、大切なペットを虹の橋の向こうへ送り出すための費用と思えば惜しくないと感じる方が多いのではないでしょうか。
ペット火葬会社の種類と選び方
民営のペット専門火葬業者やペット葬儀社にも、様々な種類があります。施設の違いや火葬の種類、ペット火葬の費用相場等について見ていきましょう。
固定火葬施設と訪問火葬車
ペットの火葬を行う企業は、大きく分けて固定火葬施設(火葬炉)のあるところと、訪問火葬社(移動火葬車)タイプに分別できます。
固定火葬施設(ペット霊園等)
ペットのご遺体を火葬するための固定施設(火葬炉)が施設内に設置されています。主にペット専門霊園などがこのような専門設備を備えています。
メリット
- 立ち会いやお骨拾いも可
- 通夜葬儀ができる施設もある
- 埋葬やお墓まで一元化して相談できる
固定火葬炉を備えた施設の場合、プランによっては火葬直前までの立ち会いや、火葬後のお骨拾いなども可能です。また人間と同じような通夜葬儀ができたり、ペットの合同埋葬用の墓碑があったりと、個別埋葬から合葬まで、幅広いニーズに対応しています。
デメリット
- 施設数が少ない
- 対応エリアが限られる
- 火葬費用相場が高め
固定火葬施設の場合、原則としてはご遺体は飼主が運び込むことになります。ご遺体をお迎えに行くオプションサービスがある施設もありますが、対応エリアが限定されやすいのが現状です。お近くにペット霊園や対応設備があることがサービス利用の前提になります。
また、きめ細やかな葬儀サービスである分だけ、全体的に火葬費用の相場は高めです。
訪問火葬車(移動火葬車)
ペット火葬車
訪問火葬車(移動火葬車)とは、高温での焼却が可能な特殊火炉を積載した自動車のことを言います。移動火葬車型のペット火葬企業は、この車で飼い主さんの自宅近辺やご指定の場所付近でのペット火葬を行います。
メリットとデメリット
メリット
- 家の近くや思い出の場所で火葬できる
- 対応時間が比較的幅広い
- 火葬費用相場は比較的安い
訪問火葬車は、飼い主さんが希望された場所(ご自宅の周りや散歩コースなど)の周辺を車で移動しながら30分~60分の時間でご遺体を火葬していきます。お近くにペット火葬施設が無かったり、お仕事などが忙しい時でも、速やかに火葬ができるのは助かる点です。
デメリット
- 大型のご遺体は対応できないことがある
- 煙などによるトラブルの恐れがある
- 火災リスクがある
ペットの移動火葬車の場合、火葬炉が移動式である分だけサイズ制限が厳しくなりがちです。業者にもよりますが、25キロ以上の大型犬などになると対応がむずかしくなると考えておいた方が良いでしょう。また業者によっては煙などへの配慮が浅く、ご近所トラブルなどを起こす恐れがあります。料金の安さや手軽さだけで選ばず、信頼できる企業を選ぶことが大切です。
ペット火葬の種類
次にペット火葬の種類について見ていきます。
合同火葬
合同火葬とは、他の動物達と一緒にまとめて行われる火葬スタイルです。3種類の火葬の中では最も費用は安いです。ただしお骨の返却はされません。固定型火葬施設がある場合だと、合同火葬とペット霊園での合葬(合同墓碑への埋葬)をセットにしていることが多いです。
個別一任火葬
個別一任火葬とは、ペット一頭ずつを個別に火葬していくスタイルです。火入などに飼い主が立ち会えず業者にお任せすることから「一任火葬」と呼ばれます。飼い主が希望する場合はお骨が返却されます。
訪問個別火葬
ご自宅近辺等の指定箇所で、一頭ずつを個別火葬していきます。火付けまで飼い主さんが立ち会える業者もありますが、ご遺体のお預かりからお骨のお渡しまでの時間は一任火葬となる業者もあります。業者により内容が異なるため事前に確認しておきましょう。
立ち会い火葬
お棺を火葬炉に入れ、火付け、お骨上げまで、全て飼主さん達が立ち会えるスタイルの火葬です。いわゆる人間の葬儀後の火葬に最も近いスタイルとなります。最も手厚い火葬スタイルとなりますが、その分だけ費用は高くなります。
ペット火葬の費用相場(ペット種類・体重別)
ペット火葬の料金がいくら位かかるのか、おおまかな費用相場をペットの種類別にまとめてみました。
ハムスター、小鳥等(2キロ以下)
合同火葬 |
10,000円~ |
個別一任火葬 |
15,000円~ |
訪問個別火葬 |
12,000円~ |
立会火葬 |
20,000円~ |
猫、うさぎ、超小型犬(5キロ以下)
合同火葬 |
15,000円~ |
個別一任火葬 |
20,000円~ |
訪問個別火葬 |
17,000円~ |
立会火葬 |
25,000円~ |
小型犬(10キロ以下)
合同火葬 |
20,000円~ |
個別一任火葬 |
25,000円~ |
訪問個別火葬 |
23,000円~ |
立会火葬 |
30,000円~ |
中型犬(25キロ以下)
合同火葬 |
30,000円~ |
個別一任火葬 |
35,000円~ |
訪問個別火葬 |
32,000円~ |
立会火葬 |
40,000円~ |
大型犬(40キロ以下)
合同火葬 |
40,000円~ |
個別一任火葬 |
45,000円~ |
訪問個別火葬 |
(サイズ超過のため原則対応NG) |
立会火葬 |
50,000円~ |
火葬料金はご遺体のサイズ・体重で変動
ペット火葬の料金は業者・施設により異なりますが、原則として「ペットのご遺体のサイズ・重さ」で変動します。そのため、たとえば犬種が小型犬(コーギーやダックスフンド)であっても、ご遺体の体重が10キロを超えるような場合には中型犬料金となるケースが多いです。
ペット火葬の申込は死亡後いつまで?冷凍安置は?
火葬のスタイルには様々なものがあり、悩んでしまわれることも多いことでしょう。しかしペットのご遺体の火葬は、死亡後できるだけ早く業者を選定し依頼することをお勧めします。
ペットの体は人間よりも小さい分だけ、腐敗が早く進んでしまいやすいです。あまり依頼が遅くなると腐敗状態がひどくなり、飼い主様やご家族様も辛い思いをされることになります。
- 冬場:死亡後3日~6日前後(※気温により3日~4日)
- 夏場:死亡後1日~3日前後
ペット霊園などの場合には、火葬前にご遺体をお引き取りして、火葬までご遺体を冷凍安置が可能な施設もあります。
「家族全員が立ち会って火葬したい」「忙しくてすぐに火葬ができない」といった場合には、冷凍安置対応可能な施設に相談をしてみましょう。
ペットとのお別れやお葬式(通夜告別式)
最近では火葬の日取りが決まり次第、火葬前にペットとの最後のお別れをするためにご家庭内でお別れ会をしたり、火葬場でのセレモニーを選ぶ人も多いです。
ご家庭でのペットとのお別れ
ご家庭内で行う簡易的な通夜告別式です。告別式ではありますが特にルール等はありません。ペットと飼い主さんやご家族が共に時間を過ごす場として、愛するペットを送り出す前に、ゆっくりと時間を取ってあげましょう。
用意するものの例
- ペットの写真
- お水
- 愛用品
- お花
- お線香やロウソクなど
テーブルやチェストの上を簡易的な祭壇として、お花やお線香等を飾ることもあります。好きだったおやつやおもちゃ等を一緒に飾り、火葬の際に同梱が可能な場合には、箱や棺に入れてあげるのも良いでしょう。
火葬場での告別式(旅立ちのセレモニー)
ペット霊園等、固定型火葬施設がある施設では、火葬前にお通夜や告別式が行えるところもあります。式場が備え付けた祭壇にペットを安置し、希望者には僧侶による供養(読経)をしてくれる施設もあります。ただし簡易的なセレモニーとなることが多いです。本格的な火葬前の告別式を求める場合には、施設選びを徹底して行った方が良いでしょう。
ペット死亡時の死亡届申請・手続き
ペットの火葬が終わって一段落をしたら、自治体等への申請や手続きを行いましょう。
ここでは犬の死亡届についてやペットの血統書登録の抹消、犬・猫のマイクロチップ登録情報についてを解説します。
犬の死亡届
愛犬が亡くなった場合、死亡から30日以内に登録をした自治体(市区町村)に死亡届を提出します。受付は自治体の役場窓口(保健衛生課、生活課等)または保健所です。お住まいの市区町村のホームページで「犬が亡くなったとき」を検索してみましょう。
死亡届で提出する情報・持っていくもの
- 飼い主の身分証明書
- 飼犬の住所
- 飼犬の死亡年月日
- 飼犬の登録番号
- 犬の鑑札(登録したときのもの)
- 狂犬病予防注射済表
※
死亡届は窓口で記入・提出します
犬の鑑札や注射済表は、原則として死亡届提出時に原本を添付することになります。しかし自治体によっては、その場で取った写しの添付でもOKという場合があるようです。思い出の品として鑑札を手元に残したい場合には、窓口で相談をしてみましょう。
30日以内に届け出を
犬の死亡届提出は、狂犬病予防法に基づいて、犬の死亡日から30日以内に届け出申請を行うことが義務付けられています。愛犬を亡くしたばかりで辛いときではありますが、できるだけ早く届け出申請を行っておきましょう。
血統書登録の抹消
ペットが血統書登録をしている場合、その情報の抹消手続きが必要になります。犬の血統書の場合には、加入している血統書団体へ連絡し、情報の抹消手続きを行うことになります。抹消手続き方法について詳しくは、登録している団体に問い合わせてみましょう。
マイクロチップ登録をした犬猫の死亡申請
2022年(令和4年)6月に動物の愛護および管理に関する法律が改正され、犬または猫の販売時に個体識別のためのマイクロチップ装着及び環境省指定登録機関(公益社団法人日本獣医師会)(以下「指定登録機関」という)への登録が義務付けられるようになりました。上記以前の場合でも、ペットショップやブリーダーさん・飼い主さんの意向により、犬や猫がマイクロチップを体内に装着している場合があります。
マイクロチップ装着をした犬・猫が死亡した場合には、環境省にマイクロチップ情報登録済み犬・猫の死亡届を出さなくてはなりません。
用意するもの
※
いずれもマイクロチップ登録時の登録証明書に記載されています
以下の環境省「マイクロチップ情報登録サイト」から、死亡届の申請を行いましょう。申請届け出期限は犬・猫の死亡後30日以内です。
環境省:犬と猫のマイクロチップ情報登録
※
上記以外のマイクロチップ登録情報については、犬・猫を購入した店舗またはブリーダー様まで問い合わせましょう。
ペットの供養・お墓選び
最後にペットのお骨の供養やお墓選びについて考えていきましょう。ペットのお骨の埋葬ができる施設には大きく分けて「ペット専門の霊園」と「人間を対象にした一般の霊園・寺院」があります。それぞれの違いや、ペットの供養やお墓の相場について見ていきます。
ペット霊園
様々なペットの埋葬を専門とした霊園です。犬・猫をはじめ、フェレットやハムスター、エキゾチックアニマルなどの小型動物、施設によっては大型動物の埋葬にも対応しています。ほとんどのペット霊園では火葬場(固定火葬炉)を用意しており、ペットの火葬から葬儀、埋葬のすべてに対応できます。
ペット霊園の合葬・共同墓地
ペット霊園・動物霊園にある合同墓碑やセレモニー用樹木等のスペースに、他の動物達とお骨がまとめて埋葬されるスタイルです。合同火葬から直接合葬される方式もありますが、お骨としばらく一緒に過ごした飼い主さんが、後から合葬や共同墓地を選択される場合もあります。
合葬・共同墓地の相場
永代供養料の相場:20,000円~
メリットとデメリット
メリット
- 費用が比較的安い
- 名前を入れてくれる霊園も
- 定期的に合同供養が行われる
合葬や共同墓地の場合には、供養にかかるお金が比較的控えめです。またオプションサービスになりますが、合同供養碑に愛するペットの名前を彫り入れることができる共同墓地もあります。
デメリット
- お供えに制限がある
- 墓参りの時間規定が厳しい
- 返骨はできない
共同墓地・合葬墓地では他の動物たちとの一緒のお墓になるため、それぞれの飼い主さんたちがお供えをすると大変な事態になってしまいます。そのためお花やお供えNGといった規制があることがほとんどです。
また、「やっぱり個別葬にしたいから返骨してほしい」と思っても、すでにお骨が一緒に埋葬されているため、お骨を返してもらうことはできません。
ペット霊園の納骨堂
納骨堂とは、ペットのお骨を一体ずつ収納しておける納骨スペースです。お墓が地面に建てられた一戸建てだとしたら、納骨堂はマンションのようなイメージを持つとわかりやすいのではないでしょうか。
納骨堂の相場
永代供養料 30,000~50,000円
年間登録料(管理費)3,000円~
メリットとデメリット
メリット
- 個別の埋葬ができる
- 多頭の埋葬にも対応
- 墓地に比べて費用が手軽
- 荒天でもお参りがしやすい
納骨堂は屋内にあるため、雨の日や夕方などでもお参りがしやすい点に人気が集まっています。また多頭買いの方向けに、数頭分の区画が取れる霊座も用意されています。
屋内設備であることから綿密な管理が求められるため、1年毎に管理費(翌年継続料)がかかる方式がほとんどです。
ペット霊園の個別の墓地
ペット霊園の区画の大きさは様々です。最近では人間のお墓よりも大きな墓石のペットのお墓が登場し、注目をあつめるようにもなっています。
個別墓地の相場
永代供養料100,000円~ ※墓石代除く
メリットとデメリット
メリット
- 広々とした土地でペットに眠って貰える
- オリジナリティある墓石にもできる
- お参りやお供えに制限が少ない
個別墓地の青空の元、自然の土の中で静かに気持ちよく眠ってもらえる点は、飼い主さんにとっても大きな魅力。また区画にもよりますが墓石デザイン等の制限が無く、ご家族のアイデアに溢れた墓石で愛するペットを埋葬することもできます。
上で個別墓地の費用相場を出しましたが、上記はあくまでも目安に過ぎません。ペット霊園の個別墓地の永代供養料や管理費システムは施設によって非常に差が大きいため、相場があまり参考にならないところがあります。
霊園の規模によっては、数十万円以上の供養料が墓石代以外に必要となることも。さらに墓石代が加わるため、人間と同程度の費用となるケースも見られます。
寺院・一般的な霊園
次にペット専門ではない寺院や一般的な霊園でのペット埋葬、飼い主と同じお墓にペットのお骨を入れるケース(共葬)について見ていきます。
一般寺院・霊園での合葬
寺院や霊園の中には、ペット合葬用の墓碑や樹木葬スペースを設置しているところもあります。数は少ないですが、このような寺院であれば、他の動物たちと一緒にお骨を合葬して貰えます。
一般寺院での合葬相場
永代供養料2~3万円+お布施
メリットとデメリット
メリット
- お参りがしやすい
- 定期的に供養して貰える
- 家族のお墓と近い場所にペットを埋葬できる
ペット専門の霊園に比べると、人間のお墓がある寺院や霊園はアクセスがしやすくお参り等がしやすいことが多いです。またご家族のお墓と同じ寺院や霊園にペットを埋葬することで、どちらのお参りもしやすいというメリットを感じる人も大勢います。
デメリット
- 対応施設が少ない
- お供えに制限がある
- 返骨はできない
- お布施が必要となることが多い
ペット埋葬に対応する一般寺院はまだ少ないのが現状です。また一般寺院の場合、お気持ちとしての「お布施(おふせ)」が必要となります。お布施は数千円程度でOKというところもありますが、地域によっては数万以上ということも。事前に地域情報を確認しておいた方が良いでしょう。
飼主との同じ墓への埋葬(共葬)
近年では愛するペットと同じ墓に入りたいと考える飼い主さんも増えてきました。人間と同じお墓にペットを埋葬する場合の費用相場やデメリットについても知っておきましょう。
飼主や家族と同じ墓への埋葬の相場
通常の人間の墓永代供養料に加えて20万円~+お布施
メリットとデメリット
家族が眠るお墓であれば、ペットも安心して眠れるはず。飼い主さんにとってはこれほど大きなメリットはありませんね。
デメリット
- ペット対応する寺院・霊園が少ない
- 販売区画数が少ない
- 霊園の不便な区画になることがある
- 費用が高い
残念ながら、ペットと一緒に入れる寺院墓地や霊園はまだ少ないのが現状です。これは仏教では人間と動物は違う世界にいるという考え方が根強いことや、ペットや動物が同じ霊園に埋葬されることに抵抗感を示す人もいらっしゃることなどが関係しています。
需要に対し数が少ないため、永代供養料や管理費等も一般墓地に比べて高くなる傾向が見られます。しかしそれでも注目度は高く、販売区画がすぐに売り切れてしまう人気霊園も出てきています。
無申請でのペット埋葬は厳禁
ペットのお骨を埋葬しても良いのは「ペットと人間が一緒のお墓に入ること」をOKとしている寺の墓地や霊園で、なおかつ僧侶や管理者に申請をしてOKを得た場合だけです。通常の寺院墓地、霊園墓地や納骨堂に無申請でペットのお骨を埋葬してはいけません。
近年、
人間の納骨堂に無申請でペット骨壷等を置いたことで「納骨堂の管理契約違反」となり、永代供養を拒否される(納骨堂を出される)トラブルが見られるようになっています。
ペットは飼い主さんにとっては愛する家族ですが、一般寺院や納骨堂側から見れば「規定以外のお骨」ということになってしまいます。ペットと一緒にお墓に入りたい場合には、ペットとの埋葬に対応した寺院・霊園を選ぶところから始めましょう。
おわりに
ペットが亡くなった時にやるべきことをまとめましたが、たくさんあるので驚いてしまった人も多いかもしれませんね。愛するペットを失ったとき、あれもこれもと手続きをしなくてはいけないのは辛いことです。
ひとまずは火葬をしてくれる業者を決めて、後のことは落ち着いてから考える…そんな風に段階的に、少しずつリストを片付けていってもまったく問題はありません。大切なのは、心残りのないようにペットを見送ることです。費用面ももちろん重要ではありますが、心のこもったお弔いを忘れないようにしましょう。