「一度借りることができたのだから、今度も借りられるだろう」と軽く考えていたら、借り換えできなかった、ということがあります。

借り換えの時には、新規の借入れ時と同様に利用条件を満たす必要があります。借り換えを検討する場合には、まず借り換えることができるのか確認しましょう。

確認のポイントと注意点についてお伝えします。

借り換え時にはあらためて審査がある

住宅ローンの借り換え時には、新規で借りた時と同様に審査があります。借り換え可能かどうかは審査次第で決まります。

「対象物件」と「借りる人の返済能力」の2つの側面から審査されます。それぞれの審査内容をまず確認しておきましょう。
 

審査対象(新規借入と同じ)

  • 対象物件
  • 借りる人の返済能力

 

対象物件の審査

対象物件について下記のような内容の審査が行われます。

  • 物件が金融機関の定める基準に適合しているか
  • 物件価値が担保として十分であるか

「物件が金融機関の定める基準に適合しているか」は、借入れ時から建物に変化がなければ通常は問題ありません。

しかし、増築した、ガレージを作ったなどの変化があると、審査基準を満たさない可能性があります。

また、物件価値については、建物や土地の価額が下がると、それに伴って担保評価も下がります。

担保評価が低ければ、希望する金額を借りることができない場合があります。
 

借り換え時のマイナス要素

  • 増築や改修など ⇒ 審査基準を満たさない
  • 物件価値の下落 ⇒ 担保評価が下がる

 

借りる人の返済能力の審査

  • 年収
  • 勤務先
  • 勤務年数
  • 住宅ローン以外の負債
  • 現在の健康状態など

返済能力については、借り換え時の上記要件について審査されます。
 

借り換え時の勤務状況と収入

借り換えの直前に転職した、起業したなど、働き方が変わると数年間は借り換えできなかったり、借入金利が高めになるなどの可能性があります。

また、借入れ上限額は借り換え時の年収で計算されます。勤務先が変わっていなくても、借入れ当初よりも年収が下がっていると、希望する額を借りられないこともあり得ます。
 

他の借り入れ

さらに、借入れ上限額は住宅ローン以外のマイカーローンや、家電などの分割払いなども含めて計算されます。

ローンの借り換えを確実にするためにも、これらのローンがあれば、事前に完済しておきましょう。
 

健康状態

健康状態についても注意が必要です。民間金融機関の住宅ローンでは、基本的に団体信用生命保険に加入できることが融資の条件となっています。

借り換え前に病気をして治療を受けている場合などでは、団体信用生命保険への加入がむずかしくなります。

健康状態に不安があるなら、引受基準を緩めた団体信用生命保険を取扱う金融機関を探してみるのも、方法のひとつです。
 

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借り換え特有の注意点

借り換え時の審査内容は、新規借入れ時の審査内容以外に次のような注意点があります。
 

配偶者の働き方や年収

ペアローンの場合

ペアローンや夫婦の年収を合算して住宅ローンを組んだ場合、配偶者の働き方や年収にも注意が必要です。ペアローンは一つの物件に対して夫婦が別々に二つの住宅ローンを組む仕組みです。

ペアローンで組んだ住宅ローンを借り換えする時は夫婦二人の住宅ローンを同時に同じ金融機関へ借り換える必要があります。

妻が出産などで仕事を辞めて収入がないと、審査が通らないこともあり得ます。

収支合算の場合

また、借入れ当初、夫婦の年収を合算してローンを組んでいるケースでは、2人の合計収入を元に借入れ可能額を審査しています。

借り換え時に夫婦の合計年収が下がっていると、借入れ可能額が下がり、希望額の額を借りられない可能性もあります。

夫婦で借りている住宅ローンの借り換えを検討するなら、2人の収入の現状や今後についての確認も必要です。

 

自宅を賃貸に出している

住宅ローンは、原則として自分自身が住むための住宅に融資されるローンです。転勤などで居住しておらず、他人に賃貸している時も借り換えができないことがあります。

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まとめ

借り換えでは、新規で借入れをする時と同様に審査があることや、夫婦の働き方や収入が変化していないかどうかは注意点です。

今は共働きでも、これから出産を予定しているなど収入が下がると予想されるなら、早めに借り換えを済ませておいた方がよい場合もあります。

将来の働き方や夫婦の収入なども考えて、借り換えを検討してみましょう。