住宅ローンは銀行などの金融機関だけではなく、勤務先や自治体から借入れできる場合もあります。

また、金融機関によって取扱う商品やローンの付帯サービスにも違いがあります。どのように金融機関を選べばよいか、また、店舗とネット銀行の違いなどを見ていきましょう。

住宅ローンはどこで取り扱っている?

住宅ローンは主に、銀行(ネット銀行)や信用金庫・信用組合、信託銀行、農協および生命保険会社などで取り扱っています。

また、勤務先によって取扱う財形住宅融資制度や、一部ですが自治体の住民向けの融資などもあります。

さらに、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して融資する「フラット35」があり、多くの金融機関で取り扱っています。最近では住宅ローン専門会社である「モーゲージバンク」も増えており、フラット35を中心に取り扱っています。

民間住宅ローン 銀行(ネット銀行)
信用金庫・信用組合
労働金庫
JA(農協)
生命保険会社
住宅ローン専門会社
公的融資 財形住宅融資
自治体融資
フラット35 提携金融機関(住宅金融支援機構)

どこで借りるかはどう決める?

住宅ローンは、金融機関によって融資対象者や融資条件、取扱い商品や付帯サービスも違います。何を基準に選べばよいのでしょうか?

融資条件を満たせるか

住宅ローンを借入れするための要件には、安定収入があること、会社員であれば正社員であること、勤続年数が2,3年以上であること、健康状態が良好であることなどがあります。

しかし、必ずしもこれら全ての要件を満たしていないと借入れできないというわけではありません。

・正社員ではない人
金融機関によっては、2年以上の勤務年数と安定した収入がある契約(派遣)社員であれば利用できる商品があります。フラット35のように、職業にかかわらず前年収入を基準に審査する商品を選ぶ選択肢もあります。

・転職して間もない人
転職先が一部上場企業で安定している、キャリアアップの転職で今後も安定した年収が見込めるなど、転職したばかりでも状況によっては借入れできるケースもあります。

また、勤続年数の要件を定めていないフラット35も候補になります。

・持病がある人
団体信用生命保険(団信)への加入が任意であるフラット35や、告知事項をゆるめた引受基準緩和型の団信(ワイド団信)を取り扱う金融機関を選ぶ方法があります。持病の症状が安定しているなら、医師の診断書をつけて申し込めば、通常の団信に加入できる場合もあります。

自分に合った商品や金利プランがあるか

自分が希望する金利タイプがあるかに加えて、繰上返済の利便性や団信の保障内容、付帯サービスなどにも注目してみましょう。

・金利プランで選ぶ
同じ固定金利選択型でも、金融機関によって選べる固定期間が多くあるところや種類が絞られているところがあります。

また、異なる金利タイプを組み合わせるミックス金利を取り扱う金融機関もあります。自分が希望する金利タイプがあるかどうか、その金利の水準は他行と比べて高いか低いかなどを見て選びましょう。

・借入れ後のメンテナンス性で選ぶ
繰上返済を定期的に行いたい、自動的に繰上返済してほしい、など繰上返済に重きをおいている場合には、その操作性や利便性に注目してみましょう。

また、金利が上がってきた時に変動金利型から固定金利選択型へ変更することも考えている、という場合には、その手続きが簡単にできるか、などもチェックポイントになります。

・団信の保障内容によって選ぶ
最近では、通常の団信の他に保障範囲を拡大した団信や、失業や自然災害に対応する補償がつけられる団信など、いざという時の安心で差別化している金融機関があります。

8疾病保障付住宅ローンなどは、通常は保険料として0.3%程度の金利上乗せが必要ですが、地方銀行や一部ネット銀行などでは、金利の上乗せなしに加入できるところもあります。

・付帯サービスで選ぶ
住宅ローン契約者向けに、提携商業施設で割引が受けられたり、家事代行サービスを申し込める特典のある金融機関があります。

<どこで借りるかのチェックポイント>

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店舗とネット、それぞれの銀行の特長は?

最近は、ネット銀行でも住宅ローンが取り扱われ、金利タイプが豊富、金利水準が低いなどの特徴があります。

とはいえ、まだまだネット銀行での手続きは不安という人も少なくありません。店舗のある銀行とネット銀行それぞれの特長をみてみましょう。

店舗のある銀行

担当者と対面でローン相談できることが最大の特長です。商品内容について、ホームページに掲載されていない情報やパンフレットで不明な点があっても、その場で質問して納得するまで相談できます。

担当者の顔が見える安心感や信頼感を求める人、店舗に足を運ぶことが苦にならない人なら近くに店舗やローンプラザのある銀行がよいでしょう。

ネット銀行

申込みから契約まで、インターネットを利用した手続きが基本になるため、出向くことなくていつでも申し込みや手続きができることが最大の特長です。

商品内容に不明な点があれば、コールセンターや、中にはスカイプ(インターネット通話)を利用して相談できる銀行もあります。一般的に金利は低めで、ローン諸費用も少なく抑えられるのもネット銀行の特長です。

店舗に出向く時間が取れない人、より金利の低い商品を求める人はネット銀行の利用がおすすめです。

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住宅ローンの借入先とは長く付き合うことになります。融資条件や商品・金利に加えて、個別に相談したい事項の有無や窓口に出向く時間的余裕があるかなど、自分の重視するポイントに添って検討しましょう。