住宅を購入する際、必要資金のすべてを現金で用意するのは難しいもの。準備できない額を補うのに利用するのが「住宅ローン」です。
そもそも住宅ローンとはどんなローンなのでしょうか? 種類や特徴、借入れにあたっての条件とは? ここでは、住宅ローンの初歩の初歩を学んでいきます。
目次
住宅ローンとは?
どんな時に借り入れできる?
住宅ローンはその名の通り、住宅を取得する際に利用できるローンです。住宅取得以外の目的には利用することができません。この点が、借入目的を限定しないフリーローンなどとは大きく違うところです。
また、住宅ローンは「本人が住むため」というのが、借り入れの大原則で、賃貸物件や土地のみの購入には利用できません。
ただし、中には「両親や子が住むための家」や「セカンドハウス」にも利用できる金融機関もあります。その際は、住宅ローンの利用条件に含まれているかどうか、前もって確認してみましょう。
どんな人なら借り入れできる?
住宅ローンはどんな人でも利用できるわけではありません。会社員、自営業にかかわらず「安定した勤労収入がある」ということが原則です。
そのため、専業主婦や定職についていない人などは借り入れできません。収入の下限などの条件は金融機関によって異なります。
いずれにせよ、最低でも200万円程度の安定収入がないと、借入れそのものは厳しいと考えましょう。
会社員の場合は、正社員であることが原則です。ただし、派遣社員や契約社員でも、勤続年数や収入の安定度によっては、借り入れできる金融機関もあります。
また、自営業の場合は、一般的に直近3年間の安定した収入があることが求められます。
これらの条件は金融機関によって異なりますので、最初の金融機関で借り入れできなかったとしてもあきらめずに、いくつかの金融機関をあたってみましょう。
住宅ローン契約者の条件
- 安定した勤労収入
- 最低200万円以上の年収
- 会社員 ⇒ 原則正社員だが派遣社員や契約社員でも可能な場合あり
- 自営業 ⇒ 直近3年間の安定収入
民間住宅ローンとフラット35の違い
住宅ローンは大きく分けると、「民間住宅ローン」と「住宅金融支援機構のフラット35」の2つになります。ここでは、それぞれの違いを見てみましょう。
民間住宅ローンの特徴
民間住宅ローンとは、都市銀行や地方銀行などの一般銀行、信用金庫、JA、労働金庫、住宅ローン専門会社、また生命保険会社や信販会社などが扱っている住宅ローンのことを言います。
民間金融機関などが扱うローンという意味合いから「民間住宅ローン」と呼ばれています。
大きな特徴は、各金融機関が独自の商品を提供しているため種類がたくさんあること。金利タイプも、変動金利型・固定金利選択型・全期間固定金利型から選べます。
また、団体信用生命保険の種類や付帯サービスなどのラインナップも豊富です。金利の引下げや融資の条件なども、取り扱う金融機関によってさまざまで、より自分の条件に合った住宅ローンを見つけやすいといえるでしょう。
一方で注意点もあります。ほとんどの民間の住宅ローンでは「団体信用生命保険(団信)に加入できること」が利用条件です。健康上の理由で団信に加入できない場合は、民間住宅ローンの利用は難しいでしょう。
ただし、加入の条件を緩くした「引受条件緩和型」の「ワイド団信」を取り扱う金融機関もあるので、相談をしてみましょう。
フラット35の特徴
フラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して融資する、全期間固定金利型の住宅ローンです。
最大の特徴は、借入時に完済までの金利が確定すること。保証人や保証料が不要で、団体信用生命保険の加入も任意とされています。健康上の理由から民間住宅ローンを利用できない人にも、借入れの門戸を開いている点も特徴的です。
また、民間住宅ローンに比べ、借りる人に対する審査条件がやや緩めです。年収が低めの人や、勤続年数の短い人、自営業の人などにとって、より借り入れしやすいローンといえます。
ただし、一般の住宅ローンに比べ、建物の審査基準は厳しくなっています。住宅金融支援機構の示す技術基準を満たす物件がどうか、あらかじめ不動産会社や工務店などに確認しておきましょう。
物件購入以外に借入れ対象となるものは?
住宅ローンを利用できるのは、住宅の購入や新築の場合だけではなく、住宅を建てるための土地購入、増改築、購入に伴うリフォーム、借換えの場合などにも利用できます。
また、金融機関によっては、ローン手数料や火災保険料など、住宅購入のための諸費用も併せて借り入れすることができます。中には、住宅取得に伴う家電や家具の購入費用なども認めているところもあります。
いずれにせよ、金融機関ごとに利用条件は異なります。利用したい場合には、自分の借入目的のために使えるかどうかを、あらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
住宅ローンは他のローンに比べ、低い金利で借入れできるローンです。とはいえ、借金であることに変わりありません。
また、住宅は高額な買い物ゆえに、借入額も大きくなるでしょう。返済計画をしっかり立て、最後まで返済し続けることが最も重要です。
そのためにも、借入れの条件や、商品内容を十分比較し、少しでも賢い借入れをしましょう。