40代・50代で就学中の子どもがいる家庭では、この頃が教育費の負担が大きく、家計支出がピークを迎える時期です。
その一方で、老後生活費の準備として貯蓄や資産運用も考えなくてはいけません。この年代が住宅資金計画を立てる場合に気を付けたいポイントを見ていきましょう。
中高年世代が気を付けたい借入時の注意点は?
40代・50代になると、一般的には若い頃よりも収入が多くなっているため、借入希望額が少々高くても、審査は通りやすくなっています。
その反面、定年退職までの期間が短くなるため、何年で完済するかを慎重に考える必要があります。在職中に完済できないようなら、退職後でも住宅ローンを払い続けることができるかを考える必要があります。
また、子どもが高校・大学へ進学し、支出が増加する中で、老後生活資金準備も考えなくてはいけない年代です。
つまり、この年代は高額な借入れができる反面、子どもの教育資金や老後生活資金準備を考えて、適正な借入金額を決める必要があります。
<世代による定期的な収入と支出の変化>

定年時完済にこだわらず借入期間を長くすることも検討しよう
退職までに完済しようと考えると、借入期間は「退職年齢-現在の年齢」となります。仮に退職年齢が65歳で現在の年齢が42歳であれば、借入期間は23年です。
しかし、子どもの教育費がこれからピークを迎えるのであれば、住宅ローンの借入期間は退職時期にとらわれず、借入期間を長めに設定して月々の返済額を軽減しておきましょう。
子どもの教育費がなくなり家計に余裕ができた後で、貯蓄や退職金を繰上返済に充てるなど、子どもが就学中の教育資金を確保しつつ、老後の返済を軽減する計画を立てましょう。
<教育費など住宅ローン以外の支出も考えた返済プランを考えよう>

余裕を持って老後の生活資金準備できる返済プランを考えよう
中高年世代は、老後についても本格的に考え、準備する時期になります。
マイホームの購入予算を決めるにあたり、リタイア後の生活に必要となる資金準備についても考えることが大切です。住宅ローン返済をしながら、老後の生活資金を準備するためのポイントを見てみましょう。
住宅ローンの完済後、リタイアまでの期間は?
収入があるうちに住宅ローンを完済すれば、完済後は住宅ローン返済額相当の金額を貯蓄に回すことができます。完済後からリタイアまでの期間は金銭的に余裕ができたとしても必要以上の支出は避け、老後生活資金のための貯蓄や資産運用を考えましょう。
住宅ローンを返済しながら、毎月貯蓄できる余裕はある?
投資信託等で運用しながら増やしたいと考える場合には、ある程度長い期間が必要です。このような考えの場合には、住宅ローン完済後にまとめて貯蓄するのではなく、住宅ローンを返済しながら毎月積み立てる方法がよいでしょう。
ただし、住宅ローンの借入額は貯蓄ができる範囲にしておく必要があります。
退職金は住宅ローン返済に充てることができるか?
老後の生活費の原資は「公的年金」「退職金」「貯金や個人年金などの自助努力で貯めたお金」です。公的年金だけでは老後の生活費を賄いきれないことが多く、退職金や貯蓄を充当する必要があります。
退職金を住宅ローンの返済に充てる場合、老後の生活のためのお金は不足しないか、試算しておきましょう。
定年退職後も働くことを検討する
返済期間を定年退職までにすると返済期間が短くなり、希望の物件を購入するための借入額まで借入れできないかもしれません。
このような場合、定年退職後も働くことや借入期間を長めにすることができないか考えてみましょう。
<今後の暮らし方全般から住宅ローンを考えよう>

中高年世代は、返済期間や金融機関の審査条件から考えると、住宅ローンを使ってマイホームを購入できるラストチャンスです。
子どもの教育費や老後の生活資金準備なども考慮して、住宅ローンの借入額や完済までの返済計画を考えましょう。