小さな子どもがいる子育て世代は、子どもへの教育方針や家族の働き方など、徐々にライフプランや将来の収支が確定してきます。
住まい選びについても、住居エリアや物件価格など、具体的に考えるには適した世代といえます。そんな子育て世代の住宅購入計画のポイントを見ていきましょう。
子育て世代は住宅購入計画を考えやすい時期
独身時や夫婦二人暮らしの時に比べると、子育て世代は将来の暮らし方やイベントなどが予測しやすくなり、自分や家族の生活スタイルが見えてくる時期です。
家族構成が確定することで間取りや部屋の広さなどが決めやすくなります。子どもの育て方について方向性が決まっているのであれば、教育環境などを考慮した住居地選びも可能です。
さらに、将来の収入や支出についてもある程度見通しが立つ時期です。物件選びについても、購入予算についても住宅購入計画を立てやすい世代といえるでしょう。
<将来の支出の変化を考えた資金計画をしよう>

将来の収入・支出を考慮した住宅購入計画を立てる
子育て世代が住宅購入計画の際に気を付けたいことは、「世帯の合計収入」と「これから必要になる教育費」、そして「老後の生活資金準備」です。
世帯収入が変化する可能性は?
夫婦の働き方の変化による収入の増減は、資金計画に大きく影響します。特に、子育て中の配偶者の働き方についてはよく話し合っておきましょう。
配偶者がどのくらいの期間働くのか? フルタイムやパートで働く場合の収入はどれくらい見込めるのか? など、働き方の変化による今後の世帯収入の増減を考えてみましょう。
たとえば、今後出産の予定がある場合、現在妻が働いていても、育児休暇などで、その期間の世帯収入が減少するかもしれません。収入が減少している期間も、住宅ローンの返済ができるように資金計画を立てましょう。
子どもの教育費について考えよう
子どもの教育方針を考えてみるとともに、必要になる教育費の相場を知っておきましょう。公立中心に考えるか、私立中心に考えるかで必要な金額が異なります。
今は子どもが小さくて、あまり教育費がかかっていないという場合でも、将来教育費がかかる時期でも無理なく返済できる借入額にしておきたいところです。
<教育費の年額(平成24年度)>
公立 | 私立 | ||
---|---|---|---|
幼稚園 | 230,100円 | 487,427円 | |
小学校 | 305,807円 | 1,422,357円 | |
中学校 | 450,340円 | 1,295,156円 | |
高等学校 | 386,439円 | 966,816円 | |
大学 | 国立 | 817,800円 | - |
文系 | - | 1,153,279円 | |
理系 | - | 1,491,479円 |
(大学は初年度)文部科学省「平成24年度子供の学習費調査」「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「私立大学等の平成24年度入学者に係る学生納付金等調査結果」
老後の生活資金準備も見据えよう
子育て世代は、年齢的には住宅ローンの借入期間を長くできます。長めの借入期間で月々の返済額を抑えられることは、子どもにお金のかかる時期にはメリットです。
ただし、借入期間を長くすると、借入時の年齢によっては退職後も返済が続きます。老後生活資金準備のことを考えると、できるだけ早く住宅ローン返済を終え、老後の生活資金のために貯蓄できる期間をつくりたいものです。
子どもの教育費が終了したら積極的に繰上返済をし、早めに完済するなどの資金計画を立てましょう。
子育て世代の住宅ローン借入れのポイントは、現時点での家計だけでなく、将来教育費がかかるようになっても無理なく返済できるような返済計画を立てることです。
子どもに好きなことをさせてあげるためにも、余裕がある返済額になるような借入れを心がけましょう。