20代独身者が住宅購入を考える際に気を付けるべきことは何でしょうか? 20代独身者の場合、結婚、転職・独立など、確定していない要素が多く考えられます。

今後の生活の変化を考慮した20代独身者の住宅資金計画についてお伝えします。

20代独身者は返済期間で有利

20代独身のうちに住宅ローンを借入れするメリットは、住宅ローンの借入期間を長く取れることです。借入期間を長くすると月々の返済額は少なくてすみます。

今後、結婚・子どもの誕生などで支出が増えた場合でも、貯蓄ができるくらいの余裕を持つために月々の返済額を抑えておくことも必要です。

<借入期間の違いによる返済額の変化(60歳時完済の場合)>

借入れ開始年齢 借入期間 返済額
25歳 35年 94,823円
30歳 30年 10,6440円
35歳 25年 122,820円
40歳 20年 147,540円

※借入金額3,000万円、金利1.7%、元利均等返済、ボーナス払いなし

また、20代前半で借り入れした場合、借入期間35年の住宅ローンを組んでも定年までにローンを完済できます。30代以降で同様に住宅ローンを組むと、通常は60歳を超えても返済が続きます。

定年後、収入が下がった時の返済を考えると、定年までに完済するメリットは大きいといえるでしょう。

一方で、20代独身者は30代、40代に比べてまだ収入が低い時期といえます。住宅ローンで借り入れできる額は収入が大きく影響するため、希望する金額を借り入れできない可能性もあります。

例えば、年収が400万円の場合、返済負担率が30%、審査金利が4%の金融機関では、借入可能額は約2,260万円(35年返済の場合)となります。
もっと多く借入れしたいという場合には、一定の要件を満たす父母(祖父母)の収入を合算する方法があります。ただし、例えば収入合算した父が退職したなどで収入が減った場合でも、一人で返済可能かを考えておきましょう。

貯蓄できる借入額で将来の生活変化に備えよう

長めの返済期間でローンの借入額を抑え、貯蓄ができる程度の返済額にしておけば、将来の生活に変化があった時でも、柔軟に対応しやすくなります。

例えば、結婚や子どもの誕生などで支出が増えた時でも、それまで貯蓄するゆとりがあれば、支出が増加してもカバーできます。

生活に変化が起きる時は、支出が増えることも多いのです。購入後、住宅ローンの返済をしながらでも貯蓄可能な余裕のある借入額にしましょう。

<貯蓄が出来る余裕を持った購入計画を立てよう>

home-loan-34-2

少し先の住宅購入のための準備は?

20代独身者の場合、住宅購入は将来の人生設計がある程度定まってからでもよいと考える人もいるのではないでしょうか。そんな人は、購入したくなった時にはすぐに買えるよう、次のような準備をしておきましょう。

自己資金作りをしておく

自己資金が多ければ、住宅ローンの額を少なくできる、物件の予算を上げられるなどの効果があります。

銀行の積立定期預金や財形貯蓄など、毎月自動で積み立てることができる金融商品を利用し、確実に貯まる仕組みを考えましょう。

住宅購入直前の転職は避ける

転職直後だと住宅ローンを借りることができない場合があります。キャリアップや収入アップのために転職を検討している人もいると思いますが、住宅を購入したいと思った場合、転職のタイミングには注意が必要です。

安易にローンを組まない

クレジットカードでの分割払いやリボ払い、キャッシング、マイカーローンがあると住宅ローンの借入額が少なくなることがあります。これらの借入れがある場合は、事前に完済することを心がけましょう。また、新たな借入れは極力しないようにしましょう。

<住宅ローンに使える年間返済額>

home-loan-34-3

貯蓄での自己資金作りはもちろん、住宅ローンが借りやすい環境を整えておくことで、いざマイホームが欲しいと思ったときに、より良い住宅取得ができるでしょう。