将来金利が変動することを気にせずに、安定した返済ができるのが全期間固定金利型の住宅ローンです。
全期間固定金利型の金利の決まる仕組みや、メリット・デメリットを整理するとともに、どんな人に全期間固定金利型の住宅ローンが向くのかまとめてみました。
全期間固定金利型の金利はどう決まる?
全期間固定金利型とは、借入期間中の金利が決まっている住宅ローンのこと。一部に一定期間経過後に金利が変わるものがありますが、いずれにしても、当初から完済までの金利と毎月返済額が決まっています。
住宅ローンの中では比較的わかりやすく、シンプルな金利タイプといえるでしょう。
借りた時点で金利が決まるので、なるべく金利が低い時に借りたいと思うものです。全期間固定金利型の金利はどのように決まるのでしょうか?
何を基に金利を決めているのか?
全期間固定金利型の金利は、「長期金利」を基に決められます。長期金利の代表的な指標が「新発10年国債の利回り」です。
国債などの債券価格は景気と関係しています。債券市場の取引により債券価格は変動し、債券価格が下がれば(上がれば)、利回りは上がる(下がる)という関係です。
一般的に、景気がよくなると長期金利は上がり、逆に不景気になると長期金利は下がります。実際には多くの要因で変動しますが、全期間固定金利型の金利動向を読むには、景気の先行きに目を向けるとよいでしょう。

メリット・デメリットは?
全期間固定金利型は、借りた時に毎月返済額や総返済額が確定するので、住宅ローン返済中の家計管理がしやすくなります。
金利の動向に影響されずに最後まで安定した返済ができることが、全期間固定金利型の最大のメリットといえます。
一方で、金利は変動金利型など他の金利タイプよりも高めに設定されているため、一般的に返済額は高めになります。
また、もし将来長期金利が下がっても、金利は固定されたままですから、その恩恵を受けることはなく、返済額が下がらないことはデメリットといえるでしょう。
○ メリット | × デメリット |
---|---|
・世の中の金利が上昇しても、自分の住宅ローンの金利は変わらない | ・変動金利型より概ね金利が高い |
・借入時から完済まで毎月返済額が一定である | |
(総返済額が借入時に決まる) | ・金利下降期に借りると、結果として他の金利タイプより返済額が多くなるかもしれない |
こんな人は全期間固定金利型を
以上のような特徴から、全期間固定金利型のが向いているのは次のような人といえます。
- 子どもが小さくこれからお金のかかる人
子どもが小さく、これから教育費などの支出が増える世帯にとっては、住居費が確定していれば、将来の家計の予測がしやすくなります。不足する分は貯蓄するなど計画的な準備がしやすくなります。 - 毎月の家計に余裕がない人
毎月の家計が赤字になりがちで、貯蓄する余裕があまりない人は全期間固定金利型を選ぶといいでしょう。
今も余裕がないのに、将来、金利が上昇し返済額が増えてしまうと、家計の赤字が広がる可能性が高まります。これ以上の赤字を生まないような家計づくりには、住宅ローンの返済額が安定している方がよいでしょう。

上記のようなお金の問題だけでなく、性格的に全期間固定金利型を選ぶほうがよい人もいます。
例えば、住宅ローン金利を毎月チェックするタイプではない。今後の金利情勢に一喜一憂したくないといった人が該当します。
金額の面でも、精神的な面でも、あまり変化を望まない、変化に対応していくのは苦手という人に向いているのが、全期間固定金利型です。
関連記事
金利、固定金利と変動金利などについては上記のページで詳しく説明していますので、こちらも合わせて参考にしてください。