購入物件が決まったら、住宅ローン商品を具体的に決める段階です。数多くの住宅ローンの中から自分に合ったものを選ぶには、まずは金利タイプの選びが重要です。
金利タイプが決まれば、住宅ローン選びもぐっと簡単になります。
借入額・借入期間から決める
住宅ローンは、借入額や借入期間によってもどれを選んだらよいかが変わります。
まずは気に入った物件が見つかったら購入できる予算なのか、すぐに判断するためにも、物件を探す前に、住宅ローンの借入額や借入期間を考えておきましょう。
借入額はいくらにするか
住宅ローンは通常、何十年もの長期にわたり毎月返済していくものです。現状の収入で返済できるかだけでなく、家計の収支に変化があっても返済可能な借入額にすることが大切です。
住宅ローンの返済以外にも、固定資産税や住宅設備のメンテナンス費用など、所有・維持するための費用がかかること考慮し、返済できる金額を考えましょう。
借入期間は何年にするか
同じ借入額・金利であれば、借入期間が長くなるほど毎月返済額は下がります。今後、教育費など支出が増える見込みであれば、借入期間を長めにして毎月の返済額を抑えることも検討しましょう。
ただし、借入期間を長くすると借入時の年齢によっては、リタイア後も返済が続きます。リタイア後に収入が減っても返済できるかどうかは慎重に判断しましょう。
借り入れ期間について詳しい解説は次のページにあります。
借入期間は何年がいい?
金利タイプと金融機関を決める
借入額や借入期間が固まったら、自分に合う金利タイプを検討します。
住宅ローン選びというと、「どこの金融機関にするか」から考えがちですが、まずどの金利タイプにするかを決めることで、どこの金融機関で借入れするかが決めやすくなります。決める際の考え方や注意点を見ていきましょう。

性格や家計の余裕度を踏まえて金利タイプを決める
借入額が適切であれば、基本的にどの金利タイプでも返済できるでしょう。ただし、性格や家計の余裕度、経済への関心度などを考慮した決め方も必要です。
「家計管理はまめにできるか」「家計収支は今後もプラスを維持できるか」「世の中の金利動向をこまめにチェックできるか」などを考えたうえで、金利タイプを決めましょう。
同じ金利タイプ同士で比較し金融機関を決める
金利タイプを決めたら、同じ金利タイプ同士で金利を比べ、なるべく低利な金融機関を探します。金利は、「店頭金利」から一定幅を引き下げた「適用金利」が実際の借入金利です。引下げ幅は、借り入れする人の年収や職業、物件価格に対する借入割合などで変わります。
適用金利は審査を経て正式に決まりますので、引下げ幅が大きく、最も金利の低くなる金融機関で決めましょう。
なお、固定金利選択型には、金利の引下げ方法に「当初引下げタイプ」「全期間引下げタイプ」の2種類があります。自分の借入額や借入期間だと、どちらが有利になるかはシミュレーションしてみるとよいでしょう。
その上で、金利を「当初引下げタイプ」同士で、「全期間引下げタイプ」同士で比べてください。
住宅ローンの利用条件などを確認する
金利が低い金融機関を選んだら、最低年収、勤務年数や勤務形態など、その金融機関の住宅ローンの利用条件を調べます。
ただし、利用条件のすべてが明示されているわけではありません。不明な点は金融機関に直接確認しましょう。
借入れに必要な諸費用も含めて考える
金利に差がなくても、借入れに必要な手数料、保証料などの諸費用が金融機関ごとに異なります。保証料なしでも手数料が高い金融機関もあるため、トータルの費用で比較する必要があります。
住宅ローンの諸費用の違い
項目 | 金融機関による違い |
---|---|
保証料 | ・一括前払いのほか、金利に上乗せできる金融機関もあり ・保証料無料の商品あり |
手数料 | ・保証料がかかる民間金融機関は、一般的に32,400円の手数料がかかる ・保証料なしの商品は事務手数料がかかる。定額型と定率型があり、定率型の場合「借入金額×2.16%」程度の金融機関が多い。 |
ミックスローンにした場合の諸費用 | ・通常、複数の金利タイプを組み合わせたミックスローンは、契約書の数だけ印紙税がかかる。抵当権設定登記も別々に行うため費用が増える ・ミックスローンであっても1件分の費用ですむ金融機関もある |
団体信用生命保険特約料 | ・民間住宅ローンでは保険料は金利に含まれる ・フラット35の場合、別途特約料が必要 |
また、最近では、団体信用生命保険の保障内容が充実した商品が多く見られます。女性向けの特典がある女性向け住宅ローンなどもあります。保証を重視して選ぶのも、一つの住宅ローンの選び方です。
金利や諸費用以外の付帯サービスも含めて検討してみましょう。