住宅購入時、悩むことの1つに住宅ローン選びがあります。金利だけでなく、団信(団体信用生命保険)や付帯サービスの種類も増えているため、ますます難しく感じるかもしれません。
そこで、悩んだ時には住宅ローンのプロに相談してみましょう。どのようなことを相談できるのか、また、相談時に用意したい書類についても知っておきましょう。
相談はどこで誰にする?
住宅ローンに詳しい人には、住宅ローンを取り扱っている銀行、お金のことに広く相談に応じているファイナンシャルプランナーなどがいます。
それぞれの特徴を知り、自分のニーズにあわせて相談相手を選びましょう。
住宅ローンのプロ「銀行」
・どんなことを相談できる?
銀行なら、住宅ローンに関する事はすべて無料で相談できます。借入可能額の算出や返済額のシミュレーションもしてもらえます。
また、事前審査(借入要件を満たすかどうかの審査)や、本審査(正式な審査申込み)など、借入時に必要な手続きについても相談することができます。同時に審査申込み自体もできますが、必ずしもその銀行で借り入れする必要はありません。
銀行によって、商品内容や審査の方法はさまざまです。納得できる住宅ローンを選ぶためにも、いくつかの銀行に相談してみましょう。
<銀行に相談できる主な内容は?>
・良い点や注意点は?
自行の住宅ローン商品については、詳しい説明を受けることができます。
たとえば、具体的な金利の引下げ幅や、諸費用の額などが確認できるのが良い点です。反対に、他の金融機関の商品は詳しくないケースが多く、「他行と比べてどうか」といった疑問を解決することは難しいでしょう。
また、銀行は貸し手であるため、ローンの提案は「借り入れできる額」の上限になりがち。自分にとっての「返せる額」をきちんと伝えたうえで、相談しましょう。
・どこで相談できるの?
銀行の各支店の窓口で相談できます。最近では、住宅ローンに精通した人がそろう「ローンプラザ」などのローン専門の店舗も増えています。
また、相談できる時間帯や曜日も、相談者への配慮がなされています。例えば、会社帰りの時間帯(18時まで、21時までなど)や、土日・祝日にも相談することができます。
店舗に出向くことが難しい場合は、電話で相談してみましょう。銀行のローン担当者につないでもらうか、ホームページなどに載っている住宅ローン専用相談ダイヤルを利用しましょう。
また、ホームページから相談の申込みをすると、担当者が電話をくれる銀行もあります。
相談者の立場から「ファイナンシャルプランナー(FP)」
・どんなことを相談できる?
一般的なローン知識に加え、金融機関よる住宅ローン商品の違いや、選び方のポイントなどを知りたいときは、ファイナンシャルプランナー(以下FP)に相談してみましょう。
金融機関に所属していないFPなら、借り手の立場からふさわしい借入額や金利タイプなどのアドバイスをしてくれるでしょう。ただし、一般的には借入れの審査手続きなどは受けていません。
また、FPによっては、相談できる分野を保険・資産運用など、一部に特化している場合もあります。住宅ローン相談を受けているかどうか、ホームページなどで事前に確認してみましょう。
<FPに相談できる主な内容は?>
・良い点や注意点は?
いくつかの住宅ローンを比較しながら、自分の希望にあった商品のアドバイスをしてもらえるのが利点です。
また、家計の収支や貯蓄額から、無理のない借入額や金利タイプを提案してもらえるのもFPならではです。住宅ローンに関連した国の制度(住宅ローン減税など)の案内や、住宅購入をきっかけとした家計改善の提案なども受けられます。
ただし、基本的には有料相談です。事前にサービス内容や料金の確認をしておきましょう。
・どこで相談できる?
ほとんどの場合、FPの事務所や指定場所での相談になります。中には、出張相談に応じてくれたり、インターネット通話(スカイプなど)、電話、メール相談などを行っているFPもいます。
他に相談できる人は?
銀行やFP以外に、工務店や不動産会社の担当者から住宅ローンのアドバイスをもらえるケースもあります。
住宅ローンに詳しい担当者もいますが、多くの場合は住宅ローンの専門家ではありません。販売することを前提にした提案内容になりがちですが、工務店の顧客に限り金利優遇された「提携ローン」については詳しく相談できます。借入額の提案など、販売のためのものになりがちなことも心得ておきましょう。
住宅ローンのことで悩んだら、専門家に相談すれば、疑問も消え安心につながります。自分にとって信頼できる相談先を見極めて、相談しましょう。
相談時に用意するもの
ローンを借りる人や購入する物件の情報がそろっているほど、より具体的な相談ができます。相談にあたり、準備したい書類や資料があります。
物件をこれから決める人は?
物件が決まっていな場合でも、借入可能額などの目安は算出できます。つぎのような書類を持参しましょう。
・過去3年分の確定申告書と決算書の控え(自営業者)
・健康保険証の写し(勤続年数の確認用)
・その他の借入明細(カーローンなど住宅ローン以外の借入れがある場合)
物件が決まっている人は?
住宅ローンは、物件も審査の対象です。物件情報があれば、融資可能な物件かどうかを判断してもらえます。上記の書類に加え、つぎのような書類も準備しましょう。
・チラシ・パンフレット・販売図面・物件概要書・価格表
・売買契約書・請負契約書・重要事項説明書
・土地の公図 など
FPに相談する人は、こんなものも用意しよう!
自分の家計に合った住宅ローン選びを相談するには、以下のような資料も合わせて用意しておきましょう。キャッシュフロー表で、借入可能額を具体的に試算してもらうのに必要な資料です。
・加入中の生命保険契約が分かるもの(保険証券のコピー)
・将来の年金受給額目安が分かるもの(ねんきん定期便)
・貯蓄額が分かるもの(メモ・預金通帳・証書) など
これらの書類や資料があれば、口頭で伝えるよりも相手に伝わりやすく正確です。限られた時間の中、より効率よく相談するためにも、ぜひ準備しておきましょう。