シニアケア(介護保険外)のメリットや選び方は?7つの疑問を解説
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「介護保険だとヘルパーさんに頼めないサービスがたくさんある」「一人ではできないことが増えてきた」ご家族に高齢の方が居たり、ご自身が年齢を重ねると、このような悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
そんな人達に人気なのが、介護保険外のシニアケアです。料理づくりや掃除といった家事代行やお話相手・見守り・旅行の付添等等、サービスの範囲も幅広く、高齢の方はもちろん、同居するご家族等にも嬉しい存在となっています。
ここでは介護保険外のシニアケアについて、よくある疑問を解説していきます。「初めてシニアケアを使いたいけれどわからないことが多くて不安」という時の参考にしてみてくださいね。
1.シニアケアとは?介護保険サービスとの違いは?
シニアケアとは、高齢の方を対象とした家事代行や見守り・付添い等のサポートを行うサービスです。介護保険の適用内では提供できないサービスを行えるのが大きな特徴となっています。
介護保険サービスとの主な違いとしては「介護認定が不要」「サービス範囲が幅広い」「時間の制限が無い」が挙げられます。それぞれの違いについて見ていきましょう。
介護認定を受けなくても利用できる
介護保険の制度では「訪問介護」「訪問入浴介護」「訪問看護」等のサービスを利用することができます。ただしこれは65歳以上の高齢者であり、なおかつ厳格な介護認定(要介護認定)をクリアした人だけが受けられるサービスです。
【要介護認定を受けるまでの仕組み】
- 最寄りの自治体の役所または地域包括センターで認定申請を行う
- 訪問調査が行われる
- 主治医の意見書等を提出する
- 訪問調査内容、意見書の内容、コンピューター判定、介護認定審査会による審査を受ける
- 要支援または要介護の状態区分の通知を受ける
この審査で「日常生活に特に不足が無い」と判定されると、要支援・要介護の認定は降りません。つまり「ある程度元気な高齢者」は介護サービスが不要とされ、国民制度としてのサポートを受けられないのです。
その点、シニアケアサービスでは介護認定の有無は関係ありません。対象年齢以上であれば誰でもサービスを利用することができます。
シニアケアならではのポイント①
- 元気なお年寄りもシニアケアを受けられる
- 訪問審査等は不要
生活援助や身体介護以外のサービスもOK
介護保険サービスでは介護・看護等のサポートを受けることができますが、その適用範囲は厳格に定められています。
【介護保険の身体介護サービス】
身体介護サービスとは、オムツ交換や入浴介助、食事介助などをヘルパーが行うことです。
- 食事の介助
- 排泄介助
- 入浴介助
- 衣類の着脱の介助
- 通院・外出介助
- 就寝・起床介助
【介護保険の生活援助サービス】
生活援助サービスとは、ヘルパーが介護以外の家事を行うことを言います。
- 日常的な掃除
- 日常的な洗濯
- 寝具の整え
- 衣類の保管・補修
- 一般的な調理
- 日常範囲内の買い物
- 処方箋薬の受け取り
一見すると「介護認定サービスで十分では?」思われるかもしれません。しかし、ここでいう「一般的な調理」や「掃除」とはあくまでも日常生活の範囲内となります。例えば「イベントのために特別なごちそうを作って欲しい」「部屋の模様替えをしたい」といったお願いはできません。
外出補助等も同じで、趣味のお出かけには付添はしてくれません。買い物も同様で、家族の分の買い出しもまとめて依頼するのは不可能です。ごくカンタンに言えば「あくまでも最低限の生活を送るためのサポートする」が介護保険の範囲内なのです。
さらに介護保険制度では、上の「生活援助サービス」は同居家族が居ると原則として利用ができません。
しかし保険外のシニアケアでは、このようなサービスの範囲を定めるものがないので、様々なサービスが提供されています。今まで頼めなかったペットの世話や同居家族の分の家事等も、シニアケアではあれば依頼ができるのです。
シニアケアならではのポイント②
- 趣味や特別な日のためのサービスも依頼できる
- サービスの範囲が幅広い
- 同居家族のためのサポートもOK
いつでもサービスを受けられる
介護保険制度を使った訪問介護サービスの場合、要介護度等を参考にしての「サービス時間(サービス提供時間)」は厳密に決められています。
例えば3時間も4時間もかかるようなお出かけとなると、介護保険サービスでは提供時間の範囲外となるケースがほとんど。つまり、付添いNGとなってしまうわけです。
また介護保険制度では、利用できるサービスの回数や頻度・日時等はあらかじめある程度決められています。「来週には4回来て欲しい」「明日は利用時間を増やしたい」といった依頼はできません。深夜・早朝対応が無い事業者もたくさんあります。
しかし保険外のシニアケアの場合、サービス提供時間や営業時間の制限はありません。サービス利用者が求める形に合わせて、柔軟にサービスが提供されるのです。
シニアケアならではのポイント③
- 利用回数や頻度は自分好みに決められる
- スポット利用(1回だけの利用)もできる
- 休日や深夜・早朝等の対応もOK
2.シニアケアの内容は?家事代行もOK?
介護保険外のシニアケアでは、調理や洗濯等の家事代行の他、付添や見守り・ちょっとした雑事やイベント準備等、様々なサービスを受けることができます。
掃除・洗濯の代行
- 衣類の洗濯
- 日常的な掃除
- 大掃除
- 窓のガラス磨き
- ワックスがけ
- 模様替え
- 家屋や家具の修理修繕
- クリーニングの受け取り 等
介護保険サービスとの大きな違いとしては、大掃除や模様替え等、日常生活の範囲外となる大掛かりな家事の代行も頼める点があります。
エアコン掃除や電球の傘の掃除等、ふだん手に届きにくい場所の掃除等の依頼もOKです。
調理代行
- 日常的な調理
- 特別な日の食事づくり
- ご家族分の食事の調理
- キッチン・水回りの掃除
- 食器洗いや片付け
民間型のシニアケアの場合、料理の代行ではサービス対象の高齢者の方はもちろん、同居のご家族の型のための食事も一緒に作ることができます。
お出かけの付添
- 散歩
- 趣味のサークル等への外出介助
- パーティーや観劇の付添
- 旅行の付添い 等
シニアケアでは、近隣へのお出かけはもちろん、特別な日のお出かけの付添いも行うことができます。
病院関連の付添
- 通院の介助
- 医師との面談補助
- 入院中のお見舞い・差し入れ
- 処方箋薬の受け取り
- 家族への報告
時間がかかる通院の介助や、医師との面談等の付添もOK。面談の内容はきちんと報告して貰えるので安心です。
買い物の同行・代行
- 食品や日用品の買い出し
- 買い物への同行・荷物持ち
- オンライン購入のお手伝い
重いもの・かさばるもの等を買ってきてもらう人もいれば、デパートやショッピングモールに同行してもらい、荷物を持ってもらうという人も。
近年ではネットショッピングを利用する際、製品の選び方等のサポートをしてもらう人も居ます。
日常生活のその他の用事
- ペットの世話・犬の散歩
- 車の洗車・車の内部清掃
- お庭の手入れ・庭掃除
- アイロン掛け
- 布団ほし・ベッドメイク
- 来客対応・お茶出し
介護保険サービスの範囲外となる上のような細かな家事や作業も、シニアケアであればヘルパーに代行してもらえます。
季節のイベント関連
- 正月や節句のための調理
- クリスマス等のパーティーの飾り付け
- 地域の行事への参加代行・同行 等
スポットサービス(単発サービス)が利用できるシニアケアでは、季節の行事の際に単発でヘルパーを依頼する人も多いです。
見守り・話し相手
- 夜間の見守り
- 認知症等による徘徊の抑止
- 話し相手・遊び相手
介護保険制度の範囲内だと、24時間の見守りや徘徊防止対策等を取ることはできません。しかし民間シニアケアを組み合わせれば、夜間・休日等の見守りも行ってもらえます。
3.シニアケアの対象者は?どんな人が使える?
シニアケアは、高齢者及びそのご家族を助けるためのサービスです。具体的には次のような人達がシニアケアを利用しています。
60歳~65歳以上が対象
「シニアケアを何歳から利用できるか」という年齢の規定は、事業者によって異なります。おおむね「60歳~65歳以上」と規定している事業者が多いです。
50%は介護保険サービス利用中
2021年現在、シニアケアを使っている利用者の50%は「介護保険制度」を利用している要支援・要介護認定済の人です。
つまり国や自治体による介護サービスも使っているけれど、それだけでは対応が不足しているので、民間シニアケアも併用しているというわけですね。
元気なお年寄り「アクティブシニア」も
近年では、60代~70代の元気な高齢者「アクティブシニア」によるシニアケアの利用も増えています。
例えば「普段の掃除はできるが大掃除は無理」「近所の散歩はできるが一人での遠出は不安」といった方が、単発的・一時的にシニアケアによるヘルパーのサポートを受けることも多いです。
同居の家族・介護中の家族
民間事業者によるシニアケアでは、サービス対象となる高齢者以外に、同居中や介護中の家族のためのサポートもヘルパーが行うことができます。
例えば同居のご家族分の食事を作ったり、高齢者の居室以外のお部屋の掃除を行ったり…といったご家族のためのサポートも可能です。
4.シニアケアを使うメリットは?
介護保険外のシニアケアを利用するメリットとして次のことが挙げられます。
- 高齢者のQOLの上昇
- 同居家族の負担軽減
- 遠方の家族の安心度の上昇
それぞれ詳しく見ていきましょう。
高齢者のQOLが上がる
「QOL」とは「Quality Of Life(クオリティ・オブ・ライフ)」の略称で、個人の人生の質・生活の質等を示す言葉です。
介護保険制度の規制の中では、高齢者は生活の中に様々な制限を受けねばなりません。しかし民間シニアケアであれば、好きなものを買いに行ったり、趣味のためにお出かけをしたりと、楽しい時間を過ごすことができます。
また衣替えや大掃除・大掛かりな片付け等ができれば、毎日の生活もスッキリと快適に過ごすことができることでしょう。シニアケアは単に「生きる」のではなく「気持ちよく充実した時間を過ごすためのサポート」となるのです。
同居家族の負担が軽減
夜間や休日等にもヘルパーさんに見守りや付添をしてもらえれば、介護中の家族の負担は大幅に軽減できることでしょう。また在宅介護中には、どうしても普段の家事がなかなか進まなくなってしまいがちです。
民間型のシニアケアであれば同居家族のための家事サポートもできるので、日々の家事作業等の負担も減らすことができます。
遠方の家族も安心
近年では核家族化によって、ご高齢の家族と離れて暮らす人も増えています。
「独居の親はまだ元気だけれど、定期的に様子を見て欲しい・・・」
このように思っている方も、民間事業者側のシニアケアであれば遠方のご家族によるご依頼等も受け付けることが可能です。
シニアケアでご高齢のご家族がきちんとサポートされていれば、離れて暮らす人も安心できることでしょう。
4.民間シニアケアの料金相場はいくら?
民間事業者によるシニアケアサービスの料金相場は、1時間あたり2,300円~6,000円(税抜)となっています。シニアケアサービスは介護保険の適用範囲外なので、利用料金は10割自己負担です。
なお料金相場は地域によってかなり大きく変動します。次の項目でお住まいの地域の相場を見てみましょう。
料金相場は地域で変動する
民間事業者によるシニアケアサービスの料金は、大都市圏になるほど高額になりやすい傾向があります。
【地域ごとのシニアケアの料金相場】
東京・大阪・名古屋 |
平均3,200円~6,000円 |
政令指定都市 |
2,800円~5,200円 |
県庁所在地等 |
2,600円~4,800円 |
その他の地域 |
2,300円~4,600円 |
※
価格はすべて税抜
全国対応をする大手事業者でも、地域ごとに料金設定が違うところも多いです。ただし定期利用をすると割引になることも多いですし、定期利用回数・時間が多いほど料金は下がります。
民間シニアケアの料金例
例として、シニアケアを扱う大手事業者の料金設定を見てみましょう。
【ベアーズ:アクティブシニアサポート】
内容 |
料金 |
備考 |
1回3時間以上(月2回~) |
3,300円/時間 |
延長1,650円/30分 |
1回2時間~3時間(月2回~) |
3,900円/時間 |
延長1,950円/30分 |
1回1時間~2時間(月2回~) |
5,500円/時間 |
延長2,750円/30分 |
※
価格はすべて税込
【ダスキン:ライフケア(東京・神奈川の場合)】
内容 |
料金 |
備考 |
基本料金 |
時間 9,900円 |
※1ヶ月8時間以上利用 |
スポット料金 |
時間 13,200円 |
※1ヶ月8時間未満の利用 |
※
価格はすべて税込
【ニチイライフ:シニアお手伝いサービス】
内容 |
定期利用料金 |
スポット利用料金 |
Sエリア |
3,960円 |
6,490円 |
Aエリア |
3,300円 |
5,830円 |
Bエリア |
2,860円 |
5,500円 |
- Sエリア=東京
- Aエリア=宮城県一部・茨城・埼玉・千葉・神奈川・静岡・愛知・三重・岐阜・滋賀・奈良・京都・大阪・兵庫・広島
- Bエリア=北海道・青森・岩手・秋田・山形・福島・栃木・群馬・新潟・山梨・長野・富山・石川・福井・和歌山・鳥取・島根・岡山・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄
※
1時間利用の料金
※
価格はすべて税込
なおシニアサービス利用時にヘルパーが2名以上必要となる場合には、別途料金がかかります。
6.シニアケア事業者の選び方にコツはある?
シニアケアのサービス提供を行う事業者を選ぶ時には、「担当者とのマッチング」「料金システムの細かな部分」「サポート体制」の3つを詳しくチェックすることが大切です。それぞれを詳しく見ていきましょう。
担当者とのマッチング
シニアケアのサービスでは、担当となるヘルパーがサービス利用者と相性が良いかどうかがとても重要になります。良い担当を見つけられるシステムを持った事業者を選ぶことが大切です。
スポットサービスはあるか
シニアサービスでは、定期利用型のサービスのみを展開する事業屋と、単発型・スポット型サービスも提供している事業者があります。
良いシニアサービス事業者をじっくり選ぶなら、単発型・スポット型のサービスを提供しているところから選び、まずスポットサービスから使ってみるのがおすすめです。
サービスの使い心地やヘルパーのレベル等は、一度使ってみないとなかなか体感できないものです。単発サービス利用の際には、サービス対象者の感想はもちろん、ご家族も一緒にサービス利用したり、遠隔操作の見守りカメラ等でヘルパーの様子をチェックしてみましょう。
担当者指名制度は?
定期型のシニアサービス利用の際、常に同じ担当者を指名できるかどうかは、事業所によって扱いが変わります。
事業者によっては、担当ヘルパー指名の際に別途指名料が発生するところもあります。また指名料は発生しなくても、人気のヘルパーについては、1ヶ月以上前の予約が必要なことも。事前にしっかり確認を取っておきましょう。
担当者変更はスムーズか
有能なヘルパーでも、なぜかサービス利用者との相性が合わない・・・ということはあるものです。万一ヘルパーが合わなかった場合にスムーズに次の人に来てもらえるのか、交代方法等は先に確認しておきましょう。
小規模のシニアケア業者だと在籍ヘルパーが数人しかおらず、交代がまともにできないことも考えられます。該当地域のヘルパーさんが何人くらい居るか、聞いておくことも大切です。
また個人事業型のシニアケア業者(フリーのシニアヘルパー)の場合、料金は大手に比べて安めですが、万一ヘルパーと合わなければ契約自体を打ち切る必要が出てきます。また改めて事業者探しを行うリスクも考慮しなくてはなりません。
料金システムで損をしないか?
シニアケアの基本料金だけでなく、追加料金やキャンセル制度をよく確認しましょう。「基本料金が安いから」と安易にシニアケア事業者を選ぶと、思わぬソンをすることがあります。
深夜早朝・休日の割増率は?
深夜早朝・休日の割増料金は、基本料金の125%~130%程度に設定しているところが多いです。
しかし事業者によっては、シニアケアサービスの基本料金は激安なのに、深夜早朝料金は基本料金の200%といった設定をしているところもあります。
民間型のシニアケアサービスは保険や医療制度を用いているわけではないので、料金設定は事業者が自由に設定できるのです。特に午後10時以降の深夜利用をすることが多い方等は、夜間休日の料金設定をしっかり確認しましょう。
キャンセル料発生はいつから?
サービス利用者の体調や家族音都合等によっては、突然シニアケアが不要となる日もあることでしょう。その場合のキャンセル料の規定も、事業者によって違います。
【キャンセルの規定】
ベアーズ |
サービス提供前日17時以降の連絡はキャンセル料100% |
ニチイ |
サービス提供前日17時以降の連絡はキャンセル料100% |
かじまある |
サービス提供1営業日前の15時以降の連絡はキャンセル料100% |
例えば『かじまある』では土日の電話サポートが休みなので、月曜のキャンセル連絡は金曜15時までに行わなくてはなりません。頻繁にスケジュールが変わるご家庭だと、キャンセル料が嵩むおそれも考えられます。
サポート体制は手厚い?
担当者との相性はもちろんですが、事業者そのもののシニアサポートへの体制を見ておくことも大切です。
無料面接制度はある?
特に定額サービス利用時には、事前の顔合わせや面接は必須と言えます。
できれば営業担当またはエリアマネージャーと担当予定のヘルパー2名で来訪してもらい、サービス利用者や同居のご家族と話し合いをすることをおすすめします。
面接やファーストヒアリングが無料の事業者の方が、気軽に依頼をすることができますね。
面接時の内容は?
面接時の際には、事業者が何を話すか、何を質問してくるかよくチェックしてみましょう。事業者のサービス内容や規定についての説明ばかりに偏っていないでしょうか。
良心的な事業者は、サービス利用者(高齢者)の趣味や日常生活等について、細かく質問をしてくれます。利用者のいないところで、ご家族にこっそり質問をすることもあります。
ひとりひとりが違うサービス利用者(高齢者)の嗜好やライフスタイルを把握しておいた方が、より利用者に合ったシニアサポートサービスを提供することができるからです。
アフターフォローサービスはある?
良心的なシニアケアサービス事業者では、定期サービス利用者向けに「アフターフォローサービス」を提供しています。
【アフターフォローサービスの例】
ベアーズ |
クオリティチェック ※希望者のみに施工 |
ニチイ |
実施報告書の提供 |
上の例の『ベアーズ』が行うクオリティチェックとは、エリアマネージャー等が利用者宅を訪れ、ヘルパーの仕事ぶりや利用者との相性等をチェックするものです。
ヘルパーに多少不満があっても、なかなかヘルパー本人には言いにくい・・・という高齢者も多いはず。アフターフォローサービスでは、そのような利用者の気持ちを受け止められるように配慮しています。
7.シニアケアでできないサービスは?
様々なサービスを依頼できる民間型のシニアケアですが、特別な資格や専門知識を必要とするような作業はヘルパーさんにはお願いできません。事業者によってもサービス規定が違うのですが、ここでは代表的なNG例をご紹介します。
医療・看護行為
- 病気の治療を目的とした行為
- 経口用気管チューブ又は経鼻用気管チューブの位置の調整
- 注射を打つ 等
医療看護行為は、国家資格である医師または看護師の資格を持つものしか行うことができません。万一の病状の悪化等の際には、ヘルパーはすみやかに指示された医療機関等へ連絡を行いますが、治療目的での対処ができるわけではないので要注意です。
頭髪の美容・理容行為
事業として頭髪を扱えるのは、国家資格である理容師または美容師のみと限定されています。ご自宅で髪を切ったりパーマをかけたい場合には、訪問理容のサービスを理容しましょう。現在ではシニア向けの訪問美容・理容サービスも充実しています。
マッサージ
事業としてもみほぐし・マッサージ等を行うには、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」の資格が必要です。特に高齢者は無理なマッサージ等で体調が悪化するおそれがあるため、近年では軽い肩もみ等もNGとするシニアケア事業者も増えています。
乳児・子どものお世話
- 保護者がいない状態の子どもの在宅
- 授乳行為
- 子どもの着替え・入浴・食事介助等
ヘルパー1名が担当できるのは高齢者1名のお世話までです。お子さんや乳幼児等のお世話は安全管理ができず、万一の事故等の恐れがあるため、お断りとする事業者がほとんどです。
上のような規定は事前面接で詳しく説明があります。しかし面接に立ち会っていないご家族などが規定を知らずに、ルール違反をしてしまうケース(サービスを無理強いする等)も少なくありません。
ルール違反が繰り返されると、シニアケアサービスが打ち切られたり、最悪の場合にはブラックリスト入りをすることもあります。面接・打ち合わせの際には、ヘルパーさんに何のサービスができて何ができないのかをよく確認し、家族全員で情報共有をしましょう。
おわりに
シニアケアのサービスは今後も需要がますます高まり、サービス内容も充実していくと考えられています。民間事業者でシニアケアに参入する事業者の数もさらに増えていくことでしょう。
とは言え、どのような事業者を選ぶ場合でも、利用者である「高齢者やご家族」と「ヘルパー」との相性が重要であることには変わりはありません。
新規サービスや割引等も魅力的ではありますが、まずはスポットサービスやおためしサービス等を使って、利用者との相性をじっくりと判断してみましょう!