遺品整理業者の選び方 ~ よくあるトラブルは?費用を安くするには?
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遺品整理というと、多くの方が「故人の所有物を処分する」と思っているかもしれません。
実際には、遺品整理には遺産相続の対象となるものを除いた故人の所有物を処分、譲渡、保管することを指します。
故人が賃貸に住んでいた場合や施設に入居されていた場合は、急いで遺品整理を行う必要があります。家族を失った悲しみの中、分別、処分することは大変な労力がかかります。そんな時に頼りにできるのが「遺品整理業者」です。
遺品整理業者に依頼をする前に最低限知っておきたいことをご紹介します。いざというときに慌てないように確認してみてください。
整理する家が遠方にある場合はどうしたらいいか?遺品整理に期限はあるのか?などの遺品整理の仕方について詳しくは「遺品整理とは?業者の利用方法や期限、遠方の場合のコツを紹介」をご覧ください。
また、遺品整理は業者に頼まず自分で行いたいので、不用品の処理方法についてだけ知りたい方には「不用品処分の教科書 - 持ち込み処分、不用品回収業者、無料回収、買い取りのチェックポイント」のページがおすすめです。
遺品整理の流れ
遺品整理を業者に依頼したい時に、依頼の前にやっておくべきこと、依頼時の注意など流れに沿って説明します。
遺品整理で注意したいポイント
- 遺言書の有無や内容を確認
- 遺産分割の準備を進めてから遺品整理業者に依頼
- 見積金額に含まれる作業内容を細部まで確認
- 遺品整理業者とのトラブル回避:悪質な業者ではないことを確認
- 遺族間でのトラブル回避:遺品は勝手に持ち出し、処分しない
業者に依頼する前に
遺言書の有無と相続人の確認
遺言書が有る場合にはそれに沿って相続を進める必要があります。
遺言書がない場合には相続人の全員で遺産分割協議を行います。ここでいう相続人というのは故人の配偶者、子、親、兄弟姉妹となり、相続順位もこの順になります。
遺言書がある場合にはそれに則り遺産分割を行うため、まずは遺言書の有無を確認します。
複数の遺言書が見つかった場合には、一番新しい公式文書を正とします。
負債の有無による相続の判断
相続には負債も含まれます。故人に負債があるかどうかは個人信用情報機関で情報開示請求で確認することができます。
負債を確認してから相続するか、相続放棄するかを判断しましょう。
相続放棄については死後3カ月以内い家庭裁判所へ申請する必要があります。
しなかった場合には単純承認となり、財産も負債もすべて含めた相続となります。
高額な価値のあるもの確認
遺品の中には思いがけない財産が含まれていることもあります。そのため全容をつかむ必要があります。
預貯金や有価証券だけではなく、宝飾品や着物、カバンなどの服飾品、電化製品などにも思いがけず高額なものがある場合もあります。
これらをの処分や買取りを全て含めて遺品整理業者に依頼することもできます。
また、着物やブランド品(バッグや靴、財布など)、腕時計、貴金属(金、銀、プラチナ)が出てきた場合は、別にとっていおいて、個別で買取りを依頼することもできます。
それぞれの不用品の買取については下記のページで詳しく解説しています。是非参考にしてみて下さい。
ブランドバック・靴・財布の買取り ~ 高く売るコツや買取相場、方法をご紹介
貴金属やジュエリーの買取り ~ 金や銀、プラチナの査定価格や高価買取のコツ、業者の選び方を紹介
下記のページで査定額や、高価買取が期待できる商品について確認できるので一緒にご覧ください。
着物の買取はどうしたらいい?~ 高価買取になる方法や相場
腕時計の買取り ~ 高額買取が期待できるロレックスやオメガの査定相場や高く売る方法とは?
遺品整理業者との契約まで
依頼する作業内容の決定
遺品整理業者に依頼できるサービスは不用品の処分だけではありません。貴重品を探し出すことはもちろん、遺品の整理、片付け、不要なものの買取、部屋の清掃、粗大ごみなどもふくめたごみの処分などもあります。
依頼する内容によっても見積内容が異なりますから事前に確定しておくとスムーズです。
遺品整理業者が悪質なものではないか確認
依頼する業者が一般廃棄物収集運搬許可や古物商など必要な許可を取得しているかどうかをホームページなどで確認しましょう。
許可をきちんと取得していない業者に依頼すると、処分したはずのごみが不法投棄されていて、依頼者のところに行政から連絡がきてしまう事もあります。
また、許可以外にも下記の悪質な業者かどうか見極めるポイントがあります。
金額の表記が曖昧(○○円~、や基本金額による表記)
見積り時の金額の表記が曖昧な場合、最悪のパターンでは作業後の支払いでかなりの金額が請求されてしまう事もあります。
口コミの特別価格
口コミがホームページに掲載されているが、「特別価格で~」など特別に安くしてもらった、といった趣旨の口コミが多いものは参考にできません。
訪問見積りを依頼
遺品整理業者によって価格もサービスも異なります。
作業後の支払料金が大きく変化するトラブルに見舞われないためにも、訪問して見積りを依頼することが必要です。
契約内容に含まれるキャンセル料、サービス内容などもきちんと確認しましょう。
相見積りを取る
必須ではありませんが、できるだけ良心的な業者を見つけるためにも相見積りはおすすめの手段。料金だけではなくサービス内容もきちんと比較しましょう。
契約後
契約した作業日になると遺品整理業者による整理が開始されます。依頼内容通りに作業が行われたことを確認したら、料金を支払います。
業者に頼める範囲は?
一般的な遺品整理業者への依頼可能な作業をご紹介します。
※業者によってサービス内容は異なります
- 遺品の中からごみとして処分するもの、思い出の品となりそうなもの、貴重品、を整理・分類
- 遺品整理後のお部屋の清掃
- 不用品の処分(ゴミの回収)
- 不要なものの買取
- 換金可能なものの買取
悲しみを抱えつつ、自分のものではないものの整理を行い、かつ自分の知らないものの価値を正確に判断して不要なものとそうでないものを仕分けるのはとてつもない労力がかかります。
中には2カ月以上もかかっても終わらないという方もいらっしゃるのです。
遺品整理業者に依頼すればすべての整理が長くても1日あれば終わります。
そのあとの遺産分割などのことも考えると遺品整理業者に依頼するメリットは大きいです。
特に遺品整理士がいる業者ではより専門的な知識をもって遺品整理をしてくれるので安心です。
遺品整理士とは
遺品整理士は、ただ遺品整理をするだけではなく、廃棄物やリサイクルできるものの扱いに対して専門的な知識を持っている人です。故人にしかわからないようなものの価値に気づかず処分してしまう遺族にとっての損失を防ぎつつ、適切な処分方法を提案してくれます。
業者の選び方~料金相場や買い取り
遺品整理業者の数はかなり多く、サービス内容にもかなり違いがあります。
サービスの違いで業者を選ぶことも一つの方法ですが、大切な財産の整理を任せるので、安心して利用できる業者を選ぶということに重点を置いた方がいいでしょう。
安心して利用できる業者を見分けるためのポイントは下記のとおりです。よく確認して、きちんとした業者を選ぶようにしましょう。
- 遺品整理士が在籍しているか
- 社団法人遺品整理認定協会に加入しているか
- 一般廃棄物収集運搬許可証を取得しているか
- 買取も同時依頼する場合には、古物商許可証を取得しているか
- 料金がわかりやすく設定され後払いが可能か
- 質問にしっかりと回答してくれるか(はぐらかしたり、曖昧な回答はNG)
- 見積内容に不明瞭な部分がないか
- 追加料金が発生しない、または追加料金が発生する場合の条件が明記されているか
相場は?気になる料金
遺品整理業者に依頼する際の料金は、部屋の大きさ、処分に使用するトラックの大きさ、作業内容によって変動します。
下記を目安として、あまりにも高い場合、また逆に安すぎると感じる場合にはサービス内容や、契約に含まれる作業の内容などをよく確認するようにしましょう。
部屋のサイズから料金が決まる場合
- ワンルーム(1K)から 1DK ⇒ 3万円~12万円
- 1LDKから2DK ⇒ 5万円~25万円
- 2LDKから3DK ⇒ 9万円~42万円
- 3LDKから4DK ⇒ 12万円~68万円
※料金は目安
出たごみの量で料金が決まる場合
出たごみの量(トラックのサイズ)で費用換算する場合の目安は以下の通りです。
- 1tサイズ ⇒ 5万円以上
- 1.5tサイズ ⇒ 8万円以上
※料金は目安で、作業日程や分別作業ボリューム、作業する場所の階数などによっても価格が変動します
遺品整理と買取依頼
捨てられないものを買い取ってもらう
遺品の整理は、思い出があったり、もう二度と会えない故人の思いが詰まっている...と処分することに前向きになれない場合もあります。
処分しようにも本当に捨てて良い物かどうかと悩むことや、家具や家電など、遺品として引き受けるには大きすぎるものもあります。
そのようなものは買取業者に買取依頼するケースが多くなっています。
買取に出すと価値があれば換金することにもなりますし、必要とする方のもとで有意義に活用してもらえます。
不用品買取をやってない遺品整理業者もある
不用品買取までを行っている遺品整理業者もあれば、遺品整理だけを行っていて、買取を行っていない業者もあります。
遺品整理とは違う業者に買取を依頼することもできるので、依頼する前に買取を行ってもらうか決めてから依頼しましょう。
価値はどう見分ける?
家電製品は壊れていなくてまだまだ使えるものでも4,5年を経過すると価値はかなり下がってしまいます。
遺品整理業者に任せると中には引取りのための料金が発生してしまう事もあるかもしれません。
家電製品が遺品に多く、それなりに良いものが多いという場合にはきちんと家電の価値で買取査定をしてくれる業者を探して個人的に買取を依頼することも有効です。
また、衣類などでもブランド品が多い、ということであればきちんとブランドアイテムの価値を査定できる業者を探して買取を依頼することでかなり買取価格に差が出ることもあります。
もしも価値がわかりかねるような美術品などの場合、悪質な業者だと安く買い取りされてしまう事もあります。
不安に感じることがあればきちんとした鑑定の行える業者に査定に出してみるのも良いでしょう。
故人の大切にしていたものだからと無駄に保管しておくよりは有効活用を、と思うのであればそれぞれに適した業者を探す方が良いでしょう。
遺品整理を安くするコツ
遺品整理を安くするためのコツとして簡単にできて、かつ効果の高いものをご紹介いたします。
相見積りを行う
相見積りというのは、見積りを複数社にとりお互いに「ほかにも見積りをとって検討中の業者がいる」ということを知ってもらうためのものです。
相見積りのメリットは他の業者の見積りを見せて、それよりも料金を引き下げてもらえることです。
価格競争になれば、必然的に料金を引き下げる効果が生まれます。
相見積りをするのとしないのとでは、最大で数万円の違いになることも珍しくありません。
買取で費用を抑える
遺品整理をすると不用品として価値のあるものも分別してもらえます。
遺品整理業者に整理と共に買取依頼をすることもできますが、遺品整理費用を少しでも軽減させたいならば、適正な価値を判定できる業者に依頼した方がいいでしょう。前述の不用品の買取を再度ご確認ください。
作業当日に注意すること
始めて依頼する遺品整理業者による作業当日「何をどうしたらよいのかわからない!」とならないために、当日に注意しておくべきポイントをまとめます。
料金を準備
作業完了後に現場の確認をしてから料金を支払うので、見積りを確認して料金を準備しておきましょう。
もし追加料金が発生する可能性があるならば、予備の準備も忘れずに。
作業前の打ち合わせは綿密に
どこまでの作業を依頼するのか明確に打ち合わせしておきましょう。
これは契約前からの準備が必要になりますが、作業内容は見積書や契約書でも確認しておきましょう。
作業の過不足が生じることがないよう、作業当日に再度業者と確認後に作業を開始してもらうようにするのもおすすめです。
もし遺品の中からどうしても保管しておいてほしい物がある場合には、正確に伝えておきます。
「確実に処分して良いもの」がある場合も、同様に伝えておくとスムーズに進めてもらうことができます。
電気・水道が使える状態になっているか確認しておく
実家の遺品整理を依頼していて、空き家になって時間がたってから遺品整理業者に依頼する場合、水道や電気が使えない状態になってしまっているケースもあります。
作業時間によっては電気がなくては作業ができないこともあります。
清掃を依頼している場合には水を使った作業も発生することは十分に考えられます。
そうなったときに作業を中断したりしなくてもよいように、事前に確認しておくことを忘れないようにしましょう。
遺品整理でよくあるトラブル
家族間(遺族内)でのトラブル
遺品整理は遺族、家族間でのトラブルに発展してしまうケースもあります。
一人に渡った形見に資産価値があった
「遺族の一人が勝手に形見にすると持ち帰ってしまった指輪がかなりの資産価値のあるものだった」
当然ですが資産価値があるので遺産分割対象となり、残された相続人にも権利が発生しています。
残りの相続人から訴えられた、というトラブルになるケースも多くあります。
形見分けの約束したという知人の訪問
「亡くなった家族の遺品を整理していたら、近所に住む友人と語る方が”○○を形見としてもらう約束をしていたんだけど...”と訪問された。」
本当かどうかはわからないし、申し出てきた人を知っている人間がいないという状態で判断しなくてはならないことになります。
遺言書があれば、本当のことなのか確認できるケースもありますが、遺言書に書いてあるとは限りません。
特に価値のあるものである場合には慎重に判断するようにしましょう。
このようなトラブルを回避するためにも、形見分けは基本的には遺族、親族間でのみでひっそりと行うほうが良いようです。
遺族の勝手な持ち出し
「遺族が勝手に持ち出していたものが実は遺産分割で相続するものだったことがわかり、揉めてしまった」
価値のあるものとわかっていて持っていく場合もあれば、本当に形見として持ち出していた場合もありますが、どちらにしろ価値のあるもの=遺産分割の対象となるものとなります。
場合によっては相続税が発生することもあります。きちんと遺族間で認識をあわせておきましょう。
価値の高い物を勝手に持ち出していた場合、残りの相続人はその価値の人数割りの分を請求する権利がありますから、弁護士などに相談して進めていくことをおすすめします。
業者と依頼者の間のトラブル
遺品整理というのはもともと遺族が行っていたものです。
しかし、今は核家族で生活することが多くなったことから、遺品整理を行うことが大変になり、業者に依頼するケースが増えてきています。
遺族ではない他人が行うからこそ、信頼できる業者を選んでおかないと業者とのトラブルになります。
よくあるトラブルをご紹介するので参考にしてみてください。
見積りより高額な請求
「見積り時に言われていた金額よりも高い金額を請求された」
実際に追加料金がどのようなケースで「追加料金が発生するのか知らなかったから」であればトラブルとは言えないかもしれません。
しかし、追加料金について明記されていないのに追加料金が発生し、困る利用者が多いということは知っておきましょう。
このトラブルを回避するためには、きちんと見積り時に追加料金が発生するケースについて、またその追加料金はいくらになるのかということを説明してもらいましょう。
そのうえで契約書にも追加料金について明記してもらう、ということが大切です。
追加料金云々ではなく見積り以上に高い請求が来てしまった場合には、見積書を提示して、どうしてそこまで見積りとの差額が出たのかきちんと説明してもらうようにしましょう。
納得できない部分についてはきちんと業者に伝え、場合によっては弁護士や消費者センターへ相談する、という方向にもっていくと良いでしょう。
勝手に処分された
「保管しておいてほしかったものが勝手に処分されてしまっていた」
家族以外が見れば不用品となってしまうようなものを保管しておいてほしい場合は連絡漏れが原因で起こるケースが多いようです。
特別に保管しておいてほしいものについては作業開始前にきちんと伝えておくことも忘れないようにしましょう。
買取で激安価格を提示された
「買取を依頼したらあまりにも安い金額が提示された」
買取を希望するものに明らかに価値があるのに、安すぎる金額が提示されている、といった事例も多いようです。
特にブランド品や宝飾品などは買取専門業に見積りを依頼するほうが買取価格が高くなることが多いのです。
処分した遺品を引き取りに行く羽目に...
「処分されたはずの遺品が不法投棄されていて行政から連絡がきて、引き取りに行く羽目になってしまった」
きちんとした許可を取得している業者かどうか確認しなかったために起こってしまうトラブルでもあります。一般廃棄物収集運搬許可証がなければ不用品の処分は行えません。
最悪引き取るだけではなく罰金が発生してしまう事もあるので注意しましょう。
このようなことが起こるのには、いわゆる悪質な業者である場合、もしくは買取の専門的な知識がないために安く提示されているケースがあります。
形見分け
形見分けは四十九日の法要と同時、または近辺で行います。
形見分けにはまず、遺品を整理しておく必要もありますし、形見分けする物品に資産価値がある場合には相続人以外には行えないこともあります。
相続人とのトラブルに発展する可能性や、逆に確認せずに形見分けとして譲渡したものが譲渡先にとって不快な気持ちにさせてしまう事も考えられます。
形見分けしたいのかどうかは先方の気持ちも確認してからにする、もしくは形見分けを希望された相手にだけ形見分けを行うなど先に決めておくと良いでしょう。
また、形見分けする物品についても後で揉め事になってしまう事がないように選定しておくことも大切です。
形見分けをする品物は特に決まりはありませんが、故人の趣味で作っていたものや、良く身につけていたものなどが一般的です。
ただ、形見分けに宝飾品などを用いてしまうと相続とみなされ、場合によっては他の相続人とのもめごとになってしまったり、高額なものだと相続税が発生する事もあるので注意しましょう。
形見分けを行う時期
四十九日の法要で行うケースもあれば、その後、もしくは遺品整理が落ち着いた後、など遺族の都合にあわせて行なって問題ありません。
遺品整理業者に依頼して気持ちよく遺品整理を終わるために
遺族にとって遺品と向き合うことは弔いの一つのステップでもあります。しかし、日々の生活に忙しく遺品整理に出向けないということも多くなっています。
遺品整理業者は数多くがありますが、ここでご紹介した悪質な業者とのトラブル例や、悪質な業者の見極めポイントなどを参考にしていただき、気持ちよく故人を送り出すステップとして遺品整理を行っていただければと思います。
遺品整理業者との契約の際にはきちんと確認をし、納得できる内容か確認したうえで、見積書には詳細な内容を記載してもらうようにすることも忘れないでください。