意外と簡単?!エンディングノートの書き方 - コツや遺言書との違い、注意点について解説
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今、終活と共にエンディングノートが注目されており、市販のノートやアプリが多数でています。
「エンディングノートって聞いたことはあるけど、具体的にどうすればいいのかわからない」、「まだエンディングノートを書く年齢ではない」という方もいるでしょう。
このページでは、エンディングノートのメリット・デメリットから、具体的な記載内容、書き方や注意点についても詳しく解説します。また、無料で使えるPDF、アプリについてもご紹介します。
エンディングノートとは
エンディングノートとは、自分の死後、家族や友人に伝えたいことを生前に記しておくものです。また、病気によって意思疎通が不可能になった場合にも役立ちます。
エンディングノートの特徴
- 遺された家族・親類・友達に伝えたいことを書く
- 書式や決まりは無く、自由に書いて良い
- 誰でも何歳でも書いて良い
- 基本的な項目:自分の情報・友人リスト・資産・遺言的内容など
- 相続について書いても法的効力は無い
- PDFの無料ダウンロードや、市販のノートから選べる
エンディングノートが広まったのは?
以前はエンディングノートについてあまり知られていませんでした。
今のように一般的な言葉として知られるようになったのは「きっかけ」がありました。2011年公開ドキュメンタリー映画「エンディングノート」です。
映画「エンディングノート」は、がん宣告を受けた父親が病気に向き合い、最期の日までを前向きに生きる姿を記録しており、興行収入1億円を突破しました。
シニア世代が多くなることも手伝って「終活」と共にエンディングノートという言葉が浸透していきました。
エンディングノートのメリット・デメリット ~ 遺言書との違い
まずはエンディングノートのメリットとデメリットを見ていきましょう。
エンディングノートのメリット
エンディングノートのメリットは4つあります。
- 自分の死後、家族が困らない
- 自分の死後、伝えたい思いを伝えられる
- 備忘録として
- 残りの人生に対する見方がかわる
遺された家族が困らない
1つ目は自分の死後、家族が困らないことです。何がどこにあるのかなどを家族に伝えていなければ、家族は悲しみに浸るどころではありません。
あれはどこだろう、これはどうすればいいのだろうと、悩むことばかりが出てきます。エンディングノートを残しておくことで、遺された家族の負担が減りますし、トラブルも防ぐことができます。
メッセージを伝える
2つ目は直接伝えることができないメッセージを家族に伝えることができることです。感謝の気持ちはその人を前にすると、恥ずかしい気持ちが大きくなりなかなか口に出せないものです。
照れくさくて言えないようなメッセージをエンディングノートに記しておくと、自分の死後に家族が見ることで悲しみも癒されることでしょう。
備忘録として
3つ目は自分が生きている時に備忘録として使えることです。高齢になるとどうしても物忘れが多くなってきます。また認知症を患ってしまうと、急激に物事を忘れていってしまいます。
必要な情報、重要な事を記しておけば、忘れてしまっていてもエンディングノートを見れば一目瞭然です。
残りの人生に対する見方がかわる
最後は、今後の人生を悔いなく生きようと考え始めることです。エンディングノートを書くことで自分のこれまでの人生を振り返るのでこのような隠れた効果もあるようです。
エンディングノートのデメリット
多くのメリットがあるエンディングノートにもデメリットが1つあります。それははエンディングノートは法的な効力がないことです。
エンディングノートとは自分の情報や希望を記すものであって、強制力はありません。
遺産・遺品などで特定の人物に特定の金額や物を残したい場合は、エンディングノートではなく遺言書に記載することをおすすめします。
遺言書
遺言書には、自分の死後、財産を誰にどれだけ渡すか、事業や不動産はどうすべきかなど記載します。相続に関しては遺言書がなくても法律によって配分があらかじめ定められています。
しかし、遺言書に決められた方式で記せば、法律の規定よりも遺言書の方が優先され、実行されます。
遺言書はエンディングノートのように自由に書くことはできません。遺言書の作成方法は、法律によって細かく決められています。決まりを守らなければ法的に無効になってしまうため、注意が必要です。
また、公正証書で遺言で残すと法的な効力がある上に、間違いがありません。
遺言書?それともエンディングノート?
- 相続する遺産が多くある方 ⇒ 遺言書
- 遺された人に思いを伝えたい方 ⇒ エンディングノート
相続に関することは遺言書に、遺産情報や伝いえたい内容はエンディングノートに...とどちらも準備しておくと残さされた家族は揉めないで済みます。
エンディングノートの書き方
エンディングノートの手順
- ノートを手にする前に自分が何を書きたいかを考えましょう。
- 次にノートを手に取り目次を開き、書きやすい項目を探します。
- 気になる項目に目が留まったら、そこから書き始めます。
- 書きおわったら目次にもどり、また気になる項目を探し書き始めます。
- 気になる項目がなくなり、記載事項がなくなればエンディングノートは完成です。
書き方のコツ
エンディングノートを書くとき陥りがちなことがあります。それは「1ページ目から書き始めよう」とすることです。
難なくペンが進む方は良いですが、1ページ目からつまずいてしまうと、なかなか書き進んで行くことができずに書くこと自体を断念してしまう方もいます。
途中で辞めてしまわないように、1ページ目から書こうとせず、書きやすい所から始めると良いでしょう。
心の赴くままま書こう
エンディングノートを仕上げるのに何日かかっても、何年かかってもかまいません。一度にすべて書く必要はありません。
エンディングノートを完成させるためには、自分が興味のあることだけを書きこんでいき、書きたいことがない場合には書かずに置いておきましょう。
時間が経過するうちに書きたくなるかもしれません。また、書きたい気持ちにならない場合には、その項目は自分にとって必要ない項目だと考えていいでしょう。
気になる項目で書き始めても、途中で書けなければ書いている途中でやめても良いです。無理をして最後まで書き進めることはありません。また情報が新しくなった場合には、いつでも書き直すことができます。
作るのはいつがいい?
「エンディングノートはシニア世代が作成するもの」と考えてませんか?
エンディングノートに「○歳がベストな時期」というものはありません。シニア世代だけではなく全ての生きている方がエンディングノートを書く対象となります。なぜなら、人がいつ死ぬのかは誰にも分らないからです。
「自分はまだそんな年齢じゃない」と思わずに、是非取り組んでみましょう。
また、エンディングノートを書くことを家族が知ると「縁起でもない」と言われることもあります。
しかし、エンディングノートは遺された家族が慌てず対処できるようにするためのものなので、早すぎるということはありません。
どのくらい作るのにかかるか?
エンディングノートの完成の目安日数は何日くらいなのでしょうか?
数日で書き終えることができる方もいれば、書き終えるまでに数年かかったという方もいます。
自由に書いていいものなので自然とばらつきがでます。人によって制作期間に違いが出やすいものです。
書き直しに手続きはいるか?
一度エンディングノートを書き終えたとしても、しばらくすると考え方が変わります。また、新しい情報の追加や変更なども出てくるでしょう。
こんな時は、面倒な手続きは必要なく、何度書き直しても問題はありません。
エンディングノートに書く項目
エンディングノートは自由に書いて良いものですが、下記の基本事項を記載しておくと家族が困らないで済みます。
また、下記から必要だと思う物だけをピックアップして記せば、全ての項目を網羅する必要はありません。
自分について |
生年月日・家系図・学歴など |
友人・親族や関係者の情報 |
関係・住所・電話番号・葬儀告知の有無 |
資産・相続について |
銀行の口座・カード・その他の資産 |
伝えたいこと |
メッセージ |
その他 |
メール・SNSなどのアカウント・PCのパスワード・処分、 延命措置 |
自分について
- 名前
- 生年月日
- 住所
- 現在かかっている病気、病院
- 緊急連絡先
- 家族の名前など
自分の項目では詳しく自分の情報を記します。今更書かなくてもいいかと思うかもしれませんが、自分が分かっていても家族は詳しい情報は案外知らないものです。
詳しい情報を書き記すことで、死後の手続きがスムーズに行えますし、自分の備忘録にもなります。
氏名や生年月日などの上記の基本的な情報の他、出生時の様子、幼少期の思い出、学歴や職歴、所有する資格、結婚について、ペットのこと、友人関係なども記載してみましょう。
今後の方向も見えてくる
自分がどんな人生を送ってきたのかを生まれた時からを順序立てて書くこともおすすめです。
その時の楽しかった、悔しかった、悲しかったなど”気持ち”も思い出して記します。
人生の場面を思い返すことで、自分がどのような人生を過ごしてきたかを振り返ることができますし、今後の人生の進む方向も見えてきます。
また、残された家族が見たときには、どんな人生を歩んできたのかが一目でわかるでしょう。
印象づけるエピソードを記入したり思い出の写真を入れると、思い出深いものになります。
友人・親族や関係者の情報
学生時代からの友人の名前や連絡先とともに、いつの時代にどのような経緯で友人になったかも記載しておくと良いでしょう。
葬儀に来てほしい友人にはチェックを入れておきましょう。一緒に連絡先を添えておくと、家族が葬儀の連絡をとりやすくなります。
財産、相続について
- 預貯金
- 生命保険
- 銀行口座番号(通帳・印鑑)
- 年金証書
- 介護保険証
- 健康保険証、
- 所有するクレジットカードの番号
- 不動産
上記のすべての財産を記載します。保管場所をノートに記しておくと、家族は困惑することがなく、スムーズに対応することができます。
ただしノートには貴重品に関する情報が書かれているので、そこから情報が漏えいしないように十分に気を付けましょう。
財産には借金も含まれます。借金が多くある場合は相続をどうするのか家族が判断する必要があるので記載しておきましょう。
借金の場合には返済方法や担保の有無も記すことが必要です。
注意したいのは、銀行口座の暗証番号は書かないことです。エンディングノートを紛失してしまったときに暗証番号を記載していると情報を一気に第三者に知られて危険です。防犯上辞めておいた方がいいでしょう。
自分の死後、暗証番号が分からなくても銀行口座と必要書類があれば、遺された家族は対処ができるので心配はいりません。
家族間でトラブルがないよう遺言書を残してあれば、遺言書が作成してあることをエンディングノートに記載しておきましょう。
その他の資産について
財産にはお金や不動産だけではありません。車、骨董品や貴金属類など、価値があるものはすべてエンディングノートに記載しておきましょう。
もし宝飾品や絵画など、譲りたいと思っている方がいるとついでに記載しておくと良いでしょう。
遺品を整理する際家族が意思を尊重してくれるかもしれません。(遺言のような効力はありません)
PCやネット上の情報
SNSやwebサービスの利用者は会員情報、ログイン情報を記載します。
自分の死後にSNSが放置されるのが嫌な場合は、退会手続きをとってもらうように書いておきましょう。
医療・介護のこと ~ 意思疎通が図れない時のために
エンディングノートは自分の死後役立てるためだけでなく、意思疎通ができなくなった時に家族が困らないため、書いておいた方が良いことがあります。
- 保険の内容と必要書類の場所
- 介護や治療の希望:告知希望・終末治療や延命治療の希望・臓器提供や献体
長期治療を要する場合もあるので治療に関する事柄を記載します。
特に延命治療についての記載があると、末期の状態になった時でも、本人がどの程度の医療行為を希望するのか知ることにより家族が判断しやすく、負担が軽減できるでしょう。
葬儀・お墓
葬儀に呼んで欲しい人を記す項目があります。どうしても呼んでほしくない人がいる場合には追加して記載しても良いでしょう。
希望する葬儀の形式、葬儀をする場所、戒名、香典の有無、お墓の場所や供養の方法などを記入します。
遺影に使いたい写真がない場合は遺影として使用する写真を写真館で撮影し、写真の取り寄せ先(置き場など)もエンディングノートに記載します。
以前は人が亡くなると、その家族が葬儀について決めていました。しかし、亡くなった本人にもどのような葬儀にしてほしいのか希望はあります。
それを生前に話し合っていると良いですが、生前から自分の葬儀の話をすることは縁起が悪いと思われがちです。
エンディングノートに詳しく記載していると、遺された家族は悩むことがありません。
お墓についても同じことが言えます。お墓は今や多種多様な形、場所があります。どんなお墓にするか家族が迷わないためにも書き記しておきましょう。
メッセージ
家族や友人に向けてメッセージを記します。感謝の言葉や謝罪、思い出話、伝えたいことなど、なんでも良いので書き残します。
かっこつけて書く必要はなく、心にある思いをそのまま伝えることが大切です。
心の中の気持ちを素直に出すことは少し恥ずかしいかもしれません。
しかし、エンディングノートにより家族が死の悲しみや寂しさ、心に空いた穴を埋めることができるかもしれません。思いのたけをつづりましょう。
堅苦しく考えなくてOK
最近は旅行先の写真やイベントごとなどの写真をのせるラフなスタイルのエンディングノートも人気です。
自分の死後に残された家族が見るものですし、自分の回顧録にもなるものなので、好きなことを書きましょう。
エンディングノートの注意点
生きているうちにエンディングノートを見てほしくないと考え、家族が探しても見つからないような場所に保管してしまう方もいますがそれは辞めておいた方がいいでしょう。
あなたの死後に見つからなければ、あなたの意志通りの葬儀を執り行うことができなくなってしまいます。
しかし、逆に家族が見つけやすいように..と誰の目にもさらされるような場所に保管することもおすすめできません。
エンディングノートにはデリケートな内容や個人情報が記載されています。資産についての詳しい情報も記載されているため、取り扱いには細心の注意が必要です。
エンディングノートは適度な場所に置き、家族にはエンディングノートの保管場所を知らせておくことが重要です。
エンディングノートは定期的に見直す
エンディングノートを時間をかけて書きあげたら終わりではありません。
前にも触れましたが、一度は書き上げたエンディングノートも時間がたてば情報が追加されたり、気持ちが変わることもある為、書き直しが必要になってきます。
誕生日などのタイミングで年に1回程度見直すことを決めておくと、忘れることなく見直すことができます。
エンディングノートの紹介 ~ PDFや市販
形式が決まってないからこそエンディングノートを選ぶときにはどれがいいか迷ってしまいます。まずはページ数の多くない薄いノートがおすすめです。
最初からページ数の多い幅が広いものを選ぶと書くことの労働力を考えて、途中で書くのが嫌になってしまう可能性が高いからです。
エンディングノートはお金を支払わなくても、自治体から配布しているものを利用すると無料で手に入れることもできます。また、最近はアプリも登場してます。
堺市南区のエンディングノート
堺市南区では、エンディングノートの配布をPDFで行っています。堺市南区のWebサイトからダウンロードすることができます。
パソコンを利用することが難しい場合には、直接堺市南区の区役所に赴くとエンディングノートをもらうことができます。
【堺市南区のエンディングノート】
https://www.city.sakai.lg.jp/
市販のエンディングノート
エンディングノートを何回か書いている、もしくは書く内容がきまっている方には、市販されているエンディングノートをおすすめします。
市販ンディングノートなら、項目を埋める形なので書き進めやすくなっています。
コクヨ エンディングノートもしもの時に役立つノート
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エンディングノートもしもの時に役立つノート
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文房具メーカー大手のコクヨらしく、必要かつ詳細な情報が書き込めるよう項目が整理されています。
付属品としてCDなどの記録メディアを1枚収納できるケースがありますし、ポケット部分には証明写真やお気に入りの写真などを入れておくこともできます。
もしもの時に家族をつなぐ 書き込み式 エンディングノート (生活実用シリーズ)
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NHKまる得マガジン『もしもの時に! 家族をつなぐエンディングノート』の放送テキストと連動した、書き込み式ノートブックです。
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My Life これまでとこれから 自分史年表 + エンディングノート
K&Bパブリッシャーズ
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星の王子さま エンディングノート
学研パブリッシング
癒される星の王子様のイラスト付きのエンディングノートです。中身はシンプルなため、使いやすいです。
アプリ
最近はスマホアプリのエンディングノートもあります。ノートに書くのはちょっと面倒、入力の方が慣れている方におすすめです。
iPhone・androidどちらでも無料から有料で使える「エンディングノート」があります。
1つ欠点を上げるとしたら、サービス終了が有りえる事です。その点には注意してアプリを選ぶようにしましょう。