かつらの種類はこんなにある!装着範囲・装着方式・素材によるかつらの違いとは
当サイトで紹介する商品・サービスの一部は、当サイトと提携のある企業のPRが含まれます。PRの有無に関わらず、利用者に役立つコンテンツとなるよう当サイトの責任で記事を作成しています。
現在の日本では、実に100万人以上が薄毛対策として「かつら・ウィッグ」を使用していると言われています。
需要が高い分その種類もどんどん広がりを見せ、今や一口に「カツラ」と括ることすら難しくなってきました。
「薄毛対策のためにカツラを探してみようかな」と思った方の中には、その種類の豊富さに「どれを選んだら良いのかわからない」と悩んでいる人も居るのではないでしょうか?
カツラの種類は「装着範囲」「装着方式」「毛髪の素材」「ベース素材」で分類することができます。
自分の薄毛の状態やライフスタイルにあわせて、ピッタリのカツラを探してみましょう。ここではそれぞれのカツラの種類のメリットやデメリットを詳しく解説していきます。
装着範囲による違い(部分かつら/全かつら)
かつらは装着範囲によって、「部分かつら(部分ウィッグ)」と「全かつら(フルウィッグ)」に分けられます。まずはこの2つの違いについて知っておきましょう。
部分かつら
部分かつらとは、頭頂部(つむじ部分)や前髪部分等、頭の一部分だけをカバーするためのかつらです。「ヘアピース」「トップピース」「半かつら」「ツーペ」と呼ばれることもあります。
部分かつらのメリット
部分かつらのメリット
- 気軽に装着できる
- 価格が比較的安い
- お手入れがカンタン
気軽に装着できる
「つむじだけ」「生え際だけ」といった気になる部分だけに装着する部分ウィッグはフルウィッグに比べて抵抗感が少なく「気軽にチャレンジできた」という人が多いです。特に頭頂部部分の需要は高く、男女共に人気ナンバーワンのかつらとなっています。
価格が比較的安い
部分かつらは全かつらに比べて製品価格が安く、コストを抑えて薄毛対策を行うことができます。
お手入れがカンタン
全頭かつらに比較すると部分かつらは洗浄(シャンプー)やブラッシング等のお手入れがカンタンです。手間をかけずにサッとかつらをきれいな状態にしておけます。
部分かつらのデメリット
部分かつらのデメリット
- 髪質・色味を自毛と合わせる必要がある
- 装着法によってはズレやすい
- 全体のボリューム感の調整がしにくい
- 範囲が広がった場合には作り直しが必要
髪質・色味を自毛と合わせる必要がある
部分かつらは装着部以外は自毛となるため、自毛とかつらの色味や質感が異なると非常に不自然な仕上がりになります。購入の場合には専門家のアドヴァイスを受ける等、十分な吟味をすることが大切です。
装着法によってはズレやすい
装着部が一部分のみとなるため、固定するストッパーやテープ等の数が少なく、全かつらに比べると装着力にはやや劣る傾向があります。特に廉価製品の場合、強風やスポーツ・シーン等で外れてしまったということもあるようです。
全体のボリューム感の調整がしにくい
部分かつらでは一部のみのボリューム感がアップするため、他の部分の髪のボリュームが落ちているとかつら部分のみが目立ってしまうことがあります。全体のボリューム感を見ながら毛量のバランス調整をしていきましょう。
範囲が広がった場合には作り直しが必要
薄毛が促進し脱毛範囲が広がってしまうと、それまでのかつらをそのまま付けていては仕上がりが非常に不自然になってしまいます。
部分かつらに向いている人とは?
- AGA(男性型脱毛症)で頭頂部・生え際部等の特定部位の薄毛が目立つ人
- つむじ部分のボリュームダウンが気になる女性
- 脱毛している範囲が比較的狭い人
- 自毛を活かしたヘアスタイルにしたい人
なお、白髪が多い・髪質に強いクセがあるといった自毛の特徴がある場合、少量の部分かつらでも「オーダー式(オーダーかつら)」を選ばれることをおすすめします。髪に強い特徴がある方が既製品の部分かつらを選ばれると、かつら部分と自毛部分の違いが目立ちやすいです。
部分かつらと同様に速攻性がある薄毛対策として増毛パウダーや増毛スプレーがあります。その種類、メリット、デメリットや使い方について詳しくは下記ページで紹介しているので参考にしてみてください。
増毛パウダー・増毛スプレーの正しい使い方 - 選び方、おすすめ商品も紹介
全かつら(全頭かつら・フルウィッグ)
出典:Amazon メンズ ウィッグ 短い髪
https://www.amazon.co.jp/
帽子のように頭部全体を覆うタイプのかつらです。一般的に「かつら」というと、こちらのフルウィッグを連想される方が多いですね。
全かつらのメリット
全かつらのメリット
- 固定力が比較的強い
- 自毛との違いは目立ちにくい
- 全体のボリューム調整がしやすい
- 薄毛が進行しても使い続けられる
固定力が比較的強い
頭全体を覆う全かつら・フルウィッグは安定感があり、強風や激しい運動等でも比較的ズレにくい・外れにくいという特徴を持ちます。
自毛との違いは目立ちにくい
全頭かつらは自毛の殆どを覆うため、自毛の髪質・髪色との違いを心配する必要がありません。特に女性の場合、髪の質感・髪の長さ・髪色等が今までと異なるファッション性の高い全頭かつらでオシャレを楽しむ方も多いです。
全体のボリューム調整がしやすい
フルオーダーの全頭かつらであれば、髪のボリューム感は思いのままにデザインすることができます。フサフサ髪を一気に手に入れられますから、「あこがれのヘアスタイル」に切り替えてみるのも手ですね。
薄毛が進行しても使い続けられる
部分かつらとは異なり、全頭かつらは脱毛範囲が進行しても引き続き使い続けることができます。
全かつらのデメリット
通気性が悪い
大手メーカー製品や医療用かつらであれば通気性に問題はほぼありませんが、安価な全頭かつらですと通気性に難があることも多いです。かつらの中で頭皮がムレて頭皮環境が悪化し、薄毛が促進してしまう可能性も考えられます。
価格が高くなりやすい
部分かつらに比較すると、全頭かつらは平均的に価格が高めです。装着方式の快適さ・接着力、毛髪の自然さ等のクオリティにこだわると、かなり高額となる可能性があります。
全かつらに向いている人とは?
- 毛髪のボリュームが全体的に落ちている人
- AGA(男性型脱毛症)が促進し、脱毛範囲が広がっている人
- 抗がん剤等の副作用で髪が抜けてしまった人
- 産後脱毛で髪が抜けてしまった人
- 円形脱毛症の範囲が広い・再発をしている人
特に円形脱毛症が起きている人の場合、脱毛の範囲が移動をしたり範囲が一時的に広がることがあり、部分かつらでは対応がしにくいと言われています。円形脱毛症が再発していたり、範囲が広がっている場合には、全頭かつらを作った方が安心です。
装着方式による違い
金具式装着かつら(ストッパー装着)
出典:かつら専門店 with
http://www.katurawith.com/
かつら側にピン・クシ(ストッパー)が付いており、自毛をピンで挟んで装着する方式です。
金具式装着かつらのメリット
金具式装着かつらのメリット
- 取り付け・取り外しに時間がかからない
- 装着コストがかからない
取り付け・取り外しに時間がかからない
金具式装着は装着したい部分にカツラを載せてストッパーを止めるだけなので、着脱にほとんど手間と時間がかかりません。手軽にサッと付け外しをしたい方に向いています。
装着コストがかからない
テープ式のように消耗品を使用せず繰り返し着脱ができるため、装着のためのコストを抑えられます。
金具式装着かつらのデメリット
金具式装着かつらのデメリット
- 装着力はやや弱め
- 装着部に自毛ボリュームが必要
- ピンが当たる感覚があることも
装着力はやや弱め
着脱式のかつらの中でも、ピン・ストッパーによる装着は装着力がやや弱めです。スポーツをする、プールで泳ぐといった激しい動きをするシーンにはあまり向いていません。
装着部に自毛ボリュームが必要
ピン・ストッパーを自毛に挟み込むため、装着部には一定の自毛のボリュームが必要になります。装着部の自毛のボリュームが減ってしまった場合、ピンやストッパーが緩みやすくなり、装着力が落ちてしまいやすい点は考慮しておくべきでしょう。
ピンが当たる感覚があることも
テープ式装着かつら(両面テープ装着)
出典:かつら専門店 かつら自然.com
http://www.sizen-katura.com/
かつら側に両面テープを複数箇所貼り付け、接着をさせる方式です。金具式装着と同様、毎日の付け外しを前提としています。
テープ式装着かつらのメリット
テープ式装着かつらのメリット
- 薄毛が進行していても部分かつらが使える
- フィット感がある
薄毛が進行していても部分かつらが使える
テープ式は頭皮とかつらを直接的に接着させるため、金具式のように装着部に一定の自毛ボリュームが無くても装着ができます。髪の無い範囲が広くなっている、薄毛が気になる箇所の周辺の自毛のボリュームが少なくなっている場合等におすすめです。
フィット感がある
テープ式の場合にはストッパー・ホック等の留め具の厚みが無いため、カツラを付けていないかのような軽さとフィット感が感じられます。
テープ式装着かつらのデメリット
テープ式装着かつらのデメリット
- 消耗品が必要
- 製品によっては汗で緩むことがある
- 製品によっては接着剤が残る
消耗品が必要
テープ式装着は原則として毎日カツラを取り、テープを張り替える方式となっています。(製品によっては2~3回の連続使用ができるものもあります)
そのため両面テープ・テープを剥がすためのリムーバー等の消耗品は毎日使用するので、定期的に購入する必要があります。また旅行・出張等の場合にはテープ・リムーバー等を持ち歩く必要があることも考慮しておいた方が良いでしょう。
製品によっては汗で緩むことがある
現在、かつら用の両面テープは非常に豊富に販売されるようになっています。選択肢が多い点はメリットといえますが、安価な製品の場合には汗で接着力が緩むこともあるため注意が必要です。安定した接着力を求めるのであれば、消耗品にある程度コストをかけることをおすすめします。
製品によっては接着剤が残る
両面テープの接着剤が粗悪なものだったり、適切なリムーバー使用がされていない場合等には、テープの接着剤が頭皮に残ってしまうことも考えられます。接着成分が頭皮に残ることで炎症が発生し、毛乳頭等の発毛機能が弱まってしまう可能性も否定できません。
ホック式装着かつら
カツラ・自毛の両面にホックを複数箇所取り付け、毎日着脱をする方式です。
ホック式装着かつらのメリット
装着箇所を迷わない
ホック式では専門家によって自毛側に既にホックが取り付けられているため、着用時に取り付ける箇所を間違える心配がありません。ホックもワンタッチではめられるので、手早くカツラの装着を行いたい人に向いています。
装着力は比較的強め
外れにくいホックで複数箇所を止めているので、金具式(ピン・ストッパー)よりもかつらをしっかりとホールドしておくことができます。
ホック式装着かつらのデメリット
自毛にホックが常に残る
自毛側に取り付けたホックは、かつらを外した後にも常に付けておくことになります。装着箇所によっては就寝時等にホックが頭皮に触れるのが気になったり、洗髪時にホックが絡むことが気になる可能性も考えられます。
定期メンテナンスが必要
自毛の成長によってホックの箇所がズレてしまうため、定期的に自毛のホック箇所を業者にメンテナンスしてもらう必要が出てきます。
編み込み式装着かつら(編み込み式連続装着)
出典:スベンソン
https://www.mens-svenson.net/
「編み込み式装着」とは、その名の通りかつらを自毛に編み込んで装着する方法です。前述した金具式・テープ式・ホック式とは異なり、1ヶ月程度の連続装着を行うことを前提としています。
編み込み式装着かつらのメリット
装着力は最強クラス
編み込み式かつらは、自毛とかつらを特殊な糸で編み込み、最後は製品をしっかりと糸でかがっています。そのためスポーツや強風といった多様なシーンでもかつらが外れる心配がありません。
普段通りの生活ができる
着脱式のかつらとは異なり、連続装着式では入浴時・睡眠時等にもかつらを「つけっぱなし」で居られます。旅行や出張等で他の人にかつらを外す姿を見られたくない人にはおすすめの方式と言えるでしょう。
編み込み式装着かつらのデメリット
頭皮を直接洗えない
編み込み式かつらは専用サロンで無いと外せないため、毎日のシャンプーは「かつらの上」から行うことになります。専用ブラシでこすればある程度汚れも落とせますが、直接的に頭皮を洗えないため「しっかりと洗えた」という感覚を得ることは難しいと考えた方が良いでしょう。特に頭皮の皮脂分泌が多い方の場合、不快感をもよおす可能性も考えられます。
メンテナンスのコストがかかる
編み込み式は自毛が伸びてくるとかつらが浮いてきてしまうため、原則4週間に一度(1ヶ月に1回)のメンテナンス(編み込み直し)を欠かすことができません。
編み込み式カツラ専用サロンの料金はマチマチですが、「編み直し+シャンプー」の料金で平均月額10,000円程度と考えておいた方が無難です。またカツラと自毛を同時に洗うためのシャンプーやリンス、シャンプー用のブラシ等、編み込み式カツラ専用のグッズも必要です。カツラを維持するための総コストは月々12,000円~15,000円程度かかると考えておいた方が良いでしょう。
全面接着式装着かつら(貼り付けタイプかつら・シール式かつら・接着剤式かつら)
出典:プロピア
https://propia.co.jp/
かつらの裏側全面が薄く透明なシール面・接着面となっていて、かつらを貼り付ける方式です。「貼るかつら」とも呼ばれています。現在ではシールタイプ、接着剤固定タイプ、シール+金具式等、多用な「貼るかつら」が出回るようになりました。また連続装着で一定期間を使用してから使い捨てるもの、着脱式で何度も繰り返し使えるものなど、製品によって着用期間も異なります。
貼るかつらのメリット
貼るかつらのメリット
- 細かい部分の増毛が自然にできる
- 密着力が強力な製品も多い
- 自宅でカンタンに取り外しができる
細かい部分の増毛が自然にできる
貼り付けタイプのカツラは額(おでこ)・分け目部分等の細かい部分にも貼りやすく、地肌部分も透明であるため自然な仕上がりを作れます。
密着力が強力な製品も多い
近年では貼るタイプのかつらでも「強力接着」を謳う製品が増えています。スポーツや水泳等、アクティブな生活を送る人にもおすすめです。
自宅でカンタンに取り外しができる
編み込み式かつら等とは異なり、ほとんどの「貼るかつら」では自宅でのカンタンな装着・取り外しが行なえます。シール保護面を剥がすだけで装着ができるので、装着にかかる時間も短めです。
貼るかつらのデメリット
貼るかつらのデメリット
- 毛髪の無い部分にしか使用できない
- 貼り間違えると自然さがなくなる
- 製品によっては通気性に問題がある
- 使用期限が比較的短い
毛髪の無い部分にしか使用できない
貼るかつらは自毛が残っている部分には使用できません。無理に髪が残っている部分に貼り付けると装着力が落ちるだけでなく、残っている自毛の負担も増やしてしまいます。
貼り間違えると自然さがなくなる
「かつらバレしない!」と言われる『貼るかつら』ですが、貼る部分が正確でないと違和感が出やすく、不自然さが目立ってしまいます。初回使用の場合には専用サロン等で貼り付け箇所をよく教わった上で、毎回同じ箇所に貼るようにしましょう。
製品によっては通気性に問題がある
近年では安価な「貼るかつら」も出回るようになっていますが、安価すぎる接着かつらは通気性に問題がある点も指摘されています。頭皮の皮膚呼吸ができなくなることで周辺部分の発毛機能が停滞し、薄毛部分が拡大してしまう恐れもあります。
使用期限が比較的短い
貼るかつらには「使い捨て」「繰り返し使用」等様々なものがありますが、他の装着方式に比べると平均的に使用できる期間が短めです。繰り返し同じかつらを買い求める必要があるため、製品によってはランニングコストが高くなる可能性も考えられます。
毛質(かつらの毛の材質)による違い
かつらに使われる材質には、大きく分けて「人毛」と「人口毛」の2つがあります。また近年では人毛・人口毛を混ぜた「ミックスタイプ」も登場するようになりました。
人毛かつら(人毛ウィッグ)
人間の本物の髪の毛を使って作られたかつらです。かつらを制作する前にヘアカラー・パーマ等の化学施術を行ってあるものと、施術なしの黒髪ストレートの状態で作られた製品があります。
人毛かつらのメリット
人毛かつらのメリット
- 違和感が少なく自然
- ヘアスタイリングができる
- 自分好みのヘアカラー・パーマも楽しめる
違和感が少なく自然
人間の髪で作られた人毛かつらの最大のメリットは、見た目・手触りに自然さがある点です。もちろん着用されている方との毛質の違い等は多少ありますが、人工毛に比べるとナチュラルな仕上がりになることが期待できます。
ヘアスタイリングができる
人毛かつらでは自分の髪の毛と同様に、ドライヤーやヘアアイロン等でのヘアスタイリングを行うことができます。ヘアアレンジを色々と試したい方、オシャレを忘れたくないという方には向いた製品と言えそうです。
自分好みのヘアカラー・パーマも楽しめる
人毛かつらでは自分の好みにヘアカラーやパーマをかつらに施すこともできます。髪型・髪色にこだわりがある女性には大きなメリットですね。
人毛かつらのデメリット
人毛かつらのデメリット
- 価格が高い
- 丁寧なケアが必要
- 染色の必要がある
- 寿命が短い
価格が高い
人毛かつらの素材は「人間の髪」であるため、人工毛のように大量に作るということができません。原材料の確保に一定の費用がかかることから、製品価格が高額になりがちです。
丁寧なケアが必要
人毛かつらは人工毛に比べ絡まりやすいです。絡んだ部分を放置しておくと毛が取れたりボリューム感が低下してしまうため、毎日丁寧にブラッシング等のケアをしていく必要があります。
また人毛は人工毛と異なり、専用のシャンプーやトリートメントできちんと洗浄をしないとイヤな匂いを発してしまいます。かつらの洗浄を丁寧に行う、ブラッシングでも繊細さを意識する等、今までの自毛ケアの何倍もの手間と時間をかけることになると考えた方が良いでしょう。
染色の必要がある
人毛は褪色(色あせ)をしやすいのもネックです。製品によっても差はありますが、使用開始から6ヶ月~12ヶ月程度で褪色が目立ってくるため、専用サロンで染色してもらう必要が出てきます。
寿命が短い
どんなに丁寧にケアを行っても、人工毛に比較すると人毛の「傷みやすさ(経年劣化)」は避けることができません。製品の質や使用頻度によってもカツラの寿命は変わってきますが、人毛カツラの平均寿命は1年~2年程度とも言われています。そもそも価格が高めの自毛かつらですが、繰り返しの購入でランニングコストも高くなる点は予め留意しておくべきでしょう。
人工毛かつら(人工毛ウィッグ)
ナイロン素材・ポリエチレン素材・ポリエステル素材・ファイバー素材等、化学繊維によって作られた「人工毛(人工毛髪)」のかつらです。
人工毛かつらのメリット
人工毛かつらのメリット
- メンテナンスが簡単
- 軽くて付け心地が良い
- 好みの価格帯を選べる
メンテナンスが簡単
人工毛かつらは人毛に比べて絡まりにくく、洗浄をした後の乾燥等も早いです。簡易なメンテナンスで清潔な状態を保てるので、「かつらの手間を少なくしたい」という人に向いています。
軽くて付け心地が良い
人毛に比較すると人工繊維は「軽さ」があるのも特徴です。特に全頭かつら(フルウィッグ)の場合、かつらの重みはつけ心地にも大きく関わってきます。近年では「カツラを付けていないようなつけ心地」を謳う軽量の高品質人工毛カツラも登場するようになっています。
好みの価格帯を選べる
総じて価格が高い「人毛カツラ」とは異なり、人工毛カツラは価格帯が幅広いのが特徴です。
2,000円~3,000円といった「激安カツラ」も多く出回っています。反対に、人毛に負けるとも劣らないツヤ感・手触りを感じられる高品質かつ高額な人工繊維カツラも近年では登場するようになりました。
「とりあえず安価にカツラを試してみたい!」という人から「クオリティにこだわりたい」という人まで、予算に応じたカツラを手に入れることができます。
人工毛かつらのデメリット
人工毛かつらのデメリット
- 安価な製品ほど不自然になりやすい
- 「縮れ」が起きやすい
安価な製品ほど不自然になりやすい
価格帯が幅広い人工毛カツラですが、品質の面でも「ピンキリ」の幅が大きいのがネックです。ディスカウントストア等で購入できる既製品かつらの殆どには安価なファイバー素材が使用されており、「いかにもカツラ」といった人工的な手触り・見た目となっています。
自然さ・違和感の無さを求めるのであれば、人工毛かつらでも大手メーカー製品等の品質に定評のあるものを購入された方が良いでしょう。
「縮れ」が起きやすい
特に廉価製品の場合、熱や摩擦によって毛先に独特の「縮れ」が生まれやすい傾向を持っています。人毛に比較して丈夫で長持ちする人工毛かつらですが、「縮れ」が生まれてしまえば使用をするのが困難です。安価な既製品の場合、ケアが適切でないと3ヶ月~6ヶ月程度で縮れが生まれてしまうこともあります。
人毛・人工毛ミックスかつら(人毛ミックス)
人毛とファイバー製等の人工毛を適度にブレンドして作られたカツラです。ブレンド率等はメーカーによって異なります。
人毛ミックスかつらのメリット
人毛かつらより安価
人毛の使用率が人毛100%かつらより少ないため、価格は人毛かつらの80%~60%程度にまで抑えられています。
人毛100%より手入れがラク
内側に水切れの良い人工毛が多く使われているので、洗浄をした場合の乾燥も早く、お手入れの時間も短縮できます。
人毛ミックスかつらのデメリット
人毛ミックスかつらのデメリット
- 取扱メーカー・製品の種類が少ない
- 人毛部分の劣化は早い
取扱メーカー・製品の種類が少ない
人毛・人工毛をミックスさせたカツラを取り扱うメーカーは数が少なく、また製品の種類もまだ広がらない傾向にあります。髪型・髪色等にこだわりがある人の場合、「これだ!」と思える一品に出会えるまでに時間がかかってしまうかもしれません。
人毛部分の劣化は早い
人毛100%かつらよりはお手入れがぐっと楽になるのが「ミックスかつら」のメリットですが、やはり人毛部の褪色や傷み等は避けることができません。人工毛・化学繊維100%のかつらに比べると耐久年数は短くなると考えた方が良いでしょう。
ベース素材による違い
かつらの「ベース」とは、毛を植え込んでいる土台や頭皮と接する裏面のことを指します。ベース素材は大きく分けると「ネットベース」と「人工皮膚ベース(人工スキンタイプ)」に分類可能です。
ネットベースかつら(網目状ベース)
網目のようになっている土台に人毛・人工毛を植え付けた(もしくは結びつけた)カツラです。ネットベースかつらは製品の種類が多く、網目の広さや繊維素材、軽さ・手触り等がメーカーによって大きく異なります。
ネットベースかつらのメリット
ネットベースかつらのメリット
- 価格が比較的安い
- 耐用年数が比較的長い
- 「引き抜き型」なら自毛とミックスして自然な仕上がり
- 通気性が良い
価格が比較的安い
ネットベースかつらは、人工皮膚かつらに比べて平均的に価格が安めです。ただし特殊素材を使った超薄型のネットベースかつらの場合、人工皮膚と同程度の価格帯となることもあります。
耐用年数が比較的長い
ネットベースは素材が劣化しにくいため、人工毛/人毛等の毛髪部分のケアに気を使っておけば長くカツラを使用することができます。耐久性の高いカツラが欲しいという人におすすめです。
「引き抜き型」なら自毛とミックスして自然な仕上がり
網目部分が広くできている「引き抜き型」の場合、元々の自毛を網目部分から引き出して、かつらの毛髪部分とミックスさせることもできます。髪全体のボリューム感が低下している人でボリュームアップをさせたい人、自毛を使ったアレンジをしたい人にも向いたベースです。
通気性が良い
ネットベースは通気性が良く、地肌で風を感じることができます。汗等の水分も飛ばしやすいので、頭皮環境を悪化させる原因である「ムレ」を防げるのは大きなメリットです。
ネットベースかつらのデメリット
ネットベースかつらのデメリット
- ネットが露出することがある
- 結び目が目立つことがある
ネットが露出することがある
廉価製品等で毛の植え込み量が少なかったり、網目の素材が非常に太いものだったりすると、ネット部分が露出をしてしまうことがあります。特に地肌を見せるべき箇所である「生え際」「つむじ」「分け目」等の部分は不自然な仕上がりとなるため使用ができません。
しかしアデランス『スカルプエアネット』のような極薄タイプ(超薄タイプ)で肌を透過する製品の場合、ネットタイプでも生え際やつむじ等に使用することが可能です。
結び目が目立つことがある
ネットベースは網目部分に直接髪を結びこんでいるため、かつらの毛量や結び方によっては結び目部分が目立ってしまうことがあります。ただし一流メーカー製品の場合には特殊技法でネット接着がされているため、結び目が目立つ心配はありません。
人工皮膚ベースかつら
出典:アートリード
http://katsura-artlead.jp/
ポリウレタン・シリコン等の化学繊維を加工し、人間の頭皮に似せたベース(人工スキン)に毛髪を植え込んだカツラです。メーカーによって使用している素材や質感の差が出やすく、また人工皮膚の厚みも大きく異なります。
人工皮膚ベースかつらのメリット
人工皮膚ベースかつらのメリット
- つむじ・分け目が自然に仕上がる
- 薄いほどフィット感アップ
- 装着力は強め
つむじ・分け目が自然に仕上がる
人工スキンは間近で見ても人の肌のように見えるため、つむじや分け目部分等の「かつらっぽさ」がなくなります。またネットベースとは異なり、毛髪部は植毛のように人工皮膚に植え込んでいるため、つむじや生え際からナチュラルに毛が生えているようにみえるのもポイントです。
薄いほどフィット感アップ
人工皮膚の標準の厚みは1mm~2mm程度ですが、近年では薄さ0.03mm~0.06mmという超極薄タイプも登場するようになっています。薄手の製品ほど頭の形にあわせて頭皮にピッタリとフィットし、本物の肌のような自然さを演出してくれます。
装着力は強め
接着剤や両面テープ等でのかつらの接着面が大きく取れるので、かつらの装着力は比較的高くなる傾向です。
人工皮膚ベースかつらのデメリット
通気性には劣る
廉価製品の人工皮膚タイプの場合、素材の通気性が悪く装着部に多大なムレが生じてしまう可能性があります。一流メーカーの高品質かつらや医療用かつらであればベースに通気性の良い素材が使われる等の大幅な改善がされていますが、既製品の場合には通気性を度外視した製品が多いのが実情です。
劣化しやすい
人工皮膚はネットベースに比べると耐久性には劣ります。特に超薄型タイプの使用可能期間は短く、薄さ0.03mmの極薄タイプの場合、平均使用期間は7日~14日間程度。0.06mmの使用期間は平均6ヶ月~12ヶ月程度となっています。
おわりに
使う人にとっての「良いカツラ」とは、その人のライフスタイルに合ったかつらと言えます。「お手入れのラクさ」を重視するか、「手触りや仕上がりの良さ」重視か、それとも「アクティブに動ける点」を大切にするか...自分のライフスタイルを振り返りながら、しっくり来るかつらを見つけてみてくださいね。
また、かつらと植毛の違いについて興味がある方には下記のページで詳細に比較しているので、参考にしてみてください。
薄毛対策にはどちらがいい?かつら・植毛の比較