不動産投資と株式投資を比べた場合

一般的に「投資」といった場合、株式投資がまず思い浮かぶのではないでしょうか。「投資」という言葉に対するイメージもまず、この株式投資に対するものが多いかと思います。

株式投資は収益性は高いものの、それだけの危険性を持っています。

不動産に比べて株価の変動は大きく、常に情報を集めておかなければ1日で資産の大半を失うこともありえます。逆に利益をあげるチャンスも、知識がなければ見逃してしまうかもしれません。

不動産投資の場合、購入する物件をあらかじめしっかりと確認しておけば、その後は物件に対して時間を割く必要はありません。修繕や補修の必要はありますが、管理してくれるパートナー企業があればその手間も大きく省くことができます。

さらに、入居者がいる時点で安定的に収益を上げることができますので、不動産投資は他の投資にくらて長期的な視点での安定的な運用が可能であるといえるでしょう。

一方、不動産物件の特徴として、売買に手間と時間がかかることが挙げられます。

取引を成立させるためには、売り手と買い手が揃わなければなりません。ある品物について、売る人も買う人も多数であればすぐに取引ができます。これを取引の流動性と呼びます。

資金を投資対象に変えやすいかどうか。また、投資対象を資金に変えやすいかどうかだと考えるとわかりやすいでしょう。

また、取引の時にかかる手数料も問題となります。手数料が大きければそれだけ流動性は小さくなると考えて良いでしょう。

不動産はこの流動性が非常に低い投資対象になります。不動産物件は一件一件が異なりますので、売り手と買い手の意識がちょうどよく揃わないと取引ができません。

さらに、契約時には司法書士の取次ぎが必要となりますし、それにかかる経費も少額ではありません。

株式であれば、株券は価値を示すもので、額面が同じであればどれも同じものとして扱われますので、高い流動性を持っています。必要な時にいつでも資金化できるのです。また、証券会社に支払う必要となる手数料も小さなものになります。

さらに、不動産物件は所有しているだけでも税金がかかりますし、修繕・補修も必要になります。

安定している分、一度手にした後の変更がしにくいのが不動産投資の特徴と言えるでしょう。

不動産投資とFXを比べた場合

レッジをかけて投資対象を購入したのと同じことになるわけです。

短期的に変動しやすいFXであればハイリスクハイリターンの代名詞のようなレバレッジですが、収益が安定的に算出しやすい不動産投資では、ローンに対する支払いも同様に算出しやすく、したがって、投資額に対する利益の大きさを増加させてくれるポイントとなるわけです。

また、そのレバレッジ自体のかけやすさも魅力的です。先ほども申し上げましたが不動産購入はローンを組むのが一般的ですし、不動産対象のアパートローンなど、金利が優遇されているものも少なくありません。

「担保もなしに株式投資をしたいのでローンを組む」というのは普通の銀行であれば審査すらされないでしょう。

しかし、不動産購入であれば、特に安定的な給与所得のある人については、頭金1割どころか、頭金ゼロ=レバレッジ無限大での購入もあり得るというわけです。

このように、少ない資金で始められるというメリットを持つレバレッジをかけやすく、FXのような短期的でハイリスクハイリターンな投機ではなく、長期的に安定して収益を見込みやすいのが不動産投資の一つの特徴となります。

不動産投資と投資信託について

さて、不動産投資の手間がかからないという側面にスポットを当てて、投資信託と比較してみましょう。

投資信託は購入後専門家に資金運用を一任しますので、その後の管理については時間を取られることはないでしょう。また、分散運用と呼ばれる運用で一般的な株式投資よりもリスクを小さくできる特徴があります。

しかし、その投資信託で購入している細かな状況はわかりにくく、購入時も初心者には判断がつきにくい部分があります。不動産物件について考えると、投資自体は初心者であっても、普段日常生活を送っている中で建物を目にしますし、どんな立地でどんな使い方をするかという面については自然に知識が蓄積しているものです。

したがって、購入前にしっかりと下調べを行うことができて、その情報を精査することで自分の目で投資対象とするべきか否かを判断することができます。

また、そもそもの投資対象の違いもあります。不動産物件への投資であれば、大きな災害でもない限り土地が消失したり、建物が再起不能になってしまうことは考えにくく、価値がなくなったとしても実際の物件自体は手元に残ります。

それに対して投資信託は結局は株式や為替などの有価証券への投資ですからその価値が失われてしまえば手元には何も残らなくなってしまいます。

さて、最近は不動産投資を投資信託で分散投資する不動産投資信託(REIT)という投資対象も現れてきました。複数の不動産物件に対して集めた資金を運用する投資信託で、日本では不動産投資法人(J−REIT)があります。

この投資対象は対象こそ不動産ですが、いわゆる個人が物件所有の収益物件運用とは大きく異なりますので注意が必要になります。

物件自体も運用側が選択しますし、所有するわけでもないので、どちらかといえば投資信託側の要素が強いものを覚えておいてください。