収益物件とは

収益物件とは、収益を産んでくれる不動産。わかりやすく言い換えれば「家賃」を得ることのできる不動産物件のことを指します。

例えば、あなたが不動産資産としてマイホームを持っていたとしても、資産価値こそあれ、そこから定期的な利益が得られることはありません。しかし、誰かに貸すとすれば、入居者が現れた時点から毎月家賃収益が発生します。

家賃と言っても住宅として使うことを目的とするだけではなく、オフィス、テナント、倉庫といった形での利用も考えられます。利用の方法によって収益の安定性や利回りが異なってきますが、不動産物件を利用するという側面から、全て収益物件となります。

例えば、住宅は居住者の回転が早く、一度抜けてもすぐに入居してくれるでしょう。

しかし、倉庫であれば、一度入居してくれれば長く居てくれるかもしれませんが、一度抜けたら次の入居はかなり先になることを覚悟しなければならないでしょう。

用途・目的によってその特徴は変わってくるのです。

このように、実際に定期的な家賃収入が見込まれ、それを目的として運用する不動産投資対象を収益物件と呼びます。

収益物件としての不動産物件の特徴を簡単につかんでおきましょう。

先ほど申し上げた定期的な家賃収入は、株式投資で言えば配当金に相当するものになります。所有することによる物件からの利益の配分になりますので、株式投資同様インカムゲインと呼びます。

収益物件はこの利回りは比較的高い利回りになる傾向があります。

しかし、入居者がいなければその時点でゼロになります。どれほど条件の良い物件でも、入居者に対する魅力に乏しく誰も借りてくれなければ収益はあげることができません。

さらに、投資対象として不動産を見た場合、インカムゲイン以外にも収益を期待することができます。

不動産物件自体にも価値があるわけですから、そのものを取引する対象とすることもできます。この時、購入時の価格よりも売却時の価格が大きければ差益を得ることができます。

このような収益を株式投資同様にキャピタルゲインと呼びます。

キャピタルゲイン目的の物件購入の場合収益物件とは呼ばれませんが、所有物件そのものを取引対象とすること視野に入れることができます。

ただし、もそもそも一般的に建物の場合、キャピタルゲインを期待するのは難しい傾向にあります。

建物物件について、価値を大きく左右するのが経年変化と築年数となります。従って、古い物件ほど価値が低く、年月を経るにつれ基本的な価値は下がることになるのです。

ですから、新しい駅ができたり、道路ができるなどのよっぽどのことがない限りキャピタルゲインは期待できませんし、逆に資産価値の目減り(キャピタルロス)を覚悟して運用する必要があるのです。

さらに、収益物件は自分の目的や資金にあった投資対象を探しやすい特徴もあります。

投資単位について、建物一軒から部屋一つまで自分で選択が可能です。そういった側面からも、しっかりとした知識があれば柔軟な取り扱いが可能な投資先であるということができるでしょう。

サラリーマンでも大家になれる

「投資」と聞くと、少し尻込みしてしまう人も少なくないでしょう。

けれども、先ほど申し上げた通り収益物件についての投資は柔軟なもので、少額からの投資も可能ですし、さらに、場合によっては全く元手のない状況からの投資も不可能ではないのです。

また、いわゆる月給、給与所得のみの生活よりも不動産投資「も」行っている生活の方がリスク分散になると考えることもできます。

給与所得は確かに安定はしていますがそれは絶対とは言い切れません。明日クビにされる可能性もあるわけです。その時に不動産資産を持っていればとりあえずの繋ぎとして考えることも可能となります。

さらに、様々な投資の中では収益物件の所有は安定的であると言えます。金融資産と異なり、実体のある土地建物は無価値になってしまうことはありません。

参考までに、サラリーマンが個人投資家として収益物件を購入することを考えた場合、おおよそ年収400万というのが後述のローンや必要となる経費が生活を圧迫しない水準となるといわれています。

預貯金の額でも変わってきますが、おおよその目安としておくと良いでしょう。

逆に、サラリーマンだからこそ、金利が低く抑えられる場合もあります。

細かい金利についてはここでお話しするのは避けますが、一般的に自営業の方よりも、サラリーマンの方のほうが融資についても金利についても緩やかである傾向があります。

実際に収益物件についての投資を考えた場合、これは家を建てたり、中古住宅を購入することと同じですので、初めから物件の全額を納めるのではなく、ある程度のローンを組んでの投資になるかと思います。

この時、条件によっては金利の安い住宅ローンを使うことができたり、そうでなくとも通常の融資よりも返却年数を長期に取ることが可能になったりします。

注意して欲しいのは、住宅ローンはそもそも住居購入するための借り入れに対してのものですので、初めから不動産投資目的で、なおかつその目的を隠して借り入れることは違法行為となります。

よく用いられるのは、建物の半分以上が居住用であれば合法的に住宅ローンで新築物件を建てることができますので、残りの部分を収益物件として運用する方法です。いわゆる「賃貸併用住宅」です。

この時、ローン返済と家賃収入を比較的した時、黒字にすることは難しいかもしれませんが、同じ大きさの建物を作る時に比べると月々の返済額は小さくすることが可能になります。
また、住宅ローンについては税金の控除もありますので、総合的にかなりの資金を節約できます。

かなり先の話にはなるかもしれませんが、支払いが終わった後であれば用途は自由ですので全面的に賃貸にしてしまうことも出来ます。

また、不動産購入のみに使うのであればアパートローンならば条件を整える必要は無くなります。ただし、その分金利は大きくなりますので注意が必要になります。

このように、サラリーマン「でも」大家となる。という考え方からサラリーマン「だからこそ」大家になるべきだと考え方を変えることで、単に収益を求めるだけではなく、リスクの分散や長期的なライフプランニングにもつながる考え方を持てるようになるのです。