
レンデックス(LENDEX)は、株式会社LENDEXというソーシャルレンディング事業を行っている会社が提供する、国内不動産投資案件に特化したソーシャルレンディングサービスです。
2017年7月にサービスをローンチした、比較的新しいクラウドファンディング会社です。
国内不動産投資案件と聞くと、同業他社で同様の投資ファンドを見つけることができますが、LENDEXは大手不動産会社である東急リバブルと業務提携を行っており、東急リバブルが査定した不動産担保評価に基づいてローンを行うという特徴を持っています。
目次
レンデックスの基本情報と特徴
利回り | 7%から10% | ★★★☆☆比較的高め |
---|---|---|
最低出資額 | 2万円 | ★★★★☆他社よりも投資しやすい |
運用期間 | 2カ月~12カ月 | ★★★★★1年未満と短期 |
投資(貸付)対象 | 国内の不動産担保付事業ローン | ★★★★☆一般的だが担保に特徴あり |
運用・維持手数料 | 無料 | ★★★★★無料 |
入金手数料(振込時) | 無料 | ★★★★★無料 |
出金手数料(払戻時) | 無料 | ★★★★★無料 |
配当タイミング | 分配は案件毎に設定・元本は満期時に償還 | ★★★☆☆一般的 |
表中の★マーク:★が多いほど高評価
投資対象のジャンルは何?
レンデックスのクラウドファンディングの投資対象は、現在のところ国内の不動産担保付の事業者向けローンファンドとなります。
特徴となるのは東急リバブル株式会社に投資案件の不動産評価額を委託しており、その評価額の80%を上限にローンを貸し付けている点です。
投資案件の運用利回り
レンデックスの過去の投資案件の運用利回り(年利)は、7%から10%という目標リターンになっています。
LENDEXの投資対象は国内不動産投資案件のため為替リスクが発生しません。為替リスクのない投資案件で7%から10%というリターンは、投資家にとっては魅力的です。
また、前述のとおり担保とする不動産の評価額に対して80%を上限として融資を行っているため、万が一融資先の事業者の返済が滞っても担保を売却することで回収できる蓋然性が高くなっています。
ただし、LENDEXのサービスローンチ直後は10%の利回りの案件ばかりだったのですが、直近の投資案件は7%や8%といった案件になっています。
少しずつリターン目線が下がってきているのも事実です。
投資期間は?
投資期間は案件によって異なりますが、最も短い案件で2か月、最も長い案件で12カ月となっています。
多くの案件は6カ月前後に集中しています。他のクラウドファンディングサービス会社として比較すると比較的短期の投資案件が多くなっています。
投資家にとって長期間投資を行うことは、リスクを高めることにつながります。投資期間が短いことは投資家にとってリスク管理が容易になるため、非常にプラスに働きます。
一方で短期間のうちに投資資金が戻ってきてしまうため、投資家には効率的なキャッシュマネジメントも求められます。
投資しやすい最低出資額
レンデックスの最低出資金額は2万円に設定されています。
2万円という最低出資金額は他クラウドファンディングサービス会社と比較した場合、低い設定額だということができます。
一般的に5万円が平均的なクラウドファンディングの最低出資金額となっており、最低出資金額を1万円としている競合他社もいくつかあります。
クラウドファンディングサービスに初めて投資しようと考えている人にとって、レンデックスは投資しやすい最低出資金額が設定されているといえるでしょう。
気になる手数料は?
クラウドファンディングの手数料比較
サービス名 | 登録・口座開設 | 運用 | 投資口座への振込み(入金) | 投資口座からの払戻し(出金) |
---|---|---|---|---|
SBIソーシャルレンディング | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 無料 |
ガイアファンディング | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 108円から756円 |
クラウドクレジット | 無料 | 案件による | 投資家負担 | 300円+税金 |
オーナーズブック | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 300円+税金 |
クラウドリース | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 108円から756円 |
レンデックス | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 無料 |
ラッキーバンク | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 無料 |
マネオ | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 54円から432円 |
クラウドバンク | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 無料 |
ソニーバンクゲート | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
SAMURAI | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 無料 |
トラストレンディング | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 無料(預託口座なし) |
レンデックス | 無料 | 無料 | 投資家負担 | 無料 |
ソーシャルレンディングサービス全般にも言えることですが、レンデックスを通じて投資を行うにあたり、手数料に注意する必要があります。
投資家口座の登録・開設、また運用手数料は無料となっています。しかし投資家口座への振込(デポジット)については投資家負担となります。
また、投資家口座からの払戻し(出金)については、レンデックスの負担となっています。
クラウドファンディングサービス会社によって手数料の設定は異なりますが、レンデックスの手数料体系は他社と比較して、出金時の手数料が発生しない分、投資家に有利な設定になっています。
他のソーシャルレンディング業者の手数料や資本金などを比較してみたい方は、下記リンクのページで詳しく解説しています。参考にしてみてください。
おすすめのソーシャルレンディング会社 ~ サービスや利回り、メリット、デメリットを比較
分配方法は?
レンデックスの投資案件は、事前に予定されたスケジュールに基づいて毎月分配金が支払われます。
また、設定された投資期間の満了時点で、元本が回収され投資家に償還されます。レンデックスは出金手数料が無料のため、分配の都度資金をマネジメントすることも可能です。
レンデックスの良い点
- 投資信託やETFといった投資商品と異なり、投資開始時の手数料や、投資期間中の運用報酬やや口座管理報酬を支払う必要がない
- 各投資案件について、担保が設定されており、かつ投資金額は担保額の80%までに限定されている
- 投資案件が国内に限定されており、為替リスクを考慮する必要がない
- リターン水準が7%から10%と比較的高めに設定されている
- 他のソーシャルレンディングサービスに比べて、投資期間が比較的短く設定されている
レンデックスの残念な点
- 流動性リスクがある(投資期間中に解約しキャッシュ化することができない)
- 投資先企業の信用(デフォルト)リスクがある
- レンデックスに信用リスク・ビジネスリスクがある
- 融資先事業会社の事業が計画とおりに進まない場合や、事業の経営状況の悪化等によっては、投資資金が回収できなくなるオペレーションのリスクがある
運用実績
累計ファンド数は34ファンド、募集完了したファンドは33ファンドあります。また、すでに償還を完了しているファンドは5つとなっています。
投資家登録の条件
レンデックスに登録する場合、以下の条件を全て満たす必要があります。
なお、75歳以上の方で会員登録を行いたい方は、レンデックスに相談すれば個別に対応してもらえる場合があります。
- 会員登録申請の時点で20歳以上75歳未満であること
- 日本国内に在留資格を有しており、居住地が日本国内であること
- レンデックスの取引約款等に同意できること
- レンデックスの審査(※)を通過すること
※審査内容についてレンデックスは回答できません
登録から投資実行までの流れ

投資口座開設には、概ね一週間程度の時間がかかるので、レンデックスに興味がある方は、投資案件を見つける前に口座を開設しておくことをおすすめします。
なぜならば、公式ウェブサイトなどで投資案件をチェックして良さそうだなと感じてから口座開設を行うと、口座開設が完了した際には募集が終わっているケースがあるためです。
- 投資家申請
- 基本情報の登録
- 本人確認書類の送付
- 銀行口座確認書類
- 会員登録完了
投資家登録について、順番に流れを説明していきます。
1.投資家申請
まずは会員登録を行います。公式ウェブサイトにある「口座開設」というボタンをクリックします。
投資家申請画面の青文字の「ダウンロードする」ボタンをクリックし 5つの規約書類を確認していきます。
各書類の内容を確認のうえ、問題がなければ「上記規約に同意の上、投資家申請を行う」ボタンをクリックして、次に進みます。
続いて、確認事項にある「外国の重要な公人もしくはその親族ではありません」に当てはまる場合は、チェックボックスをクリックします。
そして「資産状況」と「投資経験」ついてプルダウンメニューから該当する項目を選択していきます。
さらに、投資家申請画面で、「ユーザー名」「メールアドレス」「パスワード」を入力します。
最後に、「登録情報確認」が表示されます。ここまで入力した内容を確認し、問題がなければ「確認メールを送信する」ボタンをクリックします。
これで投資家申請は完了です。登録したメールアドレスに確認のメールが送られます。
2.基本情報の登録
登録したメールアドレスを確認し、リンクから基本情報の登録画面に移ります。「お客様基本情報」「住所」を入力し、「次へ」ボタンをクリックします。
続いて、「勤務先登録」に勤務先の情報を入力し、「次へ」ボタンをクリックします。さらに「金融機関および口座情報登録」を行います。金融機関一覧から、登録したい銀行名と支店を選びます。
その後口座種別を選んで口座番号を入力します。完了したら「次へ」ボタンをクリックします。
確認画面に移りますので、登録した情報に誤りがないか確認し問題がなければ「投資家申請」ボタンをクリックします。
3.本人確認書類の送付
ここでは、必要な本人確認書類の送付手続きを行います。先に登録したユーザー名とパスワードでマイページにログインします。
マイページに移動したら、画面左側にある「本人確認資料を送付」ボタンをクリックします。
「本人確認(氏名・住所)」から送付する確認書類を選択しチェックし、「本人確認画像の送付」ボタンをクリックします。
そして「ファイルを選択」ボタンをクリックして、選択した本人確認書類の画像を添付します。
登録した現住所と本人確認書の住所が異なる場合は、発行後3ヵ月以内で現住所が記載された公共料金の領収書も添付する必要があります。
完了したら、「送信」ボタンをクリックします。
4.銀行口座確認書類
続いて銀行口座確認書類を登録します。「口座確認画像の送付」ボタンをクリックします。
銀行口座確認書類の送付画面が表示されるので、「ファイルを添付」ボタンをクリックして、口座確認書類を添付します。
ファイルを添付したら「送信」ボタンをクリックします。そうすると「口座確認資料を受け付けました」という表示が出てきます。
ここまでで登録作業は完了です。LENDEの審査が終わり次第、「認証コード」の記載された郵便が、投資家申請した住所宛に郵送されてきます。
5.会員登録完了
レンデックスの審査を通過すると、後日簡易書留で「認証コード」が記載された郵便が送付されてきます。
公式ウェブサイトのマイページに設定したユーザー名とパスワードでログインし、「認証コード」を入力すると投資家登録は完了です。
信用できる運営会社か?
- 社名:株式会社レンデックス
- 本社住所:東京都千代田区飯田橋二丁目1番4号 九段セントラルビル
- 資本金:100億円
- 創立:2000年8月1日
- 代表取締役:筧 悦生
- 従業員数:6人
運営会社は、株式会社LENDEX
レンデックスの運営企業はその名のとおり株式会社LENDEXになります。
役職員合計で6名(2018年6月時点)の小規模企業であり、ソーシャルレンディングサービスに特化した企業となっています。
代表取締役は、公認会計士の筧悦生氏
株式会社LENDEXの社長は筧悦生氏です。筧社長は早稲田大学の商学研究科を経て公認会計士として活躍されてきました。組織としては筧社長を入れて役職員は総勢で6名となっています。
元々株式会社レンデックスは2000年に設立されたアーケイディアグループが前進となっています。
2003年にはアーケイディアに税理士法人が立ち上がっています。筧社長は、この税理士法人アーケイディア(現在は清和監査法人という名前になっています)。
この清和監査法人が、業務改善命令として2014年に1年間の業務停止命令を受けた過去があります。1年間の業務停止命令というのは金融庁の処分としても、決して軽いものではありません。
コンプライアンスの観点から、投資に値するかどうかは投資家として判断する必要のあるポイントになります。
投資対象
レンデックスは国内の不動産事業者に対して、匿名組合を通じて投資・融資を行っています。
レンデックスのファンドがローンを事業者に提供するにあたり、不動産を担保として設定しています。
前述のとおりレンデックスの特徴は、担保を設定するにあたり、第三者である東急リバブルに不動産評価を委託し、公正な価値を算出してもらっています。
さらに、不動産価値の80%を上限としてローンを提供しています。
投資案件の回収可能性
不動産担保に対して100%の資金を融資すると、不動産の価値が下落した際には融資額が担保額を超えてしまいます。
つまり、事業者の事情でローンの返済が滞った場合、担保を処分しても全額回収ができなくなるということです。
上限を80%としておくことで20%のバッファが得られるため、仮に不動産担保額が20%下落しても担保が融資額全てをカバーすることができます。
他のソーシャルレンディングサービスでは、担保あり投資案件と謳いながら、実際は一部担保しか設定されていない投資案件も散見されます。
そういった意味ではレンデックスの投資案件の回収可能性はとても高いと言ってよいでしょう。
ここをチェック
ただし、案件の詳細ページで担保の抵当権が何番目に設定されているか確認することも必要です。
第1順位に設定されていれば、万が一事業が立ち行かなかった場合、設定された担保の売却金を優先的に受け取ることができます。
投資地域の偏在に注意
過去の案件では京都の案件が多く見受けられます。不動産投資のリスクの一つが自然災害、特に地震です。
レンデックスのいくつかのファンドに分散して投資していても、投資先が京都の案件ばかりとなると地域分散ができていない投資となってしまいます。
投資対象がどこの地域となっているかは、注意する必要があるでしょう。
案件情報はどこまで確認できる?

投資案件の詳細ページで、各ファンドの募集条件を確認することができます。
他のソーシャルレンディングサービス会社の投資案件と同様、ローン先の企業について企業名等は明かされていません。
しかしレンデックスの場合、投資案件についてかなり詳細な情報を提供しています。
例えば宿泊業向けの融資であれば、当該地域での観光客の伸び率やインバウンドの増加率などの情報を提供してくれています。
また、借入の目的についても詳細が記載されています。担保に関する、東急リバブルの評価額などの簡単な説明も記載されています。
利用するうえで知っておきたいこと
確定申告について
レンデックスに投資を行った場合、分配金に対して所得税および復興特別所得税合わせて20.42%(平成25年1月1日から平成49年12月31日まで)の課税が生じます。
またこの税金については、株式会社レンデックスが所轄の税務署を通じて源泉徴収し、納付しています。他の雑所得も合わせて20万円以下の場合は、申告義務はありません。
しかし、これらの収入は雑所得として総合課税の取り扱いとなるので、他の雑所得と合わせて20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要となってきます。
また、確定申告する必要が無い場合であっても、確定申告を行うことで多く徴収された税金の還付を受けられる場合があります。
該当する可能性がある方は、お近くの税務署・税理士などに確定申告について相談するとよいでしょう。
まとめ
レンデックスの特徴は、7%から10%の比較的高い利回りの国内不動産投資案件を提供していることです。
投資対象が国内であることから、為替リスクについて心配する必要がないのもメリットです。
そのためソーシャルレンディングサービスに高い利回りを期待している投資家にとって、レンデックスは魅力的なソーシャルレンディングサービスと言えます。
また、東急リバブルと業務提携し、東急リバブルに担保の不動産評価を委託しています。つまり担保評価額が、第三者の目による公正な価格に基づいているといえます。
自社で評価すると場合によっては恣意的な評価がされてしまう可能性があります。
さらに担保評価額の80%を上限としてローンを提供するため、担保となっている不動産の価値下落についても20%は耐えられるスキームになっており、より安心感があります。
他には、他クラウドファンディングサービス会社の高利回り商品は、多くの場合海外投資案件で為替リスクが伴うことが多々あります。
しかし、レンデックスは国内の事業者に限って投資しているため、為替リスクで損失がでることを心配する必要がありません。また、最低出資金額が2万円というのも投資しやすい条件と言えます。
一方で、不安な点としてレンデックスの業績がまだ短いことがあげられます。また、役職員含めて6名しかいないということもオペレーション上の心配ではあります。
それは、代表取締役の筧悦生社長が過去に金融庁から行政処分を受けていることにもつながります。
人数が少ないと、人員のリソースの問題で組織としてコンプライアンス体制がしっかりしていない企業が金融業界では散見されます。この点については留意する必要があります。
以上のことから、高い利回りを狙いながら案件に担保があるものを選びたい方にとって、レンデックスはおすすめのサービスであるといえるでしょう。