トラストレンディング1

トラストレンディングは、エーアイトラスト株式会社という金融コンサルティング、M&Aアドバイザリー、金融ソフトウェア開発など広く金融にまつわるビジネスを手掛けている総合金融コンサルタント会社が運営しているクラウドファンディングサービス会社です。

エーアイトラスト株式会社はトラストレンディングを通じて沖縄県下の中小企業への融資を増やした結果、2018年1月には沖縄支店を開設するなど拡大中の企業です。

ほとんどの案件が10%を超える想定利回りとなっており、高いリターンを求める投資家向きのクラウドファンディングサービス会社です。

 

トラストレンディングの基本情報と特徴

利回り 6%から12%(10%以上が多数) ★★★★☆比較的高め
最低出資額 10万円 ★★☆☆☆他社よりも高め
運用期間 3カ月~2年 ★★★★☆比較的短め
投資(貸付)対象 国内の担保付事業ローンがメイン ★★★☆☆一般的
運用・維持手数料 無料 ★★★★★無料
入金手数料(振込時) 無料 ★★★★★無料
出金手数料(払戻時) 銀行への振込手数料は投資家負担 ★★★☆☆一般的
配当タイミング 分配は案件毎に設定・元本は満期時に償還 ★★★☆☆一般的

表中の★マーク:★が多いほど高評価

 

投資対象のジャンルは何?

トラストレンディングのクラウドファンディングの投資対象は、主に国内の担保付の事業者向けローンファンドとなります。

他には不動産担保ローンや、動産担保ローンなども提供しています。

共通していることは、投資先が国内企業であり為替リスクが発生する可能性がないことと、一部担保を取っていることです。

 

投資案件の運用利回り

トラストレンディングの過去3つの投資案件の運用利回り(年利)は、6%から12%という目標リターンになっています。

多くの案件で想定利回りは10%を超えており、投資家にとっては魅力的に映ります。

一方で、一部担保を設定しているため、ある程度リスクが抑えられたストラクチャーとなっています。

 

投資期間は?

投資期間は案件によって異なりますが、最も短い案件で3か月、最も長い案件で2年となっています。多くの案件は6カ月から18カ月に限定されています。

投資期間が長期に渡る案件については、投資先の与信リスク・ビジネスリスクをよく考慮する必要があります。

他のクラウドファンディングサービス会社として比較すると、平均的な投資期間に設定されていると言えるでしょう。

 

ハードルが高い最低出資額

トラストレンディングの最低出資金額は10万円に設定されています。

10万円というのは他クラウドファンディングサービス会社と比較した場合、高い額となっています。

一般的に5万円が平均的なクラウドファンディングの最低出資金額ですし、最低出資金額を1万円としている競合他社もいくつかあります。

クラウドファンディングサービスに初めて投資しようと考えている人にとっては、ハードルが高いと言わざるを得ません。

 

気になる手数料は?

クラウドファンディングの手数料比較

サービス名 登録・口座開設 運用 投資口座への振込み(入金) 投資口座からの払戻し(出金)
SBIソーシャルレンディング 無料 無料 投資家負担 無料
ガイアファンディング 無料 無料 投資家負担 108円から756円
クラウドクレジット 無料 案件による 投資家負担 300円+税金
オーナーズブック 無料 無料 投資家負担 300円+税金
クラウドリース 無料 無料 投資家負担 108円から756円
レンデックス 無料 無料 投資家負担 無料
ラッキーバンク 無料 無料 投資家負担 無料
マネオ 無料 無料 投資家負担 54円から432円
クラウドバンク 無料 無料 投資家負担 無料
ソニーバンクゲート 無料 無料 無料 無料
SAMURAI 無料 無料 投資家負担 無料
トラストレンディング 無料 無料 投資家負担 無料(預託口座なし)

トラストレンディングの投資案件を利用する際にかかる際には、手数料に注意する必要があります。

投資家口座の登録・開設、また運用手数料は無料となっています。しかし投資家口座への振込(デポジット)については投資家負担となります。

また、投資家口座からの払戻し(出金)については、トラストレンディングの負担となっています。

クラウドファンディングサービス会社によって手数料の設定は異なりますが、トラストレンディングの手数料体系は他社と比較して、出金時の手数料が発生しない分、投資家に有利な設定になっています。

他のファンド型のクラウドファンディング業者について手数料以外の特徴などを見比べたい方は下記ページで説明しているので合わせてご覧ください。

ファンド型と株式型クラウドファンディングの違いと特徴 – 大手6運営業者を解説

 

分配方法は?

トラストレンディングの投資案件は、事前に予定されたスケジュールに基づいて毎月分配金が支払われます。

また、設定された投資期間の満了時点で、元本が回収され投資家に償還されます。

 

トラストレンディングの良い点

  • 投資信託やETFといった投資商品と異なり、投資開始時の手数料や、投資期間中の運用報酬や口座管理報酬を支払う必要がない
  • 各投資案件について、担保が設定されている
  • 投資案件が国内に限定されており、為替リスクを考慮する必要がない

 

トラストレンディングの残念な点

  • 流動性リスクがある(投資期間中に解約しキャッシュ化することができない)
  • 投資先企業の信用(デフォルト)リスクがある
  • トラストレンディングの運営母体であるエーアイトラスト株式会社の信用リスク・ビジネスリスクがある
  • 事業が計画とおりに進まない場合や、事業の経営状況の悪化等によっては、投資資金が回収できなくなるオペレーションリスクがある

 

運用実績

累計成約金額は約52億円、累計ファンド数は154ファンドとなっています。

 

投資家登録の条件

トラストレンディングに登録する場合、以下の条件を全て満たす必要があります。

  • 会員登録申請の時点で20歳以上75歳未満であること
  • 日本国内に在留資格を有していること
  • トラストレンディングの取引約款等 に同意すること
  • トラストレンディングの審査を通過すること

 
なお、75歳以上の方で会員登録を行いたい方は、トラストレンディングに相談すれば個別に対応してもらえる場合があります。

 

登録から投資実行までの流れ

トラストレンディング2

投資を行うにあたり、まずはトラストレンディングの投資家口座を開設する必要があります。投資口座開設には概ね一週間程度の時間がかかります

公式ウェブサイトなどで投資案件をチェックして「良さそうだな」と感じてから口座開設を行った場合、口座開設が完了した際には募集が終わっているケースがあります。

トラストレンディングに興味がある方は、投資案件を見つける前に口座を開設しておくことをおすすめします。

  1. 新規会員登録
  2. 重要事項の確認
  3. 個人情報の入力
  4. 本人確認資料の提出
  5. 会員登録完了

投資家登録について、順番に流れを説明していきます。

 

1.新規会員登録

まずは会員登録を行います。公式ウェブサイトにある「新規会員登録」という赤いリンクをクリックします。

メールアドレス、パスワード、秘密の質問と答え、メールマガジンの登録の有無について情報を入力します。

さらに個人情報保護方針を確認し、チェックボックスをクリックして、「確認」のボタンを押して次の画面に進みます。

登録したメールアドレスに、ログインIDの確認メールが送られてきますので確認してください。

メールに記載されているリンクから、会員登録のページに進むことができます。

 

2.重要事項の確認

ここではトラストレンディング利用規約、契約締結前交付書面、匿名組合契約約款、電磁的方法による書面の交付に関する同意書のPDFファイルを確認してください。

確認すると、「未確認」の表示が「確認済」に変わります。全て「確認済」に変わったら、「同意する」ボタンをクリックして次の個人情報入力画面に進んでください。

 

3.個人情報の入力

ここでは、氏名・性別・生年月日・住所・住居状況・家族構成・職業・年収・電話番号・勤務先・口座番号といった個人情報を入力していきます。

続いて、適合性確認のページがあるので、株式、債券、投資信託、ファンド等、商品先物、為替証拠金取引(いわゆるFX)といった投資経験についてプルダウンから選択していきます。

そして、投資の目的・金融資産・所有不動産・投資資金の性格・資産運用に関する関心・資産運用の方針・希望運用期間・取引開始のきっかけといった投資に関する項目についてプルダウンから選択して入力していきます。

入力が完了したら、「確認」ボタンを押してください。

 

4.本人確認資料の提出

本会員登録が完了したら、本人確認資料と口座確認書類、マイナンバー(個人番号)を提出します。

 

本人確認資料

本人確認資料として有効な資料は以下のとおりです。

  1. 運転免許証(裏面に記載がある場合は両面)
  2. 各種健康保険証(現住所が裏面の記載されている場合には両面)
  3. 顔写真ありのマイナンバーカード(個人番号カード)
  4. 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)
  5. 住民基本台帳(両面)
  6. パスポート(顔写真および住所記載のページ要)
  7. 在留カード(両面)
  8. 特別永住者証明書(両面)

 

口座確認書類

また、口座確認書類として以下の書類の提出が必要です。

  1. 預金通帳
  2. キャッシュカード
  3. 銀行名・支店名・口座番号・口座名義人が確認できる画面のスクリーンショット(ネットバンキングの場合)

 

マイナンバー(個人番号)の書類

マイナンバー(個人番号)については、以下の書類が必要となります。下記の書類をデジタルカメラやスマートフォンにて撮影し、メールにて送付します。

  1. マイナンバーカード
  2. マイナンバー通知カード
  3. 住民票の写し(発行日から6カ月以内でマイナンバーの表記があるもの)

 

5.会員登録完了

トラストレンディングの審査を通過すると、後日簡易書留にて本人確認キーが記載されたハガキが送付されてきます。

公式ウェブサイトのマイページに設定したメールアドレスとパスワードでログインし、本人確認キーを入力すると投資家登録は完了です。

 

信用できる運営会社か?

  • 社名:エーアイトラスト株式会社
  • 本社住所:東京都港区海岸3丁目9番15号
  • 資本金:1億円
  • 創立:2005年6月
  • 代表取締役:松本卓也
  • 従業員数:19人
  • 事業内容:金融コンサルティング業務、M&Aアドバイザリー業務、ソーシャルレンディング事業

 

運営会社は、エーアイトラスト株式会社

トラストレンディングの運営企業はエーアイトラスト株式会社になります。

エーアイトラスト株式会社は金融業の会社で、ソーシャルレンディング以外にもM&Aや不動産のアセットファイナンスや商用社のリースバック、企業再生コンサルティングなどの業務を手掛けています。

 

取締役が財務省からの出向者で占められているのが特徴

エーアイトラスト株式会社の社長は松本卓也氏です。

それ以外の取締役、監査役、上級顧問は6名いますが、そのうち5名は財務省の元官僚の方たちです。中には金融庁にも在籍していた方もいます。

金商法のプロフェッショナルである方々を取締役として招聘しているということは、会社の内部統制の体制が高いことを示していると思われます。

また、彼らが在籍している間は、いわゆるコンプライアンス違反のような事案が起こることはないと期待できます。

 

投資対象

トラストレンディングは国内の事業者に対して、匿名組合を通じて投資・融資を行っています。

トラストレンディングのファンドがローンを事業者に提供するにあたり、請負代金の債権や不動産を担保として設定しています。

直近では公共工事やインフラなどの請負業務を行っている事業者向けの案件が多くなっています。

取締役に国土交通省の元官僚が入っており、この分野はトラストレンディングの強みになっているのかもしれません。

 

共同融資

案件によってはトラストレンディング自身がエーアイトラスト株式会社の自己資金でも共同貸付をしている場合があります。

共同融資をエーアイトラスト株式会社が自己資金で行っている案件は、注目すべき案件です。

なぜなら、エーアイトラスト株式会社が自分たちの資金でも貸付を行うくらい優良な案件であり、かつ回収においてもエーアイトラスト株式会社が最大限努力することが期待できるからです。

 

案件情報はどこまで確認できる?

トラストレンディング3

投資案件の詳細ページで、各ファンドの募集条件を確認することができます。

他のクラウドファンディングサービス会社の投資案件と同様、ローン先の企業について企業名等は明かされていません。

しかしトラストレンディングの場合、投資案件についてかなり詳細な情報を提供しています。

例えば、ローンを貸し付けている借入人の概要についても本拠地や業種、過去どのような事業を行ってきたなどについて説明があります。

また、借入の目的についても詳細が記載されています。さらに担保、資金使途、返済原資についても詳細な説明があります。ローンの概要に納得ができるものを選んで投資することができます。

 

利用するうえで知っておきたいこと

確定申告について

トラストレンディングに投資を行った場合、分配金に対して所得税および復興特別所得税合わせて20.42%(平成25年1月1日から平成49年12月31日まで)の課税が生じます。

またこの税金については、エーアイトラスト株式会社が所轄の税務署を通じて源泉徴収し、納付しています。

他のクラウドファンディングサービスも含めて分配金の総額が出資金額を上回り利益が発生する場合は、雑所得として総合課税の取り扱いとなるので、原則的に確定申告が必要となってきます。

ただし、他の雑所得も合わせて20万円以下の場合は、申告義務はありません。注意する必要があるのは、確定申告する必要が無い場合であっても、確定申告を行うことで過分に徴収された税還付を受けられる場合があることです。

確定申告の詳細は、お近くの税務署・税理士などに相談するとよいでしょう。

 

まとめ

高い利回りを狙っている投資家には、トラストレンディングがおすすめ

トラストレンディングの特徴は10%前後の投資案件を多く提供していることです。

クラウドファンディングに高い利回りを期待している投資家にとっては、非常に魅力的なクラウドファンディングサービス会社になります。

他クラウドファンディングサービス会社の高利回り商品は、多くの場合海外投資案件で為替リスクが伴うことが多々あります。

しかし、トラストレンディングは国内の事業者に限って投資しているため、為替リスクで損失がでることを心配する必要がありません。

この点も優位性があります。ただし、デメリットとしてはやはり最低出資金額が10万円と高くなっていることです。

すでにクラウドファンディングに投資をしており、10万円という単位が投資ポートフォリオ上そんなに大きなウェイトにならないのであれば、投資分散の観点でもトラストレンディングは良い選択肢になります。

しかし、クラウドファンディングを少額で始めたい方、まだ投資ポートフォリオが大きくない方はリスク分散の観点で問題が生じる可能性があります。

以上のことから、高い利回りを狙っているクラウドファンディング投資の経験がある方にとって、トラストレンディングはおすすめのサービスであるといえるでしょう。

※当ページの情報(金額・数字等)は2018年6月時点のものです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。