カードローンの審査で必ず通過しなければならない関門に、申込者本人の「在籍確認」があります。
在籍確認とは、カードローンの申込者が、申告した勤務先に間違いなく在籍しているかどうかを確認するもので、一般的には電話で行われます。
申込者が申告した職場に確かに勤務していて、毎月の給料をもらっていれば、審査の重要項目である“返済能力の有無”を判断する目安になります。
そのため在籍確認は、カードローンの審査の中で、重要なポイントとなります。
普通、カードローンを申し込んですぐに実施されるのではなく、本審査まで進んでいる案件について行われます。つまり、在籍確認の電話があるということは、審査が良好な方向に進んでいるとも考えられます。
しかし、自分の勤務先にカードローンの会社から電話が入るというのは、誰でも抵抗があることなのではないかと思います。
そこでここでは、在籍確認電話の様々なパターンを実例で見つつ、心構えや、でき得る対策を考えていきましょう。
担当者は何と名乗るか？
まず最初に気になるのが、カードローンの在籍確認の電話は、何と名乗ってかけてくるのかということではないでしょうか。
消費者金融系カードローンの場合
在籍確認の電話で消費者金融の担当者が社名を名乗ると、電話に出た人に「借金の件」と簡単にバレてしまうため、担当者は自身の個人名だけを名乗ります。
例：「佐藤と申しますが、田中一郎さんはいらっしゃいますか？」
この「個人名でかけてくる」というのが、在籍確認電話の基本スタイルになります。
銀行系カードローンの場合
銀行カードローンの場合は、申込者から特別な要望がないかぎり銀行名を名乗ります。
銀行によっては、まずは担当者の個人名を名乗り、万が一社名をたずねられた場合には「○○銀行」と名乗る、とルール設定している場合もあるようです。
銀行は預金や保険など様々な金融サービスを扱っているため、銀行名なら、普通は、すぐさま「借金の件」とは思われないでしょう。
審査OKとなるパターン
次に、在籍確認が無事に完了するパターンを実例で見てみましょう。
申込者本人が電話に出る
担当者「わたくし佐藤と申しますが、田中一郎さんいらっしゃいますか？」
勤務先の人「田中ですね、少々お待ち下さい」
申込者本人「はい、田中です。」
担当者「こちら消費者金融○○（○○銀行）です。生年月日をお願いします」
申込者本人「昭和○○年○月○日です」
担当者「ありがとうございました」
本人が電話に出ているので、これで在籍確認は済みます。
業者によっては、名前（フルネーム）、住所、生年月日をたずねられることがあるようです。
申込者本人が離席中、外出中などの場合
担当者「わたくし佐藤と申しますが、田中一郎さんいらっしゃいますか？」
勤務先の人「田中はただいま席を外しております」
担当者「さようでございますか。では構いませんので。失礼いたします」
この場合、勤務先の人が「離席中である」と答えています。
つまり、「在籍しているが今は席を空けている」ということになるため、これで在籍確認は完了します。
審査NGとなるパターン
続いて、在籍確認が完了せず、審査がNGとなってしまうパターンを実例で見てみましょう。
電話に出た人が「在籍していない」と答えた場合
担当者「わたくし佐藤と申しますが、田中一郎さんいらっしゃいますか？」
勤務先の人「弊社に、田中一郎という者はおりません」
担当者「さようでございますか。失礼いたしました」
この場合は「在籍していない」と答えているので、申込者が申請通りの会社には勤務していないということになり、審査NGとなってしまいます。
注意ポイント
ここで、注意すべきポイントがあります。
会社によっては個人情報保護の観点から、スタッフが在籍しているかどうかの質問に一切応じないところ、私用の電話を取り次がないとしているところ、などがあるのです。
また、取引先の会社からの電話でなければ受け付けず、不審な電話については相手の身元をしつこく確認するようなマニュアルが設けられているところさえあるそうです。
この場合、在籍確認が取れないため、カードローンの審査はNGとなってしまいます。
このような職場では個人名で電話があること自体がかなりイレギュラーであり、業者側の気配りや工夫で解決できる問題ではなくなるので、代替手段を考えたほうがいいでしょう。
その他のNGパターン
「会社の電話がつながらない」
電線の工事、料金の未払い等で会社の電話が通じないようなケース。電話が通じないと、在籍確認不可とされ、審査NGとなってしまいます。
「誰も電話に出ない」
会社が休日などで誰も電話に出られない場合、審査NGとなります。休日の予定はあらかじめカードローン会社に伝え、その日に電話をかけるのは避けてもらいましょう。
会社バレするパターン
次に、在籍確認の電話で“会社バレ”してしまう典型的なパターンを見てみましょう。
職場にキャッシングの経験者が多い
カードローンの審査の仕組みを全く知らない人と、自分も経験したことのある人・知識のある人とでは、当然気づくポイントが異なってきます。
全く知らない人なら電話1本で何も感じることはないでしょうが、電話に出た人の経験値によって勘が働いてしまうケースが考えられます。
「非通知の番号から個人名で電話があったけど、これって在籍確認？」
職場内で妙な噂をたてられたくないなら、あらかじめ代替手段を検討するか、下で紹介するような有効な「言い訳」を用意しておきましょう。
会話の内容から推測される
上で紹介した例のように、申込者本人が電話に出ることができる場合、担当者からのいくつかの質問に答えることになります。
かたわらの席に座っている同僚には、電話の相手の声は聞こえないわけですが、あなたが応対する会話の内容からこんなことを思うかもしれません。
「なんで生年月日とか住所とか答えてるんだろう？ もしかして在籍確認？」
これは実際、防ぎようがありません。在籍確認の代替手段を検討するか、下で紹介するような有効な「言い訳」を準備しておきましょう。
会社バレした際に使える有効な「言い訳」集
カードローン審査における在籍確認の電話については、基本的に申込者のプライバシーはしっかりと考慮され、業者側も非常に気をつかった対応をしてくれます。
そのため、簡単に「会社バレ」することはないのですが、やはり「100％バレない」とは言い切れない側面があります。
そこで、万が一「会社バレ」をしてしまった際に、噂の“火消し”ができるような有効な「言い訳」をいくつか準備しておくようにしましょう。
言い訳1「クレジットカードを作った
必須ではないようですが、クレジットカードを作る場合にも、勤務先に在籍確認の電話が入るケースがあります。
クレジットカードをもつのは既に普通のこととして社会的に認知されており、プレミアムなカードをステイタスとして所有する人もいます。
つまり、クレジットカードの審査ということにすれば、マイナスな印象にはなりません。
あえて先手を打って、「近いうちクレジットカードの在籍確認で電話がかかってくるかも・・・」と電話に出る可能性の高い人に伝えておくという手も考えられます。
言い訳2「車のローンを組んだ」
これも必須ではないようですが、車のローンでも在籍確認の電話がかかってくる場合があります。
車や住宅の購入でローンを組むのは一般的なことなので、同僚に疑われてしまった場合、「車のローンを組んだ」と答えれば自然な印象になるのではないでしょうか。
本人に車を買うようなイメージがあまりないような人の場合には、「家族（両親など）の車のローンを自分名義にした」「家族のカーローンの保証人になった」などとすれば、不自然な感じはなくなるでしょう。
言い訳3「何かの営業電話だね」
うっかり投資関係の営業マンや、保険の勧誘員と名刺交換してしまったりすると、勤務先に営業電話がかかってくることがあります。
こうした営業電話は、社名を名乗らず個人を装ってかけてくるケースも多いため、カードローンの在籍確認電話に対する「言い訳」として、使いやすいといえるでしょう。
同僚に「投資用マンションの営業電話がよくかかってくる」「この頃保険の勧誘がしつこくて」などと話し、事前にイメージを刷り込んでおけばより効果的です。
ただし、あまり名刺交換をしないような職種の場合は、勤務先に自分宛ての営業電話が入ることも稀なはずなので、この手は使えないかもしれません。
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