エメラダエクイティ01

エメラダは、投資銀行大手のゴールドマンサックス出身者とソニー出身者の3名が2017年11月に立ち上げた、新しいクラウドファンディングサービス会社です。

エメラダはソニー銀行によって運営されています。エメラダの特徴は、これまで金融機関や年金基金といった機関投資家だけに提供されていた未上場株式投資の機会を、個人投資家にも提供している点です。

ベンチャー企業への投資は、銀行・保険会社・証券会社・年金基金といった、いわゆる機関投資家にしか投資機会が提供されていませんでした。

これまで個人投資家の株式投資といえば上場株式の個別銘柄か投資信託、ETFといった投資機会しかありませんでした。

しかしエメラダを通じて、個人投資家で未上場株式・ベンチャー企業に投資することが可能となりました。

 

エメラダ・エクイティの基本情報と特徴

利回り 案件次第 ★★★☆☆数倍になる場合も元本が毀損する場合もある
最低出資額 14万円 ★★☆☆☆平均より少し高め
運用期間 最大10年 ★★☆☆☆案件ごとに回収時期は異なる
投資(貸付)対象 ベンチャー企業への新株予約権投資 ★★★★★業種は限定なし
運用・維持手数料 無料 ★★★★★
入金手数料(振込時) 投資家負担 ★★★☆☆一般的
出金手数料(払戻時) 無料 ★★★★★無料
配当タイミング 新株予約権を買い付けるため配当はない。新株予約権を行使し株式を売却してリターンを得る。 ★★★☆☆投資案件ごとに異なる

表中の★マーク:★が多いほど高評価

 

投資対象のジャンルは何?

エメラダのクラウドファンディングの投資対象は、将来性に魅了のあるスタートアップ・ベンチャー企業への投資となります。

これまで下記5社に投資を行っていて、特に業種は問わずに案件化しています。

  1. クラフトビール醸造会社
  2. ランニングのスマホアプリ開発会社
  3. AIによる投資アルゴリズムを提供するFintech企業
  4. グルメサイトの運営企業
  5. 外国人に特化した人材紹介会社 など

 
共通している点は、すでにいわゆるプロ投資家(VCファンド、機関投資家、エンジェル投資家等)が投資している案件に相乗りして投資をしていることです。

未上場企業は将来どのように成長するか定かではありませんし、場合によっては倒産する可能性もあります。

プロの投資家の厳しい審査をくぐり抜けて資金調達を行っている企業であれば、安心感があります。

また、VCファンドなどは投資先の経営支援や上場支援なども行っているので早期の企業成長が見込める可能性もあります。

 

投資案件の運用利回りは?

エメラダの投資案件は、一般的なソーシャルレンディングサービスのような融資ではなく株式投資です。

投資先は未上場企業となるため、投資家が資金を回収するには概ね2つのケースが考えられます。

一つは投資先企業が上場するケースです。上場した場合は、株式マーケットで時価がつくのでその値段で売却することができます。

もう一つは、投資先企業がM&Aなどで買収されるケースです。その際は買収先の企業などが、投資家の保有する株式を買い取ってくれることになります。

逆に言えば、こういった状況にならないと回収することができないことになります。

いずれのケースにせよ、投資先企業が成長を描けなければ上場もM&Aも見通すことはできません。

エメラダに投資する場合は、投資先企業の発展性・成長性に注目する必要があります。

 

投資期間は?

投資期間は案件によって異なります。というのも、前述のとおり投資先企業が上場する場合やM&Aによって買収されるタイミングがいつ訪れるのかは、投資時点ではわかりません。

しかし少なくとも数年はかかるのが一般的なベンチャー企業投資です。

10年経っても上場やM&Aなどが起こらなかった場合は、最後の1カ月で新株予約権を行使することができます。

その場合は、現物分配(投資先企業の株式を受け取ること)が行われます。10年超えた後はその株式を保有して、配当を受け取ることも可能でしょう。

投資先企業が自社株買いに応じてくれる可能性もありますが、投資先企業に義務はないため、買い取り価格は低いものとなる可能性もあります。

 

最低出資金額は比較的高め

過去の5社の投資案件については、全て最低出資金額(一口)が7万円に設定され、2口の14万円からとなっています。

5万円、または10万円を最低出資金額としているクラウドファンディングサービスも見受けられますが、エメラダの最低出資金額の設定は比較的高めに設定されているといえます。

しかし、ベンチャー企業への投資は一般的に数千万円以上の金額で行われていることを考えると、個人投資家にとって非常に間口の広い投資機会であることも事実だといえます。

 

気になる手数料は?

クラウドファンディングの手数料比較

登録・口座開設 運用 投資口座への振込み(入金) 投資口座からの払戻し(出金)
SBIソーシャルレンディング 無料 無料 投資家負担 無料
ガイアファンディング 無料 無料 投資家負担 108円から756円
クラウドクレジット 無料 案件による 投資家負担 300円+税金
オーナーズブック 無料 無料 投資家負担 300円+税金
クラウドリース 無料 無料 投資家負担 108円から756円
レンデックス 無料 無料 投資家負担 無料
ラッキーバンク 無料 無料 投資家負担 無料
マネオ 無料 無料 投資家負担 54円から432円
クラウドバンク 無料 無料 投資家負担 無料
ソニーバンクゲート 無料 無料 無料 無料
エメラダ 無料 無料 投資家負担 無料

エメラダの投資案件を利用する際にかかる手数料は、投資口座への振込手数料を除き無料となっています。

入金の手数料が派生することは一般的であるため、エメラダはコストの低い投資をすることが可能になっているということができます。

エメラダ・エクイティは株式型ですが、融資型のクラウドファンディング(ソーシャルレンディング)業者の手数料や資本金などと比較してみてたい方は「おすすめのソーシャルレンディング会社 ~ サービスや利回り、メリット、デメリットを比較」のページで詳しく解説しているので参考にしてみてください。

 

資資金の回収は、株式売却にともなうキャピタルゲイン

投資資金は、上場やM&Aといったイベントが発生した際に、新株予約権を行使して株式に転換した後に売却したことで得られるキャピタルゲインによって回収されます。

一般的に株式投資を行えば、当該企業から配当を得ることができます。しかし、新株予約権はあくまで権利であり株式そのものではないので配当は得られません

 

エメラダ・エクイティの良い点

  • 投資時点で手数料がかからず、また投資期間中にも運用報酬や管理報酬が発生しない。(新株予約権の行使には1口につき1円かかる。)
  • 各投資案件について、企業名や代表者などについて詳細な情報が提供されており、インターネット等で企業について調べることが可能
  • 投資先の企業の多くがプロ投資家から投資を受けており、一定の水準以上の企業のみがスクリーニングされている。
  • これまで個人投資家では検討できなかったベンチャー企業への株式投資が14万円から可能

 

  • 流動性が低い(中途解約ができない)
  • 投資先企業の信用(デフォルト)リスクがある
  • エメラダの信用(デフォルト)リスクがある
  • 事業が計画とおりに進まない場合や、事業の経営状況の悪化等によっては、投資資金が回収できなくなる可能性がある
  • ローンではないため、担保等は一切ないためリスクは高い

 

運用実績

  • 調達額:約2.1億円(5社6案件:公式HPの活動レポートの累計数値、2018年5月時点)

過去のファンド募集実績として、5社6案件の資金調達を行っています。募集金額はそれぞれ以下のとおりとなっています。

  • Far Yeast Brewing株式会社:46,340,000円
  • 株式会社ラントリップ:32,900,000円
  • 株式会社Smart Trade:合計76,580,000円
  • 株式会社SARAH:22,260,000円
  • WonderWall株式会社:54,810,000円

 

投資家登録の条件

エメラダに登録する場合、以下の条件を全て満たす必要があります。

  1. 口座開設時に満20歳以上75歳未満であること
  2. 日本国籍を持っている方
  3. 日本国内に居住していること
  4. エメラダの所定の口座開設審査を通過すること

 

登録から投資実行までの流れ

投資を行うあたり、まずは口座開設を行い投資家登録を完了する必要があります。

過去のエメラダの投資案件は非常に人気があり、募集開始から多数の投資家の申込が殺到するため、非常に短時間で募集が完了しています。

ファンドの募集をみて、良さそうだなと思って口座開設を行っても、口座開設には審査があり、登録完了の書類が届くのに1週間程度かかります。

1週間後には、案件の募集が終わっている可能性が高いです。エメラダに興味がある方は、現時点で投資案件が無くても投資家登録を済ませておくのが良いでしょう。

なお、投資家登録には費用はかかりません。なお、エメラダでは法人口座は今のところ対応していません

  1. 新規登録
  2. 口座開設

 

 

1.新規登録

まずは新規登録の申込を行います。公式ウェブサイトの「新規登録」というボタンから手続きを行います。

登録したメールアドレスに記載されたリンクをクリックすると、新規登録は完了です。

 

2.口座開設

新規登録が完了すると、公式ウェブサイトのマイページから、口座開設を行うことができます。

口座開設には、個人情報等の必要事項を入力と合わせて本人確認書類の提出が求められます。

本人確認書類は全てウェブサイトを通じての提出のみとなっているので、スキャンやカメラなど画像等を用意しておく必要があります。

なお、エメラダが受け付けている本人確認書類は以下のとおりです。

 

本人確認書類

  1. 運転免許証または運転経歴証明書(表面・裏面)
  2. 個人番号カードまたはパスポート(顔写真ページ・住所記載ページ・生年月日記載ページ)

 

信用できる運営会社か?

  • 社名:エメラダ株式会社
  • 本社住所:東京都千代田区麹町4-8-1 THE MOCK-UP BY PORTAL POINT 407
  • 資本金:2億2,420万円(資本準備金等を含む)
  • 代表取締役:澤村 帝我
  • 株主:ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社
  • 格付け:スタンダードアンドプアーズ社:A,安定的日本格付研究所:AA-,安定的
  • 事業内容:インターネットを活用した資金調達および投資プラットフォームの構築、運営

 

株主にはベンチャーキャピタル・ファンドが入っている

エメラダの資本金は2億円2,420万円ですが、2017年にD4V(Design for Ventures)というベンチャーキャピタルファンドを中心に金融機関等から2億円の資金調達を行っています。

D4Vは、将来の上場を期待して投資を行う投資家であるため、エメラダにはそれだけのポテンシャルがあると見込んでるということになります。

 

代表取締役はどんな方?

代表取締役の澤村氏は、野村証券の投資銀行部門、ゴールドマン・サックスを経て、エメラダを創業しています。

野村証券やゴールドマン・サックス時代に多くの企業の資金調達の案件に関わってきた経験の中で、日本の未上場企業が資金調達の手段や解決策を得られていないという問題意識が、エメラダを立ち上げたきっかけとなっているようです。

これまでの経験を活かして、日本の未上場企業の株式に個人投資家がアクセスできるようになることで、未上場企業の資金調達の手段が増やすという大きな一歩を果たしました。

 

投資対象

エメラダの投資対象は、国内の未上場企業となっています。特に業種や地域等について制限は定められていません。

しかし、ベンチャーキャピタルファンドが投資しているところに相乗りするという目線がある以上、新しいテクノロジーを活かしたプロダクトやサービスを提供する将来有望な企業が選定されています。

 

案件情報はどこまで確認できる?

エメダラ案件

案件ごとのページで、ファンドの募集条件を確認することができます。

ソーシャルレンディングサービス会社のファンドの多くは匿名組合を通じて融資を行っていることから、投資先企業については企業名をはじめとしてかなりの情報が限定されています。

しかし、エメラダは極力情報を提供して案件の募集を行っています。企業名は当然開示されていますし、代表者のインタビュー動画なども公開されています。

投資先企業についてもインターネットなどで調べることが可能です。

会社の沿革、なぜその事業をやっているのか、会社の主要メンバー、企業情報の概要などについても記載があります。

 

過去の案件の概要

Far Yeast Brewing株式会社

応募総額:46,340,000円
クラフトビール企業。経営者が海外MBAを取得した海外通で、ビールの売上の3割が海外マーケット。

 

株式会社ラントリップ

応募総額:32,900,000円
ランニングのスマホアプリ開発企業。ランニングのコースの情報のシェアやコミュニティなどをアプリで提供。

 

株式会社Smart Trade

応募総額:76,580,000円
AIを用いた株式投資・仮想通貨投資のアルゴリズムを提供するFintech企業、日本政策投資銀行のベンチャーキャピタルファンドも投資している。

 

株式会社SARAH

応募総額:22,260,000円
グルメサイトの提供会社。お店のレビューではなくメニューごとのレビューに特化。

 

WonderWall株式会社

応募総額:54,810,000円
外国人に特化した人材紹介会社。
※クラウドファンディングに関わる金商法の制限から、投資が不可能となったため投資資金は投資家に返却されています。

 

利用するうえで知っておきたいこと

税金について

一般的なクラウドファンディングに投資した場合、確定申告をする必要が生じるケースがあります。

特に定期的に配当を得られるようなタイプの投資であれば、毎年確定申告について検討する必要があります。

一方でエメラダに投資した場合は、投資時点では課税されないことを税理士法人に確認を取っているとのことで、実際にキャピタルゲインが得られるまでは税金や確定申告について考える必要はありません。

将来、投資家が投資先企業の上場やM&Aなどのために、新株予約権を譲渡して受け取る金額、もしくは行使により株式を取得しそれを売却した際に受け取る金額が、当初投資金額より多い場合は、差額について譲渡益として課税の対象になります。

譲渡所得にかかる所得税は申告分離課税となるため、各自で確定申告を行う必要があります。

 

まとめ:こんな方におすすめ

ベンチャーキャピタルファンドのようにベンチャー企業に投資したい方

エメラダの特徴は、これまで機関投資家にのみ提供されていた未上場企業への投資ができることです。

また、投資先企業について情報が色々と得られるため、企業経営者のコメントや人となりなどもチェックすることができますし、事業概要も知ることができます。

それ以上に、投資先企業のウェブサイトなどにアクセスしてさらに情報を得ることも可能です。

リターンの可能性は、他のソーシャルレンディングサービスよりもはるかに大きく、上場にたどり着けば投資金額の数倍のリターンを得られる可能性も十分あります。

リターンが高い分リスクも高くなるため、エメラダはローンではなく株式投資を行うため、投資先企業の経営が悪化した場合、回収の見込みが立たないまま10年間が経過してしまう可能性も否定できません。

最悪の場合、会社が倒産した場合は担保もないので、投資資金が全く回収できない可能性もあります。

リスクリターンには十分に気を付けて、自身の投資ポートフォリオでとれる範囲で、投資をする必要があります。

そして何より、自分の応援したい企業に投資をすることができることも、エメラダの楽しみのひとつでもあります。

実際にエメラダを通じて投資をしていた方が、その企業に惚れ込み入社したということもあるそうです。

以上のことから、未上場企業に投資をしてキャピタルゲインを得たいと考えている方、投資先企業のビジネスモデルやサービス、商品を応援したいと考えている方には、エメラダがおすすめです。

※当ページの情報(金額・数字等)は2018年5月時点のものです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。