外国債券の定義

外国債券とは、外国または外国の法人が発行する債券のことです。また、これだけでなく、外貨建ての債券や外国市場で発行される債券も、外国債券になります。払込金、利子、償還金の一部が外貨建てのものであっても、外国債券に含まれます。

そのため、外国債券は①外国または外国法人の発行する債券、②外貨建ての債券(払込金、利子、償還金の一部が外貨建てのものを含む)、③外国市場で発行された債券のいずれかになります。

これら①から③の条件のどれかに当てはまるものが外国債券のため、例えば、外国法人が日本国内で円建てで発行する債券や、国内法人が外国市場で発行する円建て債券、国内法人が日本国内で外貨建てで発行する債券なども外国債券になります。

外国債券の分類

外国債券には、国内債券同様、様々な基準での分類があります。

発行者による分類をした場合、アジア開発銀行などの国際機関が発行した債券や外国政府が発行した債券を総称しがソブリン債と、外国政府関係機関が発行する準ソブリン債、外国事業会社が発行する債券や外国の金融機関が発行する債券などに分けられます。

発行市場による分類をした場合、各国の市場で、その国の政府や企業が発行する債券の他に、その国の非居住者、つまり外国政府や外国企業、国際機関が発行する債券があります。

前に紹介したサムライ債は、日本の非居住者である国債機関や外国政府、外国企業が日本国内で発行する、円建て債券です。

このような債券は、諸外国の市場でも発行されています。

例えば、米国の非居住者が米国で発行する米ドル建て債券はヤンキー債と呼ばれています。

英国の場合はブルドック債(ポンド建て)、オーストラリアの場合はカンガルー債(豪ドル建て)、ニュージーランドの場合はカウリ債(ニュージーランドドル建て)カナダの場合はメープル債(カナダドル建て)と呼ばれています。

商品性による分類をした場合、国内債券と同じく、利付債と割引債に分けることができます。利付債については、固定利付債と変動利付債の二つに区分することができます。

発行方式による分類をした場合、公募と私募に分けることができます。なお、ユーロ市場では、私募形式で発行される債券が非常に多いことが特徴です。

外国債券の発行市場

外国債券の発行市場は、米国やユーロ市場が代表的といえ、取引量も多いのが特徴です。

米国の場合は、米国財務省証券や政府機関債、地方債、社債、投資不適格債、モーゲージ債等、幅広い種類の債券が発行され、取引されています。

特にモーゲージ債については、主要なモーゲージ債の市場は米国となっており、米国では、過去30年間でモーゲージ債の市場規模は急速に拡大しました。

ユーロの場合はさらに多種多様な形態の債券が発行されています。ユーロ市場で発行された債券は、ロンドンやルクセンブルクの証券取引所に上場されることもあります。

ユーロ市場は規制が緩く、発行条件を比較的自由に設定でき、源泉課税の対象にならないなどのメリットがあるため、仕組債や様々な形態の債券が取引きされているのです。

外国債券の取引方法

外国債券は、日本国内の証券会社などで取引できます。

取引方法は、日本国内の証券会社が投資家の注文を海外市場に取り次ぐ外国取引や、国内で、証券会社と投資家との相対取引で行う店頭取引、業者間(海外業者を含む)で行う自己取引、国内の投資家が外国の証券会社などの業者と直接取引する海外直接取引などの方法があります。

日本における外国債券の取引は、国内店頭取引が主流です。この場合、証券会社等の業者は、外国市場に注文を出すことはなく、投資家と相対で外国債券を売買します。

この場合の約定金額は、証券会社が独自に決めますが、海外市場での価格を参考にします。

外国債券の受渡しは、原則として円で行われます。ただし、外貨で行うことも可能です。

外国債券の利子や償還金等は、原則として円で支払われます。ただし、顧客が米ドルやユーロ等の外貨での受取を希望することもでき、その場合は希望した外貨で支払われます。