手持ちのカードローンが増えてしまい、ついついたくさん借りてしまったという人が陥りやすいのが、過剰な借入れによる返済過多です。
借りてしまってから気づく人も多く、気づくと多重債務者になっていたという人が少なくありません。
複数のカードを持っていて返済過多が気になるときは、借入額を減らす、金利を減らす、返済額を増やす、返済する優先順位を決めるなどの対処の方法があります。
返済の優先順位は借入額、金利、返済額
複数のカードローンの返済をするうえでまず考えるべきことは、家計の収入と支出のバランスからみて、カードローンの返済の比重が重くなりすぎていないかを確認することです。
毎月のカードローンの返済が苦しくなって、そこでまた不足分を新たなカードローンで補うという悪循環に陥っていませんか?
この悪循環から抜け出さないことには、負担は軽くなりません。少しでも負担を減らすために、返済に優先順位をつけて少しずつ解決していきましょう。
複数のカードローンを利用している人は、返済の優先順位として、①借入額を減らす、②金利を減らす(利息を減らす)、③返済額を増やす、といったステップを考えてみましょう。
借入額を減らす
返済負担を減らすには、借入額を減らすのが最優先です。借入額を減らすには、カードローンごとに優先順位をつける必要があります。
カードの種類にもよりますが、たとえば、利用限度額が同程度の銀行系(1枚)とノンバンク系(2枚)の計3枚を持っているとしたら、金利がもっとも低いと思われる銀行系の借入額を後に回し、借入額が大きいノンバンク系のカードローンの返済を優先します。
もしノンバンク系のカードのみ複数持っているときは、借入額がもっとも小さなものから返済します。
金利を減らす(利息を減らす)
金利を減らす(利息を減らす)には、借換えローンやカードローンのおまとめプランなどを利用することで軽減をはかることができます。
ただし、借換えに対応してくれるローン会社は多くありませんし、借換えの条件をしっかりと調べたうえで慎重に検討する必要があります。
返済額を増やす
ローンの返済には、利用限度額に応じて最低返済額が設定されています。最低返済額だけで返済すると毎月の負担は軽減できますが、返済期間が長期にわたるため、かえって利息がついて総額で見ると負担増となってしまいます。
できるだけ最低返済額よりも多めに返済することを心がけることが必要です。
また、約定返済だけでは元金がなかなか減りませんから、余裕資金で臨時返済(随時返済)をして、できるだけ元金を減らしていくようにします。
返済例と返済額のシミュレーション
複数のカードを持っているとき、もっとも効率的な返済方法のひとつが複数のカードローンをひとまとめにする「借換えローン」や「おまとめローン」です。
通常、ノンバンク系のカードローンについては総量規制の対象になりますが、借換えやおまとめで借換え前の金利が減少するとか、返済額の総額が借換え前より少なくなるといった一定の条件を満たせば、総量規制の対象にはならないとされています。
ここで、返済例をみてみましょう。年収300万円の人が年収の3分の1にあたる100万円を、ノンバンク系のローン会社3社からそれぞれ50万円(年利17%)、30万円(年利17.5%)、20万円(年利18%)で借りていたとき、これを100万円の借換えローンにしたらどうなるでしょう。
借換え前(残高スライドリボ払い)
借入額(金利) | 毎月最低返済額 | 返済総額 | 利息総額 | 返済月数 |
20万円(18%) | 8,000円 | 252,540円 | 52,540円 | 32ヵ月 |
30万円(17.5%) | 11,000円 | 385,215円 | 85,215円 | 36ヵ月 |
50万円(17%) | 13,000円 | 727,416円 | 227,416円 | 56ヵ月 |
合計 | – | 1,365,171円 | 365,171円 | – |
借換え後(元利均等払い)
借入額(金利) | 毎月返済額 | 返済総額 | 返済月数 |
100万円(15%) | 約34,500円 | 約125万円 | 36ヵ月 |
100万円(15%) | 約32,500円 | 約129万円 | 40ヵ月 |
返済総額・利息分の差額

上記の条件をもとに計算してみると、借換え前と後で毎月ほぼ同額の返済額であったとしても、返済総額では借換えプランのほうが圧縮できることがわかります。
金利が比較的低い銀行系のローン会社に借換えできればさらにお得感はありますが、申込条件が厳しいこともあるので、必ずしも借換えできるとは限りません。
複数のカードローンを利用している人は、借換えなどの件も含めて、一度ローン会社に相談してみることをおすすめします。