収入がない主婦(主夫)は、「借入れは年収の3分の1まで」という貸金業法の「総量規制」で借入れ専業主婦(主夫)のカード利用の注意点専業主婦(主夫)のカード利用の注意点専業主婦(主夫)のカード利用の注意点が難しくなっています。

ただし「配偶者と併せた年収の3分の1以下までは借りられる」といった例外規定もあります。収入がない主婦(主夫)でもカードローンで借入れできるケースを紹介します。

銀行カードローンは総量規制対象外

現在、個人がカードローンで借入れできる金額の上限は、年収の3分の1までとなっています。これは1980年代から90年代にかけて返しきれないほどの借金を抱えてしまう多重債務者が社会問題化したために、貸金業法という法律で総量規制として新たに定められたものです。

「じゃあ、収入がない専業主婦(主夫)はお金が借りられないの?」と心配になる人もいるかもしれません。そこで、専業主婦(主夫)でも借りられるカードローンとその注意点について整理しておきましょう。
※以下、主婦の表記には、主夫も含めます。

総量規制は貸金業者からの借入れを対象としているため、銀行や信用金庫、信用組合、労働金庫などの金融機関のカードローンは対象外です。

そのため銀行のカードローンには年収の3分の1までという制約はなく、収入がない専業主婦でも借りられる可能性があります。

貸金業者とは、具体的には消費者金融やクレジットカード会社を指します。クレジットカードを利用したキャッシングの借入れは総量規制の対象となりますが、クレジットカードでのショッピングの金額については総量規制の対象にはなりません。

専業主婦が借りられるワケ

では総量規制がないからといって、収入がない専業主婦が銀行のカードローンを利用できるのはなぜでしょうか。あるローン会社の専業主婦の申込条件は次のとおりです。
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配偶者の収入が安定していれば借入れをする本人の運転免許証だけで、配偶者の同意がなくても、30万円まで借入れ可能、ということです。

なぜ配偶者の収入を証明しなくても配偶者の安定収入がわかるのか不思議ですが、おそらく銀行にとっては、少額の融資のために手間をかけて配偶者の収入を証明する手続きを行うより、専業主婦でパートもアルバイトもしていない時点で配偶者には安定収入がある、と判断するのが合理的ということでしょう。

少しでも収入があれば配偶者貸付

総量規制には「配偶者と併せた年収の3分の1以下までは借りられる」という配偶者貸付に関する例外規定があります。

たとえば、夫の年収が250万円、妻の年収が50万円のとき、妻は夫(配偶者)の年収と併せて、300万円の3分の1、すなわち上限100万円の借入れが可能です。

ただし、このケースの申込み手続きでは、夫の同意書と夫婦であることを証明する住民票などの提出が必要になります。したがって『夫に秘密で借りる』というわけにはいきません。

また、消費者金融などでは書類確認に手間がかかることなどから、配偶者貸付を行っていないところが多いのが現状です。

パートやアルバイトや派遣社員でも借りられる

パートやアルバイトなどで、少しでも収入があるなら、配偶者貸付ではなくて、本人の単独名義でカードローンが借りられないの? と思うかもしれません。

カードローンの申込みは、原則として「満20歳以上」「安定した収入」が条件になります。ローン会社によって基準は異なりますが、「パート、アルバイト、派遣社員でもOK」「主婦や学生でもOK」と明示している会社もあります。

1年以上の安定した収入があって、申込みの条件にあてはまるときは、本人の収入だけで10万円、30万円など少額な範囲内で借入れできる可能性があります。個別にローン会社に確認してみましょう。

見出し5:専業主婦が延滞したとき
専業主婦が、カードローンを利用し続けて、いつの間にか返しきれず延滞してしまったらどうなるのでしょうか。

専業主婦が延滞すると、配偶者に督促の連絡がいくのでは?と心配になりますね。しかし、実際には配偶者貸付のように配偶者が「同意書」を提出していたり、「保証人」や「連帯保証人」になっていたりしなければ、配偶者が直接督促を受けることはありません。

ただし、借入れした本人には電話で督促がきます。この段階で返済しておけば問題ありませんが、無断の延滞が続くと督促状が自宅に届き、その時点で配偶者や家族の知るところとなるでしょう。

それでも無断で延滞を続けていると、個人信用情報機関に延滞履歴が登録されてしまいます。いわゆるブラックリスト(事故者リスト)というもので、ここに載ってしまうと、5年間は新たにお金を借りることが難しくなってしまいます。

また、延滞すると年率20%の遅延損害金がかかります。たとえば、30万円を借りていると1日の遅延損害金は約164円となります。

そもそも収入がない専業主婦が、家計のやりくりが苦しくてカードローンを申込んでいるということであれば、ゆとりのない家計費からさらに遅延損害金まで払うのは至難の業です。

専業主婦の場合、自分に収入がない分、慎重に返済計画を立ててからカードローンを申込む必要があることはいうまでもありません。