自営業者はサラリーマンに比べて収入が安定しないため、個人向けのカードローンの審査が通りにくいことがあります。そんなとき簡単な審査でスピーディーに対応してくれる事業者向けのカードローンは強い味方です。
自営業者の不時の出費とカードローン
自営業者がカードローンを利用したいときは、個人の立場で一般のカードローンに申し込む方法と、自営業者の立場で事業資金として申し込む方法があります。
一般のカードローンの申込みは「自営業者OK」をうたっているローン会社もありますが、「給与所得者」が条件になっていることが多いのというのが現状です。
自営業者は、仕入れに費用が発生してから商品やサービスを販売して売上金が入るまでにはタイムラグがあるため、その間の運転資金に困ることがあります。
仕入れ先への支払いや、従業員への給与の支払い、借入れの返済など、売上金が入る前にまとまったお金が必要なこともあります。
支払いや返済が時間的、資金的に余裕があれば、銀行や公的機関からの低利の借入れで対応できますが、突然の支払いでは借入れが間に合わないこともあります。
そんな急場をしのぐために、自営業者は事業者向けのカードローンを利用することができます。
事業者向けのカードローンは、銀行系や消費者金融系のローン会社で取り扱かっています。銀行系の事業者向けカードローンは借入限度額が大きく金利も低いのですが、即日融資というわけにはいかず、準備する書類や審査も厳しくなりがちです。
それに対して消費者金融系や事業者向け専門のローン会社のカードローンは、金利は高めですが、簡単な手続きと審査でスピーディーに対応してくれます。
自営業者のローン審査
事業資金を目的とした借入れは、一般のカードローンの借入れと必要な書類や審査の基準が異なります。
申込みをするときは運転免許証など本人を確認する書類はもちろん必要ですが、確定申告書や発注書、受注書など収入を証明する書類や、事業の実態を証明する書類も必要になります。
また、赤字経営だと審査が通りにくくなるため、収入が順調な黒字経営のときに申込みをして審査を通しておくことも一つの方法です。
自営業者向けのカードローンの特徴と申込みや審査の基準について表にまとめました。
ローン会社A社 | ローン会社B社 | ローン会社C社 | |
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特徴 | ・即日融資可能なスピード審査 | ・経営者・個人事業主専用 | ・来店不要で即日融資可能 |
・事業資金に限らずプライベートな資金でも利用可能 | ・即時振込みなどスピーディーに対応 | ・保証料や年会費無料 | |
・全国の自社ATMや提携ATMで利用可能 | ・全国のコンビニで利用可能 | ・無担保・保証人なしで最高1,000万円まで融資可能 | |
・自営業者専用 | ・個人事業主のみ総量規制の対象外 | ・使いみち自由 | |
・全国の提携ATM利用 | |||
申込限度額 | 300万円まで | 500万円まで | 1,000万円まで(新規利用は500万円まで) |
実質年率 | 6.3%~17.8% | 6.0%~17.8% | 8.0%~18% |
申込可能年齢 | 20歳~65歳 | 20歳~69歳 | 20歳~69歳 |
申込時に必要な書類 申込の条件 |
・本人確認書類(運転免許証など) | ・本人確認書類(運転免許証など) | ・法人または個人事業主 |
・収入確認書類(確定申告書・青色決算申告書など) | ・収入確認書類(確定申告書・青色決算申告書など) | ・法人代表者の本人確認・法人の登記簿謄本 | |
・事業実態を明らかにする書類(営業許可証・発注書・受注書など) | ・業歴1年以上の個人事業主、法人格の代表者 | ・2期分の決算書 | |
・自営業者は本人確認書類と2期分の確定申告書 | |||
審査のポイント | ・確定申告を行っていること | ・ケースにより事業計画書や収支計画、資金計画の提出が必要 | ・2年以上事業を続けている実績が必要 |
・黒字経営であること | ・法人は代表者の連帯保証が必要 | ||
・事業の実態が確認できることなど |
確定申告などで経営状態を確認した結果、カードローンの発行が難しいと判断されると、事業計画書などの提出が必要になることもあります。
また、事業が赤字経営になっていないか、税金を滞納せずに支払っているか、事業が今後も継続されていくかも審査の対象となります。
一方、書類に不備がなければ、スピード対応で、即日融資が可能なローン会社も複数あります。ただし、簡単に借りられるローンの金利は6%~18%と高めになります。
自営業者とカードローン利用の注意点
自営業者は事業資金と個人の生活資金の区分けが難しく、運転資金が足りないときにはつい個人の生活資金から事業資金を出してしまうことがあります。
また、資金繰りがよいときであれば個人向け、事業者向け両方のカードローンの審査に通る可能性があるため、そうなると限度額が大きくなりがちです。
短期間の資金繰りのために申込んでおいたカードローンも、支払いに追われると繰り返し使うようになり、返済が終わらないうちにまた次の借入れをしてしまうということにもなりかねません。
自営業者にとって、仕入れ先の支払いや借入れの返済を滞らせないということは信用上最も重要なことです。そのための一時的なカードローン利用は大きなメリットです。
しかし、売上げの入金予定など返済の見通しを立てながら短期間で返済していくのが自営業者のカードローン利用の鉄則です。事業を続けていくためにも、決して返す見込みのない借入れをしないように、計画的な利用を心がけましょう。