カードローンやクレジットを利用すると、個人信用情報機関にその契約内容や返済状況が記録され、新たにローンやクレジットの申込みをしたときの審査で、その情報が利用されます。個人の信用情報がどのような機関にどのように記録され、いつまで保存されるのかを整理しておきましょう。

代表的な個人信用情報機関

シー・アイ・シー(CIC)

クレジットカード会社、ローンを取り扱う銀行、一部の消費者金融が主な加盟会社です。

日本信用情報機構(JICC)

加盟社の6割は消費者金融で、クレジット会社、リース会社、銀行、保証会社など加盟会社の業種が幅広いのが特徴です。

全国銀行個人信用情報センター

全国銀行協会が設置運営している機関です。地銀、信用金庫、信用組合、農協など中小の金融機関から都銀信託銀行まで、銀行系の金融機関はほぼ加盟しています。他にも保証会社やローン会社なども加入しています。

様々な金融商品を扱う金融機関は3つすべての機関に加盟している場合もありますが、すべてに加盟していなくても、3つの機関の情報はシステムで共有されています。

どんな情報がいつまで保存される?

それでは、個人信用情報機関にはどのような情報がいつまで保存されているのでしょうか。以下の表にまとめてみました。

(図表)登録される個人信用情報

登録情報 主な情報項目 登録期間
申込情報 氏名・生年月日・郵便番号・電話番号等、照会日・商品名・契約予定額・支払予定回数・照会会社名等 照会日より6カ月
本人情報 氏名・生年月日・性別・郵便番号・住所・電話番号・勤務先名・勤務先電話番号・公的資料番号等 下記の情報のいずれかが登録されている期間
契約内容情報 契約日・契約の種類・商品名・支払回数・契約金額・保証額等契約終了予定日・登録会社名等 契約期間中および延滞解消後5年間。JICCは延滞解消から1年。全国銀行個人信用情報センターは破産から10年
返済状況 報告日・残債額・請求額・入金額・入金日・延滞、保証履行、破産の有無とその発生日・延滞解消日・終了状況等
取引事実に関する情報(JICC) 債権回収・債務整理・保証履行・強制解約・破産申立・債権譲渡等 発生日から5年。(債権譲渡は1年)
不渡り情報 1回目は6カ月。取引停止処分は5年
(全国銀行個人信用情報センター)
照会記録情報 加盟会員がクレジットカードやローンの支払い能力調査のために紹介した事実を表す記録 CICは6カ月。全国銀行個人信用情報センターは1年

個人信用情報機関には、ローンやクレジットの審査に関するさまざまな情報が登録されていますが、延滞情報の登録期間が延滞解消から5年間というのは案外長いなと思われる方も多いのではないでしょうか。

ついうっかり入金を忘れただけで、5年もの間自分の信用情報に事故歴が記録されるというのは避けたいところです。

返したと思っても気を付けておきたいこと

カードローンに関する個人信用情報でひとつ気をつけておきたいのは、「包括契約」についてです。

住宅ローンや自動車ローンなどは「個別契約」ですので、一つのローンを完済すればその契約は終了します。しかし、カードローンは「包括契約」となっていて、一度契約したらその範囲内でいつでも借入れできる契約です。完済しても契約は継続し、解約してはじめて終了します。

たとえば、包括契約の借入限度額が100万円だったとすると、完済していたとしても審査上は100万円の借入れがあるとみなされることがあります。

個人信用情報に傷をつけないように

延滞や強制解約、自己破産などの情報が残っていると、新たなローンやクレジットの審査に通ることは難しくなります。

若い頃に気軽にカードローンを使い続けて、気づいたら返済が滞っていた、ということになると、将来結婚して家を買おうと思ったとき、収入はあるのに住宅ローンの審査に通らない、または金利の条件が悪くなって毎月の返済額が上がってしまった、ということにもなりかねません。

また、個人信用情報に問題があって審査に通らないため、短期間にたくさんのローン会社に審査を依頼するのも条件が悪くなることがあります。教育資金や住宅資金の借入れなど将来の計画も考えて、完済して使う予定がなくなったカードローンは必ず解約しておきましょう。